JPH057202A - 暗号化通信装置及び暗号化伝送システム - Google Patents

暗号化通信装置及び暗号化伝送システム

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JPH057202A
JPH057202A JP3288717A JP28871791A JPH057202A JP H057202 A JPH057202 A JP H057202A JP 3288717 A JP3288717 A JP 3288717A JP 28871791 A JP28871791 A JP 28871791A JP H057202 A JPH057202 A JP H057202A
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賢治 岡田
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信之 戸倉
Kiyomi Kumosaki
清美 雲崎
Norimoto Miki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 秘話性の高い暗号化通信装置及び暗号化伝送
システムを実現する。 【構成】 第1通信装置100Aと第2通信装置100
Bとが伝送路10Lにより接続された暗号化伝送システ
ムにおいて、第1通信装置100Aは受信信号に対応し
た信号を使って送信すべき情報信号Aを暗号化する変換
部17Aを有し、第2通信装置100Bは第1通信装置
100Aに送信すべき情報Bをキー情報として記憶する
情報メモリ23Bと、情報メモリ23Bから読出したキ
ー情報を使って第1通信装置100Aから受信した暗号
化信号A′を復号する逆変換部18Bを有している。暗
号化通信装置100Aは受信信号に対応した信号を使っ
て送信情報信号Aを暗号化する変換部17Aと、送信す
べき情報信号Aをキー情報として記憶する情報メモリ2
3Aと、情報メモリ23Aからのキー情報を使って受信
信号B′を復号する逆変換部18Aを有している。送信
情報信号が変化するにつれキー情報が変化し秘話性の高
い暗号化伝送システム及び暗号化通信装置が実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複数の暗号化通信装置
が伝送路を介して互いに秘話通信を行う暗号化伝送シス
テム及び暗号化通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の秘話通信を行う伝送システムにお
いては例えば図1に示すように伝送路10Lに接続され
た暗号化通信装置100Aと100Bがそれぞれ送信す
べき情報を暗号化して相手に送信し、また相手からの暗
号化受信信号を解読して情報を得る。各暗号化通信装置
はその1つ100Aで説明すると、送信すべき情報信号
Aはスクランブル回路11Aにより暗号化され、送信回
路12Aにより伝送路10Lに送出される。スクランブ
ル回路11Aは情報信号Aを擬似ランダムパタン発生器
15Aにより発生される固定のランダムパターンK1
(暗号化キー)で暗号化する。暗号化された信号A′は
送信回路12Aにより伝送路10Lを通して通信装置1
00Bに送出される。一方通信装置100Bから伝送路
10Lを通して受信回路13Aにより受信された信号
B′はデスクランブル回路14Aにおいて擬似ランダム
パタン発生器16Aにより発生された固定のランダムパ
ターンK2(解読キー)を使って解読され、通信装置1
00Bからの情報信号Bが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1のような従来の暗
号化伝送システムにおいては、秘話性を高かめるため暗
号化のために使用するランダムパターンK1,K2とし
て非常に長いランダムパターンを使用し、かつ複雑な変
換を行おうとすると、スクランブル回路11A,11
B,及びデスクランブル回路14A,14Bの回路規模
が大きくなり、価格が高くなる欠点がある。しかも使用
するランダムパターンK1,K2は固定されているた
め、第3者に解読される可能性を皆無に近かづけること
は困難である。例えば同様の構成の暗号化通信装置が1
00A,100B以外にも伝送路10Lに接続されてい
る場合に、それぞれの通信装置のスクランブル回路及び
デスクランブル回路を同様な仕様の回路で構成し、同様
の変換規則や変換周期を適用すると通信装置間の秘話性
を低くめてしまう。
【0004】この発明の目的は構成が簡単でかつ秘話性
の高い暗号化通信装置を提供することである。この発明
のもう1つの目的は構成が簡単でかつ秘話性の高い暗号
化伝送システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明による暗号化通
信装置は受信された信号を用いて送信信号を論理変換
し、それによって暗号化信号を生成する変換手段と、そ
の暗号化信号を伝送路に送出する送信回路手段と、上記
送信信号に対応した信号をキー情報として記憶する情報
記憶手段と、上記伝送路から与えられる暗号化信号を受
信する受信回路手段と、上記情報記憶手段からの上記キ
ー情報を使って上記受信暗号化信号を論理逆変換するこ
とにより解読した受信信号を出力する逆変換手段とを含
む。
【0006】この発明による暗号化伝送システムは少な
くとも第1と第2の通信装置が伝送路を介して接続さ
れ、上記第1通信装置は上記第2通信装置からの信号を
受信する第1受信回路手段と、その受信信号を使って送
信信号を論理変換し、それによって暗号化信号を生成す
る変換手段と、その暗号化信号を上記伝送路に送出する
第1送信回路手段とを含み、上記第2通信装置は送信す
べき信号をキー情報として記憶する情報記憶手段と、上
記送信すべき信号を上記伝送路に送出する第2送信回路
手段と、上記伝送路から与えられる暗号化信号を受信す
る第2受信回路手段と、上記情報記憶手段からの上記キ
ー情報を使って上記受信した暗号化信号を論理逆変換す
ることにより解読した信号を出力する逆変換手段とを含
む。
【0007】
【作用】この発明の暗号化通信装置及び暗号化伝送シス
テムによれば通信相手からの順次変化する受信信号を使
って送信信号を暗号化しているので、通信相手以外の者
が暗号化された送信信号を解読することは非常に困難で
ある。また受信信号を使った送信信号の暗号化は比較的
簡単な論理変換によっても高い秘話性を実現することが
可能である。従って各通信装置の回路規模を比較的に小
さく、安価に製造することができる。
【0008】図2はこの発明を適用した2つの暗号化通
信装置100A,100Bが伝送路10Lに接続された
暗号化伝送システムの実施例を示している。伝送路10
Lに接続される暗号化通信装置は2つ以上でもよく、そ
れぞれ同様の構成とされているので代表して通信装置1
00Aを以下に説明する。暗号化通信装置100Aは送
信回路12Aと、受信回路13Aと、変換部17Aと逆
変換部18Aと、送信情報メモリ23Aとによって構成
されている。変換部17Aは受信情報信号Bと送信情報
信号Aとの排他的論理和をとる排他的論理和回路や、そ
の他の論理演算回路のような簡単なものでよく、逆変換
部18Aも同様である。あらかじめ決めた長さの送信す
べき情報信号Aは変換部17Aに与えられ、逆変換部1
8Aからの最新の復号情報信号Bを使って論理変換によ
り暗号化されると共にキー情報として情報メモリ23A
に与えられ、次の受信暗号化情報信号B’の復号化まで
記憶される。暗号化された信号A′は送信回路12Aに
より伝送路10Lを通して相手暗号化通信装置100B
に送出される。
【0009】その後伝送路10Lを通して相手暗号化装
置100Bから受信回路13Aに供給された受信暗号化
信号B′は逆変換部18Aにおいて情報メモリ23Aか
ら読出したキー情報信号Aを使って論理逆変換により解
読(復号)され、情報信号Bが得られる。一方、次に送
信すべき情報信号Aが新しいキー情報として情報メモリ
23Aに与えられて内容が書き換えられ、またその情報
信号Aが変換部17Aに与えられる。復号された情報信
号Bはこの送信すべき情報信号Aの暗号化のために変換
部17Aに与えられる。このようにして情報信号Bを使
って暗号化された信号A′は暗号化通信装置100Bに
おいて情報メモリ23Bに記憶してあるキー情報信号B
を使って復号することが可能であり、また暗号化通信装
置100Bにおいて復号された情報信号Aを使って暗号
化された信号B′は暗号化通信装置100Aにおいて情
報メモリ23Aに記憶してある情報信号Aを使って復号
することが可能である。しかしながら情報信号A,Bは
随時変化していくので情報信号A及びBのいずれも得て
いない通信装置においては暗号化信号A′及びB′を解
読することは困難である。
【0010】図2の実施例の動作例を図3の表Iを参照
して説明する。ただし簡単のため各情報信号A,Bは8
ビット長であり、変換部17A,17B及び変換部18
A,18Bはすべて排他的論理和回路で構成するものと
する。また初期状態として情報メモリ23A,23Bの
内容はすべて“0”であり、逆変換部18Aの出力Bの
初期値B0 はオール“0”であるとする。暗号化通信装
置100Aは情報信号A1 ,A2 ,…を順次送信するも
のとし、暗号化通信装置100Bは情報信号B
1 , 2,…を順次送信するものとする。更に、図3中
に使用されている排他的論理和を表す一般的な記号であ
る丸十字は以下の説明文において記号*で表す。
【0011】まず暗号化通信装置100Aにおいては情
報信号A1 :10101010をキー情報としてメモリ
23Aに格納すると共に変換部17Aに与え受信情報信
号初期値B0 :00000000との排他的論理和A1
*B0 =A1 ′を1ビットずつ演算し、その結果
1 ′:10101010を相手通信装置100Bに送
信する。通信装置100Bでは逆変換部18Bによりメ
モリ23B内のキー情報の初期値B0 :0000000
0と受信信号A1 ′との排他的論理和A1 ′*B0 =A
1 を1ビットずつ演算して受信情報信号A1 :1010
1010を得る。更に送信すべき情報信号B1 :000
01111を新しいキー情報としてメモリ23Bに書込
むと共に変換部17Bにより受信情報信号A1 との排他
的論理和A1 *B1 =B1 ′を1ビットずつ演算し、そ
の結果B′1 =10100101を送信する。通信装置
100Aは受信信号B1 ′とメモリ23Aの内容A1
の排他的論理和A1 *B1 ′=B1 を逆変換部18Aで
演算してB1 =00001111を得る。更に次に送信
すべき情報信号A2 :00110011でメモリ23A
を書き換えると共に変換部17AでA2 *B1 =A2
を演算し、その結果A2 ′=00111100を送信す
る。通信装置100Bにおいてはメモリ23Bの内容B
1 と受信信号A2 ′とから、A2 ′*B1 =A2 を逆変
換部18Bで演算して情報信号A2 =00110011
を得る。更に次に送信すべき情報B2 =1110001
0でメモリ23Bを書き換えると共に変換部17Bによ
りA2 *B2 =B2 ′を演算してその結果B2 ′=11
010001を送信する。通信装置100Aではメモリ
23Aの容内A2 と受信信号B2 ′からA2 *B2 ′=
2 を逆変換部18Aにより演算し、以下同様な手順が
繰り返される。
【0012】ところで上述の例のように変換部17Aを
簡純な排他的論理和回路のみで構成した場合、図3を参
照して説明したように通信の開始時に受信情報信号Bの
初期値B0 がオール“0”であると、最初の送信情報信
号A1 は排他的論理和回路による変換後も同じ信号即ち
1 ′=A1 となってしまい第3者に対し、解読のため
の手掛かりを与えてしまう。同様に通信中においての送
信情報信号Aがたまたまオール“0”となるとその時受
信した情報信号Bがそのまま変換部17Aから出力され
てしまい第3者に対し解読の手掛りを与えてしまう。
【0013】情報信号A及び/又はBがオール“1”の
場合も同様である。このような生の情報の流出を避ける
には第1図と同様に第4図に示すように送信情報信号A
をスクランブル回路11Aにおいて擬似ランダムパタン
発生器15Aからの固定ランダムパタンK1により論理
変換してから図2におけると同様の送信処理を行い、逆
変換部18Aから出力された受信情報信号はデスクラン
ブル回路14Aにおいて擬似ランダムパタン発生器16
Aからの固定ランダムパタンK2により論理逆変換すれ
ばよい。スクランブル回路11A及びデスクランブル回
路14Aとしては例えば排他的論理和回路や他の論理演
算回路を使用することができる。
【0014】なお、スクランブル回路11Aは本来送信
情報信号Aをランダム化(交流化)するためのものであ
り、それ自体は暗号化を目的とするものではない。従っ
て、キー情報の初期値をオール“0”及びオール“1”
以外のあらかじめ決めた値に設定し、しかも送信情報信
号Aが“0”の連続または“1”の連続とならない保証
があれば、スクランブル処理を行わないでもよい。逆
に、スクランブル処理を行うことにより秘話性を高める
ことが可能となる。更に通信装置100Aと相手通信装
置(図示せず)とが使用するスクランブルパタン(擬似
ランダムパタン)K1とK2が同じ長さでも異なるパタ
ンとなるように選べばそれだけ秘話性は高くなり、更に
長さ(ビット数)を異ならせれば一層秘話性が向上す
る。また上述の例では例えば暗号化通信装置100Aの
スクランブル回路11Aにおける情報信号Aに対する擬
似ランダムパタンK1の位相と暗号化通信装置100B
のデスクランブル回路14Aにおける受信暗号化信号
A’に対する擬似ランダムパタンK1の位相を同期させ
る、いわゆる外部同期方式を用いる必要があるが、この
ような外部からの固定の擬似ランダムパタンを与えない
で、ビット毎に入力される情報信号を例えば排他的論理
和回路の一方の入力端子に供給し、その排他的論理和回
路の出力をあらかじめ決められた段数のシフトレジスタ
を通して排他的論理和回路の他方の入力端子に帰還し、
排他的論理和回路の出力をスクランブル回路の出力とす
るような公知の自己同期形スクランブル回路を使用して
もよい。このような自己同期形スクランブル回路に対す
る自己同期形デスクランブル回路もよく知られている。
【0015】図2及び図4の実施例において更に秘話性
を高めるため変換部17Aをランダムパタン生成回路と
論理変換回路により構成してもよい。その場合の暗号化
通信装置100Aの例を図5に示す。変換部17Aのラ
ンダムパタン生成回路21Aは復号情報信号Bの全ビッ
トまたはそのあらかじめ決めた複数のビットに対応した
ランダムパタンを生成出力する。論理変換回路22Aは
前述のような排他的論理和回路やその他の論理演算回路
でよい。逆変換部18Aも同様にランダムパタン生成回
路24Aと論理逆変換回路25Aにより構成してもよ
い。このように復号情報信号Bにより直接送信情報信号
Aを変換することを避けることにより、例えば通信の開
始時や通信中において情報信号A及び/又はBがたまた
まオール“0”またはオール“1”となっても高い秘話
性を維持することが可能である。しかも情報信号A、B
は順次変化していくので、生成されるランダムパタンも
順次変化し、高い秘話性を実現できる。
【0016】逆変換部18Aのランダムパタン生成回路
24Aは変換部17Aのランダムパタン生成回路21A
と全く同じ構成である必要はない。暗号化通信装置10
0Bについても同様であるが変換部17Bと逆変換部1
8Bのランダムパタン生成回路(図示せず)はそれぞれ
暗号化通信装置100Aにおける逆変換部18Aと変換
部17Aのランダムパタン生成回路24A及び21Aと
全く同じ構成である必要がある。
【0017】図6は図5におけるランダムパタン生成回
路21A,24A(変換部17B、逆変換部18Bに用
いられる場合も同様)の一実施例を示し、割算回路31
と非線形演算回路32により構成されている。割算回路
31は与えられた情報信号AまたはB、またはその一部
をあらかじめ決めた生成多項式で割算し、その剰余を非
線型演算回路32に与える(例えばW.W. Petersonand
E.J. Weldon "Errorcorrecting codes, ”M.I.T. Pres
s, 1972) 。非線型演算回路32はその出力から入力を
推定することが困難な非可逆的演算を行う回路であり、
その演算結果はランダムパタンとして出力される。この
ような非線形演算回路32を2次のリカーシブフィルタ
で構成した例を図7に示す。
【0018】この非線形演算回路32は演算回路31か
ら与えられた剰余に対応した初期値が設定され、その初
期値からランダムパタンを発生するものであり、図7に
示すように例えば2段の並列8ビットシフトレジスタ
(即ち2段の遅延回路)を構成する8ビットD形フリッ
プフロップ回路41,42と、ビットシフタ43と、8
ビット加算器44とから構成される。各8ビットD形フ
リップフロップ回路41,42にそれぞれ設定する8ビ
ットの初期値としては割算回路31から与えられた剰余
のあらかじめ決めた8ビットの同じデータを用いてもよ
いが、図7の実施例ではその8ビットデータをフリップ
フロップ回路41に設定すると共に、論理反転回路54
で前記8ビットデータの全8ビットの論理を反転してフ
リップフロップ回路42に設定する。
【0019】フリップフロップ回路41に設定された8
ビットデータはビットシフタ43で全ビットが例えば下
位方向に所定ビット数、例えば1ビットシフトされ(即
ち8ビットデータが2で割算され)、アンダーフローが
捨てられると共にその8ビット出力が8ビット加算器4
4の一方の入力に与えられる。加算器44の他方の入力
にはフリップフロップ回路42の8ビットの内容が与え
られる。加算により生じたオーバフローは捨てられ、8
ビットの加算結果がランダムパタンシーケンス中の部分
パタンとして出力されると共にフリップフロップ回路4
1のデータ端子D(8ビット)に与えられている。この
状態でフリップフロップ回路41,42のクロック端子
CKにクロック信号CKが与えられると、フリップフロ
ップ回路41の8ビットQ出力がフリップフロップ回路
42に取り込まれると共に、フリップフロップ回路41
に、そのデータ端子Dに与えられていたデータが取り込
まれ、その結果次の部分パタン(8ビット)が加算器4
4から出力される。
【0020】クロック信号CKは情報信号AまたはBの
8ビット毎にフリップフロップ回路41,42に与えら
れ、例えば情報信号A,Bの長さが128バイトであれ
ばクロック信号CKを128回与えてからフリップフロ
ップ回路41,42をリセット信号Rによりリセット
し、次の情報信号A,Bにもとづいて新しい初期値を再
びフリップフロップ回路41,42にプリセットし、同
様の動作を繰り返す。なお、ビットシフタ43は入力8
ビットデータを上位方向に所定ビット数シフト(即ち2
の巾乗の乗算)して、オーバフローを捨ててもよい。こ
のように加算器44のオーバフローや割算器(または乗
算器)43のアンダフロー(またはオーバフロー)を捨
てることにより演算の非可逆性を実現することができ
る。
【0021】このように簡単な割算回路31と2次のリ
カーシブフィルタ32により構成された図6のランダム
パタン生成回路21Aにより、入力情報信号A,Bに従
って一義的に定まるランダムパタンを部分パタン毎に順
次生成することができ、かつこれら一連の部分パタンか
ら情報信号A,Bを推定することは非常に困難である。
リカーシブフィルタ32の次数を高くすれば更に秘話性
を高めることができることは明らかである。
【0022】図8はランダムパタン生成回路21A,2
4A(通信装置100Bにも同様に設けられる)の更に
他の実施例を示し、論理演算回路33と、識別番号メモ
リ34と、デコーダ35と、固定パタンメモリ36と、
切替スイッチ37とにより構成されている。識別番号メ
モリ34には、その暗号化通信装置にあらかじめ割り当
てられた識別番号IDが記憶されている。論理演算回路
33は与えられた情報信号A(またはB)と識別番号メ
モリ34からの識別番号IDまたはそのあらかじめ決め
た一部とを論理演算してその結果をランダムパタンとし
て切替スイッチ37を介して出力する。デコーダ35は
入力情報信号A(またはB)がオール“0”及びオール
“1”であることを検出すると制御信号を出力して切替
スイッチ37を固定パタンメモリ36側に接続し、固定
パタンメモリ36に保持してあるオール“0”及びオー
ル“1”以外のあらかじめ決めた1つの固定パタンを出
力する。このように構成することによりランダムパタン
生成回路21A,24Aに与えられる情報信号A(また
はB)がオール“0”またはオール“1”の場合に識別
番号メモリ34に保持している装置識別番号がそのまま
変換回路22A、または逆変換回路25Aに与えられる
ことを防ぐことができる。なお、切替スイッチ37は論
理演算回路33の出力側ではなく、論理変換回路22A
(論理逆変換回路25A)の出力側に挿入してもよい。
【0023】図9はランダムパタン生成回路21A,2
4Aの更に他の実施例を示す。この実施例は複数、例え
ば8個の異なるランダムパタンから入力情報信号A(ま
たはB)に応じてそのうちの1つを選択して出力するも
のであり、以下のように構成される。タイマ回路51は
受信回路13Aで再生したクロック信号CKとフレーム
同期信号FSYNが与えられ、後者によりリセットさ
れ、前者を計数し、計数値が所定値に達するとタイムア
ップ信号TUを出力し、セレクタ53のロード端子Lに
与える。フレーム同期信号FSYNはタイマ回路51を
通して8進カウンタのリセット端子Rにも与えられる。
8進カウンタ52は情報信号A(またはB)が与えら
れ、その一連のビット中の“1”(または“0”)を順
次計数する。タイマ回路51がタイムアップ信号TUを
セレクタ53のロード端子Lに与えると、セレクタ53
はその時の8進カウンタ52の計数値を取り込み、その
計数値に従ってランダムパタン発生器R1〜R8の1つ
を選択し、そこから発生されるランダムパタンを出力す
る。各ランダムパタン発生器R1〜R8としては、例え
ばシフトレジスタと排他的論理和回路により構成された
周知の擬似ランダムパタン発生回路でもよいし、必要な
数(ここでは8個)のランダムパタンを記憶したROM
でもよいし、あるいはランダムパタン発生手順をプログ
ラム化したソフトであってもよい。
【0024】以上いくつかの例で説明したランダムパタ
ン生成回路を用いた暗号化通信装置において、生成した
ランダムパタンからの入力情報信号の解読を更に困難に
するように構成した暗号化通信装置100Aの実施例を
図10に示す。図2における暗号化通信装置100Aと
の相異点は変換部17A及び逆変換部18Aにおいてラ
ンダムパタン生成回路21A及び24Aの入力側にパタ
ン縮退回路26A及び27Aをそれぞれ挿入した点であ
る。パタン縮退回路26A,27Aは2n 個の可能な異
なる入力パタン(nビット)のそれぞれに対し2n より
少ないM個の異なるパタンのあらかじめ決めたいずれか
1つを割り当てて出力するものであり、従って複数の異
なる入力パタンに対し同一の出力パタンが出力される。
例えば異なる2つの決められたパタンの受信情報信号B
に対しパタン縮退回路26Aが同一のパタンを出力する
と、ランダムパタン生成回路21Aも同一のランダムパ
タンを出力する。ランダムパタン生成回路21Aから出
力されたそのランダムパタンから受信情報信号Bが前記
2つのパタンのいずれであったか判定することはできな
い。なお図10の実施例においてランダムパタン生成回
路21Aとパタン縮退回路26Aの位置を入れ替えても
よく、ランダムパタン生成回路24Aとパタン縮退回路
27Aの位置を入れ替えてもよい。
【0025】図11は図10の実施例におけるパタン縮
退回路26A,27Aの一実施例を示す。このパタン縮
退回路は2段シフトレジスタ46と、AND回路47と
2段のシフトレジスタ48とから構成されている。情報
信号AまたはBの2ビットが、シフトレジスタ46にシ
リアルにロードされる毎にシフトレジスタ46の2つの
段の出力Q1,Q2が入力端子X1,X2を介してAN
D回路47の入力端子に与えられ、それらの論理積が出
力端子Y1に出力される。一方出力Q2は入力端子X2
を介して出力端子Y2に出力される。これら出力端子Y
1,Y2からの出力はシフトレジスタ48の2つの段に
並列入力され、その後シフトレジスタ47からシリアル
に出力されると共に情報信号A(またはB)の次の2ビ
ットがシリアルにシフトレジスタ45に入力され同様の
動作が繰り返される。この結果、端子X1,X2に与え
られる2ビットパタンと出力端子Y1,Y2に得られる
2ビットパタンの関係は図12の表IIに示すようにな
る。即ち入力ビットパタンが“00”及び“10”の場
合、いずれも出力ビットパタンは“00”となる。従っ
てこのパタン縮退回路の出力パタンから入力パタンを推
定できる確率はそれだけ低くなる。
【0026】図13は図2の実施例における各暗号化通
信装置の他の実施例を通信装置100Aで代表して示
す。この実施例では受信回路13Aの出力である受信さ
れた暗号化信号B′中の符号誤りを検出する誤り検出回
路28Aが設けられている。またランダムパタン生成回
路21A,24Aにより生成されたランダムパタンはパ
タンメモリ38A,39Aに取り込まれ、そこから変換
回路22A及び逆変換回路25Aに与えられる。誤り検
出回路28Aは例えばよく知られているCRC誤り検出
方法を用いたものであり、受信暗号化信号B′中の符号
誤りを検出すると検出信号Eaをパタンメモリ38Aの
インヒビット端子INH に与えると共に送信回路12Aに
も与える。パタンメモリ38Aは検出信号Eaによりラ
ンダムパタン生成回路21Aからのランダムパタンの取
り込みが禁止され、従ってそれまで保持していたランダ
ムパタンは更新されず、再び論理変換回路22Aに供給
される。論理変換回路22Aはそのランダムパタンによ
り情報信号Aを暗号化し、送信回路12Aはその暗号化
情報信号A′の先頭に誤り検出信号Eaを付加して伝送
路10Lに送出する。誤り検出回路28Aが誤り検出信
号Ea(1ビット)を出力している限りこの動作は繰り
返され、誤り検出信号Eaが出力されなくなるとパタン
メモリ38Aはランダムパタン生成回路21Aからのラ
ンダムパタンの取り込みを再開する。
【0027】一方、相手通信装置100Bが受信暗号化
信号A′中に符号誤りを検出した場合、上記と同様の動
作を行い、その結果、暗号化情報信号B′に誤り検出信
号Ebが付加されて通信装置100Aに送信される。通
信装置100Aの受信回路13Aは受信暗号化信号B′
中に誤り検出信号Ebが付加されているのを検出すると
その信号Ebにより逆変換部18Aのパタンメモリ39
Aの取込み動作を禁止する。従ってそれまでパタンメモ
リ39Aに保持されていたランダムパタンを使って逆変
換回路25Aにより受信暗号化信号B′の復号が行われ
る。このようにして受信信号B′中に符号誤りが検出さ
れた場合には、その誤りを含む受信情報信号Bにもとづ
いてランダムパタン生成回路21Aで発生されるランダ
ムパタンを使用しないで、その直前に生成したランダム
パタンを使って情報信号Aの暗号化を行うと共に、相手
通信装置100Bに誤り検出信号Eaの送信するので、
正しい復号化及び暗号化処理を継続することができる。
なお、誤り検出信号Ea,Eb自体の伝送路上での符号
誤りの影響を回避するため、例えば誤り検出信号Ea,
Ebを複数回送信し、受信側において多数決により、誤
り信号を判別してもよい。
【0028】上述した図5、図10及び図13の各実施
例では情報信号Aを暗号化するためのランダムパタンは
復号化後の情報信号Bを使ってランダムパタン生成回路
21Aにより生成し、また暗号化受信信号B′を復号す
るためのランダムパタンは暗号化前の情報信号Aを使っ
てランダムパタン生成回路24Aにより生成する場合を
示したが、逆に復号化前の受信信号B′を使って情報信
号Aを暗号化するためのランダムパタンを生成し、暗号
化された情報信号A′を使って受信信号B′を復号する
ためのランダムパタンを生成してもよい。その場合の暗
号化通信装置100Aの例を図5と対応させて図14に
示す。その通信装置100Aの動作原理は図5の場合と
同様なので説明を省略する。
【0029】以上説明したこの発明の暗号化通信装置及
び暗号化伝送システムは1対1の暗号化通信の場合であ
ったが、この発明はそれに限定されるものでなく、1対
複数(ポイント−マルチポイント)の伝送システムにも
適用できることは明らかである。その例を図15に示
す。この伝送システムにおいては通信装置100Aは伝
送路10Lを通して複数、例えば2つの通信装置100
B,100Cと多重通信を行う。多重化方法は時分割多
重、周波数多重、あるいはその他の多重化方法を使って
よい。ここで通信装置100Aをセンタ装置と呼び、通
信装置100B,100 Cを加入者装置と呼ぶことにす
る。センタ装置100Aは加入者装置100B,100
Cに対しそれぞれ送信すべき情報信号A1,A2を変換
部17A1,17A2により加入者装置100B,10
0Cからの復号情報B,Cを使ってそれぞれ暗号化す
る。この時これまでの実施例の場合と同様に情報信号A
1,A2は情報メモリ23A1,23A2にキー情報と
してそれぞれ保持される。暗号化情報信号A1′,A
2′は多重化回路54で多重化され、送信回路12Aに
より伝送路10Lに送出される。
【0030】加入者装置100Bは受信回路13Bによ
り受信したセンタ装置100Aからの多重化信号から分
離回路55Bにより自分宛の暗号化情報信号A1′を分
離し、逆変換部18Bにおいて情報メモリ23Bに保持
してあるキー情報、即ち前回に送信した情報信号Bを使
って復号して情報信号A1を得る。加入者装置100B
は更に次に送信する情報信号Bを情報メモリ32Bに格
納すると共にこの復号情報信号A1を使って変換部17
Bにより暗号化し、その暗号化情報信号B′を送信回路
12Bにより伝送路10Lに送出する。ただし、この伝
送システムがTDMAのような同期形時分割多重方式を
利用している場合は信号B′の送出は加入者装置100
Bに割当てられたタイムスロットを使って行われ、非同
期形の時分割多重を利用している場合はアドレスが付加
されたパケットを使って行われ、周波数多重を利用して
いる場合は割当てられた周波数を使って行われる。加入
者装置100Cも同様の動作により復号情報信号A2を
得ると共に情報信号Cを送信する。センタ装置100A
は受信回路13Aにより受信した多重化信号を分離回路
55Aにより分離して加入者装置100B,100Cか
らの暗号化情報信号B′,C′を得て、それらをそれぞ
れ逆変換部18A1,18A2によりそれぞれ情報メモ
リ23A1,23A2に保持してあるキー情報A1,A
2を使って復号し、情報信号B,Cを得る。
【0031】図15の暗号化伝送システムにおける各通
信装置100A,100B,100Cの変換部17A
1,17A2,17B,17C、逆変換部18A1,1
8A2,18B,18Cに前述した図6,8及び9やそ
の他各種のランダムパタン生成回路を適用できることは
いうまでもない。また各通信装置100A,100B,
100Cにおいて図4に示すようにスクランブル回路1
1A、デスクランブル回路14A、擬似ランダムパタン
発生器15A,16Aを設け、各装置の送信側において
は送信情報信号を固定擬似ランダムパタンで暗号化して
から変換部により受信信号にもとづいて暗号化し、受信
側においては受信信号を逆変換部で復号してからデスク
ランブル回路14Aで固定擬似ランダムパタンにより最
終的に復号するようにしてもよい。また図10に示すよ
うにパタン縮退回路26A,27Aにより情報信号をそ
の複数の異なる部分パタンが同一の部分パタンとなるよ
うにパタン変換してから、それにもとづいてランダムパ
タンを発生してもよい。更に図13を参照して説明した
ように誤り検出回路28Aを設け、かつ変換部及び逆変
換部のランダムパタン生成回路で生成されたランダムパ
タンをパタンメモリ38A,39Aに格納してから変換
回路及び逆変換回路に与えるようにし、受信信号中に符
号誤りを検出した場合はその検出信号を相手通信装置に
送信すると共にパタンメモリへのランダムパタンの書き
込みを禁止するよう構成してもよい。また図2及び図1
5に示したこの発明の暗号化伝送システムでは伝送路1
0Lは電気信号ケーブルに限定されず、電波の空間伝播
路であってもよく、光ファイバ伝送路であってもよい。
【0032】図15のポイント−マルチポイント伝送シ
ステムに光ファイバ伝送方式を適用した場合の実施例を
図16に示す。センタ装置100Aからの共通の光ファ
イバ伝送路10Lに複数の加入者装置100B,100
Cからの個別光ファイバ線路La,Lbが方向性光分岐
器57によりそれぞれ接続されており、センタ装置10
0Aが送出する多重化信号は図15の場合と同様に同報
的にすべての加入者装置100B,100Cに送信され
る。図15の場合と同様に各加入者装置においては自分
以外の加入者装置に送信された信号を容易に分離して取
り出すことができ、従ってセンタ装置100Aから各加
入者装置100B,100Cへ送信される信号は暗号化
されている必要がある。しかしながら各加入者装置は方
向性光分岐器57で光ファイバ伝送路10Lに接続され
ているので、各加入者装置から送信される送信信号は他
のいずれの加入者装置にも洩れることなく、センタ装置
100Aにのみ送信することができる。従って図16の
実施例においては加入者装置100B,100Cから送
出する信号は暗号化しないで送出している。センタ装置
100Aは図15における逆変換部18A1,18A
2,情報メモリ23A1,23A2を有しておらず、光
受信回路13Aで受信した多重化信号を分離回路55A
により各加入者装置100B,100Cからの情報信号
B,Cに分離し、その情報信号B,Cを使って変換部1
7A1,17A2において送信すべき情報信号A1,A
2を暗号化する。暗号化情報信号A1′,A2′は多重
化回路54により多重化され、光送信回路12Aにより
光カプラ56Aを通して光ファイバ伝送路10Lに送出
される。送信信号は方向性光分岐器57により分岐され
全ての加入者装置100B,100Cに供給される。各
加入者装置100B,100Cは図15における変換部
17B,17Cを有しておらず、装置100Bで代表し
て説明するように光受信回路13Bにより受信した多重
化信号から分離回路55Bにより自分宛の暗号化信号A
1′を分離し、逆変換部18Bにおいて情報メモリ23
Bに保持してあるキー情報、即ち前回の送信情報信号B
を使って受信暗号化信号A1′を復号し、情報信号A1
を得る。加入者装置100Bが送信すべき情報信号Bは
暗号化せずそのまま光送信回路12Bにより光カプラ5
6B、及び方向性光分岐器57を通して光ファイバ伝送
路10Lに送出される。
【0033】図16の実施例においても各変換部17A
1,17A2と逆変換部18B,18Cを単純な排他的
論理和回路で実現してよいし、更に秘話性を高めるため
図5の場合のように各変換部17A1,17A2をラン
ダムパタン生成回路21Aと論理変換回路22Aにより
構成し、各逆変換部18B,18Cをランダムパタン生
成回路24Aと論理逆変換回路25Aとにより構成して
もよい。その場合、各ランダムパタン生成回路として前
述したような各種の実施例を適用することができる。な
お、センタ装置100Aは通常伝送システム全体を制御
する機能を持たされており、また各加入者装置が図6ま
たは図8のランダムパタン生成回路に使用する生成多項
式または識別番号IDを全て持っている。
【0034】更に図4の実施例のようにセンタ装置10
0Aにおいては変換部17A1,17A2の入力側とス
クランブル回路を設けて送信すべき情報信号A1,A2
をあらかじめ固定パタンで暗号化すると共に分離回路5
5Aにより分離された受信情報信号をデスクランブル回
路により復号して情報信号B,Cを得るようにしてもよ
い。この場合、各加入者装置100B,100Cにおい
ても逆変換部18B,18Cの出力側にデスクランブル
回路を設け、また送信情報信号の入力側にスクランブル
回路を設け、送信すべき情報信号B,Cをあらかじめス
クランブル回路により暗号化してから送信処理を行うよ
うに構成する。
【0035】更に図16の実施例に図10で説明したパ
タン縮退回路26A,27Aの使用を適用してもよい。
また図13の実施例を図16に適用することもできる。
即ちセンタ装置100Aの各変換部17A1,17A2
を図13に示す変換部17Aと同じ構成とし、分離回路
55Aの各分離出力側に誤り検出回路をそれぞれ接続す
る。各誤り検出回路の誤り検出出力は対応する変換部の
パタンメモリにインヒビット信号として与えると共に多
重化回路54に与え、暗号化情報信号A1' A2' の多
重化の際に対応する暗号化情報信号の例えば先頭に誤り
検出信号を表す符号(1ビット)を付加する。各加入者
装置100B,100Cにおいては逆変換部18B,1
8Cを図13の逆変換部18Aと同じ構成とし、分離回
路55B,55Cの出力にそれぞれ誤り検出符号検出器
を接続し、その検出出力を逆変換部18B,18Cのパ
タンメモリにインヒビット信号として与える。
【0036】次に図16の実施例においてセンタ装置1
00Aと加入者装置100B,100C間の信号の伝送
方式を表すタイムチャートの例をいくつか示す。なお図
が繁雑となるので暗号化後の情報信号は上述で使用した
ダッシュを付けないで暗号化前の情報信号と同じ記号で
表す。また、破線矢印Enは暗号化処理を表し、破線矢
印Deは復号処理を表す。
【0037】図17は加入者装置100B,100Cか
らセンタ装置100Aへの上り信号とその逆の下り信号
をTDMAのように送受信のタイミングが同期した時分
割多重する場合のタイムチャートを示し、信号送受信周
期(即ち繰返し周期)Tf が一定の場合である。センタ
装置100Aから加入者装置100B,100C宛の暗
号化信号A11 ,A21 (一定長)があらかじめそれぞ
れの加入者装置に割り当てられたタイムスロットで送信
され、加入者装置100B,100Cはそれぞれ自分に
割り当てられたタイムスロットから暗号化信号A11
A21 を抽出し、前回の送信情報(図示せず)を使って
復号し、一定時間Tx 後に情報信号B1 ,C1 を送出す
る。センタ装置100Aは情報信号B1,C1 を受信
し、その情報信号を使って次に送信する情報A12 ,A
2 を暗号化し、前回の送信から時間Tf 後に所定のタ
イムスロットで送信する。加入者装置100B,100
Cはそれぞれ受信した暗号化情報A12 ,A22 をそれ
ぞれ前回の送信情報信号B1 ,C1 を使って復号し、一
定時間Tx後に情報信号B2 ,C2 をそれぞれ送信す
る。以下同様の動作が繰り返えされる。
【0038】図18は送受信のタイミングが非同期で時
分割多重を行う方式の信号送受タイムチャートを示す。
センタ装置100Aは各加入者装置から受けた最新の復
号受信情報を少なくとも次の復号受信信号が得られるま
で保持する機能を有しており、各加入者装置100B,
100Cに対しそれらのアドレスが先頭に付加された暗
号化情報信号をパケットとして任意のタイミングで送信
する。各加入者装置100B,100Cは送信すべき情
報信号B,Cの先頭に自分のアドレスを付加したパケッ
トを任意のタイミングで送信する。ただし、センタ装置
100Aも、加入者装置100B,100Cもすべて信
号衝突検出機能を有し、信号送出中に信号衝突を検出し
た場合はそのパケットの送信をやりなおす。
【0039】図19は上り信号と下り信号を別々の光フ
ァイバ線路、または異なる波長で伝送する場合の伝送方
式の一例を示すタイムチャートである。この伝送方式の
例においては、センタ装置100Aは各加入者装置宛の
送信信号A11 ,A22 ,…,A21 ,A22 ,…をあ
らかじめ各加入者装置に割り当てたタイムスロットに時
分割多重して連続して送信すると同時に、加入者装置1
00B,100Cからの送信信号B1 ,B2 ,…及びC
1 ,C2 ,…も時分割多重されて連続して受信すること
ができる特徴がある。
【0040】図17〜19のいずれの伝送方式において
も、センタ装置100Aと各加入者装置100B,10
0C間の通信において上り信号と下り信号の伝送容量が
不平衡の場合は、例えば変換部において送信情報信号を
暗号化するのに使用する受信情報信号はその一部を使用
するか、あるいは一連の送信情報信号に対し同一の受信
情報信号を複数回使用するようにすればよい。
【0041】以上説明したように、この発明による暗号
化通信装置によれば、復号受信信号または受信暗号化信
号を使って変換部により送信すべき情報信号を暗号化し
て送出すると共に、送信情報信号または暗号化情報信号
をキー情報として情報メモリに相手装置からの応答情報
信号の受信時まで記憶しておき、情報メモリから読み出
された前回の情報信号送信時のキー情報を使って逆変換
部において暗号化受信信号を復号するように構成されて
いる。暗号化及び復号化に使用する情報は随時変化する
ので秘話性の高い通信が可能な暗号化通信装置を実現す
ることができる。更に、伝送路を通して少なくとも2つ
の通信装置が接続されたこの発明の暗号化伝送システム
によれば、第1の通信装置においては受信信号を使って
送信すべき情報信号を変換部において暗号化して第2の
通信装置へ送出し、第2通信装置においては情報メモリ
に保持されている前回の情報信号であるキー情報を使っ
て逆変換部により復号するように構成されている。暗号
化に使用する受信信号は随時変化していくので秘話性の
高い暗号化伝送システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の暗号化伝送システムの一例を示すブロッ
ク図。
【図2】この発明による暗号化伝送システムの一実施例
を示すブロック図。
【図3】図2の動作例を説明するための各信号の変化を
示す表。
【図4】この発明の伝送システムにおける暗号化通信装
置の一実施例を示すブロック図。
【図5】暗号化通信装置の他の実施例を示すブロック
図。
【図6】ランダムパタン生成回路の一実施例を示すブロ
ック図。
【図7】図6における非線形演算回路の実施例を示すブ
ロック図。
【図8】ランダムパタン生成回路の他の実施例を示すブ
ロック図。
【図9】ランダムパタン生成回路の他の実施例を示すブ
ロック図。
【図10】暗号化通信装置の更に他の実施例を示すブロ
ック図。
【図11】図10におけるパタン縮退回路の実施例を示
すブロック図。
【図12】図10のパタン縮退回路の入出力関係を示す
表。
【図13】暗号化通信装置の更に他の実施例を示すブロ
ック図。
【図14】暗号化通信装置の更に他の実施例を示すブロ
ック図。
【図15】暗号化伝送システムの他の実施例を示すブロ
ック図。
【図16】暗号化伝送システムの更に他の実施例を示す
ブロック図。
【図17】この発明の暗号化伝送システムにおける同期
形時分割多重による交信例を示すタイムチャート。
【図18】この発明の暗号化伝送システムにおける非同
期形時分割多重による交信例を示すタイムチャート。
【図19】上り信号と下り信号に別々の伝送線路を設け
たこの発明の暗号化伝送システムにおける交信例を示す
タイムチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雲崎 清美 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 三鬼 準基 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1と第2の通信装置が伝送
    媒体を介して接続された暗号化伝送システムにおいて、
    上記第1通信装置は上記伝送媒体を通して供給された上
    記第2通信装置からの信号を受信する第1受信手段と、
    上記第1受信手段から出力される上記第2通信装置から
    の受信信号に対応した信号を使って上記第2通信装置へ
    送信すべき情報信号を暗号化して暗号化信号を生成する
    変換手段と、上記暗号化信号を上記伝送媒体に送出する
    第1送信手段とを含み、上記第2通信装置は上記第1通
    信装置に送信すべき情報信号に対応した信号をキー情報
    として記憶するための情報記憶手段と、上記送信信号を
    上記伝送媒体に送出する第2送信手段と、上記伝送媒体
    を通して供給された上記第1通信装置からの上記暗号化
    信号を受信する第2受信手段と、上記情報記憶手段から
    の前回送信した上記情報信号に対応する上記キー情報を
    使って上記第2受信手段で受信された上記暗号化信号を
    復号して復号化情報信号を出力する逆変換手段とを含む
    暗号化伝送システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の暗号化伝送システムにお
    いて、上記第1通信装置の上記変換手段は上記第2通信
    装置からの受信信号が入力情報として与えられ、それに
    対応したランダムパタンを生成する第1ランダムパタン
    生成手段と、上記生成されたランダムパタンと送信すべ
    き上記情報信号との論理演算を行って上記暗号化信号を
    生成する第1論理演算手段とを含み、上記第2通信装置
    の上記逆変換手段は上記情報記憶手段からの上記キー情
    報が入力情報として与えられ、それに対応したランダム
    パタンを生成する上記第1ランダムパタン生成手段と同
    じ構成の第2ランダムパタン生成手段と、上記第2ラン
    ダムパタン生成手段により生成された上記ランダムパタ
    ンと受信された上記暗号化信号とを論理演算を行って上
    記暗号化信号を復号する第2論理演算手段とを含む。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の暗号化伝送システムに
    おいて、上記第2通信装置と同じ構成の第3通信装置が
    設けられ、上記伝送媒体は光ファイバ伝送路であり、上
    記第2及び第3通信装置は方向性光分岐手段により上記
    光ファイバ伝送路に接続されており、上記第1通信装置
    内の上記変換手段は上記第2及び第3通信装置に送信す
    べき送信情報信号をそれぞれ上記第2及び第3通信装置
    から受信した受信信号を使って暗号化する第1及び第2
    変換部を含み、上記第1送信手段は上記第1及び第2変
    換部からの暗号化信号を多重化する多重化手段と、その
    多重化信号を上記光ファイバ伝送路に送出する光送信回
    路を含み、上記第1受信手段は上記光ファイバ伝送路か
    ら与えられた多重化信号を受信する第1光受信回路と、
    上記第1光受信回路からの受信多重化信号を上記第2及
    び第3通信装置からの受信信号に分離する多重分離手段
    を含み、各上記第2及び第3通信装置内の上記第2受信
    手段は上記方向性光分岐手段から多重化信号を受信する
    第2光受信回路と、上記受信した多重化信号から自分に
    宛てられた受信信号を分離する分離回路とを含む。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の暗号化伝送システムにお
    いて、上記第2通信装置と同じ構成の第3通信装置が設
    けられ、上記伝送媒体を通じて上記第1通信装置に接続
    されており、上記第1通信装置の上記第1受信手段は上
    記伝送媒体を通して上記第2及び第3通信装置から送出
    され、互いに多重化された多重化信号を受信する第1受
    信回路と、上記受信多重化信号を上記第2及び第3通信
    装置からの受信信号に分離する多重分離手段と、上記第
    2及び第3通信装置へ送信すべき情報信号に対応した信
    号をキー情報として記憶する第1及び第2情報メモリ
    と、上記多重分離された受信信号をそれぞれ対応した上
    記第1及び第2情報メモリからの上記キー情報を使って
    復号化することにより復号化情報信号を出力する第1及
    び第2逆変換部とを含み、上記第1通信装置の上記変換
    手段は上記第2及び第3通信装置へ送信すべき情報信号
    を上記第1及び第2逆変換部からの上記復号化情報信号
    を使ってそれぞれ暗号化することによりそれぞれ暗号化
    情報信号を出力する第1及び第2変換部を含み、上記第
    1送信手段は上記第1及び第2変換部からの上記暗号化
    情報信号を多重化する多重化手段と、上記多重化された
    信号を上記伝送媒体に送出する第1送信回路とを含み、
    上記第2及び第3通信装置のそれぞれにおいて、上記第
    2受信手段は上記伝送媒体が供給された多重化信号を受
    信する第2受信回路と、上記第2受信回路からの受信多
    重化信号から自分に宛てられた受信信号を分離して上記
    逆変換手段に与える分離回路とを含み、上記第2送信手
    段は上記逆変換手段からの上記復号化情報信号に対応し
    た信号を使って上記第1通信装置へ送信すべき情報信号
    を暗号化する変換部と、その暗号化情報信号を上記伝送
    媒体に送出する第2送信回路を含む。
  5. 【請求項5】 伝送媒体を通して供給された信号を受信
    する受信手段と、上記受信手段からの受信信号に対応し
    た信号の少なくとも一部を使って送信情報信号を論理変
    換することにより暗号化信号を生成する変換手段と、上
    記暗号化信号を上記伝送媒体に送出する送信手段と、上
    記送信情報信号に対応した信号をキー情報として記憶す
    るための情報記憶手段と、上記情報記憶手段からの上記
    キー情報を使って上記受信手段からの上記受信信号を論
    理逆変換することにより上記受信信号を復号して復号化
    情報信号を出力する逆変換手段、とを含む暗号化通信装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の暗号化通信装置におい
    て、上記変換手段は上記受信信号に対応した信号の少な
    くとも一部を使ってランダムパタンを生成する第1ラン
    ダムパタン生成手段と、上記第1ランダムパタン生成手
    段からのランダムパタンと上記送信情報信号を論理演算
    して上記暗号化信号を出力する第1論理演算手段を含
    み、上記逆変換手段は上記情報記憶手段からの上記キー
    情報の少なくとも一部を使ってランダムパタンを生成す
    る上記第2ランダムパタン生成手段と、上記第2ランダ
    ムパタン生成手段からのランダムパタンと上記受信信号
    を論理逆変換演算して上記復号化情報信号を出力する第
    2論理演算手段とを含む。
JP3288717A 1990-11-05 1991-11-05 暗号化通信装置及び暗号化伝送システム Expired - Lifetime JP3008965B2 (ja)

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