JPH0576396A - 安定化された呈色試験材料および呈色試験具 - Google Patents

安定化された呈色試験材料および呈色試験具

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JPH0576396A
JPH0576396A JP26540691A JP26540691A JPH0576396A JP H0576396 A JPH0576396 A JP H0576396A JP 26540691 A JP26540691 A JP 26540691A JP 26540691 A JP26540691 A JP 26540691A JP H0576396 A JPH0576396 A JP H0576396A
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hydroperoxide
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JP26540691A
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Katsuya Fujii
克也 藤井
Hiroshi Suzuki
宏 鈴木
Masayuki Omori
正幸 大森
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒドロペルオキシドによる酸化作用に伴って
発色又は色変化する呈色指示薬を含む呈色試験材料、呈
色試験具及びそれらを使用する試験方法において、該呈
色指示薬として、有機酸塩の形態になっているアミノ基
を有する呈色化合物を使用する。 【効果】 時間の経過に伴って呈色性能が低下すること
がないため、長期保存後も、作成直後と同様に鮮明な発
色または色の変化を示し、試験の結果を正確に判定する
ことができる。更に、保存時に褐変等の望ましくない変
色を生じないので、試験の結果生じた色の変化を容易に
判別することができ、このような経時安定性及び耐変色
性は、呈色試験具が多項目試験具の場合に特に有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒドロペルオキシドの酸
化作用によって引き起こされる呈色指示薬の発色または
色の変化を利用する呈色試験材料および呈色試験具、並
びにそれらを使用する被試験材料の検出試験方法の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、尿中の潜血の検出には、有機ヒ
ドロペルオキシド等のヒドロペルオキシドと呈色指示薬
(例えばオルト−トリジン)を含有し、必要に応じて更
に呈色増強剤、緩衝剤、潤滑剤、活性剤、安定剤等を含
有する呈色試験材料が用いられている。実際の検出に際
しては、通常、上記の呈色試験材料を濾紙等に担持させ
た呈色試験紙が用いられているが、この試験紙による場
合は、尿中に潜血が含まれると血液中のヘモグロビンの
持つペルオキシダーゼ様作用により呈色試験材料中の有
機ヒドロペルオキシドが還元されて発生期の酸素を生
じ、この発生期の酸素によって呈色試験材料中の呈色指
示薬が酸化されて色の変化を生じて、潜血の存在を知ら
せる。
【0003】また、上記の以外の例としては、グルコー
スオキシダーゼ法による尿中のブドウ糖の検出試験紙が
知られている。この試験紙による場合は、尿中にブドウ
糖が存在すると、ブドウ糖と試験紙に担持させたグルコ
ースオキシダーゼとが反応してヒドロペルオキシドを生
成し、このヒドロペルオキシドがペルオキシダーゼによ
り酸素を発生して試験紙に担持させたオルト−トリジン
等の呈色指示薬を酸化して色の変化を生じてブドウ糖の
存在を知らせる。
【0004】更に、バイオアッセイにおいても、ヒドロ
ペルオキシドの酸化反応に伴う呈色指示薬の呈色変化を
利用した検出試験方法が知られている。例えば、検体中
の検出対象である抗原を、それと特異的に反応するペル
オキシダーゼで標識された抗体と特異的に反応させ、そ
の結果生じたペルオキシダーゼで標識された抗原・抗体
生成物を回収し、それをヒドロペルオキシドによる酸化
作用に伴って発色または色変化する呈色指示薬の存在下
にヒドロペルオキシドで処理して、呈色指示薬を発色ま
たは色変化させ、発色の有無や強弱によって検体中の上
記特定の抗原の有無や多少を検出試験することが行われ
ている。
【0005】ヒドロペルオキシドの酸化作用に伴う呈色
変化を利用した上記のような呈色試験材料や呈色試験具
および呈色試験方法は、被測定材料中の特定の物質の有
無等を呈色指示薬の発色や色の変化によって簡単に検出
できるところから、従来から各種医療機関や検査機関で
汎用されており、また上記した尿中のブドウ糖試験紙等
は近年各家庭での使用が許可されるようになった。
【0006】そして、上記の呈色試験材料等では、その
呈色指示薬として、ベンジジン、テトラ(低級アルキ
ル)ベンジジン、オルト−トリジン(o−トリジン)、
オルト−トルイジン(o−トルイジン)、オルト−ビア
ニシジン(o−ビアニシジン)等のアミノ基または置換
されたアミノ基を有する呈色化合物が使用されることが
多い。しかしながら、これらのアミノ基を有する呈色化
合物を含む呈色試験材料やそれを担持している呈色試験
具は、時間の経過に伴ってその性能が低下して検査時に
鮮明な色の変化を示さなくなったり、また保存時に褐色
やその他の色に変色して、特に測定対象物質が微量の時
は変色した色にまぎれて、検査時に生じた色の変化を判
別しにくくなるという欠点があった。特に、該呈色試験
具が多項目試験具の場合は、保存時の変色は他の試験項
目にも悪影響を及ぼして他の試験項目の検出をしづらく
するという問題を生じていた。
【0007】
【発明の内容】上記の点から、本発明者らは、ヒドロペ
ルオキシドの酸化作用に伴って発色または色が変化する
アミノ基を有する呈色指示薬を利用した上記の呈色試験
材料や呈色試験具および試験方法において、保存時の経
時的な性能低下および褐変等の望ましくない変色を防止
し得る方法を求めて研究を続けてきた。
【0008】その結果、該呈色試験材料で使用している
ベンジジン、テトラメチルベンジシン、o−トリジン、
o−トルイジン、o−ビアニシジン等のアミノ基を有す
る呈色化合物が、経時的な呈色性能の低下および褐変等
の変色の原因になっていることを見出した。また、これ
らの化合物はその不安定さに伴って揮発し易く、特にこ
れらの化合物を担持させた多項目試験紙を密閉下に保存
するような場合は、他の項目の試験部分に移行してしま
って保存時に他の項目部分を変色させてしまうというこ
ともわかった。そこで、本発明者らが該アミノ基を有す
る呈色化合物を経時的に安定なものにすべく更に研究を
進めたところ、該呈色化合物におけるアミノ基を有機酸
塩の形態にすると、長期間保存しての性能の低下がな
く、褐変等の変色が生じず、経時的に安定なものになる
ことを見出して本発明を完成した。
【0009】したがって、本発明は、ヒドロペルオキシ
ドによる酸化作用に伴って発色または色変化する呈色指
示薬を含む呈色試験材料であって、該呈色指示薬が、有
機酸塩の形態になっているアミノ基を有する呈色化合物
からなることを特徴とする呈色試験材料である。更に、
本発明は、上記呈色試験材料を担持した呈色試験具を包
含する。また、本発明は、上記呈色試験材料および呈色
試験具を使用する検出試験方法を包含する。
【0010】ここで、本発明でいうヒドロペルオキシド
とは、有機ヒドロペルオキシド(例えばクメンヒドロペ
ルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒ
ドロペルオキシド、ビス[4−(α−ヒドロペルオキシ
イソプロピル)ベンジル]エーテル等)および無機ヒド
ロペルオキシド(例えば過酸化水素等)を意味し、した
がって本発明は、有機および無機ヒドロペルオキシドの
1種または2種以上による酸化作用に伴って発色または
色変化する呈色指示薬を含む呈色試験材料、呈色試験具
およびそれらを使用した検出試験方法である。
【0011】本発明の「ヒドロペルオキシドによる酸化
作用に伴って発色または色変化する呈色指示薬を含む呈
色試験材料」の代表例、および該呈色試験材料を使用し
た検出試験方法の代表例としては、下記の〜に記載
したものが包含される。
【0012】ヒドロペルオキシドと呈色指示薬を含む
呈色試験材料;このの呈色試験材料は、被試験材料中
における、ヒドロペルオキシドに直接作用する特定の物
質(「ヒドロペルオキシド作用物質」という)(例えば
ペルオキシダーゼやペルオキシダーゼと同様の作用を有
する物質)の有無の検出に使用される。被試験材料中に
該ヒドロペルオキシド作用物質が存在すると、被試験材
料中の該ヒドロペルオキシド作用物質と呈色試験材料中
のヒドロペルオキシドとの間の酸化還元反応によって発
生期の酸素を発生し、それによって呈色試験材料中の呈
色指示薬が酸化されて発色または色の変化を生じて、該
ヒドロペルオキシド作用物質の存在が検出される。この
のタイプに属する呈色試験材料の代表例としては、尿
中或いは便中の潜血を検出するのに使用されている有機
ヒドロペルオキシドと呈色指示薬(o−トリジン等)を
含む呈色試験材料を挙げることができる。
【0013】ヒドロペルオキシド作用物質と呈色指示
薬を含む呈色試験材料;このの呈色試験材料は、被試
験材料中におけるヒドロペルオキシドの有無を検出する
のに使用される。被試験材料中にヒドロペルオキシドが
存在すると、呈色試験材料中のヒドロペルオキシド作用
物質(例えばペルオキシダーゼ)と被測定材料中のヒド
ロペルオキシドとの間の酸化還元反応により発生期の酸
素を生成し、それによって呈色試験材料中の呈色指示薬
が酸化されて発色または色の変化を生じて、被試験材料
中のヒドロペルオキシドが検出される。
【0014】ヒドロペルオキシド生成用物質と呈色指
示薬を含む呈色試験材料;このの呈色試験材料は、被
測定材料中における、ヒドロペルオキシド生成用物質
(例えばグルコースオキシダーゼ)の酸化作用によって
ヒドロペルオキシドに変換される特定の物質(「ヒドロ
ペルオキシド前駆体」という)(例えばブドウ糖)を検
出するのに使用される。被測定材料中にヒドロペルオキ
シド前駆体(例えばブドウ糖)が存在すると、ヒドロペ
ルオキシド前駆体(例えばブドウ糖)と呈色試験材料中
のヒドロペルオキシド生成用物質(例えばグルコースオ
キシダーゼ)とが反応してヒドロペルオキシド(例えば
過酸化水素)を生成し、この生成したヒドロペルオキシ
ドによって呈色試験材料中の呈色指示薬が酸化されて発
色または色の変化を生じて被測定材料中における該ヒド
ロペルオキシド前駆体(例えばブドウ糖)の存在が検出
される。こののタイプに属する呈色試験材料の代表例
としては、上記したグルコースオキシダーゼ法による尿
中のブドウ糖の検出試験紙、コレステロールオキシダー
ゼ法によるコレステロール試験紙、ウリカーゼ法による
尿酸の検出試験紙等が挙げられる。
【0015】被測定材料中の検出対象物質と特異的に
反応するヒドロペルオキシド作用物質で標識された物
質、ヒドロペルオキシドおよび呈色指示薬を利用するバ
イオアッセイ;このの方法の場合は、被測定材料中の
検出対象物質(例えば抗原)を、ヒドロペルオキシド作
用物質(例えばペルオキシダーゼ)で標識された該検出
対象物質(例えば抗原)と特異的に反応する物質(例え
ば抗体)と特異的に反応させ、その結果生じたヒドロペ
ルオキシド作用物質で標識された反応生成物(例えばペ
ルオキシダーゼで標識された抗原・抗体生成物)を回収
し、この反応生成物を呈色指示薬の存在下にヒドロペル
オキシドを使用して処理し、標識された反応生成物とヒ
ドロペルオキシドとの反応で生じた発生期の酸素により
呈色指示薬を発色または色変化させて、被測定材料中の
該検出対象物質(例えば抗原)の有無や多少を検出試験
する。
【0016】この場合に、検出対象物質は、抗原に限ら
ず、抗体またはその他の成分であってもよく、検出対象
物質の種類に応じてそれと特異的に反応する物質の種類
やヒドロペルオキシド作用物質の種類を選択する。ま
た、ヒドロペルオキシドと呈色指示薬とは、予め組合せ
て(混合して)乾燥保存しておいても、または検出試験
時に各々を混合して使用してもよい。このに属する検
出方法の例としては、尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン
(HCG)をペルオキシダーゼで標識した抗HCG抗体
と特異的に反応させ、その反応生成物をヒドロペルオキ
シド(例えば過酸化水素)とアミノ基が有機酸塩になっ
ている上記した呈色指示薬の1種で処理して発色させ
て、HCGの含有の有無を検出する方法を挙げることが
できる。
【0017】しかしながら、本発明は、上記した〜
の呈色試験材料およびの試験方法に限定されず、ヒド
ロペルオキシドによる酸化作用に伴って発色または色変
化する有機酸塩の形態になっているアミノ基を有する呈
色化合物からなる呈色指示薬を含む呈色試験材料や呈色
試験具、およびそれらを用いる試験方法はいずれも本発
明の範囲に包含される。
【0018】そして、本発明では呈色指示薬として分子
中に1個または2個以上の置換または未置換のアミノ基
を有し且つそのアミノ基の少なくとも1個が有機酸の塩
の形態になっている呈色化合物を使用することが必要で
あり、このような有機酸塩の形態になったアミン系の呈
色化合物を使用することによって、呈色指示薬、ひいて
は呈色試験材料および呈色試験具に経時的な安定性が付
与される。
【0019】本発明で使用する呈色指示薬の代表例とし
ては、ベンジジン、テトラ(低級アルキル)ベンジジン
(例えば3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン)、N
−(3−スルホプロピル)−3,3',5,5'−テトラメチ
ルベンジジン、o−トリジン、o−トルイジンおよびo
−ビアニシジン等の有機酸塩を挙げることができる。し
かしながら、それらの化合物に限定されるものではな
く、この種の呈色試験材料において通常使用されている
他のアミノ基含有呈色化合物の有機酸塩も使用できる。
その場合の有機酸塩としては、脂肪族カルボン酸、p−
置換安息香酸、p−トルエンスルホン酸またはピクリン
酸の塩が好ましい。
【0020】本発明の呈色試験材料は、各々の状況に応
じて、上記した呈色指示薬の1種または2種以上を含有
することができる。また、呈色指示薬は必ずしも純粋で
ある必要はなく、場合によっては、塩の形態になってい
ない上記したアミノ基含有呈色化合物を少量含んでいて
もよい。
【0021】呈色試験材料における呈色指示薬の使用
量、呈色指示薬と他の物質(ヒドロペルオキシド、ヒド
ロペルオキシド作用物質、ヒドロペルオキシド化用物質
等)との使用割合等は、この種の呈色試験材料において
通常採用されている範囲とするとよい。例えばタイプ
に属する尿中の潜血検出用の呈色試験材料では、ヒドロ
ペルオキシド:呈色指示薬=約5:1〜約1:5の重量
割合とするのがよく、またタイプに属する尿中のブド
ウ糖検出用の呈色試験材料では、ヒドロペルオキシド化
用物質(グルコースオキシダーゼ等):呈色指示薬=約
10:1〜約1:1の重量割合にするとよい。
【0022】上記した呈色試験材料を担体に担持させて
呈色試験具とする場合には、担体として濾紙等の紙、編
織物や不織布等の布帛類、有機および無機の発泡体や他
の多孔質体、粒状体、粉状体等の材料を使用することが
できる。担体に呈色試験材料を担持させる方法として
は、担体の種類や形状等に応じて、含浸、塗布、付着、
結合剤による結合、混合等の任意の方法を採用すること
ができる。また、呈色試験材料を担持させた呈色試験具
は、シート状、板状、短冊状、カラム状、ペレット状、
粒状等の任意の形態にすることができる。
【0023】本発明の呈色試験材料は、上記した成分の
他に、必要に応じて更に呈色増強剤、緩衝剤、潤滑剤、
活性剤、安定剤等を含有することができる。呈色増強剤
としては、3−アミノキノリン、6−メトキシキノリ
ン、4−メチルキノリン、キニーネ、シンコニン等を使
用するのがよい。呈色増強剤がアミノ基を有する化合物
からなるときは、呈色指示薬の場合と同様に、呈色増強
剤のアミノ基を上記したような有機酸の塩の形態にして
おくと、呈色試験材料の経時安定性を一層向上させるこ
とができ望ましい。
【0024】本発明の呈色試験材料および呈色試験具、
並びに試験方法は、ヒドロペルオキシドが呈色反応に関
与する上記した尿中の潜血やブドウ糖の検出、生体液中
の特定の物質(抗原)の検査等の臨床的な検出試験に特
に適している。しかしながらそれには限定されず、ヒド
ロペルオキシドが呈色指示薬の呈色反応に関与する種々
の試験に利用できる。以下に本発明を実施例等により具
体的に説明するが、本発明はそれにより限定されない。
【0025】
【実施例】
《合成例 1》 [o−トリジン・p−トルエンスルホン酸塩(呈色指示
薬)の合成]o−トリジン1.09gをクロロホルム3
0mlに溶解する。p−トルエンスルホン酸一水和物
1.90gを上記溶液に加えて30分間反応させる。生
成した結晶を濾取した後乾燥して、主としてo−トリジ
ン・p−トルエンスルホン酸塩からなる灰白色の結晶
2.29g(収率96%)を得た。
【0026】《合成例 2》 [3−アミノキノリン・p−トルエンスルホン酸塩(呈
色増強剤)の合成]3−アミノキノリン0.72gをク
ロロホルム30mlに溶解する。p−トルエンスルホン
酸一水和物0.95gを上記溶液に加えて1時間反応さ
せた後、溶媒を蒸発乾固して、主として3−アミノキノ
リン・p−トルエンスルホン酸塩からなる黄色の結晶
1.26g(収率80%)を得た。
【0027】《合成例3〜5》 [o−トリジンの他の有機酸塩(呈色指示薬)の合成]
上記合成例1において、p−トルエンスルホン酸の代わ
りに、ステアリン酸、ラウリン酸およびp−ジエチルア
ミノ安息香酸の各々を使用して、実施例1と同様にし
て、o−トリジン・ステアリン酸塩(合成例3)、o−
トリジン・ラウリン酸塩(合成例4)およびo−トリジ
ン・p−ジエチルアミノ安息香酸塩(合成例5)を各々
製造した。
【0028】《合成例6〜8》 [3−アミノキノリンの他の有機酸塩(呈色増強剤)の
合成]上記合成例2において、p−トルエンスルホン酸
の代わりに、ステアリン酸、ラウリン酸およびp−ジエ
チルアミノ安息香酸の各々を使用して、実施例2と同様
にして、3−アミノキノリン・ステアリン酸塩(合成例
6)、3−アミノキノリン・ラウリン酸塩(合成例7)
および3−アミノキノリン・p−ジエチルアミノ安息香
酸塩(合成例8)を各々製造した。
【0029】《合成例 9》 [3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン・p−トルエ
ンスルホン酸塩の合成]合成例1におけるのと同様に、
3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンのクロロホル
ム溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物を加えて、
3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン・p−トルエ
ンスルホン酸塩を合成した。
【0030】《実施例 1》 [呈色試験紙の作成]下記の溶液I、溶液IIおよび溶液
IIIを調製した。 溶 液 I ビス[4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)ベンジル]エーテル 777mg ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5 g p−トルエンスルホニル−N−ジエチルアミド 2.5 g エタノール 100ml 溶 液 II ポリエチレングリコール4000(和光純薬社製) 10 g アクリルアミド 5 g クエン酸 1 g クエン酸ナトリウム 9 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 30mg 水 100ml 溶 液 III o−トリジン・p−トルエンスルホン酸塩(合成例1のもの) 1.00 g 3−アミノキノリン・p−トルエンスルホン酸塩(合成例2のもの) 0.276g メチルセロソルブ 100 ml
【0031】上記で調製した溶液Iにアドバンテック東
洋No.1650濾紙の全体を浸した後、40℃で20
分間乾燥した。次に、溶液IIに全体を浸した後、40℃
で60分間乾燥し、最後に溶液IIIに全体を浸して40
℃で30分間乾燥した。上記で得られた濾紙を幅5m
m、長さ5mmの短冊状に切断して本発明の呈色試験紙
を作成した。
【0032】《実施例 2》 [呈色試験紙の作成]実施例1におけるのと同じ溶液I
および溶液IIを調製した。下記の組成からなる溶液III
を調製した。 溶 液 III o−トリジン・ステアリン酸塩(合成例3のもの) 1.40 g 3−アミノキノリン・ステアリン酸塩(合成例6のもの) 0.37 g メチルセロソルブ 100 ml
【0033】実施例1におけるのと同様にして、上記で
調製した溶液I〜溶液IIIにNo.1650濾紙を順に浸
漬した後乾燥し、更に幅5mm、長さ5mmの短冊状に
切断して本発明の呈色試験紙を作成した。
【0034】《実施例 3》 [呈色試験紙の作成]実施例1におけるのと同じ溶液I
および溶液IIを調製した。下記の組成からなる溶液III
を調製した。 溶 液 III o−トリジン・ラウリン酸塩(合成例4のもの) 1.10 g 3−アミノキノリン・ラウリン酸塩(合成例7のもの) 0.30 g メチルセロソルブ 100 ml
【0035】実施例1におけるのと同様にして、上記で
調製した溶液I〜溶液IIIにNo.1650濾紙を順に浸
漬した後乾燥し、更に幅5mm、長さ5mmの短冊状に
切断して本発明の呈色試験紙を作成した。
【0036】《実施例 4》 [呈色試験紙の作成]実施例1におけるのと同じ溶液I
および溶液IIを調製した。下記の組成からなる溶液III
を調製した。 溶 液 III o−トリジン・p-ジエチルアミノ安息香酸塩(合成例5の塩) 1.08 g 3−アミノキノリン・p-ジエチルアミノ安息香酸塩(合成例8の塩) 0.29 g メチルセロソルブ 100 ml
【0037】実施例1におけるのと同様にして、上記で
調製した溶液I〜溶液IIIにNo.1650濾紙を順に浸
漬した後乾燥し、更に幅5mm、長さ5mmの短冊状に
切断して本発明の呈色試験紙を作成した。なお、上記実
施例1〜4においては、o−トリジン有機酸塩および3
−アミノキノリン有機酸塩ともベンゼンに不溶であるた
め、溶媒としてメチルセロソルブを使用した。
【0038】《実施例 5》 [呈色試験紙の作成]実施例1におけるのと同じ溶液I
および溶液IIを調製した。下記の組成からなる溶液III
を調製した。 溶 液 III 3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン・p−トルエンスルホン酸塩 1.10 g (合成例9の塩) 3−アミノキノリン 0.50 g メチルセロソルブ 100 ml
【0039】実施例1におけるのと同様にして、上記で
調製した溶液I〜溶液IIIにNo.1650濾紙を順に浸
漬した後乾燥し、更に幅5mm、長さ5mmの短冊状に
切断して本発明の呈色試験紙を作成した。
【0040】《実施例 6》 [呈色試験紙の作成]実施例1におけるのと同じ溶液I
および溶液IIを調製した。下記の組成からなる溶液III
を調製した。 溶 液 III o−トリジン・p−トルエンスルホン酸塩(合成例1の塩) 1.00 g 3−アミノキノリン 0.50 g メチルセロソルブ 100 ml
【0041】実施例1におけるのと同様にして、上記で
調製した溶液I〜溶液IIIにNo.1650濾紙を順に浸
漬した後乾燥し、更に幅5mm、長さ5mmの短冊状に
切断して本発明の呈色試験紙を作成した。
【0042】《比較例 1》 [呈色試験紙の作成]実施例1におけるのと同じ溶液I
および溶液IIを調製した。下記の組成からなる溶液III
を調製した。溶 液 III o−トリジン 1.08 g 3−アミノキノリン 0.50 g ベンゼン 100 ml
【0043】実施例1におけるのと同様にして、上記で
調製した溶液I〜溶液IIIにNo.1650濾紙を順に浸
漬した後乾燥し、更に幅5mm、長さ5mmの短冊状に
切断して比較用の呈色試験紙を作成した。
【0044】《試験例》 [ヘモグロビンの検出試験]ヘモグロビン濃度が10個
/μl、50個/μlおよび250個/μlの試験液
(尿:pH5〜7)を各々複数個準備した。上記実施例
1〜6および比較例1で作成した呈色試験紙を各々2群
に分け、1群の呈色試験紙は、作成後直ちに上記で準備
した試験液の各々に浸漬して、色の変化を目視により観
察した。また、実施例1〜6および比較例1で作成した
呈色試験紙のうちの2群のものは、作成後に60℃で8
日間貯蔵した後、上記と同様にして準備した試験液に浸
漬して、色の変化を目視により観察した。各々の結果を
下記の表1に示す。
【0045】なお、表1における色変化の判定は次の基
準により行った。 [色変化の判定基準 −・・・色の変化なし(試験前の試験紙の色と同じ) ±・・・わずかに色の変化がある(微青色) +・・・かなりの色変化を示す(薄青色) 2+・・・大きな色変化を示す(青色) 3+・・・著しい色変化を示す(濃青色)
【0046】
【表1】 試験時の呈色変化 試験前の呈色 ヘ モ グ ロ ビ ン 濃 度(個/μl) 例 試験紙の色 10 50 250 実施例1 作成直後 白色 + 2+ 3+ 8 日 後 白色(変色なし) + 2+ 3+ 実施例2 作成直後 白色 + 2+ 3+ 8 日 後 白色(変色なし) ±〜+ 2+ 3+ 実施例3 作成直後 白色 + 2+ 3+ 8 日 後 白色(変色なし) ±〜+ 2+ 3+ 実施例4 作成直後 白色 + 2+ 3+ 8 日 後 白色(変色なし) ±〜+ 2+ 3+ 実施例5 作成直後 白色 + 2+ 3+ 8 日 後 僅に微褐色(変色) ±〜+ 2+ 3+ 実施例6 作成直後 白色 + 2+ 3+ 8 日 後 微褐色(変色) −〜± +〜2+ 3+ 比較例1 作成直後 白色 + 2+ 3+ 8 日 後 褐色(変色) − +〜2+ 3+
【0047】表1の結果から、有機酸塩の形態になって
いるアミノ基を有する呈色化合物かなる呈色指示薬を使
用している本発明の実施例1〜6では、8日間高温で貯
蔵した後も呈色試験紙の褐変が生じず白色のままである
か、またはわずかにしか褐変せず保存により変質を受け
にくいこと、しかも呈色試験紙の性能低下がほとんどな
く、作成直後の呈色試験紙とほぼ同様の明瞭な検出結果
を示すことがわかる。それに対して、アミノ基が有機酸
塩の形態になっていない呈色指示薬を使用している比較
例1の呈色試験紙は、60℃で8日間貯蔵した後では褐
色に変色してしまって保存安定性に欠けていること、そ
してヘモグロビン濃度が低い場合(10個/μl)に
は、ヘモグロビンが存在するにも拘わらず−となり、ヘ
モグロビンの検出が正確に行われないことがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の呈色試験材料および呈色試験具
は、時間の経過に伴ってその性能が低下することがない
ため、長期保存後に使用した場合にも、作成直後と同様
に鮮明な発色または色の変化を示し、その結果、試験の
結果を正確に判定することができる。更に、本発明の呈
色試験材料および呈色試験具は、保存時に褐変等の望ま
しくない変色を生じないので、試験の結果生じた色の変
化を容易に判別することができる。本発明の試験具にお
ける上記した経時安定性および耐変色性という優れた特
性は、該呈色試験具が多項目試験具の場合に特に有効に
発揮でき、他の試験項目への悪影響が生じない。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロペルオキシドによる酸化作用に伴
    って発色または色変化する呈色指示薬を含む呈色試験材
    料であって、該呈色指示薬が、有機酸塩の形態になって
    いるアミノ基を有する呈色化合物からなることを特徴と
    する呈色試験材料。
  2. 【請求項2】 呈色指示薬がベンジジン、テトラ(低級
    アルキル)ベンジジン、オルト−トリジン、オルト−ト
    ルイジンおよびオルト−ビアニシジンの有機酸塩の少な
    くとも1種からなる請求項1の呈色試験材料。
  3. 【請求項3】 呈色指示薬が、脂肪族カルボン酸、p−
    置換安息香酸、p−トルエンスルホン酸またはピクリン
    酸の塩である請求項1または2の呈色試験材料。
  4. 【請求項4】 更に呈色増強剤を含有する請求項1〜3
    のいずれか1項の呈色試験材料。
  5. 【請求項5】 呈色増強剤がアミノ基を有する化合物で
    あり、該アミノ基が有機酸塩の形態になっている請求項
    4の呈色試験材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項の呈色試験
    材料を担持していることを特徴とする呈色試験具。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項の呈色試験
    材料または請求項6の呈色試験具を使用して被試験材料
    中の特定成分を検出試験する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06261794A (ja) * 1993-03-16 1994-09-20 Toppan Printing Co Ltd ブドウ糖検査用インキ組成物及びそれを用いた検査シート

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