JPH0571647B2 - - Google Patents

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JPH0571647B2
JPH0571647B2 JP60142410A JP14241085A JPH0571647B2 JP H0571647 B2 JPH0571647 B2 JP H0571647B2 JP 60142410 A JP60142410 A JP 60142410A JP 14241085 A JP14241085 A JP 14241085A JP H0571647 B2 JPH0571647 B2 JP H0571647B2
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nitrogen
heat
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Hyuumusu Matsukyan Toomasu
Peeta Jiimiansuki Jon
Andaasu Furanson Aiban
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Allegheny International Inc
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    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/22Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with molybdenum or tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
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    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/44Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with molybdenum or tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D6/00Heat treatment of ferrous alloys
    • C21D6/004Heat treatment of ferrous alloys containing Cr and Ni
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐腐食性でかつ耐孔食性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼厚形材及び溶接成形
品を製造する方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、高窒素含有量であり第2相の析出が実質
的にないかかる鋼を製造する方法に関する。 〔従来の技術〕 ステンレス鋼は耐腐食性を有しており、種々の
腐食環境の中で有効に使用できることが知られて
いる。高度に腐食性の媒体中で使用する場合、鋼
は腐食作用に対し耐えるような特殊な合金となつ
ていることが必要である。塩化物による孔食およ
び間隙腐食は、海水や化学処理工業の媒体のごと
き腐食環境において、塩化物のイオンと金属が接
触することに起因する苛酷な腐食の形態である。
耐孔食性を目的として1970年12月15日に発行され
たビーバー(Bieber)らの米国特許3547625号に
記載されているように、クロムとモリブデンの含
量が比較的高い特定のオーステナイト系ステンレ
ス鋼が開発された。モリブデンおよびクロムを高
度に含有するオーステナイト系ステンレス鋼の他
の例は米国特許3726668号;同3716353号;および
同3129120号等に示されている。このような高度
にモリブデンを含有するステンレス鋼は時に熱間
加工性が劣ることがある。 合金元素を添加することにより熱間加工性を改
善することが行われてきている。1977年2月8日
に発行された米国特許4007038号には、臨界量の
カルシウムおよびセリウムを添加することにより
得られる、良好な耐孔食性と熱間加工性を有する
高モリブデン含有合金が開示されており、かかる
合金は商業的に使用され始めている。 1983年12月20日に発行された米国特許4421557
号には、希土類元素のランタンを、単独でまたは
0.12ないし0.5%の窒素と共に添加することによ
り、耐腐食性および熱間加工性を向上させたクロ
ム−ニツケル−モリブデンオーステナイト系ステ
ンレス鋼が開示されている。窒素は公知のオース
テナイト化元素であり、文献に記載されているよ
うに、σ(シグマ)相を減少させ、χ(カイ)相が
17%Cr13%Ni5%Moステンレス鋼中で析出する
時間を延長させるのに有効である。 このような高モリブデン含量のオーステナイト
鋼は、代表的には、ストリツプ(鋼帯)や鋼管等
のごとき1.65mm(0.065in.)もしくはそれ未満の
程度の厚みの薄鋼板として使用され、大変すぐれ
た腐食特性を有している。鋼材の寸法や断面厚み
もしくは形状が増加するにつれてσやχのごとき
金属間化合物(第2相)が成長するため腐食特性
がひどく悪化する。このような第2相は、用液焼
鈍(anneal)温度もしくは溶接温度から冷却す
ることにより成長する。かかる第2相の析出が生
じるため、本鋼材を薄いストリツプもしくは薄肉
管以外のサイズの商業的用途に選択して使用する
ことが制限されてきたのである。 一般的に、σ相とχ相の存在は耐腐食性に対し
有害であるが、σ相を除去しようとすると特別の
熱処理が必要である。たとえば、上記米国特許
4007038号に記載されている公称25Ni−20Cr−
6Mo合金については、かかる熱処理として、
1093℃(2000〓)以上において加熱し、引き続き
急冷することが要求される。商業的製造において
は実際上、かかる合金は1177℃(2150〓)以上に
加熱される。このような熱処理が要請されること
による実際的な問題は、かかる処理のため、合金
から形成される成形物の寸法や形状が制限される
と共にそれに使用できる装置も限られる、という
点である。たとえば、しばしば、コンデンサー用
鋼管のごとき軽量の溶接性の管としての用途が要
求されることもあろうし同様に鋼板のごとき重量
の支持部材としての用途も要求されよう。溶接に
より鋼材の組立を行つた後では、寸法および形状
のために組み立てられた装置について最後を行う
べき加熱処理を適用することが困難なこともあろ
うし、仮に加熱処理が可能だとしても、寸法及び
形状による制限のため、加熱処理もしくは溶接温
度から急速に冷却する能力がひどく限定されるだ
ろう。水焼入または空冷された場合、厚形の鋼は
薄い形鋼に比較して冷却速度が遅い。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、厚鋼板にした場合、溶接可能
であり、かつ薄いストリツプと同程度の耐腐食性
を有する、オーステナイト系ステンレス鋼合金を
製造する方法にある。他の目的はこのようなステ
ンレス鋼成形品を、過度な加熱処理および冷却工
程の必要性なしに製造することである。さらに他
の目的は、Cr−Ni−Mo合金におけるσ相の析出
機構を変更せしめ、焼鈍温度や溶接温度からの冷
却中に析出する第2相の量を減少させること、で
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に従えば、1.65mm(0.065in.)を越える
厚手のクロム−ニツケル−モリブデンオーステナ
イト系ステンレス鋼成形品を製造する方法が提供
される。この鋼は重量で20〜40%のニツケル、14
〜21%のクロム、6〜12%のモリブデン、0.15〜
0.30%の窒素からなり、残余は実質的にすべて鉄
である。本発明の方法は、該鋼を融解し、鋳造
し、熱間圧延しついで冷間圧延して最終的に厚み
1.65mm(0.065in.)を越える鋼板とし、該最終的
に得られた鋼板を1038℃(1900〓)を越え約1149
℃(2100〓)未満の温度で完全焼鈍して実質的に
第2相の析出がない鋼を得る、ことからなる。高
窒素含量の鋼を製造することにより、σ相の析出
温度を低下せしめ、析出開始を遅らせ、臨界間隙
腐食温度を高めることができる。本発明の方法に
は、厚鋼板を溶接して第2相の析出が実質的にな
い溶接成形物を得る方法が含まれ、溶接を行う際
には窒素含有溶加材を使用することが含まれる。 概していえば、本発明の方法は、特別な加熱処
理を行わなくても第2相の析出がない、鋼や溶接
成形物となりうる、Ni−Cr−Moオーステナイト
系ステンレス鋼を製造することに関する。 鋼の組成について述べれば、クロムは鋼の耐酸
化性および一般的な耐腐食性を寄与するものであ
り、重量で14〜21%含まれうる。好ましくは、ク
ロムの含量は18〜21%の範囲である。クロムはま
た、鋼中における窒素の溶解度を増加させるのに
も寄与する。鋼は6〜12%、好ましくは6〜8%
のモリブデンを含有していてもよい。モリブデン
は塩化物のイオンによる耐孔食性や耐間隙腐食性
に対して寄与する。ニツケルは基本的にオーステ
ナイト化元素であり、また鋼の衝撃強さや靭性に
寄与し、これを増加させる。ニツケルを添加する
ことにより鋼の耐応力腐食性もまた改善される。
ニツケルの含量は重量で20〜40%、好ましくは20
〜30%の範囲となろう。高クロムおよびモリブデ
ンを併用することにより、塩化物のイオンによる
間隙への侵入や孔食に対し良好な抵抗性を与え
る。高ニツケルとモリブデンの併用により応力腐
食割れに対する十分な抵抗が与えられ、また一般
的な耐食性、特に還元性の酸による耐食性を改善
する。該合金は最大2%までのマンガンを含有す
ることができ、これは窒素の合金への溶解度を増
加せしめる。また、合金は、最大0.04%、好まし
くは最大0.03%までの炭素および残余として燐、
珪素、アルミニウムその他の鋼を形成する不純物
および残部の鉄を含有できる。 鋼の組成における重要な元素は比較的高い含有
量の窒素である。窒素の添加により鋼の強度が増
加し、耐間隙腐食性を増すばかりでなく、厚手物
の鋼を徐冷すると起るσ相の生成を遅延させるこ
とが見出された。窒素はσ相の析出速度すなわち
析出の開始を遅らせる。このため耐腐食性や熱間
加工性に悪影響を与えることなく、1.65mm
(0.065in.)を越え最大28.1mm(1.50in.)、までの、
特に最大19.1mm(0.75in.)までの厚手物を製造
し、溶接することができる。窒素は約0.15%から
最大鋼の正確な組成と温度に依存して定まる溶解
度の限度まで存在しうる。ここで記載されるニツ
ケル、クロムおよびモリブデンの範囲に対し、窒
素の溶解度の限度は0.50%またはそれ以上であろ
う。好ましくは、窒素は0.15〜0.30%、より好ま
しくは0.18%〜0.25%の範囲で存在する。 本発明をより完全に理解するために、次に実施
例により説明する。 〔実施例〕 実施例 1 実験室で作つた第1表記載の組成の鋼を溶融
し、1.65mm(0.065in.)厚のストリツプおよび12.7
mm(0.5in.)厚の板に加工した。
【表】
【表】 各組成の鋼を溶融しインゴツト型に鋳込んだ。
ヒート番号RV−8782、8783および8784の22.7Kg
(500ld)インゴツトの表面をグラインダで研削
し、1232℃(2250〓)に加熱し、巾152mm(6in.)
の方形板に延展した。該シートバー表面を研削し
1232℃(2250〓)に再加熱し、厚み12.7mm
(0.5in.)の鋼板に圧延した。 該鋼板を熱せん断し、12.7mm(0.5in.)の指定
個所をプレスで平らにした。該鋼板の残りの部分
は1232℃(2250〓)に再加熱し3.8mm(0.15in.)
厚のバンド(band)に圧延した。板とバンドの
端面は良好であつた。第2相の析出機構、特にσ
相の析出機構を評価するため、与えられた組成に
対し溶解温度を決定した。ヒート番号RV−8783
およびRV−8784の熱間圧延したバンドの試験片
は899℃(1650〓)で8時間熱処理し、さらに
1038℃(1900〓)〜1177℃(2150〓)で8時間熱
処理し水焼入した。金属組織学的分析により求め
たヒートのσ相溶解温度を第2表に示す。
【表】 窒素含量0.10未満のヒート番号RV−8624およ
びRV−8782に類似する組成のσ相の溶解温度は
1121℃(2050〓)より大きく1135〜1149℃(2075
〜2100〓)の間にあることが知られている。これ
と比較すると、窒素含量0.14%および0.25%であ
るヒートのσ相溶解温度が減少することが明確に
わかる。第1図は平均溶解温度に対する窒素の影
響をグラフで示したものである。窒素が増加する
につれて溶解温度は1093℃(2000〓)未満に減少
する。窒素添加は、σ相の析出速度を遅くするか
遅延せしめ、析出開始が1093℃(2000〓)未満に
なる。このように第2相の析出が減少するため、
ヒート番号RV−8624およびRV−8782に類似す
る組成を有する合金を現在商業的方法で製造する
際に必要とされている、1177℃(2150〓)または
それ以上の焼鈍温度より低い焼鈍温度を採用する
ことが可能となるのである。1149℃(2100〓)未
満、好ましくは1093℃(2000〓)未満のより低い
焼鈍温度を使用できるので、より小さい結晶粒度
の鋼が得られるであろう。より低い焼鈍温度は規
格300番台のステンレス鋼について使用される従
来の焼鈍装置が使えることになるので、特に、こ
のような合金製造の経済性を大巾に高めることと
なる。 実施例 2 ヒートの臨界間隙腐食温度(CCCT)を決定す
るため、腐食試験板を用意した。CCCTは
ASTMプロシージヤー(Procedure)G−48−プ
ラクテイス(Practies)Bに従つて、10%FeCl3
中で72時間腐食試験した時の間隙腐食が明瞭に認
められるような温度である。CCCTが高いほど塩
化物含有環境において間隙腐食に対する抵抗がよ
り改善されていることを示す。試験の目的を考慮
して、CCCTは重量減少が0.0001g/cm2を越える
ときの温度とした。 ヒート番号RV−8624およびRV−8782の12.7mm
厚の鋼板(試験板)を1204℃(2200〓)で0.5時
間焼鈍し、フアンで冷却した。ヒート番号RV−
8783およびRV−8784の試験板は1149℃(2100
〓)で焼鈍しフアン冷却した。試験板をのこぎり
で切断して二分し全面を切削して仕上げた。一つ
の縁は1.6mm(1/16in.)の平面部(land)を有
するように37.5°に斜めに切断した。ヒート番号
RV−8624の板を、母材の板と実質的に同組成の
1.65mm(0.065in.)厚のせん断ストリツプを使用
してGTA(テイグ)溶接した。残りの3つのヒー
トは、ニツケル合金625溶加材を使用する以外は
同様にして溶接した。鋼板は片面溶接した。母材
と溶接部からなる腐食試験片は該溶接部がベース
金属と同一平面になるように仕上げた。溶接部は
(試験片の)長辺に交差している。切削仕上げ後
の腐食試験片は、約巾17mm(0.68in.)、長さ48mm
(1.9in.)、厚み9.4mm(0.37in.)であつた。 ヒート番号RV−8782、RV−8783およびRV−
8784の熱間圧延帯鋼を1204℃(2200〓)で焼鈍
し、厚み1.6mm(0.065in.)に冷間圧延し、1204℃
(2200〓)で焼鈍してフアン冷却した。このスト
リツプを半分にせん断し、溶加材なしに再びTIG
溶接した。巾25mm長さ51mm(巾1in.長さ2in.)の
切削された縁とグラインダー切削仕上表面を有す
る腐食試験片をベース金属および溶接部により作
製した。溶接は51mm(2in.)の長手部分で行つ
た。ASTM Procedure G−48による試験を種々
の温度で実施し、臨界間隙腐食温度を第3表に示
した。
【表】 第3表の試験結果は、窒素添加により、母材
(ベース)とアセチレン溶接試験片のいずれにつ
いても耐間隙腐食性が低窒素含量のヒートと比較
して、改善されていることを明確に示している。
高窒素含量のヒートの溶接ストリツプの試験片
は、母材よりいくらか耐間隙腐食性が劣るが、低
窒素含量のヒートの母材のCCCTを陵駕してい
る。ニツケルベースの溶加材(合金625)による
溶接板の試験片は、母材の試験片と類似の耐間隙
腐食性を有している。ヒート番号RV−8784の耐
間腐食性はストリツプより板の試験片の方が大き
いが、これはデータのばらつきによるものであろ
う。このような溶接板の良好な腐食特性は予期し
ないことであろう。その上、低窒素含量のヒート
であるRV−8624およびRV−8782は、公称的に
約0.03%の窒素を含有しているのであるから、間
隙腐食臨界温度(CCCT)の増加は、0.1重量%
の窒素含量の増加当り、およそ5.6℃(10〓)で
あるように思われる。 この試験結果は、窒素の添加がベース金属の耐
間隙腐食性を改善することを示している。加え
て、アセチレン溶接したストリツプと鋼板は母材
と類似の耐間隙腐食性を有していた。ニツケルベ
ースの溶加材で溶接された鋼板も母材と類似の耐
間隙腐食性を有していた。窒素含量の高いヒート
のアセチレン溶接ストリツプの耐腐食性はベース
金属よりいくらか劣るが、これは溶接中に窒素が
失なわれることに起因するためであろう。ヒート
番号RV−8624およびRV−8782のストリツプと
鋼板を熱処理して、ベース金属が、σ相の不連続
で微小な結晶粒界析出物を有するようにした。添
加物の増加は、ベース金属の結晶粒界析出物の量
および熱影響部(以下HAZと称する)の量を減
少させる。ヒート番号RV−8783およびRV−
8784はベース金属およびストリツプ並びに鋼板の
HAZにおいてそれぞれ析出物が存在しないかき
わめてわずかの析出物が存在するだけであつた。 実施例 3 異なつた熱処理を受けた二種類の試験片のグル
ープに対しても、ストリツプの臨界間隙腐食温度
(CCCT)を測定した。厚み1.65mm(0.065in.)の
ストリツプを、ヒート番号RV−8782、RV−
8783およびRV−8784に対してそれぞれ1204℃、
1121℃および1093℃(2200、2050および2000〓)
において焼鈍し、ひきつづいて水焼入した。この
二つの試験片のグループに対しCCCTを求め第4
表に示した。
【表】 ベース金属の臨界間隙腐食温度は、フアン冷却
に比較して水焼入することによりかなり高くな
る。ヒート番号RV−8782の母材は、1204℃
(2200〓)でのフアン冷却による焼鈍の後で微細
で不連続なσ相の析出が認められたが、他の二つ
のヒート番号のものはσ相は求められなかつた。
水焼入を伴う熱処理を行つた後の母材のヒートに
はいずれもσ相は認められなかつた。ヒート番号
RV−8782およびR−8783の溶接試験片の臨界間
隙腐食温度もまたかなり高くなつたが、ヒート番
号RV−8784についてはこれはほとんど一定であ
つた。すべてのヒートには溶接部にσ相が認めら
れた。ヒート番号RV−8782には、HAZにおける
σ相が、微細で不連続な析出物として結晶粒界中
に認められた。ヒート番号RV−8783およびRV
−8784のHAZにはσ相は観察されなかつた。ヒ
ート番号RV−8784の試験結果から、高窒素含有
ヒートは、1093℃(2000〓)/WQにて焼鈍され
良好なCCCT値を示すことがわかる。しかし該合
金が焼鈍後に実質的にσ相が存在しないのでなけ
ればこれとは逆の作用を受けることになろう。焼
鈍後に水焼入した試験片の結果は、冷却速度が耐
腐食性に対し大きな影響を及ぼすことを示唆して
いる。溶接部におけるCCCTの減少は、かなりの
程度の偏析、すなわち、鋳造(溶接部)構造にお
けるCr、Mo、Niのごとき典型的な元素の粒内偏
析に帰せられる。 第2図は板とストリツプのヒートに対し、窒素
のCCCTに及ぼす影響をグラフで示している。
CCCT値は窒素含有量に直接比例しており窒素含
有量が高いほど良好なを示す。第2図はまた、た
いしてCCCT値が悪化することなしに、厚手物が
形成できることを示している。加えるに、焼鈍後
水焼入のごとき急冷を施してもCCCT値を悪化さ
せることなく、より低い焼鈍温度を使用すること
ができる。 実施例 4 実施例2の厚鋼板と溶接試験について曲げ試験
を行つた。曲げ試験片は巾約9.5mm(0.375in.)に
形成し、溶接部を含むように鋸切断した。直径
19.1mm(0.75in.)のピン(したがつてピン半径対
板厚比は1.0である)のまわりに、該溶接部が曲
げの頂点になるように配置して試験片を曲げて、
180°側曲げ試験を行つた。 すべての試験片は第5表に示すように、1T曲
げの後においても、クラツクは発生しなかつた。
これは母材、溶接金属および熱影響部がきわめて
優れた延性を有することを示している。
【表】 曲げ試験の結果は、高窒素含量であつても鋼材
の加工性を悪化させていないことを示している。 実施例 5 実施例2の鋼板の室温における機械的性質を第
6表に示した。一般的に、この結果は、窒素添加
の結果として、鋼板の強さと硬さが増加し、か
つ、引張りによる伸び率と面積の減少率より明ら
かなごとく、伸び、もしくは延性が減少したり変
化したりすることが実質的に無い鋼材を示してい
る。第3図は、縦方向の引張り強さおよび降伏強
さ、伸びならびに面積減少率に対する窒素の影響
を第6表の値の平均値として示す。
【表】 〔発明の効果〕 本発明の方法により、低い透磁率から判断し
て、広範囲な成形を行つても、また大きな歪を受
けた後でさえも、特性が変らない著しく安定なオ
ーステナイト系ステンレス鋼材が提供される。窒
素の添加により、厚み1.65mm(0.065in.)未満の
ストリツプと同程度の耐食性を有する板材が製造
できる。窒素はまた、合金の延性を悪くすること
なしにその強度を増大すると共に、塩化物によに
孔食や間隙腐食に対する抵抗に寄与する。 本発明の方法は、実質的に第2相の析出がな
い、鋼板のごときオーステナイト系ステンレスの
鋼の厚形の成形品を許容するものであり、この最
終成形品がひきつづき1149℃(2100〓)未満、さ
らには1093℃(2000〓)未満の温度で焼鈍され
る。 以上本発明のいくつかの具体化例を示して説明
してきたが、本発明の範囲を逸脱しない限りにお
いて、種々の改変が可能であることは、当業者に
とつて明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
第1図はσ相溶解温度を窒素含量の関数として
示すグラフである。第2図は臨界間隙腐食温度と
窒素含量の関係を示すグラフである。第3図は室
温における機械的性質を窒素含量の関数として示
すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 20〜40重量%のニツケル、14〜21重量%のク
    ロム、6〜12重量%のモリブデン、0.15〜0.30重
    量%の窒素を含有しその残余が実質上すべて鉄で
    ある鋼を融解し、鋳造し、熱間圧延しついで冷間
    圧延して最終的に厚み1.65mm(0.065in.)を越え
    る鋼板とし、該最終的に得られた鋼板を1038℃
    (1900〓)を越え1149℃(2100〓)未満の温度で
    完全焼鈍して実質的に第2相の析出がない鋼を得
    ることを特徴とするオーステナイト系ステンレス
    鋼成形品の製造方法。 2 ステンレス鋼が0.18〜0.25%の範囲の窒素を
    含有する特許請求の範囲第1項記載の方法 3 ステンレス鋼が最大2%までのマンガンを含
    有する特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 ステンレス鋼が、20〜30%のニツケル、18〜
    21%のクロム、6〜8%のモリブデン及び0.18〜
    0.25%の窒素を含有する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 5 最終的な鋼板の厚みが最大38.1mm(1.5in.)
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。 6 ステンレス鋼が1093℃(2000〓)未満の温度
    で焼鈍される特許請求の範囲第1項記載の方法。 7 ステンレス鋼を溶接して実質的に第2相の析
    出がない溶接成形品を製造する工程をさらに含む
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 8 溶接に際しニツケルベースの溶加材を用いる
    特許請求の範囲第7項記載の方法。
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