JPH0577060A - 抵抗溶接機用制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 様々な溶接機用途に対応可能でかつ溶接ライ
ンの近くに配置できる抵抗溶接機の制御装置を提供する
ことにある。 【構成】 電極間に被溶接用ワークを挟むとともに、加
圧状態のワークに電極を介して大電流を一定時間通電し
てワークを溶接する抵抗溶接機において、加圧力と加圧
時間及び電流値と通電時間等の溶接データを設定制御す
る溶接制御のタイマーユニットと、溶接の大電流通電を
開閉制御する大電流制御のコンタクタユニットと、前記
溶接データ等の信号の入出力を制御する付加機能のオプ
ションユニットと、溶接電源及び溶接トランスを接続す
るベースユニットとのそれぞれをモジュール化して互い
に選択組合せ可能に設けた抵抗溶接機用制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加圧状態のワークに電
極を介して大電流を流すことによって、ワークを電極部
分で溶着させる抵抗溶接機の制御装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、抵抗溶接機の制御装置は、実際の
溶接ラインから少し離れた所に設けられた専用の架台の
上に設置されるのが一般的であったが、最近では架台の
設備や信号ケーブル、電力ケーブルの施工等の経済性か
ら、抵抗溶接制御装置を溶接機の近くに設置するケース
が増えている。又、溶接機の周辺には余分なスペースが
少ないため、抵抗溶接制御装置自体も小形化される傾向
にある。このような目的で設計された溶接システムの例
としては、抵抗溶接制御装置をできるだけ小形に設計し
溶接ロボット制御盤の中に内蔵してしまうシステムや、
溶接トランスと抵抗溶接制御装置を組み合わせるために
最適化し外部との入出力をシリアル通信で行うシステム
などがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】自動車工場では、様々
な形態で抵抗溶接制御装置が使われているが、これら抵
抗溶接制御装置の形態を大別すると、マルチ溶接機、溶
接ロボット、ポータブル溶接機、定置式溶接機などに分
類され、これらの用途毎に溶接制御装置に求められる機
能も異なっている。しかしながら、用途別に制御装置を
設計するのは、使い勝手や管理上好ましくない。マルチ
溶接機のように１台のマルチ治具制御盤が複数の抵抗溶
接制御装置をコントロールする場合は、ＥＩＡ規格ＲＳ
−４８５に示されるようなマルチドロップ方式のハード
ウエアによって制御装置の入出力をシリアル通信で行う
システムはコスト的にもメリットがある。しかしなが
ら、溶接ロボットや定置式溶接機、ポータブル溶接機と
して使用する場合は、シリアル通信のデータを通常の入
出力に変換するための装置が抵抗溶接制御装置１台毎に
必要になり、従来のシステムに比べてコストが割高にな
ると言う問題がある。

【０００４】又、シリアル通信上のデータに入出力情報
とプログラムデータ、モニターデータを混在させると、
高速性を要求される入出力の伝送時間が遅くなるばかり
でなく、専用のシリアルデータ変換装置が必要になる。
１台で様々な板組の打点を溶接する溶接ロボットのシス
テムでは、電極加圧力の圧力制御機能が求められるが、
抵抗溶接制御内部に加圧力制御機能を内蔵すると、ケー
ス自体が大きくなる。又、加圧力制御が不要で余分なス
ペースが少ないマルチ溶接機用途に使用する場合の障害
になる。定置式溶接機やポータブル溶接機の場合は、抵
抗溶接機制御装置を溶接機や溶接トランスに取り付けた
り、溶接機の近くに設置する場合が多く、このような用
途では、溶接機の冷却水などの水を被る可能性が大き
く、ケースの耐水性は必要条件である。又、最近では、
抵抗溶接機制御装置の制御電源は溶接電源を降圧して使
用することが多く、小形化のためとは言え、別途制御電
源を必要とするシステムはユーザーの負担を増し、安全
上も好ましくない。

【０００５】そこで、本発明の目的は、様々な溶接機用
途に対応可能でかつ溶接ラインの近くに配置できる抵抗
溶接機の制御装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、加圧シ
リンダにより予め設定された加圧力で電極間に被溶接用
ワークを挟むとともに、加圧状態のワークに電極を介し
て予め設定された値の大電流を予め設定された一定時間
通電してワークを溶接する抵抗溶接機において、加圧力
と加圧時間及び電流値と通電時間等の溶接データを設定
制御する溶接制御のタイマーユニットと、溶接の大電流
通電を開閉制御する大電流制御のコンタクタユニット
と、前記溶接データ等の信号の入出力を制御する付加機
能のオプションユニットと、溶接電源及び溶接トランス
を接続するベースユニットとのそれぞれをモジュール化
して互いに選択組合せ可能に設けた抵抗溶接機用制御装
置にある。

【０００７】

【作用】このように構成された抵抗溶接機用制御装置の
場合、溶接制御装置を抵抗溶接機の形態、例えばマルチ
溶接機、溶接ロボット、ポータブル溶接機、定置式溶接
機によって異なる部分と部分的或いは全体的に共通する
部分とによって４つのモジュールに選択組合せ可能に分
割してあるため、各抵抗溶接機別に溶接制御装置の回路
が異なっても、モジュールの選択組合せで形態の異なる
各溶接機別溶接制御装置を容易に形成することができ
る。

【０００８】

【発明の効果】その結果、本発明は、形態の異なる各溶
接機別溶接制御装置を容易に形成することができる効果
がある。

【０００９】

【実施例】次に、本発明の一実施例の構成を図によって
説明する。溶接制御装置１は図１に示すように、樹脂で
モールド化されたベースユニット２、コンタクタユニッ
ト３、タイマーユニット４、オプションユニット５の各
ユニットに分割されている。即ち、ベースユニット２
は、溶接電源の接続を行うためのユニットであって、３
組のケーブル入線用穴６と２組（４個）のキャプタイヤ
ケーブル接続用ボルト７があり、溶接制御装置１の設置
形態に従って３種類の入線方法が可能で、図４のａは図
５のａに示す標準的な使い方で、通常の床置き、壁掛け
等の用途に使用され、図４のｂは図５のｂに示すように
溶接制御装置１を溶接電源のブレーカ８の下に取り付け
る用途に使用され、図４のｃは図５のｃに示すように溶
接トランス９に溶接制御装置１を直接取り付ける用途に
使用される。

【００１０】ベースユニット２とコンタクタユニット３
は、３本の銅ボルトで接続されており、０１、０２、０
３の電極端子として機能し、又、ベースユニット２を使
用しないでコンタクタユニット３を直接バスバーに取り
付けることも可能である。コンタクタユニット３は、溶
接電流の開閉を行うサイリスタＳＣＲ、サイリスタＳＣ
Ｒを保護するＣＲアブソーバ１０、溶接電流を検出する
変流器ＣＴ、サイリスタＳＣＲに点弧信号を送る点弧回
路１１、溶接電源から制御電源や同期信号を供給するダ
ウントランス１２など、主に高電圧の溶接電源に関わる
回路部品で構成され、コンタクタユニット３とタイマー
ユニット４は４本の六角穴付ボルトで固定され、電気回
路の接続はコンタクタユニット３をタイマーユニット４
に取り付けたことによって自動的に行われる。

【００１１】タイマーユニット４は、溶接データ等の情
報をセンサ等外部回路との間で入出力させる通信回路１
３や溶接を制御する制御回路、予め設定されたプログラ
ムに従ってデータ修正を含み溶接制御装置１全体を管理
制御するマイクロコンピュータ１４等で構成されている
他、タイマーユニット４には外部とのインターフェイス
として２個の通信コネクタ１５が取り付けられ、タイマ
ーユニット４とオプションユニット５も前記同様、４本
の六角穴付ボルトで固定され、電気回路の接続はコンタ
クタユニット３をタイマーユニット４に取り付けたこと
によって自動的に行われる。

【００１２】オプションユニット５は、付加的な機能を
供給するもので、通常の入出力機能のための接点入出力
回路１６や電極加圧力制御回路１７等を選択することが
でき、オプションユニット５を使用しない場合は、タイ
マーユニット４上部にカバーを取り付ける。なお、ベー
スユニット２、コンタクタユニット３、タイマーユニッ
ト４、オプションユニット５の各ユニットの間には、凹
型の溝と凸型の溝が互いに嵌め込み可能に切ってあり、
簡易防水構造になっているが、これらの溝の間にパッキ
ンを挿入することによって、防水性を一層向上させるこ
とができる。

【００１３】次に、本実施例の作用について説明する。
このように構成された抵抗溶接機用溶接制御装置１をマ
ルチ溶接機として使用する場合、図６、図７に示すよう
に、溶接電源と溶接トランス９間に接続されるコンタク
タユニット３とタイマーユニット４のＳＣＭは任意のボ
ックス、例えば単相４００Ｖ用１パックボックス１８、
３相４００Ｖ用２パックボックス１９或いは３パックボ
ックス２０に納めて、本実施例の場合、最大１５台まで
リンクして使用し、末端に分岐ボックス２１を介して治
具制御盤の汎用シーケンサ２２、及び、ティーチングボ
ックス又はリセットボックス２３、及び、他のリピータ
又はホストコンピュータとつながるリピータ２４に接続
される。

【００１４】又、この抵抗溶接機用溶接制御装置１をロ
ボット制御装置盤２５に内蔵して使用する場合、図８、
図９に示すように、溶接制御装置１は専用取り付けパネ
ル２６に組付けた状態でロボット制御装置盤２５内に取
り付けられ、或いは、ＳＣＭ収納ボックス２７に納めて
ロボット制御装置盤２５に横付けされ、又、溶接制御装
置１のコンタクタユニット３とタイマーユニット４のＳ
ＣＭは安全保護用ＧＴユニット２８を介して溶接電源と
溶接トランス９に接続される。

【００１５】又、この抵抗溶接機用溶接制御装置１をポ
ータブル又は定置式として使用する場合、図１０、図１
１に示すように、溶接電源と溶接トランス９間に接続さ
れるコンタクタユニット３とタイマーユニット４のＳＣ
ＭはＳＣＭ収納ボックス２７に納めて使用し、溶接開始
の起動スイッチ２９と加圧制御用バルブ３０はオプショ
ンユニット５を介してタイマーユニット４に接続されて
いる。

【００１６】その結果、本実施例の場合、ベースユニッ
ト２とコンタクタユニット３は電極兼用の銅ボルトで締
め付けられているため、結線作業がいらず、又、コンタ
クタユニット３とタイマーユニット４との間は、タイマ
ーユニット４を設置すると同時に回路が接続される構造
になっていることから、特別な結線作業がいらず、タイ
マーユニット４とオプションユニット５の結線ニツイテ
モ前記同様である。又、シリアル通信による入出力転送
機能を標準搭載しており、マルチ溶接機のように複数台
の抵抗溶接制御装置１を使用する場合も、入出力信号線
の設置は１本のリンクケーブルをつなぐだけで完了し、
リンクケーブルの接続部はコネクタ化されており、メン
テナンス性が良い。又、オプションとして、通常の接点
入出力回路や電極加圧力制御機能を持ち、様々な溶接シ
ステムに対応できる他、これらのオプションを使用しな
い場合は、オプションユニット５がいらないため、スペ
ース効率が良い。又、入出力、データ、集中管理の機能
別に独立した３チャンネルのシリアル通信回線を持ち、
抵抗溶接制御装置１をシーケンサのリモートＩ／Ｏとし
て高速アクセスすることができる。又、全ての電源は溶
接電源から供給されるため、外部から制御電源を供給す
る必要がない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】抵抗溶接制御装置１全体の電気回路図である。

【図２】抵抗溶接制御装置１全体の組立状態を示す斜視
図である。

【図３】抵抗溶接制御装置１全体の分解状態を示す斜視
図である。

【図４】使用方法によって異なるベースユニット２の結
線状態を示す説明図である。

【図５】図４に対応した抵抗溶接制御装置１の組立状態
を示す斜視図である。

【図６】マルチ溶接機に対応した抵抗溶接制御装置１の
システム構成図である。

【図７】マルチ溶接機用抵抗溶接制御装置１の分解状態
を示す斜視図である。

【図８】溶接ロボットに対応した抵抗溶接制御装置１の
システム構成図である。

【図９】溶接ロボット用抵抗溶接制御装置１の分解状態
を示す斜視図である。

【図１０】ポータブル又は定置式抵抗溶接機に対応した
抵抗溶接制御装置１のシステム構成図である。

【図１１】ポータブル又は定置式抵抗溶接機に対応した
抵抗溶接制御装置１の分解状態を示す斜視図である。

【符号の説明】 １ 溶接制御装置 ２ ベースユニット ３ コンタクタユニット ４ タイマーユニット ５ オプションユニット ９ 溶接トランス ＳＣＲ サイリスタ ＣＴ 変流器ＣＴ １１ 点弧回路 １２ ダウントランス １３ 通信回路 １４ マイクロコンピュータ １５ 通信コネクタ １６ 接点入出力回路 １７ 電極加圧力制御回路 １８ 単相４００Ｖ用１パックボックス １９ ３相４００Ｖ用２パックボックス ２０ ３相４００Ｖ用３パックボックス ２２ 汎用シーケンサ ２３ ティーチングボックス又はリセットボックス ２４ リピータ ２５ ロボット制御装置盤 ２６ 専用取り付けパネル ２７ ＳＣＭ収納ボックス ２８ ＧＴユニット ２９ 起動スイッチ ３０ 加圧制御用バルブ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加圧シリンダにより予め設定された加圧
   力で電極間に被溶接用ワークを挟むとともに、加圧状態
   のワークに電極を介して予め設定された値の大電流を予
   め設定された一定時間通電してワークを溶接する抵抗溶
   接機において、加圧力と加圧時間及び電流値と通電時間
   等の溶接データを設定制御する溶接制御のタイマーユニ
   ットと、溶接の大電流通電を開閉制御する大電流制御の
   コンタクタユニットと、前記溶接データ等の信号の入出
   力を制御する付加機能のオプションユニットと、溶接電
   源及び溶接トランスを接続するベースユニットとのそれ
   ぞれをモジュール化して互いに選択組合せ可能に設けた
   ことを特徴とする抵抗溶接機用制御装置。