JPH0569604U - 簡易トンネル断面測定器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量かつ測定操作が簡単であるとともに、建
築限界の支障の有無等を容易に確認することを可能にす
る。 【構成】 レール間隔を測定するための棒状体からなる
軌間ゲージと、軌間ゲージに直角に摺動可能に設けられ
た直角整正器と、軌間ゲージに平行に取り付けられた分
度器と、分度器の中心位置を回転中心とし、回転中心か
ら先端までの距離を読み取るための伸縮自在な棒状体と
を備え、角度を振りながら棒状体を伸縮させ、距離を読
みとってトンネル断面を測定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はトンネル断面を測定することが可能な簡易トンネル断面測定器に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、投影式トンネル断面測定器が使用されている。この測定器は、三角測量 による測定原理を利用したものであり、所定位置に設置した三脚上の観測装置を 通してトンネルの壁面を観測し、壁面に焦点を合わせることにより観測装置から 壁面までの距離を求め、この測定を断面に沿って何回も行うことによりトンネル 断面形状を測定するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の投影式トンネル断面測定器は高精度な測定が可能であるが、本体や付属 品の重さが約７０ｋｇ程もあり、特に山間部等における測定においては運搬に苦 労を要し、また機械のセットおよび数値の読み取りが煩雑で、最低でも作業人員 が４人程必要となり、また現場で建築限界の支障の有無を確認できない等、使い がってに問題があった。

【０００４】 本考案は上記課題を解決するためのもので、軽量かつ測定操作が簡単であると ともに、建築限界の支障の有無等を容易に確認することができる簡易トンネル断 面測定器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、レール間隔を測定するための棒状体からなる軌間ゲージと、軌間ゲ ージに直角に摺動可能に設けられた直角整正器と、軌間ゲージに平行に取り付け られた分度器と、分度器の中心位置を回転中心とし、回転中心から先端までの距 離を読み取るための伸縮自在な棒状体とを備え、所定回転角度ごとに前記棒状体 先端をトンネル内壁面に接触させたときの回転中心から棒状体先端までの距離を 読み取ることによりトンネル断面を測定するようにしたことを特徴とする。 また、本発明は、軌間ゲージにはレール方向およびレール直角方向の傾斜を読 み撮るための水準器が設けられていること、棒状体は角度固定ネジにより角度固 定可能であることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案は軌間ゲージに直角整正器と分度器を取り付け、角度を振りながらデジ 棒を伸縮させ、距離を読みとってトンネル断面を測定するようにしたので、従来 の測定器重量の１／１０となり、特に山間部での測定時の負担を大幅に軽減する ことができ、また検測は従来の４人から１人でできるようになり、しかも短時間 で行うことが可能となる。さらに、今までは検測結果を持ち帰り、机上で作図し なければ建築限界の支障の有無を確認できなかったが、本考案によれば、現地で 直接支障の有無の確認が可能である。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の簡易トンネル断面測定器の断面図、図２は斜視図、図３はトン ネル断面の測定状況を説明するための図である。図中、１はレール、２は軌間ゲ ージ、３はレール固定金具、４は軌間調整部材、５は直角整正器（スコヤ）、５ ａは摺動部材、５ｂは棒状体、６は分度器、７は分度器添付プレート、８はデジ 棒、９はデジ棒ホルダ、１０は角度表示針、１１は角度固定ハンドル、１２は回 転中心、１３はスラック読取メモリ、１４はカント読取水準器、１５は丸型水準 器である。

【０００８】 軌間ゲージ２は木製の棒状体であり、一端にはレール固定金具３が取り付けら れ、他端にはゲージの長さ方向に沿って摺動可能な軌間調整部材４が設けられて おり、測定に際してはレール固定金具３で一端をレールに固定し、他端の軌間調 整部材４を摺動させてレールの内側に押し当て、軌間調整部材に設けられている 指標よりスラック読取メモリ１３を読み取って、軌間が測定できるようになっい る。同時に軌間ゲージにはレール面の傾斜を読み取るカント読取水準器１４とレ ールの長さ方向の傾斜を読み取る丸型水準器１５とが設けられてる。

【０００９】 この軌間ゲージにはスコヤ５が設けられており、スコヤは軌間ゲージに嵌合し て摺動可能な摺動部材５ａと軌間ゲージをレールに対して直角に設定するための 棒状体５ｂが設けられ、さらに棒状体５ｂの両端には、図２に示すように、固定 ネジ１５ｃが設けられていて、スコヤをレールに固定できるようになっている。 また、軌間ゲージには分度器添付プレート７が設けられて、分度器６が添付され ている。この分度器の中心１２を回転中心とする距離測定用のデジ棒８が設けら れ、デジ棒は伸縮自在となってその先端を壁面に当てることにより回転中心１２ から壁面までの距離が測定できるようになっている。この回転中心は外側レール 側から５３５．５ｍｍの位置、高さはレールの面から２５ｍｍに設定されている 。デジ棒８はデジ棒ホルダ９に挿入されて支持され、これを振ることによって角 度表示針１０でその時の角度が測定でき、さらに角度固定ハンドル１１によって その位置に固定できるようになっている。なお、デジ棒は伸縮できるアルミ製の 距離読取棒である。

【００１０】 このような測定器を用いて、トンネル断面を測定する場合には、軌間ゲージ２ をレール固定金具３で一方のレールに取り付けると共に、軌間調整部材４を他方 のレールの内面に押し当て、さらにスコヤ５をレール面に当てて、軌間ゲージ２ をレールに対して直角にセットする。そして中央の水準器１５を見て、水平を保 ち、スコヤ端部の固定ネジ５ｃを締める。次いで、例えば角度を１０度づつ振り ながら、角度固定ハンドル１１でその時のデジ棒位置を固定し、図３に示すよう に、デジ棒を伸ばしてトンネル壁面に当て、その時のデジ棒の表示した距離を読 む。このような測定をレール方向に沿って所定距離毎に行ってトンネル断面を測 定していく。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、極めて簡単な構成でデジ棒によってトンネル断 面を測定することができ、従来のものに比して格段に軽量化を図ることができ、 測定時の負担を大幅に軽減することができる。また、作業人員も従来の１／４に なり、しかも作業時間を短縮することが可能であり、さらに現地において建築限 界の支障の有無を直接確認可能となる。さらに軌間ゲージは木製であるため、レ ール間を電気的に短絡することがなく、制御装置側で列車の存在と誤判断するよ うなこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の簡易トンネル断面測定器の断面図で
ある。

【図２】 本考案の簡易トンネル断面測定器の斜視図で
ある。

【図３】 トンネル断面の測定状況を説明するための図
である。

【符号の説明】

１…レール、２…軌間ゲージ、３…レール固定金具、４
…軌間調整部材、５…直角整正器（スコヤ）、５ａ…摺
動部材、５ｂ…棒状体、６…分度器、７…分度器添付プ
レート、８…デジ棒、９…デジ棒ホルダ、１０…角度表
示針、１１…角度固定ハンドル、１２…回転中心、１３
…スラック読取メモリ、１４…カント読取水準器、１５
…丸型水準器。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レール間隔を測定するための棒状体から
   なる軌間ゲージと、軌間ゲージに直角に摺動可能に設け
   られた直角整正器と、軌間ゲージに平行に取り付けられ
   た分度器と、分度器の中心位置を回転中心とし、回転中
   心から先端までの距離を読み取るための伸縮自在な棒状
   体とを備え、所定回転角度ごとに前記棒状体先端をトン
   ネル内壁面に接触させたときの回転中心から棒状体先端
   までの距離を読み取ることにより、トンネル断面を測定
   するようにしたことを特徴とする簡易トンネル断面測定
   器。
2. 【請求項２】 前記軌間ゲージにはレール方向およびレ
   ール直角方向の傾斜を読み撮るための水準器が設けられ
   ていることを特徴とする簡易トンネル断面測定器。
3. 【請求項３】 前記棒状体は角度固定ネジにより角度固
   定可能であることを特徴とする請求項１記載の簡易トン
   ネル断面測定器。