JPH056920U - ガラス器具に組み込んだ受信アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インテリア調度品等のガラス器具にアンテナ
機構を組み込むことにより、複合的機能を持たせるとと
もに、美的な電波受信用アンテナにする。 【構成】 ガラス製の花瓶２の側壁表面にアンテナ素子
３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄを接着し、このアンテナ素子３
ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄを花瓶２の側壁表面下部に接着し
たアンテナ端子４に導通させる。そしてこの花瓶２を任
意位置に設置することにより、電波の受信効率が向上す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガラス製の花瓶や飾り板等にアンテナ機能を組み込んだ受信アンテ ナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

テレビ放送等の電波を受信する受信アンテナは、従来、図４に示すような建物 の屋上や屋根の上等に取付られるロッド型（棒状）アンテナ８が知られている。 しかし、上記のアンテナ８は建物の外観を損なうため、建物によっては各室内に 図５に示すような室内型アンテナ９を取付ている。この室内型アンテナ９は、線 型アンテナや、コイルを巻いた棒状のアンテナ、又は、棒状のアンテナを曲げ加 工したものが主に使用されている。このようなアンテナ８，９はいずれも、アン テナ機能だけを有するものであり、それ自体に意匠性を持たせて美感を起こさせ るという趣旨を持つものではなかった。 この為、近年、建物の外観、或は室内美観を向上させるという目的で、図６に 示すようなサッシ組込みガラスアンテナ１０が開発された。このサッシ組込みガ ラスアンテナ１０は、サッシガラス１１の片面に２枚の羽形状に形成した線状の アンテナ素子１２を熱溶着させるとともに、サッシガラス１１の室内側表面にア ンテナ端子１３を設け、このアンテナ端子１３と上記のアンテナ素子１２を導通 させたものである。 またガラスにアンテナ機能を持たせたものとして、図示を省略した自動車ガラ スアンテナが知られている。これは車のグレードアップに伴い意匠性を向上させ るために開発されたもので、車のフロントガラス等に金属体のアンテナ素子を熱 溶着し、このアンテナ素子にアンテナ端子を導通させたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のアンテナにおいて、建物の屋上等や室内に設置する各種アンテナは 、いずれもアンテナとしての単独機能を持たせただけであって、意匠性を持たせ るというものではなかった。このため、これらアンテナを設置した場合、目障り になることがあり、建物の外観や室内美感を損なう場合が多かった。またサッシ 組込みガラスアンテナは、建物や室内の美感を損なうことはないが、電波受信効 率を向上させるため、このアンテナの取付場所が制限される等の問題があるとと もに、サッシガラスの種類によっては目障りになる場合があった。また自動車ガ ラスアンテナにおいては、通常このガラスには透明なものが使用されるため、ア ンテナ素子が目障りになるとともに、自動車の進行方向によって電波の受信効率 が変化する等の問題があった。

【０００４】 そこで本考案は、インテリア調度品等のガラス器具にアンテナ機能を持たせる ことにより、電波の受信効率を向上させることができるとともに、美観が良い受 信アンテナを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成した電波受信用のアンテナであって、それは、イン テリア調度品等のガラス製品の側壁に、任意形状に形成した線状のアンテナ素子 を設けるとともに、同アンテナ素子をガラス製品の表面に設けたアンテナ端子に 導通させ、上記ガラス製品の設置位置を任意に選択することにより、外部から供 給される電波の受信効率を向上できるようにしたものである。

【０００６】

【作用】

本考案のガラス器具に組み込んだ受信アンテナは、ガラス器具の形状、色彩に より美観を向上させることができるとともに、このガラス器具の設置場所を考慮 することにより、ガラス器具内に設けたアンテナ素子の受信効率を向上させるこ とができる。さらにアンテナ素子は、ガラス器具の側壁に埋め込む場合、外気と の接触を防止できるので、酸化しにくく、耐用年数が長くなる。

【０００７】

【実施例】

本考案のガラス器具に組み込んだ受信アンテナの実施例を、図１〜図３により 示す。 本考案のガラス器具に組み込んだ受信アンテナ１は、例えば図１に示すように 、ガラス製の四角柱の花瓶２の側壁表面に、２つのリング形に形成した線状のア ンテナ素子３ａ，３ｂが互いに対向するように接着されるとともに、各リング形 のアンテナ素子３ａ，３ｂの内側側壁面に複数の水平方向のアンテナ素子３ｃ， ３ｄが上下方向に配列されて接着され、各水平方向のアンテナ素子３ｃ，３ｄは 各リング型のアンテナ素子３ａ，３ｂに接続されることにより、外部から供給さ れる電波を受信することができるようになっている。 また、リング型のアンテナ素子３ａ，３ｂはそれぞれ、花瓶２の側壁表面下部 に接着したアンテナ端子４に導通され、上記アンテナ素子３ａ，３ｂ，３ｃ，３ ｄで受信した電波は、アンテナ端子４を介してテレビ等に送信できるようになっ ている。さらに、上記受信アンテナ１は、花瓶２の設置位置を任意に選択するこ とにより、各アンテナ素子３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄが受信する電波効率を向上さ せることができるとともに、花瓶としての本来の機能を果すことができるように なっている。

【０００８】 なお、上記実施例では、ガラス器具として四角柱の花瓶２を使用し、その側壁 表面にアンテナ素子を接着したが、図２に示すように、ガラス器具として三角柱 の花瓶２ａを使用し、この花瓶２ａの側壁表面及び側壁裏面にそれぞれ、ひし形 の線状アンテナ素子５ａ，５ｂを対向させて接着するとともに、各ひし形のアン テナ素子５ａ，５ｂの内側側壁面に、上記と同様に複数の線状のアンテナ素子５ ｃ，５ｄを配列させて接着させ、このアンテナ素子５ｃ，５ｄをアンテナ素子５ ａ，５ｂに接続させるとともに、各ひし形のアンテナ素子５ａ，５ｂを、花瓶２ ａの側壁表面下部に接着したアンテナ端子４に導通させてもよい。

【０００９】 また前記実施例では、ガラス器具として花瓶２，２ａを例にとって示したが、 これに限定するものではなく、例えばガラス製の壁掛けボード６を使用してもよ い。この場合、壁掛けボード６の側壁表面に、例えばひし形状に形成したアンテ ナ素子７を接着し、このアンテナ端子７を壁掛けボード６の周縁下部に設けたア ンテナ端子４に導通させて外部からの電波を受信できるように構成する。 なお、上記実施例では、アンテナ素子はいずれもガラス器具の側壁表面、ある いは側壁裏面に接着したが、これに限定するものではなく、側壁表面等に溶着し たり、ガラス器具製作時にその側壁に埋め込んでも良い。また、上記のアンテナ 素子の形状は、意匠性を向上させたり、電波受信効率を向上させることができる 任意形状に形成することができる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案のガラス器具に組み込んだ受信アンテナは、ガラス器具にアンテナ機構 を組み込むことにより、ガラス器具本来の機能を発揮することができるので美観 が良く目障りにならない。また、アンテナ素子をガラス器具に対応させて多面体 、或は立体に配線できるため、指向性が取り易い。さらに、ガラス器具の設置位 置を任意に選択して、アンテナ素子を設けた面を放送波発信方向に向け易く、電 波受信効率を容易に向上させることができる。また、アンテナ素子を側壁に埋め 込めば、アンテナ素子の劣化が少なく、メンテナンスフリーとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガラス器具に組み込んだ受信アンテナ
の実施例を示す斜視図（ａ）と展開図（ｂ）である。

【図２】本考案のガラス器具に組み込んだ受信アンテナ
の他の実施例を示す斜視図（ａ）と展開図（ｂ）であ
る。

【図３】本考案のガラス器具に組み込んだ受信アンテナ
の他の実施例を示す正面図である。

【図４】従来の屋外用の受信アンテナの実施例を示す図
である。

【図５】従来の室内用の受信アンテナの斜視図である。

【図６】従来のサッシ組込みガラスアンテナの正面図
（ａ）と部分拡大縦断面図（ｂ）である。

【符号の説明】

１ ガラス器具に組み込んだ受信アンテナ ２ 花瓶 ３ａ アンテナ素子 ３ｂ アンテナ素子 ３ｃ アンテナ素子 ３ｄ アンテナ素子 ４ アンテナ端子

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 電波受信用のアンテナであって、インテ
   リア調度品等のガラス製品の側壁に、任意形状に形成し
   た線状のアンテナ素子を設けるとともに、同アンテナ素
   子をガラス製品の表面に設けたアンテナ端子に導通さ
   せ、上記ガラス製品の設置位置を任意に選択することに
   より、外部から供給される電波の受信効率を向上できる
   ようにしたことを特徴とするガラス器具に組み込んだ受
   信アンテナ。