JPH057362B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本発明は、スクラブ剤を含有している化粧料に
おいて、スクラブ剤が球状の水添ホホバ油である
ことを特徴とする化粧料に関する。 ［従来の技術］ 皮膚を美しく保つためには、皮膚の新陳代謝を
促し、再生能力を活発にすることが必要である。
その為に、毛孔などに詰まつた汚れや皮脂を取り
除き、老化した角質細胞を剥離させるべく、従来
から化粧品分野においては、さまざまなスクラブ
剤配合化粧料、例えば特開昭50−58241号のよう
なスクラブ皮膚洗浄料が知られている。そして、
通常スクラブ剤としては、アンズの果皮（アプリ
コツト）、ヨクイニン、アーモンドの種子を乾燥
破砕したもの等や、ポリエチレン、ポリビニー
ル、ポリスチレン、ナイロンなどの合成樹脂系の
もの等が有る。これらは、みな不定形であり、特
定の形状であるスクラブ剤は知られておらず、特
に球状のスクラブ剤は全く知られていない。 一方、水添ホホバ油を化粧料に応用した例は、
例えば特開昭56−131512号があるが、これは水添
ホホバ油を油相原料の基剤として応用する例であ
り、そこには水添ホホバ油を球状にする発想も、
球状にした水添ホホバ油をスクラブ剤として応用
する発想も全く示されていない。 ［発明が解決しようとする課題］ 上記のような従来から知られているスクラブ剤
は不定形であつたり、硬度が高すぎるといつた点
から皮膚を傷つける可能性がある。また植物系の
ものは腐敗しやすく安定配合が困難である等の欠
点があつた。 ［課題を解決するための手段］ 本発明者らは、粒径が105〜2000μで球状の水
添ホホバ油をスクラブ剤として配合させることに
より皮膚への強い刺激を伴う事無くして、優れた
スクラブ効果を有し、しかも製品の安定性にも優
れた化粧料を得られる事を見い出し本発明を完成
した。 本発明における球状ではその粒径が105〜
2000μである水添ホホバ油は、ホホバの乾燥種子
より圧搾法にて採取したホホバ油を水素添加し、
公知方法例えばスプレークール法にて球状化した
後、粒径が105〜2000μのものを選別して得られ
る。 さらに、本発明における球状の水添ホホバ油
は、皮膚上で指あるいは手のひら等による摩擦に
より破損しない程度の硬度を有するものである。 そして、主として炭素数16〜24の高級脂肪酸と
炭素数16〜24の高級アルコールから成り、融点は
50〜75℃である。又、ヨウ素化は20以下である。 本発明における水添ホホバ油の粒径が105μ未
満では、スクラブ効果、すなわち角質剥離効果
や、マツサージ効果など本発明の目的とする効果
が発揮されない。また、粒径が2000μを超えると
使用時に皮膚に対する違和感や刺激が増大するば
かりではなく、スクラブ効果が逆に低下する傾向
があり好ましくない。一方、上記水添ホホバ油の
含有量が0.5重量％未満であるとスクラブ効果が
発揮されない。また20重量％を超えると、使用時
に皮膚に対する違和感が強くなるので、不適当で
ある。 本発明の化粧料によれば皮膚刺激が少なく適度
なスクラブ効果とマツサージ効果が得られる。ま
た、水添ホホバ油が油性である為皮膚上の皮脂と
の親和性に優れ、吸着しやすく、安定性にも優れ
た化粧料が得られるのである。 ［発明の効果］ 実施例１のクレンジングクリームを用い、本発
明の効果を実証する。 ＜実験１＞ 球状の水添ホホバ油の粒径の違いによる製品の
評価を行つた。表１に示すように球状の水添ホホ
バ油をふるいにかけ粒径37μ〜4000μの球状水添
ホホバ油をふるいNo.１〜５に分け、(C)の水添ホホ
バ油の部分に配合し、各々実施例１のクレンジン
グクリームを調製した。マツサージ効果は、500
〜1000μで最もよく105μ以下では効果はなかつ
た。スクラブ効果は500〜1000μの範囲で最もよ
く105μ以下では効果はない。また、2000〜4000μ
の範囲でもあまりスクラブ効果はよくなかつた。
皮膚刺激性は37〜1000μの範囲で最もよく2000〜
4000μでは刺激が高かつた。違和感は2000〜
4000μの範囲ではよくなく、1000〜2000μの範囲
でもややよくなかつた。総合評価では105〜
2000μの球状の水添ホホバ油を配合したクレンジ
ングクリームが良い評価がでている。又、最も評
価が高かつたのは500〜1000μの球状の水添ホホ
バ油を配合し

【表】 ◎：良好 ○：やや良好 △：やや不良
×：不良
たクリームであつた。その結果を表１に示す。 ＜実験２＞ 実施例１のクレンジングクリームを用い、(C)の
スクラブ剤の部分を表２に示すように球状水添ホ
ホバ油と従来から知られているスクラブ剤を使用
して各々調製し評価した。尚、使用する各々のス
クラブ剤は16〜32メツシユすなわち500〜1000μ
の粒径のものである。 ＜結果＞ アプリコツトは、不定形のスクラブ剤である。
スクラブ効果は非常に良好であつたが皮膚刺激
性、違和感が非常にあり、総合評価としてはやや
不良であつた。アーモンドは、不定形のスクラブ
剤である。皮膚刺激性、安定性がやや不良であ
り、総合評価としてはやや不良であつた。ポリビ
ニールは、不定形のスクラブ剤である。皮膚刺激
性、違和感がやや不良であつたが、総合評価とし
てはやや良好であつた。ポリエチレンは、不定形
のスクラブ剤である。皮膚刺激性が強く、違和感
が非常にあり、総合評価としてはやや不良であつ
た。ヨ

【表】 ◎：良好 ○：やや良好 △：やや不良 ×：
不良
クイニンは、不定形のスクラブ剤である。皮膚刺
激性が強く、違和感が非常にあり、安定性が非常
に悪く、総合評価は不良であつた。本発明におけ
る水添ホホバ油は、球状のスクラブ剤である。マ
ツサージ効果、スクラブ効果、皮膚刺激性、安定
性が非常に良く、総合評価は良好であつた。 上記結果から明らかなように、本願発明のスク
ラブ剤として球状の水添ホホバ油を含有した化粧
料は、従来のスクラブ剤含有の化粧料と比較し
て、皮膚刺激性、違和感がなくマツサージ効果、
スクラブ効果に著しく優れた化粧料である。 以下に本発明における実施例を示し本発明を具
体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。処方中の各成分の配合
量は重量％とする。 ［実施例］ 実施例 １ クレンジングクリーム (A)パルミチン酸イソプロピル 10.0 流動パラフイン 28.0 鯨ロウ 5.0 ステアリン酸 2.0 セタノール 2.0 P.O.Eモノステアレート 3.0 グリセリルモノステアレート 4.0 香 料 微量 (B)プロピレングリコール 5.0 精製水 38.0 防腐剤 微量 (C) 水添ホホバ油（粒径500〜1000μ） 3.0 製法：(A)と(B)をそれぞれ70〜75℃加温し、(B)を
(A)に加えて乳化し、35℃まで冷却した後、(C)を均
一に分散させる。 実施例 ２ コールドクリーム (A)流動パラフイン 40.0 セタノール 2.0 ステアリン酸 3.0 グリセリルモノステアレート 3.0 P.O.E.モノステアレート 1.0 パラフインワツクス 5.0 ミツロウ 5.0 香 料 微量 (B)精製水 36.0 プロピレングリコール 3.0 ホウ砂 0.5 防腐剤 微量 (C) 水添ホホバ油（粒径105〜2000μ） 1.5 製法：(A)と(B)をそれぞれ70〜75℃加温し、(B)を
(A)に加えて乳化し、30℃まで冷却した後、(C)を均
一に分散させる。 実施例 ３ クリームパツク (A)流動パラフイン 10.0 ステアリン酸 3.0 パラフインワツクス 2.0 セタノール 3.0 P.O.E.モノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 香 料 微量 (B)精製水 62.0 ポリビニルアルコール 2.0 グリセリン 5.0 プロピレングリコール 5.0 防腐剤 微量 (C) 水添ホホバ油（粒径105〜1000μ） 5.0 製法：(A)と(B)をそれぞれ70〜75℃加温し、(B)を
(A)に加えて乳化し、30℃まで冷却した後、(C)を均
一に分散させる。 実施例 ４ 洗顔料 (A)ミリスチン酸 30.0 ステアリン酸 5.0 プロピレングリコール 5.0 香 料 微量 (B)精製水 50.0 水酸化カリウム 6.0 (C) 水添ホホバ油（粒径500〜1000μ） 4.0 製法：(A)と(B)をそれぞれ80〜85℃に加温し、(A)
を撹拌しながら、(B)を少量づつ(A)に加入したの
ち、45℃まで冷却し、(C)に均一に分散させる。 実施例１と同様に、実施例２〜４において得ら
れた本発明に係る化粧料を製品評価した結果、い
ずれも皮膚刺激性、違和感はなく、マツサージ効
果、スクラブ効果の著しく優れた製品と評価され
た。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スクラブ剤を含有している化粧料において、
   球状の水添ホホバ油をスクラブ剤として含有して
   おり、かつその粒径が105〜2000μであることを
   特徴とする化粧料。 ２ 球状の水添ホホバ油を0.5〜20重量％含有す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   化粧料。 ３ 水添ホホバ油の粒径が500〜1000μであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の化粧
   料。