JPH0572822U - バケット搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送途中の各被搬送物の姿勢を整列状態とす
ることのできるバケット供給装置を提供すること。 【構成】 コンベア搬送装置３は、供給コンベア２の搬
出端近傍に配置された従動スプロケット４と、進行方向
前方に配置された駆動スプロケット５間に渡設されたエ
ンドレスチェーン６に多数のバケット７が装着されて構
成されている。そして、このバケットがエンドレスチェ
ーン上に固定された帯状の底板部７ａと、その底板部７
ａの進行方向後側縁に連続的に起立形成された平板状の
背板部７ｂとから構成され、しかも、底板部と背板部と
の成す角を鈍角としている。そして、この鈍角の程度
は、搬送中の被搬送物１が前倒し状態にならない角度に
適宜設定される。なお、それら底板部と背板部は、一枚
の板を折曲して形成してもよく、或いは複数部材から構
成することもできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はバケット搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

物品（被搬送物）を所定間隔毎に搬送する搬送装置の一つとしてバケット搬送 装置がある。そして、従来の一般的なバケット搬送装置は、前面開放された断面 略Ｌ字状の多数のバケットがエンドレスチェーンに装着され、そのエンドレスチ ェーンの回転にともなって前進移動する。そして、通常エンドレスチェーンが渡 設された進行方向後方側のスプロケットの近傍位置が被搬送物の搬入側となる。 すなわち、スプロケットの円周上に位置するバケットは、放射状に拡開状態とな り、前後に隣接するバケットの間隔が広がるため被搬送物をバケット内に供給し やすくなるからである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のバケット搬送装置では、各バケットの形状が断面略Ｌ 字状、すなわち、バケットを構成する底板部とその底板部の進行方向後側に連繋 された背板部との成す角が直角であったために、被搬送物を整列状態で安定して 搬送することができなかった。

【０００４】 すなわち、バケット内へのスムーズな供給を考慮して、被搬送物の前後方向の 厚みより、前後のバケットの間隔（前後の背板部間の距離）のほうを長く設定し ており、しかも、通常は異なる寸法の被搬送物に対応できるようにバケットの寸 法はさらに余裕を持って大きく形成されている。

【０００５】 その結果、たとえ被搬送物を整列状態（略真っ直ぐに立てた「駒立て状」を整 列状態とする）でバケットに供給したとしても、その搬送中に姿勢が崩れてしま い、しかも、ある被搬送物は前方に向けて倒れて前方のバケットの背板部に当接 したり、また、他のある被搬送物は、その後面は供給されたバケットの背板部に 当接しているものの、その被搬送物の下部が前方に大きく移動して傾斜状に崩れ たりするように、その崩れた姿勢もばらばらとなる。とくに、この種のバケット 搬送装置は、間欠駆動をするため、その停止と駆動の切り替え時に生じる慣性力 により、上記問題が顕著となる。

【０００６】 さらに、被搬送物が湿布剤や、入浴剤等を包装した偏平な包装物の場合には、 それを起立させると安定性が極めて低いため、上記問題がより顕著となる。そし て、通常この種のバケット搬送装置を用いる場合には、複数のバケットにて搬送 されている被搬送物を一纏めの物品群として前後の物品群と分離され、次段の工 程において、その一纏めの物品群が集積され、バンド掛けや箱詰め等により一体 化される。しかし、上述のごとく崩れた姿勢がばらばらとなると、両側から中央 に向かって挟圧して集積しようとすると、その中の幾つかの被搬送物が他の被搬 送物の下側に入り込んだり、或いは上方に乗り越えたりし、綺麗に集積すること ができないなどの種々の問題を有する。

【０００７】 本考案は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、 被搬送物の種類や、バケット搬送装置の駆動形態等に関係なく、搬送途中の各被 搬送物の姿勢を整列状態とすることのできるバケット搬送装置を提供することに ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために、本考案に係るバケット搬送装置では、被搬送 物を受け取り搬送する複数のバケットと、その複数のバケットをエンドレス状に 移動させる手段とからなるバケット搬送装置において、前記バケットが少なくと も前記被搬送物の下面側を受ける底板部と、前記被搬送物の進行方向後側面を受 ける背板部とを有し、それら底板部と背板部との成す角を鈍角とした。

【０００９】 また好ましくは、前記バケットの少なくとも一側面が開放されると共に、前記 被搬送物がその開放された側面側に搬出されるバケット搬送装置であって、その 搬出部位における他側面側に前記バケットの移動方向と略直交する方向に移動可 能な櫛歯状のプッシャーを配設し、かつ、そのプッシャーの各歯部が、前記背板 部の傾斜角度に略一致した角度で略平行に配置することである。

【００１０】

【作用】

複数のバケット内に被搬送物が順次供給され、その被搬送物はバケットの移動 にともない搬送される。そしてバケット内に供給された各被搬送物は、バケット の背板部にもたれかかり、その背板部の傾斜方向に沿って同一方向に傾斜した状 態で搬送される。その結果、例えばバケットを間欠的に移動させたり、あるいは 被搬送物が座りの悪い形状などであってもバケット内でランダムにその姿勢を変 えることがなく、整列状態を維持しながら搬送される。

【００１１】 また、バケットの進行方向の側方所定位置にプッシャーを配置した場合には、 そのプッシャーに対向する位置に被搬送物を収納したバケットが位置すると、プ ッシャーがバケットに向けて前進移動する。すると、プッシャーの歯部はバケッ トの背板部の傾斜角度に略一致されているため、その歯部はスムーズに前後に隣 接するバケットの背板部間の斜めの空間内に入り込み、被搬送物を前方へ付勢す る。これにより、その被搬送物はバケットの開放された側面より押し出され、搬 出される。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案に係るバケット搬送装置の好適な実施例について、添付図面を参 照にして詳述する。 図１〜図３に示すように、被搬送物１を所定間隔毎に連続して搬送供給する供 給コンベア２の搬出端側に本考案に係るコンベア搬送装置３が配置されている。 そして、本例では被搬送物１としては複数の偏平な袋体をバンド掛けなどにより 一体化したものであり、このようにバンド掛けしたことにより、側縁が収束して その厚みが薄くなり、中央部が膨らんだ極めて不安定な状態となっている。

【００１３】 コンベア搬送装置３は、供給コンベア２の搬出端近傍に配置された２個の従動 スプロケット４と、進行方向前方に配置された２個の駆動スプロケット５間に平 行状態に渡設された２本のエンドレスチェーン６に多数のバケット７が装着され て構成されている。

【００１４】 ここで本考案では、上記バケット７が上記２本のエンドレスチェーン６上を跨 ぐようにして固着された帯状の底板部７ａと、その底板部７ａの進行方向後側縁 に連続的に起立形成された平板状の背板部７ｂとから構成され、しかも、底板部 ７ａと背板部７ｂとの成す角を鈍角とした。そして、この鈍角の程度は、搬送中 の被搬送物１が前倒し状態にならない角度に適宜設定される。なお、それら底板 部７ａと背板部７ｂは、一枚の板を折曲して形成してもよく、或いは複数部材か ら構成することもできる。

【００１５】 また本例では、上方の水平な搬送路８を移動中の前後のバケット７の底板部７ ａ同士が近接するように配置されている。さらに本例では、バケット７は基本的 に上記底板部７ａと背板部７ｂとから構成されており、その両側部はともに開放 状態となっている。

【００１６】 また、上記駆動スプロケット５は駆動チェーン９を介して駆動モータ１０に連 繋されているが、その駆動モータ１０に近接配置された近接スイッチ１１により その回転が制御され、バケット７を所定の位置で停止させたり、所定のタイミン グで間欠駆動させたりするようになっている。

【００１７】 一方、搬送路８の一側面側には、搬送路８と直交方向に前後進移動可能なプッ シャー１５が配置されている。このプッシャー１５は、下方に向けた櫛歯状とな っており、各歯部１５ａは背板部７ｂの傾斜角度に略一致した角度で略平行に配 置されている。また、各歯部１５ａの幅は、上記底板部７ａの前後方向の幅より 若干狭くしている。これにより、図１中実線で示すようにプッシャー１５の各歯 部１５ａは、バケット７内に入り込むことができ、その状態でそのプッシャー１ ５の後方に配置された駆動装置１６を作動させることによりプッシャー１５を前 進移動させると、そのプッシャー１５により所定数（本例では９個）のバケット ７内に供給された被搬送物１が、バケット７の開放側面より押し出されて搬出さ れる。また、被搬送物１の排出が完了したなら、プッシャー１５は後退移動して 、もとの位置に復帰するが、この後退移動時は図１中二点鎖線で示すように一旦 上方に移動した状態で行われる。これにより、プッシャー１５の後退移動により バケット７の移動が抑制されることがない。

【００１８】 さらに本例では、上記プッシャー１５の設置位置と反対側の搬送路８の側面側 に、前記搬出された９個の被搬送物１を受け、一纏めにした状態で移動する分離 搬出装置２０が配置されている。この分離搬出装置２０は、図２，図３に示すよ うに、前記プッシャー１５の移動方向に沿って、所定の間隔をおいて平行に配置 された一対のガイド板２１と、押し出し方向の前方所定位置に配置され、搬出さ れた被搬送物１の前進を規制するガイド板２２と、搬出された被搬送物１の下面 を受ける基板２３とを備えている。そして、ガイド板２１は、図３中矢印Ａに示 す方向に、接近・離反が行われる。

【００１９】 さらに、基板２３の下面側には、スライドレール２４が設けられており、さら にそのスライドレール２４の下方には、シリンダ等からなる駆動装置２５が設置 されている。そして、その駆動装置２５により、上記基板２３さらにはその基板 ２３上に配置された一対のガイド板２１が同図中矢印Ｂ方向に向けて前後進移動 できるようになっており、この移動により上記一対のガイド板２１が接近して９ 個の被搬送物１からなる物品群２６を所定圧で挟持した状態で搬送できるように なっている。

【００２０】 次ぎに上記した実施例の作用について説明する。まず、バケット搬送装置３は 、間欠駆動しており、より具体的には、バケット７の１個分のスパンで前進移動 している。そして、停止した時には、図１に示すように供給コンベア２の搬出側 近傍に位置するバケット７の背板部７ｂが略水平状態となっている。これにより 、供給コンベア２から所定間隔で連続的に供給される被搬送物１がバケット７上 に移載されて来てもそこから落下することなくスムーズかつ確実にバケット７内 に供給されることになる。

【００２１】 そして、バケット７の移動にともない被搬送物１は搬送路８上を順次前進移動 していくが、被搬送物１は背板部７ｂに当接してもたれかかるようにしてバケッ ト７内に収納されるため、図１に示すように同一方向に若干傾斜状に整列した状 態で移動することになる。そして、この移動の際に間欠移動による慣性力などに よりバケット７内で被搬送物１が揺れることもあるが、上述のごとく背板部７ｂ が傾斜しているため、その傾斜に打ち勝って前倒し状態（被搬送物の上方側が前 方のバケットの背板部に当接する）となることはない。

【００２２】 そして、所定位置にまで進むと、前から９個分のバケット７内に収納された被 搬送物１がプッシャー１５により側方に押し出され、バケット搬送装置３から搬 出され、分離搬送装置２０側に移載される。この押し出し時には、被搬送物１の 移動方向両側にガイド板２１が位置しているため、そのガイド板２１に案内され て各被搬送物１は起立状態で基板２３上に載置される。この時、各被搬送物１は バケット搬送装置３上における搬送姿勢と同様に同一方向に整列した傾斜状で配 列している。

【００２３】 次いで、両ガイド板２１が中央に向けて移動することにより両ガイド板２１の 間隔が狭くなり、間に位置している被搬送物１からなる物品群２６は、その両側 より所定方向に付勢されることにより略垂直状態で起立する。このようにガイド 板２１から付勢されても、上記したごとく各被搬送物１は同一方向に傾斜してい るため、隣接する他の被搬送物の下側に潜り込んだり、或いは上方に乗り上げた りすることなく、綺麗に整列させることができる。そして、この状態でガイド板 ２１と基板２３とは、図３中矢印Ｂ方向に移動し、物品群２６を所定位置に搬送 し、その物品群２６を次段の各種装置に移載した後、基板２３並びにガイド板２ １は矢印Ｂとは逆方向に移動してもとの位置に復帰する。

【００２４】 一方、分離搬送装置２０にて上記作業を行っている間に、プッシャー１５は後 退移動してもとの位置に復帰するとともに、バケット搬送装置３の搬送路８上を 順次被搬送物１が移動する。そして、被搬送物１が供給された９個分のバケット ７が所定位置に来ると、再度プッシャー１５が前進移動して係る被搬送物１を押 し出す。ところで、この再度の押し出しまでの間は、９個分のバケット７が移動 する必要があるため、この間に上記分離搬送装置２０における物品群２６の搬送 処理が終了する。これにより、バケット搬送装置３上を所定間隔毎に連続的に搬 送されて来た被搬送物１のうち、先頭の９個分のバケット７にて搬送された被搬 送物が、後続の被搬送物１から分離されることになる。

【００２５】 なお、上記した実施例では、１のバケットにて搬送する被搬送物１として、複 数の物品をバンド掛けして一纏めにしたものを用いた例について説明したが、本 考案はこれに限ることなく、バンド掛け等することなくばらばらの状態のもので もよく、或いは、１個単位のものでもよく、さらには、その形状も偏平な袋状の ものに限ることはない。

【００２６】 また、上記した実施例では、すべてのバケットを前後に近接状態で配置した例 について説明したが、本考案はこれに限ることなく、例えば複数のバケットから なるバケット群を所定間隔をおいて配置したりするなどの他、種々の構成のバケ ット搬送装置に適用することができる。

【００２７】 そして、バケットをエンドレス状に移動させる手段としては、上記実施例では スプロケットに渡設されたエンドレスチェーンとしたが、本考案は必ずしもエン ドレスチェーンに限ることはなく、さらには、上記実施例のようにエンドレスチ ェーンに固定する必要はなく、所定位置等にてエンドレスチェーン等から離脱す るものでもよい。すなわち、本考案でいうところのエンドレス状とは、被搬送物 を搬送したバケットがその経路は問わず、再び元の被搬送物供給位置に戻り、エ ンドレス的に被搬送物の搬送が可能となっていればよいのである。

【００２８】

【考案の効果】

以上のように、本考案に係るバケット搬送装置では、バケットを構成する底板 部と背板部との成す角を鈍角としたため、バケット内に供給され搬送される被搬 送物は、その背板部にもたれかかった状態で搬送されることになり、その背板部 の傾斜方向に沿って同一方向に傾斜した状態で搬送することができる。その結果 、被搬送物がバケット内でランダムにその姿勢を変えることがなく、整列状態を 維持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るバケット搬送装置の好適な実施例
を示す正面図である。

【図２】図１に示すii−ii線矢視断面図である。

【図３】同平面図である。

【符号の説明】

１ 被搬送物 ３ バケット搬送装置 ４ 従動スプロケット（バケットをエンドレス状に移動
させる手段） ５ 駆動スプロケット（バケットをエンドレス状に移動
させる手段） ６ エンドレスチェーン（バケットをエンドレス状に移
動させる手段） ７ バケット ７ａ 底板部 ７ｂ 背板部 １５ プッシャー １５ａ 歯部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被搬送物を受け取り搬送する複数のバケ
   ットと、その複数のバケットをエンドレス状に移動させ
   る手段とからなるバケット搬送装置において、 前記バケットが少なくとも前記被搬送物の下面側を受け
   る底板部と、前記被搬送物の進行方向後側面を受ける背
   板部とを有し、それら底板部と背板部との成す角を鈍角
   としたことを特徴とするバケット搬送装置。
2. 【請求項２】 前記バケットの少なくとも一側面が開放
   されると共に、前記被搬送物がその開放された側面側に
   搬出されるバケット搬送装置であって、その搬出部位に
   おける他の側面側に前記バケットの移動方向と略直交す
   る方向に移動可能な櫛歯状のプッシャーを配設し、か
   つ、そのプッシャーの各歯部が、前記背板部の傾斜角度
   に略一致した角度で略平行に配置されてなることを特徴
   とする請求項１に記載のバケット搬送装置。