JPH0574536U - 薬液注入容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本体内に空隙を残さず押圧し得る薬液注入容
器を提供する。 【構成】 おねじ２ａが螺設された円筒部２を一方の端
面に有する算盤玉形状の本体１に、該本体１のおねじ２
ａに外嵌し得るめねじ６とを基部に有するノズル８を螺
着して成り、前記本体１の反円筒部２側の傾斜部３の長
さａを、円筒部２側の傾斜部４の長さｂより少し長く、
且つ円筒部２の長さｃと円筒部２側の傾斜部４の長さｂ
との合計長さｂ＋ｃよりも短く成形し、本体１の反円筒
部２側を円筒部２側へ押圧すると、反円筒部２側の本体
底面５が円筒部２内に入り込み、両側傾斜部３，４が重
なり合うよう形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は薬液注入容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の薬液注入容器には、図５に示すように中空の回転楕円体状の本体１３と 該本体１３に連通し一体的に設けられたノズル１４とにより形成され、該ノズル １４を薬液注入対象物へ挿入し、本体１３を手指で押し潰すことにより、薬液を 注入するもの、また、図６に示すように蛇腹状の本体１５と該本体１５に連通し 一体的に設けられたノズル１６とにより形成され、該ノズル１６を薬液注入対象 物へ挿入し、本体１５を手指で蛇腹延設方向へ押し縮めることにより薬液を注入 するものなどがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述の図５に示す薬液注入容器では、本体１３を完全に押し潰 すことが難しく、本体１３の周辺部に脹らんだままの空間部分が残り、また図６ に示す薬液注入容器では、図７に示すように本体１５の蛇腹の小径内縁と圧縮さ れた蛇腹長さとにより円筒状の空間が形成され、いづれの空間部分にも薬液が残 留するという問題があった。

【０００４】 本考案は、前述の実情に鑑み、本体内に空間を残さずに押圧し得る薬液注入容 器を提供することを目的としてなしたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、薄肉の合成樹脂製でノズル接続側に短い円筒部２を有する算盤玉形 状の本体１と、該本体１の円筒部２側に接続するノズル８とからなり、前記本体 １の反円筒部２側の傾斜部３のノズル方向長さａを、円筒部２側の傾斜部４のノ ズル方向長さｂより長く且つ円筒部２のノズル方向長さｃと円筒部側傾斜部４の ノズル方向長さｂとの合計長さｃ＋ｂよりも短く成形し、本体１の反円筒部２側 を円筒部２側へ押圧した際、反円筒部２側の本体底面５が円筒部２内に入り込み 両側傾斜部３，４が重なり合うよう形成した構成としている。

【０００６】

【作用】

従って、本考案では、反円筒部側を円筒部側へ押圧すると、反円筒部側傾斜部 が反転して円筒部側の傾斜部に密着し、反円筒部側の本体底面が円筒部内に入り 込むので、本体全体が完全に圧縮される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【０００８】 図１は本考案の薬液注入容器の概略を表わす一部切断側面図、図２は図１の薬 液注入容器の使用後の状態を表わす一部切断側面図である。

【０００９】 先端部におねじ２ａが螺設された円筒部２を一方の端面に有する薄肉合成樹脂 製の算盤玉形状の本体１と、該本体１の円筒部２のおねじ２ａに外嵌し得るめね じ６及び円筒部２より大径のフランジ７を基部に有し且つ先端に周方向に設けら れた溝９を介して接続された小片１０を有する所定長さのノズル８とを形成し、 本体１に薬液を充填し、本体１の円筒部２のおねじ２ａにノズル８の基部に設け ためねじ６を嵌めてねじ込むことにより本体１にノズル８を接続する。而して、 前記本体１の反円筒部２側の傾斜部３のノズル８方向の長さａを円筒部２側の傾 斜部４のノズル８方向の長さｂより長く、且つ円筒部２のノズル８方向の長さｃ と円筒部２側の傾斜部４のノズル８方向の長さｂとの合計長さｃ＋ｂよりも短く 、また本体底面５の直径ｄよりも本体１の円筒部２の内径ｅが大きくなるよう成 形し、本体１の反円筒部２側を円筒部２側へ押圧すると、反円筒部２側の本体底 面５が円筒部２内に入り込み、両側傾斜部３，４が重なり合うよう形成する。

【００１０】 小片１０をねじり、溝９を設けた部分でノズル８の先端部をねじ切りノズル８ の先端を開口させたのち、該ノズル８を薬液注入対象物に挿入し、人差指などを ノズル８のフランジ７に掛け親指で本体底面５を押すことにより、本体１の反円 筒部２側の傾斜部３を円筒部２側へ押圧すると、図２に示すように反円筒部２側 の傾斜部３が反転して円筒部２側の傾斜部４に密着し、前記本体底面５が円筒部 ２内に入り込み本体１全体が完全に圧縮され、本体１内に収納されていた薬液は ノズル８を通って薬液注入対象物内へ放出される。

【００１１】 前記によれば、前記本体１の傾斜部３の長さａを傾斜部４の長さｂより少し長 く、且つ円筒部２の長さｃと傾斜部４の長さｂとの合計長さｃ＋ｂよりも短く成 形し、本体１の反円筒部２側を円筒部２側へ押圧すると、反円筒部２側の本体底 面５が円筒部２内に入り込み、両側傾斜部３，４が重なり合うよう形成したので 、本体底面５が円筒部２内に入り込むまで押圧すれば本体１内に殆ど空隙が残ら ず、本体１内部に薬液が残留することがない。

【００１２】 図３は本考案の薬液注入容器の他の一例の概略を表わす一部切断側面図であり 、図４は図３の薬液注入容器の使用後の状態を表わす一部切断側面図である。図 １、図２における本体１の円筒部２は、おねじ２ａを設ける部分の外径及び内径 をおねじ２ａを設けない部分の外径及び内径より小さくしているが、図３、図４ における本体１の円筒部２は、おねじ２ａを外周全域にわたり設け、外径、内径 は外周、内周全域にわたり同一としており、又図３に示すノズル１１は細管部の 先端部に図１に示すような小片１０を設けず開口状態に形成し、ノズル１１の先 端部に適合するキャップ１２を設けたものであり、本体１内に充填した薬液を薬 液注入対象物へ注入する場合には、前記キャップ１２をノズル１１先端部から外 したのち、該ノズル１１を薬液注入対象物へ挿入することの他は、図１に示す薬 液注入容器と変わるところはないので以下の説明を省略する。

【００１３】 なお、本考案は前述の実施例にのみ限定されるものではなく、例えば、本体と ノズルとをねじにより接続する代わりに、本体とノズルとを一体に成形してもよ いことなど、その他、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え 得ることは勿論である。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の薬液注入容器によれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。

【００１５】 Ｉ）本体の反円筒部側の傾斜部のノズル方向長さを円筒部側の傾斜部のノズル 方向長さより少し長く、且つ円筒部のノズル方向長さと円筒部側の傾斜部のノズ ル方向長さとの合計長さよりも短く成形し、本体の反円筒部側を円筒部側へ押圧 すると、反円筒部側の本体底面が円筒部内に入り込み、両側傾斜部が重なり合う よう形成したので、本体底面が円筒部内に入り込むまで押圧すれば、本体内に大 きな空間が残らず本体内部に薬液が残留することが殆どなく、一定量の薬液を正 しく注入し得る。

【００１６】 ＩＩ）また、本体は押圧力を除いても旧形状に復元することがないから、注入 した薬液が容器内に吸い戻されることがない（従来の蛇腹形式の薬液注入容器で は押圧力を除くと薬液が容器内に逆流し、正しい量の薬液を注入できないことが 多い）。

【提出日】平成４年４月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１７

【補正方法】追加

【補正内容】

【００１７】 ＩＩＩ）更に本体内に入っている薬液の粘度があまり高くない場合には、本体 底面をあるところまで押し込むと本体の傾斜部が自動的に反り返り、本体内の薬 液は殆ど残ることなく薬液注入対象物内へ放出される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の薬液注入容器の概略を表わす一部切断
側面図である。

【図２】図１の薬液注入容器の使用後の状態を表わす一
部切断側面図である。

【図３】本考案の薬液注入容器の他の一例の概略を表わ
す一部切断側面図である。

【図４】図３の薬液注入容器の使用後の状態を表わす一
部切断側面図である。

【図５】従来の薬液注入容器の一例の概略を表わす斜視
図である。

【図６】従来の薬液注入容器の他の一例の概略を表わす
側面図である。

【図７】図６の薬液注入容器の使用後の状態の概略を表
わす側面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 円筒部 ３ 傾斜部 ４ 傾斜部 ５ 本体底面 ８ ノズル ａ 傾斜部３のノズル方向長さ ｂ 傾斜部４のノズル方向長さ ｃ 円筒部２のノズル方向長さ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄肉の合成樹脂製でノズル接続側に短い
   円筒部２を有する算盤玉形状の本体１と、該本体１の円
   筒部２側に接続するノズル８とからなり、前記本体１の
   反円筒部２側の傾斜部３のノズル方向長さａを、円筒部
   ２側の傾斜部４のノズル方向長さｂより長く且つ円筒部
   ２のノズル方向長さｃと円筒部側傾斜部４のノズル方向
   長さｂとの合計長さｃ＋ｂよりも短く成形し、本体１の
   反円筒部２側を円筒部２側へ押圧した際、反円筒部２側
   の本体底面５が円筒部２内に入り込み両側傾斜部３，４
   が重なり合うよう形成したことを特徴とする薬液注入容
   器。