JPH05703A - 塵芥収集車の洗車塵芥処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】洗車による塵芥の処理を機械化することによっ
て省力化を実現し、作業者の負担を軽減する。 【構成】洗車場の床面より低い位置に水切室２が設けら
れ、この水切室２に塵芥を回収する水切容器３が設けら
れている。そして、上記床面と水切容器３との間には、
塵芥を含む洗車排水を水切容器３へ流下案内する排水通
路５が設けられている。更に、上記水切室３の上方空間
に隣接する洗車場の一部には、回収された塵芥を塵芥収
集車Ａへ積み込むための投入場１が設けられ、その床面
に塵芥収集車Ａを所定位置で停止させる車止めが設けら
れている。加えて、上記水切室２と投入場１との間に、
水切容器３を水切室２から投入場１へ移送すると共に、
水切容器３を反転操作して容器３内の塵芥を塵芥収集車
Ａの投入口へ投入する昇降反転装置４が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、塵芥収集車の洗車排
水に含まれる塵芥を回収して、これを再び塵芥収集車へ
積み込むようにした洗車塵芥の処理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、塵芥処理場において、塵芥を収
集してきた塵芥収集車は、収集した塵芥を排出した後、
多数の塵芥が付着しているので、この塵芥を除去するた
めに洗浄するようにしている。その後、再び上記塵芥収
集車は市内等に塵芥を収集することになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記塵
芥収集車の洗車時には、洗車排水に混じって多量の塵芥
が出る。とくに、塵芥処理場のように多数の塵芥収集車
の洗車が一斉に行われる洗車場では、大量の塵芥が出
る。従来は、こうした洗車塵芥の処理を人手で行ってお
り、例えば、洗車場の床面に散乱した塵芥を人手で一個
所に集め、さらに、集めた塵芥を人手で塵芥収集車に積
み込んでいた。

【０００４】この発明は、斯かる点に鑑みてなされたも
ので、洗車による塵芥の処理を機械化することによって
省力化を実現し、作業者の負担を軽減することを目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の洗車塵芥処理システムは、洗車場の床
面より低い位置に水切室が設けられ、この水切室に塵芥
を回収する水切容器が設けられていること、上記床面と
水切容器との間に、塵芥を含む洗車排水を水切容器へ流
下案内する排水通路が設けられていること、上記水切室
の上方空間に隣接する洗車場の一部に、回収された塵芥
を塵芥収集車へ積み込むための投入場が設けられ、その
床面は塵芥収集車を所定位置で停止させるように構成さ
れていること、上記水切室と投入場との間に、水切容器
を水切室から投入場へ移送する容器移送装置と、水切容
器を反転操作して容器内の塵芥を塵芥収集車の投入口へ
投入する投入装置とが設けられていることを要件とす
る。

【０００６】さらに、具体的には、水切室が投入場の床
面で開口されており、投入場で停止する塵芥収集車の投
入口より高い位置と水切室の内底との間に、容器移送装
置と投入装置を兼ねる昇降反転装置が設けられている。

【０００７】

【作用】上記の構成により、この発明では、塵芥収集車
から洗い落とされた塵芥は、洗車排水と共に排水通路を
流下して、水切室に設けられた水切容器へ送り込まれ、
塵芥のみが容器内に回収される。この間、作業者は床面
に散乱する塵芥を、例えば、洗車用の噴射水で排水通路
へ落とし込み流下させるだけでよく、塵芥を一個所に集
める手間を省くことができる。

【０００８】そして、回収された塵芥は、水切容器を容
器移送装置で移送することにより水切室から取り出さ
れ、さらに、上記水切容器を投入装置で反転操作するこ
とによって塵芥収集車に積み込まれる。つまり、回収し
た塵芥の積み込みに関して、作業者は前記各装置の制御
盤を操作することと、その運転状態を監視するだけでよ
い。

【０００９】

【発明の効果】従って、この発明によれば、洗車場に散
乱する洗車塵芥を洗車排水と共に流下させて水切容器で
回収し、水切容器を容器移送および投入装置で操作し
て、回収した塵芥を塵芥収集車へ自動的に積み込めるよ
うにした。したがって、本発明の洗車塵芥処理システム
によれば、洗車時に出る塵芥の処理を人手を掛けずに効
率良く行うことができ、作業者の負担の軽減を塵芥収集
車の洗車間隔の時間短縮とを同時に実現できる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明に係る洗車塵芥処理システム
の実施例について図面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】図１において、塵芥収集車Ａは実線で示す
洗車位置に停止して洗車される。この洗車場に連続して
投入場１とピット状の水切室２を設け、水切室２内に水
切容器３と昇降反転装置４を設けている。洗車場の床面
Ｆと水切室２との間には、塵芥を含む洗車排水を水切容
器３へ流下案内する排水通路５が設けられている。

【００１２】該排水通路５は床面Ｆの凹設された溝と、
水切室２側の通路端に設けられたシュート６とからな
り、図２に示すように、洗車場で停止する塵芥収集車Ａ
を幅方向へ横切る第１通路５ａと、第１通路５ａから水
切室２へと導出された第２通路５ｂとからなる。洗車場
の床面Ｆは、図１に示すように、第１通路５ａに向かっ
て下がり傾斜している。

【００１３】図３において、水切容器３は上面が開口す
る角箱状に形成されており、その左右側壁と前面壁およ
び内底壁をステンレス鋼板で形成し、後側壁をステンレ
ス鋼板を素材とするエキスパンドメタルやパンチングメ
タルなどの多孔板７で形成してなる。容器底部の四隅に
はキャスター８が装着してあり、容器上部の後側に設け
たハンドル９を操作して転動できる。多孔板７と対向す
る前側壁は、回収した塵芥の排出を確実化するために前
方に向って上り傾斜している。

【００１４】図１に示すように、水切室２は投入場１の
床面Ｆに面して開口しており、上記の水切容器３を排水
通路５より低い位置で収容する。洗車排水に混じって排
水通路５を流下してきた塵芥は、シュート６で案内され
て落とし込まれ水切容器３内に回収される。排水は多孔
板７の側から流出し、水切室２の内底の開口および開口
下面に設けた集水具１１を介して下水へ排出される。

【００１５】水切室２内には、の水切容器３を取り出
し、さらに投入場１で停止する塵芥収集車Ａ（図１に想
像線で示している。）へ回収した塵芥を投入するために
昇降反転装置４を設けている。昇降反転装置４は、水切
容器３を水切室２から取り出して投入場１へ移送する容
器移送装置と、水切容器３を反転操作して容器内の塵芥
を塵芥収集車Ａの投入口へ投入する投入装置とを兼ねて
おり、定置された水切容器３を支持する枠体と、この枠
体を昇降操作する縦長のチェーン機器４ａ、および枠体
を昇降案内し、上端において反転操作する一対のガイド
レール４ｂなどで構成する。この昇降反転装置４は一般
に多用されており、その昇降ストロークを塵芥収集車Ａ
の投入口の高さに応じて設定しているだけであるので、
構造の詳細説明は省く。水切容器３が反転操作された状
態を図１に想像線で示している。

【００１６】塵芥投入時の塵芥収集車Ａの停止位置を特
定するために、投入場１の床面Ｆに一対の車止めが設け
てある。塵芥収集車Ａを後進させてその後輪が車止め１
０に接当する位置で停止すると、投入口が昇降反転装置
４の隣に位置する。

【００１７】以上のように構成した洗車塵芥処理システ
ムによれば、塵芥収集車Ａから洗い落とされた塵芥を、
洗車用の噴射水流で排水通路５へ落とし込み、洗車排水
と共に流下させるだけで水切容器３に回収できる。さら
に投入場１に洗車の終った塵芥収集車Ａを停止させ、昇
降反転装置４を作動させることにより、水切容器３内の
塵芥を自動的に塵芥収集車Ａへ積み込むができる。

【００１８】図４は、洗車塵芥処理システムの別実施例
を示す。この実施例では、建屋の階上側に投入場１と洗
車場を設け、階下に水切室２を設けている。昇降反転装
置４は水切室２の床面と階上の塵芥収集車Ａより高い位
置との間に設けられ、水切容器３を昇降操作し、その上
端位置において想像線で示すように反転操作する。昇降
反転装置４の階上部分と投入場１とは、壁１２で仕切ら
れている。そのため、昇降反転装置４の上端から投入場
１へ向って投入シュート１３を設け、この投入シュート
１３を介して塵芥を積み込むようにしている。また、こ
の実施例では、洗車場の床面Ｆに開口間口の大きな排水
口１４を設け、この排水口１４の階下側にダクト状の排
水通路５およびシュート６を設け、洗車排水およ洗車塵
芥を水切容器３へ流下案内させるようにした。排水口１
４の上面はすのこ状の枠体１５で覆ってある。

【００１９】上記実施例以外に、この発明は以下の変形
態様で実施することもできる。

【００２０】水切容器３を水切室２から投入場へ移送す
る容器移送装置と、水切容器３を反転操作して塵芥の投
入を行う投入装置とを個別に設け、両装置によって回収
した塵芥の投入を行うようにする。例えば、図１で説明
した昇降反転装置４を投入場１に隣接する床面Ｆ上に設
けておき、これで塵芥収集車Ａへの塵芥投入を行う。ま
た、図１に置ける水切室２の上方天井面にチェーンブロ
ックやホイスト等の吊上げ機を設けておき、これで水切
容器３を水切室２から取出す。取出された水切容器３は
作業者が移動させて前記反転装置４にセットする。

【００２１】尚、上記水切容器は、その周壁あるいは底
壁の少なくとも一部が多孔板や網体で形成してあればよ
く、実施例で示した形態には限定しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る洗車塵芥処理システムの概略を
示す全体説明図である。

【図２】洗車場および投入場と水切室の配置関係を示す
平面図である。

【図３】水切容器の斜視図である。

【図４】この発明の別実施例を示す全体説明図である。

【符号の説明】

１ 投入場 ２ 水切室 ３ 水切容器 ４ 昇降反転装置 ５ 排水通路 Ａ 塵芥収集車 Ｆ 床面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗車場の床面より低い位置に水切室が設
   けられ、この水切室に塵芥を回収する水切容器が設けら
   れており、上記床面と水切容器との間に、塵芥を含む洗
   車排水を水切容器へ流下案内する排水通路が設けられて
   おり、上記水切室の上方空間に隣接する洗車場の一部
   に、回収された塵芥を塵芥収集車へ積み込むための投入
   場が設けられ、その床面は塵芥収集車を所定位置で停止
   させるように構成されており、上記水切室と投入場との
   間に、上記水切容器を水切室から投入場へ移送する容器
   移送装置と、該水切容器を反転操作して容器内の塵芥を
   塵芥収集車の投入口へ投入する投入装置とが設けられて
   いることを特徴とする塵芥収集車の洗車塵芥処理システ
   ム。
2. 【請求項２】 水切室が投入場の床面で開口されてお
   り、投入場で停止する塵芥収集車の投入口より高い位置
   と水切室の内底との間に、容器移送装置と投入装置を兼
   ねる昇降反転装置が設けられていることを特徴とする請
   求項１記載の塵芥収集車の洗車塵芥処理システム。