JPH0568656A - 電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 力を使わずに楽に掃除ができる電気掃除機を
実現することを目的とする。 【構成】 本体の内部にトルク伝達機構を介して車輪を
駆動する走行用のモータを設けたことを特徴とする電気
掃除機を構成した。また、トルク伝達機構にスリップ手
段を設けた電気掃除機を構成した。また、走行のモータ
を送風路に設けて空冷させる電気掃除機を構成した。電
気掃除機を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気掃除機に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来から知られた電気掃除機の構
成を示す斜視図である。図４において、１は電動送風機
を内蔵した掃除機の本体である。２は前車輪、４は後車
輪、５は電源コードである。７は可撓性の蛇腹で作られ
たホース、８は握りパイプ、９は手元スイッチ、１１は
延長パイプ、１２は床ブラシである。

【０００３】このような従来の電気掃除機の掃除動作
を、次に説明する。本体１に床ブラシ１２を繋いで電源
コード５を長く引き出してから、プラグをコンセントに
接続する。床ブラシ１２を床面上に置いて手元スイッチ
９を入れると、本体１内の電動送風機が駆動されて床ブ
ラシ１２の底面から延長パイプ１１とホース７を介して
本体１の背面側に向かう送風路が形成される。そこで、
握りパイプ８の付近を握って床ブラシ１２を床面上に押
し付けながら前後に摺動すると、床面に散らかっている
ゴミが床ブラシ１２から吸い込まれて本体１の内部の集
塵袋の中に集塵される。このようにして部屋の片隅から
掃除が始められて、本体１をホース７で引っ張りながら
その部屋の掃除が終る。同様にして、次の部屋や廊下の
掃除が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の電
気掃除機は、握りパイプ８の付近を握って本体１を引っ
張りながら床ブラシ１２を床面上に前後に摺動して掃除
が行われる。したがって、掃除のときに床ブラシ１２を
摺動させる力と、本体１を引っ張る力が必要になって疲
労が伴うことが多い。特に、絨毯床の床面は板床に比較
して摩擦が大きいので、本体の移動に抵抗が加わって一
層疲れることになる。

【０００５】本発明は，このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、本体を動力で走行させて疲れ
ずに掃除ができる電気掃除機を実現することを目的とす
るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、電動送風機を
内蔵し集塵袋を取り出し自在に収容して車輪により床面
上を移動する掃除機の本体を備えた電気掃除機におい
て、本体の内部にトルク伝達機構を介して車輪を駆動す
る走行用のモータを設けたことを特徴とする電気掃除機
を構成したものである。また、トルク伝達機構にスリッ
プ手段を設けた電気掃除機を構成したものである。ま
た、走行のモータを送風路に設けて空冷させる電気掃除
機を構成したものである。

【０００７】

【作用】また、特に長い植毛の絨毯を掃除する時や疲れ
たときは、摺動スイッチを押して本体の“自動走行”の
前進動作をスタートさせる。“自動走行”の前進がオン
されると走行用のモータが通電して、モータ軸が正転を
開始する。モータ軸の回転トルクは、トルク伝達機構の
プーリとベルトを介して、左右の車輪に伝達されて回転
する。この結果、床面上のゴミを吸い込みながら床ブラ
シを前方に押出すと、本体が床ブラシに追随して自動的
に前進する。床ブラシを止めてから後退させると、走行
用のモータが逆転して今度は車輪用のモータが逆回転し
て本体が後退し始める。そして、床ブラシが後退すると
再び本体が前進し、床ブラシに追随する本体の“自動走
行”が行われる。

【０００８】

【実施例】

実施例１．本発明の実施例１の要部の構成を示す断面図
で、従来と同様の部分には同一符号が付され一部説明が
重複するが、やや詳しく説明する。図１において、１は
電気掃除機の本体、３は本体１のケースである。ケース
３は合成樹脂を成型して作られ、側壁３１に金属をイン
サートした軸受け３２，３３が設けられている。２０は
走行用のモータ、２１はモータ２０の出力軸、２２は中
間軸、２３は車輪軸である。中間軸２２は軸受け３２に
支持され、車輪軸２３は軸受け３３に軸受けされてい
る。ｐ１〜ｐ４はプーリ、ｖ１，ｖ２はプーリｐ１，ｐ
２とｐ３，ｐ４に懸張されたベルトである。出力軸２１
にはプーリｐ１が固定され、中間軸２２にはプーリｐ２
とｐ３が固定されている。また、車輪軸２３の内側にプ
ーリｐ４が取付けられ、外側には後車輪４が固着されて
いる。

【０００９】図示されていないが、中間軸２２は図の下
方に延長されてケース３に軸受けされ、プーリｐ２，ｐ
３が取付けられて下方の後車輪４を回転させるための対
称構造のトルク伝達機構Ｔが構成されている。また、走
行用のモータ２０は電動送風機が形成する送風路Ｗ内に
設けられ、風路Ｗ内を流れる冷風に曝らされて空冷され
る。また、車輪軸２３と両車輪４，４の間にクラッチ機
構が設けられ、走行用のモータ２０のトルクが伝達され
ないときは両車輪４，４が正逆に空転する。図２の９０
は手元スイッチ９を囲んで独立に操作される摺動スイッ
チで、走行用モータ２０に接続されている。摺動スイッ
チ９０を前または後に摺動すると、走行用モータ２０が
正または逆方向に回転するようになっている。１４は板
床や絨毯床等の床面である。

【００１０】上記のような構成の本発明実施例の動作
を、図２を併用して次に説明する。先ず、本体１に床ブ
ラシ１２を繋いで電源コード５を引き出し、プラグをＡ
Ｃ１００Ｖのコンセントに接続してから手元スイッチ９
を入れて本体１内の電動送風機を駆動する。そして、握
りパイプ８と延長パイプ１１の部分を持って本体を引っ
張りながら床ブラシ１２を前後に摺動させると、電動送
風機の吸塵力により床面１４上にあるゴミは空気と共に
床ブラシ１２から吸い込まれる。吸い込まれた空気は延
長パイプ１１とホース７を介して、本体１内へ吸引され
て背面の排気口から排出される。空気流に混って搬送さ
れたゴミ類は、本体１の内部のフィルタ機能を持つ集塵
袋に集められる。

【００１１】床面１４が板床から絨毯床に移ると、床ブ
ラシ１２の前後の摺動と引っ張っていた本体１の車輪
２，４の回転が鈍くなって動きが重くなる。そこで、握
りパイプ８の摺動スイッチ９０を前に滑らすと、走行用
のモータ２０が正方向に回転して本体１の“自動走行”
動作が開始する。モータ２０の正方向の回転トルクはク
ラッチ機構が働いて、トルク伝達機構Ｔのプーリｐ１〜
ｐ４とベルトｖ１，ｖ２を経由して左右の後車輪４，４
に伝達される。この結果、床ブラシ１２で床面のゴミを
吸い込みながら前進させると、床ブラシ１２の前進に追
随して本体１が自動的に前進する。床ブラシ１２が一定
距離進んで停止してから後退させるときに、摺動スイッ
チ９０を手前側に引き戻すと走行用のモータ２０の回転
が停止して逆方向に回転する。

【００１２】そして、今度は後車輪４，４が逆回転をし
て本体１が後退を始める。本体１の後退距離は、前進距
離よりやや小さく選ばれている。そして、床ブラシ１２
が後退して停止したときに摺動スイッチ９０を前に押す
と、再び床ブラシ１２の前進に合わせて本体１が動力で
前進させられる。以下、床ブラシ１２の前後進に合わせ
た摺動スイッチ９０の切換えによって、本体１を自動的
に移動させて部屋の掃除を行うことができる。

【００１３】“自動走行”動作の掃除が始められて本体
１の前進の途中で、本体１が壁や家具類に接触して前進
が阻まれて強制的に停止させられる。このとき、ベルト
ｖ１，ｖ２がプーリｐ１〜ｐ４上をスリップして、回転
中の走行用のモータ２０に加わる逆負荷が防止される。
このようにして、床ブラシ１２を適宜床面に適した方式
にしたり、“自動走行”に切換えたりして電気掃除機を
用いた準自動的な掃除ができるようになっている。

【００１４】図３は本発明の適用例の説明図で、ここで
は、本発明の実施例がスタンドタイプのクリーナに適用
された場合が図示されている。図３において、３は掃除
機の本体１に取り付けられたハンドルである。本体１の
下部には、前述の床ブラシ１２が一体に取り付けられて
いる。不使用状態ではハンドル３を短く縮めて、回転軸
６を中心に回転して垂直方向に短く立てて収納されてい
る。掃除を始めるときは、身長に合わせてハンドル３を
引き出してから、床ブラシ１２を適当な角度に傾斜す
る。この実施例では“自動走行”の前後進が５０ｃｍと
４０ｃｍの距離で設定され、その後はハンドル３を支え
るだけで制御基板に実装されたマイコン（図示せず）に
よって自動的に掃除が進められるようになっている。

【００１５】なお、上述の実施例ではトルク伝達機構Ｔ
にプーリｐ１〜ｐ４とベルトｖ１，ｖ２の場合を例示し
て説明したが、例えばバネ圧で連結されたスリップ機構
を備えた歯車列であってもよい。また、実施例１の説明
では２個の後車輪４を走行用モータ２０で駆動した例を
挙げて説明したが、全部の車輪を駆動するようにしても
よい。また、握りパイプや床ブラシ等に発振センサを取
り付け、本体側の受信センサを発振センサの方向に移動
させるようにしてもよい。さらに、本体に充電指揮の電
池を内蔵すれば、コードの収納後に充電した電力で本体
を移動させて格納することもできるので一層便利にな
る。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、電動送風
機を内蔵し集塵袋を取り出し自在に収容して車輪により
床面上を移動する掃除機の本体を備えた電気掃除機にお
いて、本体の内部にトルク伝達機構を介して車輪を駆動
する走行用のモータを設けたことを特徴とする電気掃除
機を構成した。また、トルク伝達機構にスリップ手段を
設けた電気掃除機を構成した。また、走行用のモータを
送風路に設けて空冷させる電気掃除機を構成した。この
結果、本体１を引っ張る力が不必要になり、床ブラシを
摺動させる力だけで掃除できるので、掃除のときの疲労
を減少することができる。特に、本体が動力で自動的に
移動するので、板床に比較して摩擦が大きい絨毯床の掃
除を疲れることなく楽に行うことができる。

【００１７】よって、本発明によれば、楽に掃除ができ
て疲れない家庭の主婦向けの電気掃除機を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の要部の構成を示す断面図で
ある。

【図２】本発明の実施例１の電気掃除機の構成を示す斜
視図である。

【図３】本発明の実施例の適用例の説明図である。

【図４】従来から知られた電気掃除機の構成を示す斜視
図である。

【符号の説明】

１ 本体 ４ 後車輪 ５ 電源コード ７ ホース ８ 握りパイプ ９ 手元スイッチ １１ 延長パイプ １２ 床ブラシ １４ 床面 ２０ 走行用のモータ ２３ 車輪軸 ９０ 摺動スイッチ Ｔ トルク伝達機構

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動送風機を内蔵し集塵袋を取り出し自
   在に収容して車輪により床面上を移動する掃除機の本体
   を備えた電気掃除機において、 前記本体の内部にトルク伝達機構を介して前記車輪を駆
   動する走行用のモータを設けたことを特徴とする電気掃
   除機。
2. 【請求項２】 前記トルク伝達機構にスリップ手段を設
   けたことを特徴とする請求項１記載の電気掃除機。
3. 【請求項３】 前記走行用モータを送風路に設けて空冷
   させることを特徴とする請求項１記載の電気掃除機。