JPH0578352A - 1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶体および該結晶体の製造方法 - Google Patents
1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶体および該結晶体の製造方法Info
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- JPH0578352A JPH0578352A JP41615390A JP41615390A JPH0578352A JP H0578352 A JPH0578352 A JP H0578352A JP 41615390 A JP41615390 A JP 41615390A JP 41615390 A JP41615390 A JP 41615390A JP H0578352 A JPH0578352 A JP H0578352A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−
キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピ
ペラジン塩酸塩の、吸湿性が小さく安定性に優れた結晶
体(結晶A−2型体および結晶A−3型体)を提供す
る。 【構成】テラゾシン・ベースを出発物質として、各結晶
間の相互の転移現象を利用して得ることができる。
キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピ
ペラジン塩酸塩の、吸湿性が小さく安定性に優れた結晶
体(結晶A−2型体および結晶A−3型体)を提供す
る。 【構成】テラゾシン・ベースを出発物質として、各結晶
間の相互の転移現象を利用して得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1−(4−アミノ−6,
7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テト
ラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶体お
よび該結晶体の製造方法に関する。
7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テト
ラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶体お
よび該結晶体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】1−(4
−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−
4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩は
次式(化1)により表され、塩酸テラゾシンの一般名で
知られる血圧降下剤として有用な化合物である。
−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−
4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩は
次式(化1)により表され、塩酸テラゾシンの一般名で
知られる血圧降下剤として有用な化合物である。
【化1】
【0003】本化合物の無水塩基は、例えば特公平2−
31078号公報に記載されており、また塩酸塩2水化
物も同公報で開示されている。本化合物の無水物や塩酸
塩2水化物を医薬品として使用する場合、製錠上の問題
として、本化合物の無水物は吸湿性を有するため、製錠
前に多量に貯蔵した場合、不安定であるがこれに対し
て、本化合物の2水化物は吸湿性が小さいことから、よ
り正確な製錠操作に適応し、かつ極めて物理的安定性が
あり、また薬剤含量分析が容易となる旨の報告がなされ
ている(特公平2−31078号公報)。 しかしなが
ら、2水化物を医薬品として用いる場合、結晶粒子径が
粗く、均一に一定量を含有する製剤の製造が困難であ
り、又、昼光中、一ヵ月保存した場合に、吸湿により着
色してくる等の問題が指摘されている。従って、2水化
物以外のもので、平均粒子径がより小さくて化学的、物
理的及び長期保存下においても湿度に対する安定性に優
れた結晶体を見い出すことが要請されているが、未だ見
い出されていないのが実情である。
31078号公報に記載されており、また塩酸塩2水化
物も同公報で開示されている。本化合物の無水物や塩酸
塩2水化物を医薬品として使用する場合、製錠上の問題
として、本化合物の無水物は吸湿性を有するため、製錠
前に多量に貯蔵した場合、不安定であるがこれに対し
て、本化合物の2水化物は吸湿性が小さいことから、よ
り正確な製錠操作に適応し、かつ極めて物理的安定性が
あり、また薬剤含量分析が容易となる旨の報告がなされ
ている(特公平2−31078号公報)。 しかしなが
ら、2水化物を医薬品として用いる場合、結晶粒子径が
粗く、均一に一定量を含有する製剤の製造が困難であ
り、又、昼光中、一ヵ月保存した場合に、吸湿により着
色してくる等の問題が指摘されている。従って、2水化
物以外のもので、平均粒子径がより小さくて化学的、物
理的及び長期保存下においても湿度に対する安定性に優
れた結晶体を見い出すことが要請されているが、未だ見
い出されていないのが実情である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本化合物には各種
の結晶型が存在し、その中には平均粒子径が小さく、ま
た吸湿性が小さく、安定性に優れた無水物結晶型が存在
することを見い出し、さらに研究を重ねて本発明を完成
するに至った。
を解決するために鋭意検討した結果、本化合物には各種
の結晶型が存在し、その中には平均粒子径が小さく、ま
た吸湿性が小さく、安定性に優れた無水物結晶型が存在
することを見い出し、さらに研究を重ねて本発明を完成
するに至った。
【0005】即ち、本発明の要旨は1−(4−アミノ−
6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−
テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶
体である、結晶A−2型体および結晶A−3型体、およ
びその製造方法に関する。本化合物の各種の結晶体に
は、本発明の結晶A−2型体および結晶A−3型体のほ
かに結晶M型体、結晶A−1型体、結晶A−4型体、結
晶A−5型体、結晶A−6型体が存在する。これらの結
晶体の特性を次に示す。
6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−
テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶
体である、結晶A−2型体および結晶A−3型体、およ
びその製造方法に関する。本化合物の各種の結晶体に
は、本発明の結晶A−2型体および結晶A−3型体のほ
かに結晶M型体、結晶A−1型体、結晶A−4型体、結
晶A−5型体、結晶A−6型体が存在する。これらの結
晶体の特性を次に示す。
【0006】(1)X線回析法 X線粉末回析パターンをNi箔フィルターをしたCu放
射装置、およびシンチレーションカウンター検出器を備
えたシーメンス(Siemens)回析装置によって得た。ビー
ムの強さは、角度2θの関数として1分間当たり1度の
走査速度で記録した。各種の結晶体の特徴的な回析図
(ディフラクトグラム) を図1〜図7に示した。また、
それぞれの特徴的ピーク (“2θ度”として表わした)
は、表1に示した。
射装置、およびシンチレーションカウンター検出器を備
えたシーメンス(Siemens)回析装置によって得た。ビー
ムの強さは、角度2θの関数として1分間当たり1度の
走査速度で記録した。各種の結晶体の特徴的な回析図
(ディフラクトグラム) を図1〜図7に示した。また、
それぞれの特徴的ピーク (“2θ度”として表わした)
は、表1に示した。
【表1】
【0007】(2)示差熱分析 各種の結晶体の試料約2mgをDSC−200示差熱分
析機で、1分間当たり10℃の加熱速度で分析した。そ
の結果を表2に示した。
析機で、1分間当たり10℃の加熱速度で分析した。そ
の結果を表2に示した。
【表2】
【0008】(3)吸湿性 水分吸収は、製錠上問題が生じるため、各種の結晶体に
ついて相対的吸湿性について検討した。試験方法は、各
結晶形の試料をふたをしないシャーレーに入れ、40
℃、相対湿度75%に維持した室内に30日間貯蔵し、
定期的に一部をとり出し、カール・フィッシャー法によ
り水分含量の測定を行なった。吸湿性はこれらの条件
下、30日間貯蔵した場合に水分含量が1%を越えない
ものを非吸湿結晶であると判断した。その結果を図8に
示したが、結晶A−2型体および結晶A−3型体は非吸
湿性結晶であることがわかった。
ついて相対的吸湿性について検討した。試験方法は、各
結晶形の試料をふたをしないシャーレーに入れ、40
℃、相対湿度75%に維持した室内に30日間貯蔵し、
定期的に一部をとり出し、カール・フィッシャー法によ
り水分含量の測定を行なった。吸湿性はこれらの条件
下、30日間貯蔵した場合に水分含量が1%を越えない
ものを非吸湿結晶であると判断した。その結果を図8に
示したが、結晶A−2型体および結晶A−3型体は非吸
湿性結晶であることがわかった。
【0009】(4)平均粒子径 各種の結晶体の平均粒子径について、島津社製のレーザ
ー回折式粒度分布測定装置(SALD−1100)を用
いて測定した。結晶A−2型体および結晶A−3型体
は、いずれも約10ミクロンであるが、その他の結晶体
は20〜100ミクロンとやや大きめであった。
ー回折式粒度分布測定装置(SALD−1100)を用
いて測定した。結晶A−2型体および結晶A−3型体
は、いずれも約10ミクロンであるが、その他の結晶体
は20〜100ミクロンとやや大きめであった。
【0010】次に、本発明の結晶体の製造方法について
は、以下に詳細に述べるが、これらの各種の結晶体につ
いての結晶生成の関係を図9に図解した。即ち、各種の
結晶体を得るには、まず1−(4−アミノ−6,7−ジ
メトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒド
ロフロイル)ピペラジン(以下、テラゾシン・ベ−スと
略す)を出発物質として各結晶間の相互の転移現象を利
用して容易に製造することができる。
は、以下に詳細に述べるが、これらの各種の結晶体につ
いての結晶生成の関係を図9に図解した。即ち、各種の
結晶体を得るには、まず1−(4−アミノ−6,7−ジ
メトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒド
ロフロイル)ピペラジン(以下、テラゾシン・ベ−スと
略す)を出発物質として各結晶間の相互の転移現象を利
用して容易に製造することができる。
【0011】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−
2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジンは公知の方法により製造することがで
き、例えば4−アミノ−2−(1−ピペラジル)−6,
7−ジメトキシキナゾリンとテトラヒドロフロイルクロ
ライドをトリエチルアミン、塩化メチレン等の溶媒の存
在下において反応させて製造することできる。
2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジンは公知の方法により製造することがで
き、例えば4−アミノ−2−(1−ピペラジル)−6,
7−ジメトキシキナゾリンとテトラヒドロフロイルクロ
ライドをトリエチルアミン、塩化メチレン等の溶媒の存
在下において反応させて製造することできる。
【0012】結晶M型体を得るには、テラゾシン.ベ−
スをメタノ−ル及び塩化メチレン等の溶媒中で懸濁さ
せ、この懸濁液中にメタノ−ル塩酸を室温又は加熱還流
下で溶解させ、次いで反応混合物を濾過し、濾液を常圧
又は減圧下で塩化メチレンを留去する。室温迄冷却後、
同温度あるいは還流下で、メタノ−ル包接化合物である
M型体の結晶が形成されるまで攪拌したのち濾別し、減
圧下約60℃で乾燥することにより、結晶M型体を得る
ことができる。また、結晶M型体は塩酸テラゾシンの水
和物、あるいは無水物(A−1〜A−6)をメタノ−ル
中塩酸テラゾシンの水和物の加熱還流下、あるいは無水
物(A−1〜A−6)の室温又は加熱還流下に懸濁させ
ることによっても容易に得ることができる。
スをメタノ−ル及び塩化メチレン等の溶媒中で懸濁さ
せ、この懸濁液中にメタノ−ル塩酸を室温又は加熱還流
下で溶解させ、次いで反応混合物を濾過し、濾液を常圧
又は減圧下で塩化メチレンを留去する。室温迄冷却後、
同温度あるいは還流下で、メタノ−ル包接化合物である
M型体の結晶が形成されるまで攪拌したのち濾別し、減
圧下約60℃で乾燥することにより、結晶M型体を得る
ことができる。また、結晶M型体は塩酸テラゾシンの水
和物、あるいは無水物(A−1〜A−6)をメタノ−ル
中塩酸テラゾシンの水和物の加熱還流下、あるいは無水
物(A−1〜A−6)の室温又は加熱還流下に懸濁させ
ることによっても容易に得ることができる。
【0013】結晶A−1型体は、前記の方法により得ら
れた結晶M型体を常圧又は減圧下、通常約110〜13
0℃にて乾燥することにより得ることができる。
れた結晶M型体を常圧又は減圧下、通常約110〜13
0℃にて乾燥することにより得ることができる。
【0014】本発明の結晶A−2型体は、前記の方法に
より得られた結晶A−1型体をエタノ−ル中又はエタノ
−ルと塩化メチレン等の溶媒中、加熱環流下攪拌した
後、室温迄冷却し、濾別することにより得ることができ
る。
より得られた結晶A−1型体をエタノ−ル中又はエタノ
−ルと塩化メチレン等の溶媒中、加熱環流下攪拌した
後、室温迄冷却し、濾別することにより得ることができ
る。
【0015】本発明の結晶A−3型体は結晶M型体、種
々の結晶A型体(A−1,A−2,A−4,A−5,A
−6)又は塩酸テラゾシン水和物を炭素数5〜7の脂肪
族または脂環式アルコ−ル性溶媒中、加熱環流下約12
5〜160℃の温度範囲で結晶A−3型体の形成が実質
的に完了するまで攪拌したのち、室温迄冷却し、濾別す
る。得られる結晶を塩化メチレン300mlにて、室温
下1時間リパルプを行い濾別し、減圧下約60℃で乾燥
することにより結晶A−3型体を得ることができる。好
ましいアルコ−ル性溶媒としてはイソアミルアルコ−
ル、n−ペンタノ−ル、2−メチル−1−ブタノ−ル、
シクロペンタノ−ル、1−メチルシクロペンタノ−ル、
2−メチルシクロペンタノ−ル、シクロヘキサノ−ル、
1−メチルシクロヘキサノ−ル、2−メチルシクロヘキ
サノ−ル、2−メチル−3ペンタノ−ル、4−メチル−
1−ペンタノ−ル、2−メチル−3−ヘキサノ−ル、2
−メチル−2−ヘキサノ−ル、シクロヘプタノ−ル等が
あり、これらの中でも特に好適なものはイソアミルアル
コ−ルである。
々の結晶A型体(A−1,A−2,A−4,A−5,A
−6)又は塩酸テラゾシン水和物を炭素数5〜7の脂肪
族または脂環式アルコ−ル性溶媒中、加熱環流下約12
5〜160℃の温度範囲で結晶A−3型体の形成が実質
的に完了するまで攪拌したのち、室温迄冷却し、濾別す
る。得られる結晶を塩化メチレン300mlにて、室温
下1時間リパルプを行い濾別し、減圧下約60℃で乾燥
することにより結晶A−3型体を得ることができる。好
ましいアルコ−ル性溶媒としてはイソアミルアルコ−
ル、n−ペンタノ−ル、2−メチル−1−ブタノ−ル、
シクロペンタノ−ル、1−メチルシクロペンタノ−ル、
2−メチルシクロペンタノ−ル、シクロヘキサノ−ル、
1−メチルシクロヘキサノ−ル、2−メチルシクロヘキ
サノ−ル、2−メチル−3ペンタノ−ル、4−メチル−
1−ペンタノ−ル、2−メチル−3−ヘキサノ−ル、2
−メチル−2−ヘキサノ−ル、シクロヘプタノ−ル等が
あり、これらの中でも特に好適なものはイソアミルアル
コ−ルである。
【0016】結晶A−4型体は、塩酸テラゾシン水和物
をトルエン中、共沸脱水し、次いで室温迄冷却し、濾別
し減圧下約80℃で乾燥することにより得ることができ
る。
をトルエン中、共沸脱水し、次いで室温迄冷却し、濾別
し減圧下約80℃で乾燥することにより得ることができ
る。
【0017】結晶A−5型体は、塩酸テラゾシン水和物
をアセトン中、加熱還流下攪拌したのち室温迄、冷却
し、濾別し、減圧下約80℃で乾燥することにより得る
ことができる。
をアセトン中、加熱還流下攪拌したのち室温迄、冷却
し、濾別し、減圧下約80℃で乾燥することにより得る
ことができる。
【0018】結晶A−6型体は、テラゾシン.ベ−スを
エタノ−ル及び塩化メチレン中で懸濁させ、該懸濁液に
室温又は加熱還流下でエタノ−ル塩酸を滴下して反応さ
せ、溶解後濾過し、濾液を常圧下、塩化メチレンを留去
する。冷却後、濾過し、減圧下約60℃で乾燥すること
により得ることができる。このようにして得られた本発
明の結晶A−2型体および結晶A−3型体は、平均粒子
径も小さく吸湿性の低いものであるため、医薬品として
使用する場合において製錠上価値の高いものである。
エタノ−ル及び塩化メチレン中で懸濁させ、該懸濁液に
室温又は加熱還流下でエタノ−ル塩酸を滴下して反応さ
せ、溶解後濾過し、濾液を常圧下、塩化メチレンを留去
する。冷却後、濾過し、減圧下約60℃で乾燥すること
により得ることができる。このようにして得られた本発
明の結晶A−2型体および結晶A−3型体は、平均粒子
径も小さく吸湿性の低いものであるため、医薬品として
使用する場合において製錠上価値の高いものである。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。
【0020】製造例1 1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリ
ニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン
(テラゾシン・ベ−ス)の製造:4−アミノ−2−(1
−ピペラジル)−6,7−ジメトキシキナゾリン(37.6
g,0.13 M )とトリエチルアミン(15.8g, 0.156
M)を塩化メチレン400ml中に加え、冷却した。テ
トラヒドロフロイルクロライド(21.0g ,0 .156M )を
滴下したのち、室温下2時間攪拌した。溶媒を減圧下留
去後、残溜にメタノ−ル200mlとアセトン200m
lを加え、30分間加熱環流したのち、0℃まで冷却後
濾過し、主成分48.1g(収率、95.5%)を得た。
ニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン
(テラゾシン・ベ−ス)の製造:4−アミノ−2−(1
−ピペラジル)−6,7−ジメトキシキナゾリン(37.6
g,0.13 M )とトリエチルアミン(15.8g, 0.156
M)を塩化メチレン400ml中に加え、冷却した。テ
トラヒドロフロイルクロライド(21.0g ,0 .156M )を
滴下したのち、室温下2時間攪拌した。溶媒を減圧下留
去後、残溜にメタノ−ル200mlとアセトン200m
lを加え、30分間加熱環流したのち、0℃まで冷却後
濾過し、主成分48.1g(収率、95.5%)を得た。
【0021】製造例2 結晶M型体の製造:製造例1で得られたテラゾシン・ベ
−ス40gとメタノ−ル400mlと塩化メチレン40
0mlとを仕込み、この懸濁液中に、20%メタノ−ル
−塩酸19.8gを滴下し、溶解後濾過し濾液を減圧下、塩
化メチレンを留去した。次いで室温迄冷却後、同温度に
て3時間攪拌したのち、濾別し、減圧下60℃で乾燥し
て結晶M型体43gを得た。 元素分析値: 計算値 C,52.7; H,6.6; N,15.4; Cl,7.8 実測値 C,52.5; H,6.5; N,15.4; Cl,7.9
−ス40gとメタノ−ル400mlと塩化メチレン40
0mlとを仕込み、この懸濁液中に、20%メタノ−ル
−塩酸19.8gを滴下し、溶解後濾過し濾液を減圧下、塩
化メチレンを留去した。次いで室温迄冷却後、同温度に
て3時間攪拌したのち、濾別し、減圧下60℃で乾燥し
て結晶M型体43gを得た。 元素分析値: 計算値 C,52.7; H,6.6; N,15.4; Cl,7.8 実測値 C,52.5; H,6.5; N,15.4; Cl,7.9
【0022】製造例3 結晶A−1型体の製造:製造例2により得た結晶M型体
を減圧下110〜130℃にて乾燥することにより結晶
A−1型体40gを得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.8; H,6.2; N,16.4; Cl,8.3
を減圧下110〜130℃にて乾燥することにより結晶
A−1型体40gを得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.8; H,6.2; N,16.4; Cl,8.3
【0023】実施例1 結晶A−2型体の製造:製造例3により得た結晶A−1
型体40gとエタノ−ル400mlと塩化メチレン20
mlとを仕込み還流下、4時間攪拌したのち、室温迄冷
却し、濾別することにより、結晶A−2型体38gを得
た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.5; H,6.1; N,16.2; Cl,8.6
型体40gとエタノ−ル400mlと塩化メチレン20
mlとを仕込み還流下、4時間攪拌したのち、室温迄冷
却し、濾別することにより、結晶A−2型体38gを得
た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.5; H,6.1; N,16.2; Cl,8.6
【0024】実施例2 結晶A−3型体の製造:製造例3の方法に従って得られ
た結晶A−1型体34gをイソアミルアルコ−ル中、還
流下4時間攪拌したのち、室温迄冷却し、濾別した。結
晶を塩化メチレン300mlにて室温下1時間リパルプ
を行い、濾別し減圧下60℃で乾燥することにより、結
晶A−3型体を32g得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.8; H,6.2; N,16.4; Cl,8.4
た結晶A−1型体34gをイソアミルアルコ−ル中、還
流下4時間攪拌したのち、室温迄冷却し、濾別した。結
晶を塩化メチレン300mlにて室温下1時間リパルプ
を行い、濾別し減圧下60℃で乾燥することにより、結
晶A−3型体を32g得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.8; H,6.2; N,16.4; Cl,8.4
【0025】製造例4 結晶A−4型体の製造:塩酸テラゾシン水和物20g
(水分7.3%)をトルエン200ml中、共沸脱水し、
理論値の水が留去したのち、室温迄冷却し濾別し減圧下
80℃で乾燥することにより結晶A−4型体を18.5g 得
た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.9; H,6.0; N,16.4; Cl,8.5
(水分7.3%)をトルエン200ml中、共沸脱水し、
理論値の水が留去したのち、室温迄冷却し濾別し減圧下
80℃で乾燥することにより結晶A−4型体を18.5g 得
た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.9; H,6.0; N,16.4; Cl,8.5
【0026】製造例5 結晶A−5型体の製造:塩酸テラゾシン水和物20g
(水分7.3%)をアセトン400ml中、還流下4時間
攪拌したのち室温迄冷却し、濾別し減圧下80℃で乾燥
することにより、結晶A−5型体を18.5g 得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.8; H,6.0; N,16.4; Cl,8.4
(水分7.3%)をアセトン400ml中、還流下4時間
攪拌したのち室温迄冷却し、濾別し減圧下80℃で乾燥
することにより、結晶A−5型体を18.5g 得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.8; H,6.0; N,16.4; Cl,8.4
【0027】製造例6 結晶A−6型体の製造:テラゾシン・べ−ス20gとエ
タノ−ル200mlと塩化メチレン200mlを仕込み
20%エタノ−ル塩酸9.9g 滴下し、溶解後濾過し、濾
液を常圧下留去した。次いで、塩化メチレンを冷却後、
濾別し減圧下60℃で乾燥して結晶A−6型体を20.8
g 得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.7; H,6.1; N,16.4; Cl,8.4
タノ−ル200mlと塩化メチレン200mlを仕込み
20%エタノ−ル塩酸9.9g 滴下し、溶解後濾過し、濾
液を常圧下留去した。次いで、塩化メチレンを冷却後、
濾別し減圧下60℃で乾燥して結晶A−6型体を20.8
g 得た。 元素分析値: 計算値 C,53.8; H,6.2; N,16.5; Cl,8.4 実測値 C,53.7; H,6.1; N,16.4; Cl,8.4
【0028】
【発明の効果】本発明の結晶A−2型体および結晶A−
3型体は、吸湿性が少ないことから保存中に着色するこ
ともなく、また、平均粒子径も小さいので均一な一定量
を含有する製剤を製造する上で有利であるなど、医薬品
として用いる場合の有用性が高い。
3型体は、吸湿性が少ないことから保存中に着色するこ
ともなく、また、平均粒子径も小さいので均一な一定量
を含有する製剤を製造する上で有利であるなど、医薬品
として用いる場合の有用性が高い。
【図1】結晶M型体のX線回析図を示した図である。
【図2】結晶A−1型体のX線回析図を示した図であ
る。
る。
【図3】結晶A−2型体のX線回析図を示した図であ
る。
る。
【図4】結晶A−3型体のX線回析図を示した図であ
る。
る。
【図5】結晶A−4型体のX線回析図を示した図であ
る。
る。
【図6】結晶A−5型体のX線回析図を示した図であ
る。
る。
【図7】結晶A−6型体のX線回析図を示した図であ
る。
る。
【図8】各種の結晶体の吸湿性試験の結果を示した図で
ある。
ある。
【図9】各種の結晶体の結晶生成の関係を示した図であ
る。
る。
Claims (12)
- 【請求項1】X線回折法で測定した特性バンドが、7.
0°、12.0°および20.3°に鋭い線輪、24.
0°に二重線であることを特徴とする1−(4−アミノ
−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2
−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の結晶A−
2型体。 - 【請求項2】X線回折法で測定した特性バンドが、1
0.7°に二重線、16.5°および27.8°に鋭い
線輪であることを特徴とする1−(4−アミノ−6,7
−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラ
ヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の結晶A−3型体。 - 【請求項3】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−
2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジンをメタノ−ル及び塩化メチレン中で懸濁
させ、該懸濁液をメタノ−ル−塩酸と反応させることに
より、結晶M型体を得、次いで該結晶M型体の乾燥によ
り得られる結晶A−1型体をエタノ−ル中、またはエタ
ノ−ル及び塩化メチレン中で加熱還流することを特徴と
する請求項1記載の結晶A−2型体の製造方法。 - 【請求項4】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−
2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジン塩酸塩水和物をメタノ−ル中、加熱還流
下に懸濁させることにより結晶M型体を得、次いで該結
晶M型体の乾燥により得られる結晶A−1型体をエタノ
−ル中、またはエタノ−ル及び塩化メチレン中で加熱還
流することを特徴とする請求項1記載の結晶A−2型体
の製造方法。 - 【請求項5】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−
2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジン塩酸塩無水物をメタノ−ル中、室温又は
加熱還流下に懸濁させることにより結晶M型体を得、次
いで該結晶M型体の乾燥により得られる結晶A−1型体
をエタノ−ル中、またはエタノ−ル及び塩化メチレン中
で加熱還流することを特徴とする請求項1記載の結晶A
−2型体の製造方法。 - 【請求項6】請求項3、4、または5記載の結晶M型体
を炭素数5〜7の脂肪族または脂環式アルコ−ル性溶媒
中、加熱還流することを特徴とする請求項2記載の結晶
A−3型体の製造方法。 - 【請求項7】請求項3、4、または5記載の結晶A−1
型体を炭素数5〜7の脂肪族または脂環式アルコ−ル性
溶媒中、加熱還流することを特徴とする請求項2記載の
結晶A−3型体の製造方法。 - 【請求項8】請求項1記載の結晶A−2型体を炭素数5
〜7の脂肪族または脂環式アルコ−ル性溶媒中、加熱還
流することを特徴とする請求項2記載の結晶A−3型体
の製造方法。 - 【請求項9】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−
2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジン塩酸塩水和物をトルエン中、共沸脱水す
ることにより得られる結晶A−4型体を炭素数5〜7の
脂肪族または脂環式アルコ−ル性溶媒中、加熱還流する
ことを特徴とする請求項2記載の結晶A−3型体の製造
方法。 - 【請求項10】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ
−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジン塩酸塩水和物をアセトン中、加熱還流す
ることにより得られる結晶A−5型体を炭素数5〜7の
脂肪族または脂環式アルコ−ル性溶媒中、加熱還流する
ことを特徴とする請求項2記載の結晶A−3型体の製造
方法。 - 【請求項11】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ
−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジンをエタノ−ル及び塩化メチレン中で懸濁
させ、該懸濁液をエタノ−ル塩酸と反応させることによ
り得られる結晶A−6型体を炭素数5〜7の脂肪族また
は脂環式アルコ−ル性溶媒中、加熱還流することを特徴
とする請求項2記載の結晶A−3型体の製造方法。 - 【請求項12】1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ
−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイ
ル)ピペラジン塩酸塩水和物を炭素数5〜7の脂肪族ま
たは脂環式アルコ−ル性溶媒中、加熱還流することを特
徴とする請求項2記載の結晶A−3型体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2416153A JP2652272B2 (ja) | 1990-12-31 | 1990-12-31 | 1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶体および該結晶体の製造方法 |
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JP2416153A JP2652272B2 (ja) | 1990-12-31 | 1990-12-31 | 1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶体および該結晶体の製造方法 |
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---|---|
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JP2416153A Expired - Fee Related JP2652272B2 (ja) | 1990-12-31 | 1990-12-31 | 1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−テトラヒドロフロイル)ピペラジン塩酸塩の新規な結晶体および該結晶体の製造方法 |
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---|---|
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Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US5412095A (en) * | 1993-04-29 | 1995-05-02 | Abbott Laboratories | Terazosin monohydrochloride and processes and intermediate for its production |
EP0708104A1 (en) * | 1994-10-18 | 1996-04-24 | Abbott Laboratories | Process and intermediate for the preparation of terazosin hydrochloride dihydrate |
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-
1990
- 1990-12-31 JP JP2416153A patent/JP2652272B2/ja not_active Expired - Fee Related
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