JPH0569470B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は圧電ブザー等の圧電振動子の電気特性
測定方法とそれに使用する測定装置に関する。

（従来技術） 一般に、圧電振動子の電気特性を測定するに
は、発振周波数をスイープ（掃引）しながら電気
特性の測定を行なう高価な測定器を必要とする。

従来、圧電振動子の電気特性として共振周波数
や共振インピーダンスを測定する場合、第２図に
示すように、ベクトルインピーダンスメータ１に
圧電振動子２を接続してベクトルインピーダンス
メータ１の発振周波数を変化させ、圧電振動子２
に印加される電圧とそれに流れる電流の位相が
零、もしくは上記圧電振動子２のインピーダンス
が最小となつたときの周波数を共振周波数とし、
そのときの上記圧電振動子２のインピーダンスを
共振インピーダンスとするようにしていた。上記
ベクトルインピーダンスメータ１には周波数カウ
ンタ３が接続され、この周波数カウンタ３により
ベクトルインピーダンスメータ１の発振周波数が
カウントされる。

ところで、上記のような手法で圧電振動子２の
共振周波数および共振インピーダンスを測定する
には、高価なベクトルインピーダンスメータ１を
必要とするうえに、ベクトルインピーダンスメー
タ１の周波数を変化させ、圧電振動子２に印加さ
れる電圧とそれに流れる電流の位相が零となる周
波数を検出するか、または圧電振動子２のインピ
ーダンスが最小となる周波数を検出しなければな
らず、圧電振動子２の電気特性の測定が非常に煩
雑で、測定に時間がかかるという問題があつた。
また、圧電振動子２は種々のモードの共振特性を
有しているので、目的とするモードの電気特性が
簡単に測定できないといつた問題があつた。

（発明の目的） 本願の第１の発明の目的は、圧電振動子の電気
特性が簡単かつ高速で精度よく測定することので
きる圧電振動子の電気特性測定方法を提供するこ
とである。

また、本願の第２の発明の目定は、圧電振動子
の電気特性が簡単に測定することのできる構造が
簡単で安価な圧電振動子の電気特性測定装置を提
供することである。

（発明の構成） このため、本願の第１の発明は、増幅器と、位
相補正回路および時定数調整可能な時定数回路を
通して上記増幅器の出力を入力側に帰還する帰還
回路と、上記位相補正回路の入力とアースとの間
に接続される抵抗値が既知の基準抵抗とからなる
発振回路を用意し、上記発振回路の発振周波数が
電気特性を測定する圧電振動子の大略の共振周波
数となるように圧電振動子を接続する接続手段を
短絡して上記時定数回路の定数を調整した後、上
記帰還回路の増幅器の出力と位相補正回路との間
に上記圧電振動子を挿入して帰還回路に圧電振動
子を挿入したときの上記発振回路の発振周波数を
上記圧電振動子の共振周波数として検出し、上記
基準抵抗両端の電圧、増幅器の出力電圧、および
上記基準抵抗の抵抗値から上記圧電振動子の共振
インピーダンスを検出するようにしたことを特徴
としている。

また、本願の第２の発明は、増幅器と位相補正
回路および時定数調整可能な時定数回路を通して
上記増幅器の出力を入力側に帰還する帰還回路
と、上記位相補正回路の入力とアースとの間に接
続される抵抗値が既知の基準抵抗とからなる発振
回路を備えてなる圧電振動子の電気特性測定装置
であつて、上記帰還回路の増幅器の出力と位相補
正回路との間に電気特性を測定する圧電振動子を
接続する接続手段と、この接続手段を短絡する短
絡手段とを備えており、圧電振動子と接続した時
発振器の発振周波数から上記圧電振動子の共振周
波数を、また、上記基準抵抗両端の電圧、増幅器
の出力電圧、および上記基準抵抗の抵抗値から上
記圧電振動子の共振インピーダンスを夫々検出す
るようにしたことを特徴としている。

上記帰還回路に圧電振動子が挿入されると、上
記発振回路は圧電振動子の共振周波数で発振す
る。そして、このとき、上記圧電振動子は共振状
態にあり、そのインピーダンスは純抵抗となつて
いる。よつて、上記帰還回路に圧電振動子を挿入
したときの発振器の発振周波数を測定することに
より、圧電振動子の共振周波数を知ることができ
る。また、共振状態では、圧電振動子は純抵抗に
なつており、増幅器の出力とアースとの間にこの
純抵抗と抵抗値が既知の基準抵抗とが直列に接続
されたことになる。よつて、増幅器の出力は上記
純抵抗と基準抵抗とにより分圧され、この分圧比
と上記基準抵抗の抵抗値とから上記純抵抗、すな
わち、圧電振動子の共振インピーダンスを知るこ
とができる。

（発明の効果） 本願の第１の発明によれば、圧電振動子の共振
周波数および共振インピーダンスの測定に際し、
発振回路の帰還回路に圧電振動子を挿入して発振
周波数を検出するとともに、発振回路を構成して
いる増幅器の出力電圧および基準抵抗の両端の電
圧を検出すればよく、圧電振動子の電気特性が簡
単かつ高速で精度よく測定することができる。

また、本願の第２の発明によれば、発振回路を
使用して圧電振動子の電気特性の測定装置を構成
することができるので、圧電振動子の電気特性測
定装置の構造が簡単で価格も安く、かつ、圧電振
動子の電気特性の測定も簡単に行なえるようにな
る。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を
説明する。

本発明に係る圧電振動子の電気特性測定装置の
一実施例を第１図に示す。

上記圧電振動子の電気特性測定装置は、増幅器
１１と、この増幅器１１の出力を位相補正する位
相補正回路としての位相補正用増幅器１２および
時定数回路１３を通して上記増幅器１１の入力側
に帰還する帰還回路１４と、上記位相補正用増幅
器１２の入力とアースとの間に接続される基準抵
抗Rsとからなる発振回路１５により構成される。

電気特性を測定する圧電振動子２は、増幅器１
１の出力と位相補正用増幅器１２の入力との間に
設けられた測定端子１６，１７の間に接続され
る。上記位相補正用増幅器１２の出力とアースと
の間には、可変抵抗器VRが接続される。この可
変抵抗器VRは上記圧電振動子２に印加される測
定電圧を設定するためのもので、その摺動子と増
幅器１１との間に時定数回路１３の抵抗Ｒが接続
される。そして、増幅器１１の入力とアースとの
間には、時定数回路１３のコンデンサＣが接続さ
れる。上記時定数回路の抵抗Ｒは可変抵抗となつ
ている。

以上に構成を説明した装置を用いて、次のよう
にして圧電振動子２の共振周波数および共振イン
ピーダンスを測定することができる。

まず、圧電振動子２を測定端子１６，１７間に
接続する前は、第１図に２点鎖線で示すように、
上記測定端子１６，１７を短絡する。この短絡に
より、増幅器１１の出力が位相補正用増幅器１
２、可変抵抗器VRおよび時定数回路１３から増
幅器１１の入力に帰還され、上記増幅器１１が発
振する。その発振周波数は、時定数回路１３の抵
抗Ｒを変えることにより調節することができる。
また、上記発振周波数は位相補正用増幅器１２の
出力に接続した周波数カウンタ１８に表示され
る。

上記状態で、周波数カウンタ１８の表示値が圧
電振動子２の共振周波数のおおよその値となるよ
うに、時定数回路１３の抵抗Ｒを調節する。

その後、測定端子１６，１７間に圧電振動子２
を接続し、測定端子１６，１７間の短絡を解除す
ると、増幅器１１は圧電振動子２の共振周波数で
発振する。よつて、このときの周波数カウンタ１
８の表示をよめば、その値がそのまま圧電振動子
２の共振周波数となる。また、圧電振動子２がそ
の共振周波数で振動しているときは、圧電振動子
２の共振インピーダンスは純抵抗Roであるから、
増幅器１１の出力電圧Vsは、上記純抵抗Roと基
準抵抗Rsとにより分圧される。よつて、基準抵
抗Rsの両端の電圧をVrとすれば、 Vr／Vs＝Rs／Ro＋Rs …(1) の関係がある。

上記(1)式から Ro＝Vs−Vr／Vr×Rs …(2) となる。

従つて、圧電振動子２の共振インピーダンス
は、圧電振動子２が共振しているときの増幅器１
１の出力電圧Vsおよび基準抵抗Rsの両端の電圧
Vrを測定すれば上記(2)の式より簡単に計算する
ことができる。実際には、基準抵抗Rsとして、
ダイヤル位置等により抵抗値Rsを知ることので
きる可変抵抗器を使用し、Vr＝Vs／２となるよ
うにその抵抗値Rsを調節する。このようにすれ
ば、Ro＝Rsとなり、基準抵抗Rsの抵抗値Rsがそ
のまま、圧電振動子２の共振インピーダンスとし
て読み取ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る圧電振動子の電気特性測
定装置の回路図、第２図は従来の圧電振動子の測
定方法の説明図である。 ２……圧電振動子、１１……増幅器、１２……
位相補正用増幅器、１３……時定数回路、１４…
…帰還回路、１５……発振回路、１６，１７……
測定端子、１８……周波数カウンタ、Rs……基
準抵抗。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 増副器と、位相補正回路および時定数調整可
   能な時定数回路を通して上記増幅器の出力を入力
   側に帰還する帰還回路と、上記位相補正回路の入
   力とアースとの間に接続される抵抗値が既知の基
   準抵抗とからなる発振回路を用意し、上記発振回
   路の発振周波数が電気特性を測定する圧電振動子
   の大略の共振周波数となるように上記時定数回路
   の定数を調整した後、上記帰還回路の増幅器の出
   力と位相補正回路との間に上記圧電振動子を挿入
   して帰還回路に圧電振動子を挿入したときの上記
   発振回路の発振周波数を上記圧電振動子の共振周
   波数として検出し、上記基準抵抗両端の電圧、増
   幅器の出力電圧、および上記基準抵抗の抵抗値か
   ら上記圧電振動子の共振インピーダンスを検出す
   るようにしたことを特徴とする圧電振動子の電気
   特性測定方法。 ２ 増幅器と位相補正回路および時定数調整可能
   な時定数回路を通して上記増幅器の出力を入力側
   に帰還する帰還回路と、上記位相補正回路の入力
   とアースとの間に接続される抵抗値が既知の基準
   抵抗とからなる発振回路を備えてなる圧電振動子
   の電気特性測定装置であつて、上記帰還回路の増
   幅器の出力と位相補正回路との間に電気特性を測
   定する圧電振動子を接続する接続手段と、この接
   続手段を短絡する短絡手段とを備えており、圧電
   振動子を接続時の発振器の発振周波数から上記圧
   電振動子の共振周波数を、また、上記基準抵抗両
   端の電圧、増幅器の出力電圧、および上記基準抵
   抗の抵抗値から上記圧電振動子の共振インピーダ
   ンスを夫々検出するようにしたことを特徴とする
   圧電振動子の電気特性測定装置。