JPH0819084A - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JPH0819084A
JPH0819084A JP6170313A JP17031394A JPH0819084A JP H0819084 A JPH0819084 A JP H0819084A JP 6170313 A JP6170313 A JP 6170313A JP 17031394 A JP17031394 A JP 17031394A JP H0819084 A JPH0819084 A JP H0819084A
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秀平 太田
Junichi Hayakawa
純一 早川
Toru Nakakuma
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スピーカを低い位置に設置しても上方定位と拡
がり感のある音場が得られるスピーカシステムを提供す
ることにある。 【構成】傾斜したバッフル面を含む2つのバッフル面を
備えていて両バッフル面にスピーカが配置されてなるダ
イポール型スピーカシステムにおいて、2つのバッフル
面1,2が山形状に形成されると共に両バッフル面にそ
れぞれスピーカ4,5が取り付けられ、一方のバッフル
面2のスピーカ5から放射された放射音を反射体7で反
射させて他方のバッフル面1のスピーカ4から放射され
た直接音と合成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、音場型音響再生シス
テムに係り、特にスピーカを低い位置に設置しても上方
定位と拡がり感のある音場が得られるスピーカシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ・ビジュアル分野において、
音声などを画面上に定位させる従来の方法としては、図
12に示すように、スクリーン11の左右に大型のフロ
ントスピーカ12,13を配置したり、小型のフロント
スピーカ12,13とセンタースピーカ14で合成を行
っていた。
【0003】一方、従来のダイポール型スピーカシステ
ムは、オーディオ・ビジュアル分野におけるサラウンド
用として主に壁掛け型のサイドスピーカとして用いられ
ており、近年THX用のサイドスピーカとして用いるこ
とも提案されている(テレビジョン学会技術報告 Vol.
14.No76,PP37 〜41,1990 年12月)。
【0004】このスピーカシステムは、図13に示すよ
うに、断面略台形状のスピーカボックス20の左右斜面
にフルレンジユニット21,22を配置して該フルレン
ジユニット21,22を正と負の極性にさせたり、図1
4に示すように、左右斜面にツイータユニット23,2
4を配置すると共に正面にウーハユニット25を配置
し、該ツィータユニット23,24だけを正と負のダイ
ポール型にしている。なお、図において、26はサイド
の壁面を示している。
【0005】これら従来のスピーカシステムは、ダイポ
ール型の8の字指向性を利用し、拡がり感だけが増強さ
れるように設置される。また、フロントスピーカやセン
タースピーカから得られる定位をできるだけ乱さないよ
うにサイドスピーカが設置される。従ってダイポール型
スピーカシステムは、他のスピーカと合成音像を作るこ
とは少なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、2個の大型
フロントスピーカを使用する従来の方法にあっては設置
スペースの制約を受け、また、センタースピーカタイプ
では、真なる上方定位が得られなかった。一方、ダイポ
ール型スピーカとしては音場再生の利用価値や用途を高
め、しかも低い位置に設置しても拡がり感を損ねず、更
に音像定位、特に上方定位ならしめることが重要な課題
であった。
【0007】本発明の目的は、上記した従来の欠点を解
消し、スピーカを低い位置に設置しても上方定位と拡が
り感のある音場が得られるスピーカシステムを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、本発明においては、傾斜したバッフル面を含む2つ
のバッフル面を備えていて両バッフル面にスピーカが配
置されてなるダイポール型スピーカシステムにおいて、
2つのバッフル面を山形状に形成すると共に両バッフル
面にそれぞれスピーカを取り付け、一方のバッフル面の
スピーカから放射された放射音を反射体で反射させて他
方のバッフル面のスピーカから放射された直接音と合成
させるものである。
【0009】この場合、2つのバッフル面で形成される
頂部を直角としたり、2つのバッフル面の頂部の角度及
び両バッフル面の2辺と底辺との角度をそれぞれ鋭角と
し、反射させるスピーカを取り付ける辺が直接音を放射
させるスピーカを取り付ける辺よりも短かくしたりする
ことができる。
【0010】また、バッフル面に取り付けられるスピー
カとしては楕円スピーカを用いたり、反射させる側のス
ピーカを2個配置して反射による音圧の減衰を補うこと
もできる。更に、底辺に音波反射性の扁平座を設けるこ
とができると共に、一方又は両方の面に取り付けられる
スピーカに電気的遅延装置を使用することができる。反
射体をスクリーンスピーカとし、このスクリーンスピー
カをサブウーハとして、上記山形状のバッフル面に配置
されるスピーカと3Dシステムを構成することもでき
る。
【0011】
【作用】山形状の2つのバッフル面に取り付けられた正
負音源となるスピーカのうち、一方のバッフル面のスピ
ーカをリスナーに向け、他方のバッフル面のスピーカを
リスナー側に対して反対側に向けるようにして左右にそ
れぞれ配置すると共に、そのスピーカの近接距離に反射
体を設けて、上記一方のバッフル面のスピーカによる直
接音と他方のバッフル面のスピーカによる反射音を合成
するようにし、左右の音源でステレオ合成音場を創成す
る。更に電気的遅延装置と上記スピーカを組み合わせて
定位と拡がりを調整する。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図1〜図11に基づいて説
明する。 実施例1 図3に示すキャビネット10は断面山形状をなし、頂角
が直角で長さの異なる二つの斜辺をバッフル面とし、長
辺のバッフル面を第1のバッフル面1、短辺のバッフル
面を第2のバッフル面2、底辺をキャビネット底面3と
して構成されている。上記第1のバッフル面1の辺の長
さは360mm、第2のバッフル面2の辺の長さは34
0mmであり、山の稜線の長さは450mmである。こ
の第1及び第2のバッフル面1,2には極性が異なった
同径(5インチ)のスピーカ4,5をそれぞれ取り付け
てダイポール型スピーカSが構成されている。
【0013】このダイポール型スピーカSを2個使い、
L、Rのステレオシステムを構成する。図1及び図2に
示すように、各ダイポール型スピーカSに取り付けられ
た一方のスピーカ4をリスナーHに向け、該スピーカ4
の極性を正(+)同士にする。反対側のスピーカ5は、
リスナーHとは反対の方向に向けられ、極性を負(−)
同士にする。
【0014】本実施例に示す頂角90°をなすダイポー
ル型スピーカSの垂直方向の指向特性を図4及び図5に
示す。図4は500Hzのもの、図5は2KHzのもの
であり、この特性は無響室で測定されたもので、有響の
場所では図5の破線で示した下側の指向特性がなくな
る。
【0015】この指向特性が示すように、500Hzで
は典型的な8の字パターンに近い形をとる。図示しない
が、1kHzではスピーカ取付軸より山形の頂点のほう
に音圧が増える領域が現れ、更に図5の2kHzでは取
付軸より20°内側に、500Hzや1kHzと比べて
音圧の大きいところが確認できる。
【0016】ダイポール型スピーカSの上記した性質を
利用して、図1及び図2に示すように、該スピーカSを
床面Fに置き、次に負の極性をもつスピーカ5の反対側
に反射体7を設置した。このようにすれば、図1に示す
ように、正極性のスピーカ4からの直接音と負極性のス
ピーカ5からの反射音が合成される。図6に示すよう
に、スピーカ5と反射体7との距離を合成音が同相にな
る30cmに設定したところ、床面Fの直接音より大き
い音圧が上方定位できた。
【0017】図8に示すように、長辺(第1のバッフル
面1)と底辺(キャビネット底面3)のなす角Cの角度
を20°に設定すれば、上方の定位は床面Fに対して垂
直線上にすることが可能になる。従って、この角度を増
していけば前方側に上方定位する。リスナーHが椅子に
座って1mの高さのところに耳があるとすれば、キャビ
ネット10の条件を、頂角(角A)80°で短辺(第2
のバッフル面2)と底辺(キャビネット底面3)のなす
角Bの角度が80°、上記角Cの角度が20°となるよ
うに設定すれば耳の高さの位置に定位する。
【0018】本実施例ではスピーカSを床面Fに置いた
が、反射の上下関係を反転させればスピーカSを天井に
設置しても同様の効果が得られることは明白である。こ
の場合の定位は下方定位となる。また、キャビネット1
0の形状については、本実施例のように三角状に限られ
るものではなく、図7に示すようにバッフル面だけを山
形に形成すると共にキャビネット底面3に音波反射性の
扁平座6を設けても同様の効果が得られる。
【0019】実施例2 図9に示すように、スピーカユニット4,5として極性
の異なる短径4インチ、長径6インチの楕円スピーカ4
a,5aを使用し、山の稜線方向に該スピーカの長径を
合わせるようにして配置した。この配置では長径側の指
向特性が鋭くなるので、直接音と反射音の合成音の認識
が更に明確化される。また、この上方定位認識の明確化
手法として、図9に示すように、直接音放射側のスピー
カ4を1個とすると共に反射側のスピーカ5を2個配置
することも有効である。即ち、反対側は直接音放射側と
比較して反射により減哀するため、2個のスピーカを配
置して音圧を高めることにより定位が明確化する。
【0020】実施例3 実施例3では、直接音を放射するスピーカ4に電気的遅
延装置T1を入れたものであり、図10(A)はその回
路図である。この実施例はスピーカシステムと聴取者の
距離が近い場合に効果がある。この場合には、直接音の
先行音効果が働き、直接音を反射による合成音が別々に
時間遅れで認識される。このような二重の認識をさける
ために、直接音のスピーカ4を数msecから20ms
ec遅延させ、更に直接音の音の強さのレベルを最大6
dBまでアッテネートすれば、直接音による床面近くの
下方定位はなくなり、合成音による上方定位が得られ
る。
【0021】実施例4 実施例4では、電気的遅延装置T1,T2を用いて図1
0(B)に示すようにし、スピーカの設置場所を動かす
ことを電気的手段で置換させた。この実施例の場合、図
11に示すように、反射体7として薄型のスクリーン兼
用のスピーカシステム7Cを使用した。このスピーカシ
ステム7Cは特願平6−51078号として我々が先に
提案したシステムであり、このシステムには薄型スピー
カユニット7sが内蔵されていて、端面部のダクト7d
から低音が出てくるようになっている。
【0022】このようなスクリーンスピーカを反射体7
として使用し、上記のようなダイポール型スピーカSを
配置することにより3Dシステムを構成している。この
3DシステムはAV(オーディオ・ビジュアル)音場を
構成し、ダイポール型スピーカシステムはボーカルの帯
域を受けもつから、上方定位は音場感を醸し出すのに最
適となる。従って、図10(B)の電気的遅延装置T2
の遅延効果は、ダイポール型スピーカシステムを一度設
置すれば、電気的手段でスピーカの設置位置を変化させ
たのと等価になり、また、強める周波数も変化できるこ
とから、当然ボーカル帯域の上方定位強調手段となり得
る。
【0023】実施例5 実施例5では、図10(C)に示すように、直接音側の
スピーカ4と反射音側のスピーカ5の両方に電気的遅延
装置T3,T4を付加している。遅延量としては、スピ
ーカ5の量を数μsecから数msecに、また、スピ
ーカ4の量をスピーカ5の量プラス数msec乃至数十
msecに設定した際に、実施例1〜4よりも拡がり感
が増加し、上位定位音像が少し大きくなった。従って、
拡がりを重要とするソースには実施例5が最適である。
【0024】
【発明の効果】本発明のスピーカシステムによれば、ス
ピーカの設置位置とは異なる、上下方向に音像定位と拡
がり感を得ることができ、特にスクリーンを有するAV
音場には特に有効であり、視界を妨げずに音場を構成で
きる。また、電気的遅延装置により、所望の上下位置に
定位と拡がりをもった音像を作り且つコントロールする
ことができる。更に、一般的なステレオとして使用でき
るのは勿論、このスピーカシステムを薄型タイプとする
ことにより、車室内音場のような狭空間の床や天井にシ
ステムを構成することができ、この場合でも上下定位が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカシステムの実施例を示す
側面図。
【図2】ステレオ再生のための設置例を示す斜視図。
【図3】スピーカの斜視図。
【図4】ダイポール型スピーカの500Hz時の指向特
性を示す図。
【図5】ダイポール型スピーカの1KHz時の指向特性
を示す図。
【図6】反射体に対するダイポール型スピーカの設置距
離を設定した例を示す側面図。
【図7】底辺に扁平座を配置したダイポール型スピーカ
の例を示す側面図。
【図8】頂角などの角度を可変したダイポール型スピー
カの設置例を示す側面図。
【図9】キャビネットに配置されるスピーカを楕円スピ
ーカとした例を示す斜視図。
【図10】スピーカに電気的遅延装置を使用した例を示
す回路図。
【図11】反射体としてスクリーンスピーカシステムを
使用した例を示す斜視図。
【図12】従来のスピーカシステムを示す正面図。
【図13】従来のダイポール型スピーカシステムの例を
示す斜視図。
【図14】従来のダイポール型スピーカシステムの他の
例を示す斜視図。
【符号の説明】
S ダイポール型スピーカ 10 キャビネット 1 第1のバッフル面 2 第2のバッフル面 3 キャビネット底面 4 スピーカ 4a 楕円スピーカ 5 スピーカ 5a 楕円スピーカ 6 扁平座 7 反射体 10 キャビネット
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 1/40 310 5/02 J H

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜したバッフル面を含む2つのバッフ
    ル面を備えていて両バッフル面にスピーカが配置されて
    なるダイポール型スピーカシステムにおいて、2つのバ
    ッフル面が山形状に形成されると共に両バッフル面にそ
    れぞれスピーカが取り付けられ、一方のバッフル面のス
    ピーカから放射された放射音を反射体で反射させて他方
    のバッフル面のスピーカから放射された直接音と合成さ
    せることを特徴とするスピーカシステム。
  2. 【請求項2】 2つのバッフル面で形成される頂部が直
    角であることを特徴とする請求項1記載のスピーカシス
    テム。
  3. 【請求項3】 2つのバッフル面の頂部の角度及び両バ
    ッフル面の2辺と底辺との角度がそれぞれ鋭角であり、
    反射させるスピーカを取り付ける辺が直接音を放射させ
    るスピーカを取り付ける辺よりも短いことを特徴とする
    請求項1記載のスピーカシステム。
  4. 【請求項4】 底辺に音波反射性の扁平座を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
  5. 【請求項5】 一方又は両方の面に取り付けられるスピ
    ーカに電気的遅延装置を使用することを特徴とする請求
    項1記載のスピーカシステム。
  6. 【請求項6】 スピーカが楕円スピーカであることを特
    徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
  7. 【請求項7】 反射させる側のバッフル面には2個のス
    ピーカが配置されていることを特徴とする請求項1記載
    のスピーカシステム。
  8. 【請求項8】 反射体がスクリーンスピーカであること
    を特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
  9. 【請求項9】 スクリーンスピーカがサブウーハであ
    り、山形状のバッフル面に配置されたスピーカと3Dシ
    ステムを構成することを特徴とする請求項8記載のスピ
    ーカシステム。
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