JPH0573419B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は生理用ナプキン及び生理用ナプキンの
製造法に関するものである。

［従来の技術とその問題点］ 従来の生理用ナプキンは、主としてパルプやレ
ーヨンから製造され、水分や経血を吸収する吸収
体と、水分や経血等をはじいて外に漏れないよう
にする防水材からなり、これらが一体となつた構
成になつている。そして使用に当つて水分や経血
等が横から漏れないように種々研究がなされてい
るが、使用時生理用ナプキンに縦しわが生じ使用
感を悪くするという問題点があり、また横漏れを
起すことがあるという問題点があつた。従来の生
理用ナプキンは上記のように一体構造になつてい
るので、肌にフイツトする表側と下着に接する裏
側とが一体に動いてしまう。また、裏側が歩いた
りする行動で変形すると、横洩れ等の原因となつ
ていた。表側が肌にフイツトして動き、裏側が下
着に接して動けば、横洩れ等を防止し、しかも使
用感がよくなるので、本発明者は、表側の吸収体
と裏側の防水材とを別々に形成して重ね、当該吸
収体と防水材の両端を接着固定した生理用ナプキ
ンの製造法並に生理用ナプキンを発明し、先に出
願した（特許第1489596号、特公昭63−36778号）
（特願昭61−291635号、特開昭63−145653号）特
願昭62−288525号、特開平１−131660号）。

本発明者はその後上部吸収体と下部吸収体の長
手方向両端を固定する構造について更に研究を加
え、従来の生理用ナプキンよりも使用感がよくて
使い易く、しかも横漏れを完全に防止するナプキ
ンであるとともに製造が容易であり、安価に製造
することができる生理用ナプキンを得ることがで
きた。

本発明は前記問題点を解決し、上記のような生
理用ナプキン及び生理用ナプキンの製造法を提供
することを目的とする。

［問題点を解決するための手段」 上記問題点を解決し、発明の目的を達成するた
め本発明に係る生理用ナプキン及び生理用ナプキ
ンの製造法は次のように構成したことを特徴とす
る。すなわち、本発明の第１は、高分子吸収剤を
介在させた吸収材の、上面に不織布を、下面の長
手方向両側に防水紙を配設してなる上部吸収体を
上に、高分子吸収剤をを介在させた吸収材の、上
面に不織布又は吸収紙を、下面に防水紙を配設し
且つ防水紙の下面に固定テープを配設してなる下
部吸収体を下にして重ね、上記上部吸収体と下部
吸収体の長手方向の両端のみを固定してなること
を特徴とする生理用ナプキンであり、本発明の第
２は、吸収材の間に高分子吸収剤を介在させ、上
面に不織布を、下面の長手方向両側に防水紙を配
設し、不織布と防水紙の周囲を接着あるいは融着
して上部吸収体を形成する第１工程と、吸収材の
間に高分子吸収剤を介在させ、上面に不織布又は
吸収紙を、下面に防水紙を配設し、不織布又は吸
収紙と防水紙の周囲を接着あるいは融着するとと
もに防水紙の下面に固定テープを設けて下部吸収
体を形成する第２工程と、上記の第１工程により
得られた上部吸収体を上に、第２工程により得ら
れた下部吸収体を下にして重ね、長手方向の両端
のみを固定する第３工程とからなることを特徴と
する生理用ナプキンの製造法であり、本発明の第
３は、高分子吸収剤を介在させた吸収材の、上面
に不織布を、中央部に穴を設けた防水紙を下面に
配設してなる上部吸収体を上に、高分子吸収剤を
介在させた吸収材の、上面に不織布又は吸収紙
を、下面に防水紙を配設し且つ防水紙の下面に固
定テープを配設してなる下部吸収体を下にして重
ね、上記上部吸収体と下部吸収体の長手方向の両
端のみを固定してなることを特徴とする生理用ナ
プキンであり、本発明の第４は、吸収材の間に高
分子吸収剤を介在させ、上面に不織布を、中央部
に穴を設けた防水紙を下面に配設し、不織布と防
水紙の周囲を接着あるいは融着して上部吸収体を
形成する第１工程と、吸収材の間に高分子吸収剤
を介在させ、上面に不織布又は吸収紙を、下面に
吸収紙を配設し、不織布又は吸収紙と防水紙の周
囲を接着あるいは融着するとともに防水紙の下面
に固定テープを設けて下部吸収体を形成する第２
工程と、上記の第１工程により得られた上部吸収
体を上に、第２工程により得られた下部吸収体を
下にして重ね、長手方向の両端のみを固定する第
３工程とからなることを特徴とする生理用ナプキ
ンの製造法である。

［実施例］ 以下図面に示す本発明の実施例により詳細に説
明する。第１図は本発明に係る生理用ナプキンの
第１実施例の上部吸収体の上面図、第２図は同下
面図、第３図、第４図は第１実施例の上部吸収体
の他の実施例の上面図、同下面図、第５図は下部
吸収体の上面図、第６図は下部吸収体の下面図、
第７図は第２実施例の上部吸収体の下面図、第８
図、第９図は中央部の断面図である。ここで、１
は上部吸収体、２は下部吸収体、３は高分子吸収
剤、４はパルプ、５は吸収紙、６は不織布、７は
防水紙、７１は穴、８は両端の固定部分、９は固
定テープ、９１は剥離紙を示す。

本発明に係る生理用ナプキンの第１実施例は、
上部吸収体１を上に、下部吸収体２を下にして重
ね、上部吸収体１と下部吸収体２の長手方向の両
端のみを固定してなる。又、下記のようにして製
造される。

上部吸収体１は、高分子吸収剤３を介在させた
吸収材の、上面に不織布６を、下面の長手方向両
側に防水紙７を配設してなる。ここで吸収材とし
ては、パルプ４、吸収紙５等を挙げることができ
る。又防水紙７としては、合成樹脂フイルムラミ
ネート紙等を挙げることができる。なお合成樹脂
フイルムラミネート紙は、不織布、布、紙等にポ
リエチレン樹脂等の薄いフイルムを積層したもの
などである。

上部吸収体１は次のようにして形成する。先ず
吸収材としてパルプ４、吸収紙５を用意し、パル
プ４の間に高分子吸収剤３を介在させ、上下から
吸収紙５で挟む。次に上面に不織布６を、下面の
長手方向両側に防水紙７を配設し、外側の不織布
６と防水紙７を接着あるいは融着して上部吸収体
１を形成する。これが第１実施例の第１工程であ
る。

パルプ４と高分子吸収剤３との混合状態は、パ
ルプ４と高分子吸収剤３とが完全に均一に混合し
ていてもよく、あるいはパルプ４の中心部分に高
分子吸収剤３を配設した状態でもよい。高分子吸
収剤３は粉末状、シート状あるいは糸状等各種の
形状の高分子吸収剤３を使用することができる。
高分子吸収剤３とは、よく水等を吸収し保水する
高分子化合物であつて、例えば架橋剤でゆるく橋
をかけたポリアクリル酸ソーダ等を挙げることが
できる。

上部吸収体１は、第３図、第４図に示されるよ
うに長手方向にＩ形としてもよい。Ｉ形に形を整
える際、防水紙７の上に高分子吸収剤３を配設し
たパルプ４を置き、その上に不織布６を置いてか
ら上型と下型とで挟み、加圧、要すれば加熱して
形成する、いわゆるモールド方式であるが、この
モールド方式によれば、自由な形状に形成するこ
とができ、自動化が可能であり、量産できて、低
コストで生産することが可能となる。

又当該Ｉ形の場合に、図に示されるように幅広
の部分の右側を広くし且つ端部の曲率を小さくし
て、当該右側が後部になるように使用時に装着す
ると、就寝時にも漏れることが全くなく、安心し
て休むことができる。

第２実施例の上部吸収体１は、第１実施例の上
部吸収体１が、その下の長手方向両側に防水紙７
を配設してなるのに対し、第７図に示されるよう
に中央部に穴７１を設けた防水紙７を下面に配設
してなるものである。

この第２実施例の上部吸収体１の場合は、第１
工程において、吸収材の間に高分子吸収剤を介在
させ、上面に不織布を、中央部に穴を設けた防水
紙を下面に配設し、不織布と防水紙の周囲を接着
あるいは融着して上部吸収体を形成する。

なお、第１実施例、第２実施例いずれの場合に
も、上部吸収体１の不織布と防水紙とが第８図に
示されるようにその端部を一にしてもよく、ある
いは第９図に示されるように防水紙が不織布を巻
き込んでいてもよい。

下部吸収体２は、高分子吸収剤３を介在させた
吸収材の、上面に不織布４又は吸収紙５を、下面
に防水紙７を配設し且つ防水紙７の下面に固定テ
ープ９を配設してなる。

第１実施例に係る下部吸収体２は、吸収紙５が
上面に配置された場合であるが、吸収紙５の代り
に不織布６を配置してもよい。又下面の防水紙７
は第８図に示されるように、上面の吸収紙５と下
面の防水紙７の接着あるいは融着部から下の内側
に折り曲げて形成してもよく、あるいは第９図に
示されるように上面の吸収紙５と下面の防水紙７
の接着あるいは融着部までとしても良い。そし
て、防水紙７の下面に固定テープ９を配設する。
固定テープ９には剥離紙９１を配しておき、使用
時に当該剥離紙９１を剥離して使用する。固定テ
ープ９は両面粘着テープを使用してもよく、ある
いはホツトメルトの粘着剤を配し、その上に剥離
紙を貼着してもよい。

第２実施例に係る下部吸収体２も、上記第１実
施例に係る下部吸収体２と同様である。

上記第１実施例、第２実施例に係る下部吸収体
は、いずれも第８図、第９図に示されるように上
部吸収体１よりも幅広く形成されているが、同一
幅であつてもよい。

第１実施例、第２実施例に係る下部吸収体２は
次のようにして形成する。先ず吸収材としてパル
プ４、吸収紙５を用意し、パルプ４の間に高分子
吸収剤３を介在させ、上面に吸収紙５、その上に
不織布６を置き、下面に防水紙７を配設し、不織
布６と防水紙７の周囲を接着あるいは融着する。
更に防水紙７の下面に固定テープ９を設けて下部
吸収体２を形成する。これが第２工程である。

第１実施例、第２実施例の生理用ナプキンは共
に、上記の第１工程により得られた上部吸収体１
を上に、第２工程により得られた下部吸収体２を
下にして重ね、長手方向の両端のみを固定して形
成されている。

上記第１実施例、第２実施例の生理用ナプキン
は共に、上記の第１工程により得られた上部吸収
体１を上に、第２工程により得られた下部吸収体
２を下にして重ね、長手方向の両端のみを固定す
る。これが第３工程である。

上部吸収体１と下部吸収体２との固定方法は
色々あるが、接着あるいは融着が適している。両
端の固定は第１図に示されるように両端部全体を
固定してもよく、あるいは又両端部の一部例えば
両端部の両端を固定してもよい。

このように上部吸収体１と下部吸収体２とが固
定してあるので、中央部は上部吸収体１と下部吸
収体２とが各々異なる働きをする。すなわち、上
部吸収体１は肌とフイツトして自由に移動して、
水分や経血等が四方ににじみ広がることを防止
し、下部吸収体２は固定テープ９によりシヨーツ
等の下着に固定され、身体を動かすことによる横
漏れ等を防止する。

更に、第１実施例では血液等が上部吸収体１の
不織布６を通して吸収材に吸収された後、上部吸
収体１の下面の防水紙７間から下部吸収体２に移
行して、下部吸収体２の吸収材に吸収されるの
で、横漏れの心配が全くない。又第２実施例では
血液等が上部吸収体１の不織布６を通して吸収材
に吸収された後、上部吸収体１の下面の防水紙７
の穴７１から下部吸収体２に移行して、下部吸収
体２の吸収材に吸収されるので、横漏れの心配が
全くない。

［発明の効果］ 本発明に係る生理用ナプキン及び生理用ナプキ
ンの製造法により得られた生理用ナプキンは上記
のように構成されているので、次のような効果を
有する。

すなわち、上部吸収体と下部吸収体とを別々に
分けて作り、上部吸収体を上側にし、下部吸収体
を下側にして長手方向の両端を固定してあるの
で、上部吸収体の中央部は身体の局部と一体とな
つて自由に移動することが可能となり、上部吸収
体はその働きを100％発揮させることができる。
また、下部吸収体は固定の働きを100％発揮させ
ることが可能であると共に上部吸収体に吸収され
た血液等は上部吸収体の下面の防水紙の間あるい
は防水紙の穴から下部吸収体に移行して、下部吸
収体の吸収材に吸収されるので横漏れの心配は全
くない。上部吸収体は丁度カンガルーの袋のよう
になつているので、経血や水分はこの袋の中に閉
じ込められてしまう。更に上部吸収体の下には下
部吸収体が設けてあるので、この下部吸収体にも
経血や水分が吸収されることとなり全く横漏れが
起こらないという効果を有する。

また、本発明に係る生理用ナプキンの製造法は
上記のように構成されているので、製造が容易で
あり、しかも自動機械による製造も可能であるの
で安価に製造することができるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る生理用ナプキンの第１実
施例の上部吸収体の上面図、第２図は同下面図、
第３図、第４図は第１実施例の上部吸収体の他の
実施例の上面図、同下面図、第５図は下部吸収体
の上面図、第６図は下部吸収体の下面図、第７図
は第２実施例の上部吸収体の下面図、第８図、第
９図は中央部の断面図である。 １……上部吸収体、２……下部吸収体、３……
高分子吸収剤、４……パルプ、５……吸収紙、６
……不織布、７……防水紙、７１……穴、８……
両端の固定部分、９……固定テープ、９１……剥
離紙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高分子吸収剤を介在させた吸収材の、上面に
   不織布を、下面の長手方向両側に防水紙を配設し
   てなる上部吸収体を上に、高分子吸収剤を介在さ
   せた吸収材の、上面に不織布又は吸収紙を、下面
   に防水紙を配設し且つ防水紙の下面に固定テープ
   を配設してなる下部吸収体を下にして重ね、上記
   上部吸収体と下部吸収体の長手方向の両端のみを
   固定してなることを特徴とする生理用ナプキン。 ２ 吸収材の間に高分子吸収剤を介在させ、上面
   に不織布を、下面の長手方向両側に防水紙を配設
   し、不織布と防水紙の周囲を接着あるいは融着し
   て上部吸収体を形成する第１工程と、吸収材の間
   に高分子吸収剤を介在させ、上面に不織布又は吸
   収紙を、下面に防水紙を配設し、不織布又は吸収
   紙と防水紙の周囲を接着あるいは融着するととも
   に防水紙の下面に固定テープを設けて下部吸収体
   を形成する第２工程と、上記の第１工程により得
   られた上部吸収体を上に、第２工程により得られ
   た下部吸収体を下にして重ね、長手方向の両端の
   みを固定する第３工程とからなることを特徴とす
   る生理用ナプキンの製造法。 ３ 高分子吸収剤を介在させた吸収材の、上面に
   不織布を、中央部に穴を設けた防水紙を下面に配
   設してなる上部吸収体を上に、高分子吸収剤を介
   在させた吸収材の、上面に不織布又は吸収紙を、
   下面に防水紙を配設し且つ防水紙の下面に固定テ
   ープを配設してなる下部吸収体を下にして重ね、
   上記上部吸収体と下部吸収体の長手方向の両端の
   みを固定してなることを特徴とする生理用ナプキ
   ン。 ４ 吸収材の間に高分子吸収剤を介在させ、上面
   に不織布を、中央部に穴を設けた防水紙を下面に
   配設し、不織布と防水紙の周囲を接着あるいは融
   着して上部吸収体を形成する第１工程と、吸収材
   の間に高分子吸収剤を介在させ、上面に不織布又
   は吸収紙を、下面に防水紙を配設し、不織布又は
   吸収紙と防水紙の周囲を接着あるいは融着すると
   ともに防水紙の下面に固定テープを設けて下部吸
   収体を形成する第２工程と、上記の第１工程によ
   り得られた上部吸収体を上に、第２工程により得
   られた下部吸収体を下にして重ね、長手方向の両
   端のみを固定する第３工程とからなることを特徴
   とする生理用ナプキンの製造法。