JPH0568595A - ビフイドバクテリウム・ブレーベ同定用dnaプローブ及びそれを用いた同定法 - Google Patents
ビフイドバクテリウム・ブレーベ同定用dnaプローブ及びそれを用いた同定法Info
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- JPH0568595A JPH0568595A JP3191261A JP19126191A JPH0568595A JP H0568595 A JPH0568595 A JP H0568595A JP 3191261 A JP3191261 A JP 3191261A JP 19126191 A JP19126191 A JP 19126191A JP H0568595 A JPH0568595 A JP H0568595A
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- breve
- dna
- probe
- strains
- bifidobacterium
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡便でかつ、検査結果の判定が容易で有るよ
うな、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B.ブレーベ)
を検出、同定、定量するB.ブレーベ同定用DNAプロー
ブ及びそれを用いた同定法を提供する。 【構成】 B.ブレーベ染色体の種特異的DNA部位に相
補的なものであり、更に詳しくは、B.ブレーベ染色体D
NAから制限酵素HindIIIによる切断によって得られた
1.8 Kbp の染色体DNA断片又は該DNA断片と同様の
塩基配列を備えたものである。また、B.ブレーベ同定用
核酸プローブを用いた同定法では、前記核酸プローブに
標識マーカを施し、該標識マーカを施した核酸プローブ
と被同定物の核酸とをハイブリダイズし、ハイブリダイ
ズした被同定物を検出するものである。
うな、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B.ブレーベ)
を検出、同定、定量するB.ブレーベ同定用DNAプロー
ブ及びそれを用いた同定法を提供する。 【構成】 B.ブレーベ染色体の種特異的DNA部位に相
補的なものであり、更に詳しくは、B.ブレーベ染色体D
NAから制限酵素HindIIIによる切断によって得られた
1.8 Kbp の染色体DNA断片又は該DNA断片と同様の
塩基配列を備えたものである。また、B.ブレーベ同定用
核酸プローブを用いた同定法では、前記核酸プローブに
標識マーカを施し、該標識マーカを施した核酸プローブ
と被同定物の核酸とをハイブリダイズし、ハイブリダイ
ズした被同定物を検出するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビフィドバクテリウム
・ブレーベ(Bifidobacterium breve 以下、B.ブレーベ
と記す)を検出、同定、定量するためのB.ブレーベに種
特異的なプローブに関するものである。
・ブレーベ(Bifidobacterium breve 以下、B.ブレーベ
と記す)を検出、同定、定量するためのB.ブレーベに種
特異的なプローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】B.ブレーベの同定には、従来、グラム染
色性、形態、ガスクロマトグラフィーによる脂肪酸の分
析、糖発酵試験等の70項目にも及ぶ検査が必要とされ
ており、B.ブレーベの認識には、上記に示したような表
現形質による方法が用いられている。
色性、形態、ガスクロマトグラフィーによる脂肪酸の分
析、糖発酵試験等の70項目にも及ぶ検査が必要とされ
ており、B.ブレーベの認識には、上記に示したような表
現形質による方法が用いられている。
【0003】しかし、B.ブレーベが偏性嫌気性菌である
ことから、培養操作が容易でなく、同定には1か月以上
を必要とする。また、これには、多大の労力と試験者に
熟練を必要とする(Holdman,L.V.,E.PP.Cato and W.E.C.
Moore(ed.) 1977. Anaerobelaboratory manual, 4th e
d. Virginia Pplytechnic Institute and State Univer
sity, Blacksburg, Va.)。
ことから、培養操作が容易でなく、同定には1か月以上
を必要とする。また、これには、多大の労力と試験者に
熟練を必要とする(Holdman,L.V.,E.PP.Cato and W.E.C.
Moore(ed.) 1977. Anaerobelaboratory manual, 4th e
d. Virginia Pplytechnic Institute and State Univer
sity, Blacksburg, Va.)。
【0004】また、嫌気性菌同定用の種々の簡易同定キ
ットが市販されているが、高価であり、しかも同定の信
頼性が低く、ビフィドバクテリウムの種々の菌種を同定
するものはない。
ットが市販されているが、高価であり、しかも同定の信
頼性が低く、ビフィドバクテリウムの種々の菌種を同定
するものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、DNA−D
NAホモロジーを用いた菌種同定法が様々な菌種で行わ
れているが、ビフィドバクテリウムの場合は菌種間のホ
モロジーが高く、DNA−DNAホモロジーの検査のみ
では同定できない菌種があり、特にB.ロンガム(B. long
um) ,B.インファンティス(B. infantis) ,B.ブレーベ
はホモロジーが高く、容易に同定することができなかっ
た(Biabiti, B., V.Scardovi and W.E.C.Moor.1982. El
ectrophoretic jpatterns of proteins in the genus B
ifidobacterium and proposal of four new species. I
nt. J. Syst. Bacteriol. 32:358-373)。
NAホモロジーを用いた菌種同定法が様々な菌種で行わ
れているが、ビフィドバクテリウムの場合は菌種間のホ
モロジーが高く、DNA−DNAホモロジーの検査のみ
では同定できない菌種があり、特にB.ロンガム(B. long
um) ,B.インファンティス(B. infantis) ,B.ブレーベ
はホモロジーが高く、容易に同定することができなかっ
た(Biabiti, B., V.Scardovi and W.E.C.Moor.1982. El
ectrophoretic jpatterns of proteins in the genus B
ifidobacterium and proposal of four new species. I
nt. J. Syst. Bacteriol. 32:358-373)。
【0006】上述したごとく、従来の表現形質によるB.
ブレーベ同定法は煩雑で時間がかかるため、大量の検体
をこなすことが不可能であった。
ブレーベ同定法は煩雑で時間がかかるため、大量の検体
をこなすことが不可能であった。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
のB.ブレーベに特異的なDNAプローブを提供し、試験
者が検査に関して熟練を必要とせず、大量の検体を一度
に処理することが可能であり、簡便でかつ、検査結果の
判定が容易で有るような、食品や糞便、消化管内容物中
に存在するB.ブレーベを検出、同定、定量するB.ブレー
ベ同定用DNAプローブ及びそれを用いた同定法を提供
するものである。
のB.ブレーベに特異的なDNAプローブを提供し、試験
者が検査に関して熟練を必要とせず、大量の検体を一度
に処理することが可能であり、簡便でかつ、検査結果の
判定が容易で有るような、食品や糞便、消化管内容物中
に存在するB.ブレーベを検出、同定、定量するB.ブレー
ベ同定用DNAプローブ及びそれを用いた同定法を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本請求項1に記載の発明
に係るB.ブレーベのDNAプローブでは、B.ブレーベ染
色体の種特異的DNA部位に相補的なものである。
に係るB.ブレーベのDNAプローブでは、B.ブレーベ染
色体の種特異的DNA部位に相補的なものである。
【0009】本請求項2に記載の発明に係るB.ブレーベ
のDNAプローブでは、B.ブレーベ染色体DNAから制
限酵素HindIII による切断によって得られた1.8 Kbp の
染色体DNA断片又は該DNA断片と同様の塩基配列を
備えたものである。
のDNAプローブでは、B.ブレーベ染色体DNAから制
限酵素HindIII による切断によって得られた1.8 Kbp の
染色体DNA断片又は該DNA断片と同様の塩基配列を
備えたものである。
【0010】本請求項3に記載の発明に係るB.ブレーベ
のDNAプローブを用いた同定法では、前記DNAプロ
ーブに標識マーカを施し、該標識マーカを施したDNA
プローブと被同定物のDNAとをハイブリダイズし、ハ
イブリダイズした被同定物を検出するものである。
のDNAプローブを用いた同定法では、前記DNAプロ
ーブに標識マーカを施し、該標識マーカを施したDNA
プローブと被同定物のDNAとをハイブリダイズし、ハ
イブリダイズした被同定物を検出するものである。
【0011】
【作用】細菌類・菌類の分類には表現形質による分類が
歴史的に古くから利用されているが、現在では染色体D
NAのDNA−DNAホモロジーによる分類が重要な項
目になっており、細菌分類学上、必須の用件になってい
る。
歴史的に古くから利用されているが、現在では染色体D
NAのDNA−DNAホモロジーによる分類が重要な項
目になっており、細菌分類学上、必須の用件になってい
る。
【0012】DNA−DNAホモロジーの原理は、検査
する2菌種間の染色体DNAの相補性を評価することに
基づいている。即ち、70%以上のホモロジーのある菌株
を同一菌種としてみなしている。
する2菌種間の染色体DNAの相補性を評価することに
基づいている。即ち、70%以上のホモロジーのある菌株
を同一菌種としてみなしている。
【0013】これは、菌種間に相同な領域と非相同な領
域のあることを示しており、この菌種に特異的な領域を
菌種同定用プローブとして利用することによって、DN
A−DNAホモロジーで高い相補性を示し、同定が困難
な菌種をより明確に同定することが可能である。
域のあることを示しており、この菌種に特異的な領域を
菌種同定用プローブとして利用することによって、DN
A−DNAホモロジーで高い相補性を示し、同定が困難
な菌種をより明確に同定することが可能である。
【0014】本発明では、このような考えに基づき、B.
ブレーベ染色体DNAからB.ブレーベのみに特異的にハ
イブリダイズするDNA断片をクローニングし、適当な
マーカーで標識し、食品、糞便、消化管内容物中のB.ブ
レーベを検出し、同定することが可能であるようなB.ブ
レーベに特異的なDNAプローブを作成するものであ
る。
ブレーベ染色体DNAからB.ブレーベのみに特異的にハ
イブリダイズするDNA断片をクローニングし、適当な
マーカーで標識し、食品、糞便、消化管内容物中のB.ブ
レーベを検出し、同定することが可能であるようなB.ブ
レーベに特異的なDNAプローブを作成するものであ
る。
【0015】B.ブレーベ菌種に特異的なDNAプローブ
は以下の操作を行って得られた。即ち、B.ブレーベ染色
体DNAを制限酵素で切断し、プラスミド等のベクター
にランダムにクローニングした。得られた染色体DNA
断片をアイソトープ等のマーカーで標識し、各種のビフ
ィドバクテリウム菌種とハイブリダイズするか否かを検
討した。この中から、B.ブレーベ菌種のみにハイブリダ
イズするDNA断片を選択し、更に、ビフィドバクテリ
ウム属以外の多種類の菌種とハイブリダイズしない染色
体DNA断片を選択した。得られたDNA断片は異なる
場所から分離されたB.ブレーベ菌株の全てにハイブリダ
イズすることも確認した。
は以下の操作を行って得られた。即ち、B.ブレーベ染色
体DNAを制限酵素で切断し、プラスミド等のベクター
にランダムにクローニングした。得られた染色体DNA
断片をアイソトープ等のマーカーで標識し、各種のビフ
ィドバクテリウム菌種とハイブリダイズするか否かを検
討した。この中から、B.ブレーベ菌種のみにハイブリダ
イズするDNA断片を選択し、更に、ビフィドバクテリ
ウム属以外の多種類の菌種とハイブリダイズしない染色
体DNA断片を選択した。得られたDNA断片は異なる
場所から分離されたB.ブレーベ菌株の全てにハイブリダ
イズすることも確認した。
【0016】このようにして得られたB.ブレーベに特異
的なDNAプローブは、特異性が非常に高いことから、
糞便、食品等の多種類の菌種が混合されている検体中か
ら、B.ブレーベのみを選択的に検出、同定、定量するこ
とが可能である。
的なDNAプローブは、特異性が非常に高いことから、
糞便、食品等の多種類の菌種が混合されている検体中か
ら、B.ブレーベのみを選択的に検出、同定、定量するこ
とが可能である。
【0017】B.ブレーベの検出、同定、定量の概要は、
次の通りである。 (1) 検体を適当な緩衝液に懸濁し、溶菌酵素、界面活性
剤、蛋白分解酵素で溶菌させ、除蛋白を行って核酸を抽
出する。この核酸をメンブランフィルターにトラップ
し、適当なマーカーで標識したB.ブレーベに特異的なD
NAプローブとハイブリダイズさせる。非特異的な反応
を除去し、反応の強さを測定し、B.ブレーベを検出し、
定量する。
次の通りである。 (1) 検体を適当な緩衝液に懸濁し、溶菌酵素、界面活性
剤、蛋白分解酵素で溶菌させ、除蛋白を行って核酸を抽
出する。この核酸をメンブランフィルターにトラップ
し、適当なマーカーで標識したB.ブレーベに特異的なD
NAプローブとハイブリダイズさせる。非特異的な反応
を除去し、反応の強さを測定し、B.ブレーベを検出し、
定量する。
【0018】(2) 検体を嫌気的に希釈、培養し、単一菌
分離を行い、菌株を分離する。得られた菌株の少量をフ
ィルターにトラップし、溶菌酵素、界面活性剤、蛋白分
解酵素で溶菌させ、除蛋白を行って核酸を抽出し、固定
する。これを標識したB.ブレーベに特異的なDNAプロ
ーブとハイブリダイズさせ、非特異的な反応を除去し、
反応を測定し、陽性であればB.ブレーベと同定する。得
られたB.ブレーベの菌株数から、希釈率をかけ、元の検
体中に含まれるB.ブレーベ菌数を定量する。
分離を行い、菌株を分離する。得られた菌株の少量をフ
ィルターにトラップし、溶菌酵素、界面活性剤、蛋白分
解酵素で溶菌させ、除蛋白を行って核酸を抽出し、固定
する。これを標識したB.ブレーベに特異的なDNAプロ
ーブとハイブリダイズさせ、非特異的な反応を除去し、
反応を測定し、陽性であればB.ブレーベと同定する。得
られたB.ブレーベの菌株数から、希釈率をかけ、元の検
体中に含まれるB.ブレーベ菌数を定量する。
【0019】(3) 検体を嫌気的に希釈、栄養培地上に載
せたフィルターの上で培養する。培養後形成されたコロ
ニーを溶菌酵素、界面活性剤、蛋白分解酵素で溶菌、除
蛋白を行い核酸を抽出し、フィルターに固定する。この
フィルターを適当なマーカーで標識したB.ブレーベ菌種
特異的プローブとハイブリダイズさせる。非特異的な反
応を除去し、反応の強さを測定し、B.ブレーベを検出、
同定する。得られたB.ブレーベ菌種の菌株数から、希釈
率をかけ、元の検体中に含まれるB.ブレーベの菌数を定
量する。
せたフィルターの上で培養する。培養後形成されたコロ
ニーを溶菌酵素、界面活性剤、蛋白分解酵素で溶菌、除
蛋白を行い核酸を抽出し、フィルターに固定する。この
フィルターを適当なマーカーで標識したB.ブレーベ菌種
特異的プローブとハイブリダイズさせる。非特異的な反
応を除去し、反応の強さを測定し、B.ブレーベを検出、
同定する。得られたB.ブレーベ菌種の菌株数から、希釈
率をかけ、元の検体中に含まれるB.ブレーベの菌数を定
量する。
【0020】プローブの標識にはアイソトープ、ビオチ
ン、酵素、ハプテン等様々なものが利用できる。アイソ
トープの場合は、オートラジオグラフィーやシンチレー
ションカウンチングによって検出される。ビオチン、酵
素、ハプテン等では、酵素抗体法等で、発色を利用して
検出される。
ン、酵素、ハプテン等様々なものが利用できる。アイソ
トープの場合は、オートラジオグラフィーやシンチレー
ションカウンチングによって検出される。ビオチン、酵
素、ハプテン等では、酵素抗体法等で、発色を利用して
検出される。
【0021】尚、プローブの形態、標識法は様々なもの
が利用できる。例えば、ニックトランスレーション法、
マルチプライム法、PCR法、RNA転写法等を利用す
ることができる。即ち、種特異的な染色体DNA断片と
同一の配列を有する一本鎖の核酸であればよい。
が利用できる。例えば、ニックトランスレーション法、
マルチプライム法、PCR法、RNA転写法等を利用す
ることができる。即ち、種特異的な染色体DNA断片と
同一の配列を有する一本鎖の核酸であればよい。
【0022】
【実施例】以下に、具体的な実験例を挙げて具体的に本
発明を説明する。(1) ビフィドバクテリウムからの染色体DNAの抽出、
生成 培養はビフィドバクテリウム前培養を1%の濃度でVL
M培地 200mlに接種し、一晩(14時間)嫌気的に培養し
た。
発明を説明する。(1) ビフィドバクテリウムからの染色体DNAの抽出、
生成 培養はビフィドバクテリウム前培養を1%の濃度でVL
M培地 200mlに接種し、一晩(14時間)嫌気的に培養し
た。
【0023】溶菌、DNAの抽出は斉藤、三浦の方法(S
aito,H.,and K.Miura.1963.Preparation of transformi
ng deoxyribonucleic acid by phenol treated. Bioche
m.Biophys.Acta. 72:619-629) を改変して行った。
aito,H.,and K.Miura.1963.Preparation of transformi
ng deoxyribonucleic acid by phenol treated. Bioche
m.Biophys.Acta. 72:619-629) を改変して行った。
【0024】菌体の洗浄と溶菌には、 50mM MES pH
6.5/ 0.5M シュークロース緩衝液を用いた。溶菌は、
M−1酵素(N-ACETYLMURAMIDASE SG、 生化学工業)を最
終濃度10μg/ml、リソザイム(Lysozyme シグマ社製)
を最終濃度 100μg/mlになるように添加し、37℃,1時
間反応させた。
6.5/ 0.5M シュークロース緩衝液を用いた。溶菌は、
M−1酵素(N-ACETYLMURAMIDASE SG、 生化学工業)を最
終濃度10μg/ml、リソザイム(Lysozyme シグマ社製)
を最終濃度 100μg/mlになるように添加し、37℃,1時
間反応させた。
【0025】反応液は、遠心し、上清を除去後、TE緩
衝液( 10mM トリス−塩酸 pH 8.0,1mM EDTA)
に再懸濁し、SDSを 0.5%、プロテイナーゼK(Prote
inase K)(メルク(MERCK) 社製)を 100μg/mlになるよ
うに添加し、37℃、1時間反応させた。
衝液( 10mM トリス−塩酸 pH 8.0,1mM EDTA)
に再懸濁し、SDSを 0.5%、プロテイナーゼK(Prote
inase K)(メルク(MERCK) 社製)を 100μg/mlになるよ
うに添加し、37℃、1時間反応させた。
【0026】常法により、フェノール処理、クロロホル
ム:イソアミルアルコール処理後、1/10量の3M 酢酸
ナトリウム pH 5.2 、等量の2−プロパノールを加え、
ガラス製マイクロピペットで高分子の染色体DNAを巻
き取り、抽出した。
ム:イソアミルアルコール処理後、1/10量の3M 酢酸
ナトリウム pH 5.2 、等量の2−プロパノールを加え、
ガラス製マイクロピペットで高分子の染色体DNAを巻
き取り、抽出した。
【0027】このDNAをTE緩衝液に再懸濁し、RN
ase(ウォルシントン(Worthinton)社製)を最終濃度
25 μg/mlに加え、37℃1時間反応させ、プロテイナー
ゼK処理後、上記と同様にしてDNAを精製した。DN
Aは、 230 nm , 260 nm ,280 nm の吸光度を測定
し、DNAの濃度を測定するとともに、蛋白質の混入を
検定した。また、1%アガロース電気泳動によって高分
子DNAが精製分離されていることを確認した。
ase(ウォルシントン(Worthinton)社製)を最終濃度
25 μg/mlに加え、37℃1時間反応させ、プロテイナー
ゼK処理後、上記と同様にしてDNAを精製した。DN
Aは、 230 nm , 260 nm ,280 nm の吸光度を測定
し、DNAの濃度を測定するとともに、蛋白質の混入を
検定した。また、1%アガロース電気泳動によって高分
子DNAが精製分離されていることを確認した。
【0028】(2) 腸内フローラ主要構成菌の染色体DN
Aの抽出 菌株は後述する表5に記載の18属47菌種49株を用いた。
DNAの抽出と精製は、上記の方法により行った。尚、
スタフィロコッカス(Staphyloccus)には、リソスタフィ
ン(Lysostaphin) (シグマ社製)を、ガンディダ(Candi
da) にはジモラーゼ(Zymolase)(生化学工業製)を用い
た。
Aの抽出 菌株は後述する表5に記載の18属47菌種49株を用いた。
DNAの抽出と精製は、上記の方法により行った。尚、
スタフィロコッカス(Staphyloccus)には、リソスタフィ
ン(Lysostaphin) (シグマ社製)を、ガンディダ(Candi
da) にはジモラーゼ(Zymolase)(生化学工業製)を用い
た。
【0029】(3) ビフィドバクテリム・ブレーベに特異
的なDNAプローブの作成 B.ブレーベに特異的なプローブの作成は染色体DNAシ
ョットガンクローニング法を用いた(Salyers,A.A.,S.P.
Lynn,and J.F.Gardner.1983.Use of randomlycloned DN
A fragments for identification of Bacteroides thet
aiotaomicron.J.Bacteriology.143:772-780.)。
的なDNAプローブの作成 B.ブレーベに特異的なプローブの作成は染色体DNAシ
ョットガンクローニング法を用いた(Salyers,A.A.,S.P.
Lynn,and J.F.Gardner.1983.Use of randomlycloned DN
A fragments for identification of Bacteroides thet
aiotaomicron.J.Bacteriology.143:772-780.)。
【0030】B.ブレーベYIT4006 の染色体DNAを、制
限酵素 HindIII(宝酒造株式会社製)で37℃一晩処理
し、切断した。断片化した染色体DNAを、プラスミド
ベクターpUC12( 2.3 Kbp)に連結し、大腸菌 JM109
に形質転換した。
限酵素 HindIII(宝酒造株式会社製)で37℃一晩処理
し、切断した。断片化した染色体DNAを、プラスミド
ベクターpUC12( 2.3 Kbp)に連結し、大腸菌 JM109
に形質転換した。
【0031】pUC12は、予めHindIII で切断し、B
AP(Bacterial Alkaline Phosphatase 東洋紡(株)
製) で脱リン酸化処理した。
AP(Bacterial Alkaline Phosphatase 東洋紡(株)
製) で脱リン酸化処理した。
【0032】断片化した染色体DNAを含む大腸菌 JM1
09をXgal( 0.004% シグマ社製)−IPTG(0.
1 mM シグマ社製)−アンピシリン(25μg/ml シグマ
社製)を含むLBプレートで37℃、一晩培養した。
09をXgal( 0.004% シグマ社製)−IPTG(0.
1 mM シグマ社製)−アンピシリン(25μg/ml シグマ
社製)を含むLBプレートで37℃、一晩培養した。
【0033】(4) クローニングした染色体DNA断片の
一次スクリーニング 組換え体クローンである白色コロニーから任意に25個を
スクリーニングに用いた。ミニライゼート法(Maniatis,
T., E.F.Fritsch, and J.Sambrok. 1982. Molecular cl
oning :a labolatory manual. Cold Spring Harbor Lab
olatory ,ColdSpring harbor,N.Y.) により、プラスミ
ドDNAを抽出し、制限酵素HindIII で切断して、1%
(wt/vol)低融点アガロース電気泳動により、DNA断
片を回収した。
一次スクリーニング 組換え体クローンである白色コロニーから任意に25個を
スクリーニングに用いた。ミニライゼート法(Maniatis,
T., E.F.Fritsch, and J.Sambrok. 1982. Molecular cl
oning :a labolatory manual. Cold Spring Harbor Lab
olatory ,ColdSpring harbor,N.Y.) により、プラスミ
ドDNAを抽出し、制限酵素HindIII で切断して、1%
(wt/vol)低融点アガロース電気泳動により、DNA断
片を回収した。
【0034】このDNA断片を32P−dCTP(アマシ
ャム製)を用いて、ニックトランスレーション法(アマ
シャム製)又はマルチプライム法(アマシャム製)で放
射性ラベルした後、一次スクリーニングとしてコロニー
ドットハイブリダイゼーション法によって、表1に示し
たビフィドバクテリウム5菌種10菌株に対する特異性の
検討を行った。
ャム製)を用いて、ニックトランスレーション法(アマ
シャム製)又はマルチプライム法(アマシャム製)で放
射性ラベルした後、一次スクリーニングとしてコロニー
ドットハイブリダイゼーション法によって、表1に示し
たビフィドバクテリウム5菌種10菌株に対する特異性の
検討を行った。
【0035】
【表1】
【0036】(5) ターゲットフィルターの作製 ビフィドバクテリム10菌株をVLM培地3mMで37℃一晩
嫌気培養し、生理食塩水−EDTA(0.15M NaC
l,10 mM EDTA)で遠心、洗浄後、OD660=0.5
に調製した。この菌液の50μlをジーン・スクリーン・
プラス・フィルター(商品名:Gene Screen Plus デュ
ポン製)にミニホールドII(商品名:Minifold II S&
S社製)を用いてドットした。
嫌気培養し、生理食塩水−EDTA(0.15M NaC
l,10 mM EDTA)で遠心、洗浄後、OD660=0.5
に調製した。この菌液の50μlをジーン・スクリーン・
プラス・フィルター(商品名:Gene Screen Plus デュ
ポン製)にミニホールドII(商品名:Minifold II S&
S社製)を用いてドットした。
【0037】ビフィドバクテリウムの溶菌、DNAの変
性、固定は、ジーン・スクリーン・プラスの指示書に準
拠し、 0.5N NaOH 2分、2回、1Mトリス−塩
酸 pH 7.4 2分、2回処理して行った。
性、固定は、ジーン・スクリーン・プラスの指示書に準
拠し、 0.5N NaOH 2分、2回、1Mトリス−塩
酸 pH 7.4 2分、2回処理して行った。
【0038】(6) ハイブリダイゼーション クローン化した染色体DNA断片をこのターゲットフィ
ルターの10菌株のDNAにハイブリダイズさせ、反応
特異性をオートラジオグラムによって調べた。ハイブリ
ダイゼーションはジーン・スクリーン・プラスの方法に
準拠して行った。尚、ハイブリダイゼーションバッファ
ーの組成は、50% ホルムアミド,10%デキストラン硫
酸,1% SDS,1M NaCl,50mM トリス−塩
酸 pH7.4 , 100μg/ml 変性サケ精子DNA,10μg/m
l プローブDNAとした。
ルターの10菌株のDNAにハイブリダイズさせ、反応
特異性をオートラジオグラムによって調べた。ハイブリ
ダイゼーションはジーン・スクリーン・プラスの方法に
準拠して行った。尚、ハイブリダイゼーションバッファ
ーの組成は、50% ホルムアミド,10%デキストラン硫
酸,1% SDS,1M NaCl,50mM トリス−塩
酸 pH7.4 , 100μg/ml 変性サケ精子DNA,10μg/m
l プローブDNAとした。
【0039】プレハイブリダイゼーションは、42℃で、
30分の条件で行った。ハイブリダイゼーションは、42℃
で、一晩(12時間以上)の条件で行った。
30分の条件で行った。ハイブリダイゼーションは、42℃
で、一晩(12時間以上)の条件で行った。
【0040】(7) ハイブリダイゼーション後のフィルタ
ーの洗浄 フィルターの洗浄はジーン・スクリーン・プラスの方法
で行った。即ち、2×SSC(0.15M NaCl− 0.0
15M クエン酸ナトリウム)溶液中に、室温で、5分放
置し、これを2回繰り返した。次に、2×SSCに1%
SDSを加えた溶液中に、65℃で、30分放置し、これを
2回繰り返し、更に 0.1×SSC溶液中に、室温で、5
分放置し、これを2回繰り返し、洗浄した。
ーの洗浄 フィルターの洗浄はジーン・スクリーン・プラスの方法
で行った。即ち、2×SSC(0.15M NaCl− 0.0
15M クエン酸ナトリウム)溶液中に、室温で、5分放
置し、これを2回繰り返した。次に、2×SSCに1%
SDSを加えた溶液中に、65℃で、30分放置し、これを
2回繰り返し、更に 0.1×SSC溶液中に、室温で、5
分放置し、これを2回繰り返し、洗浄した。
【0041】(8) オートラジオグラフィー ハイスクリーン(商品名:HiScreen(フジフィルム社
製))を使用し、−70℃で、一晩、オートラジオグラフ
ィーを行った。得られたオートラジオグラムから、DN
A断片の特異性を検討した。
製))を使用し、−70℃で、一晩、オートラジオグラフ
ィーを行った。得られたオートラジオグラムから、DN
A断片の特異性を検討した。
【0042】図1は組換え体クローンから任意に選ばれ
た25個の染色体DNA断片の表1に示すビフィドバクテ
リウム5菌種10菌株に対するオートラジオグラムの結果
を示す説明図である。
た25個の染色体DNA断片の表1に示すビフィドバクテ
リウム5菌種10菌株に対するオートラジオグラムの結果
を示す説明図である。
【0043】5種類のビフィドバクテリウム菌種に対す
る反応の違いから、組換え体クローンから任意に選ばれ
た25個の染色体DNA断片は、図1に示すように、以下
に示す3種類のオートラジオグラムパターンに別れた。
る反応の違いから、組換え体クローンから任意に選ばれ
た25個の染色体DNA断片は、図1に示すように、以下
に示す3種類のオートラジオグラムパターンに別れた。
【0044】パターン1:19個。B.アドレセティス
(B. adolescetis),B.ビフィダム(B. bfidum) ,B.ブレ
ーベ,B.インファンティス,B.ロンガムの5菌種全てに
反応した。しかし、B.アドレセティス,B.ビフィダムに
対する反応は、B.ブレーベの反応と同程度だった。これ
は、B.ブレーベの染色体DNAをプローブとして用いた
ときに得られる反応と同じパターンであった。
(B. adolescetis),B.ビフィダム(B. bfidum) ,B.ブレ
ーベ,B.インファンティス,B.ロンガムの5菌種全てに
反応した。しかし、B.アドレセティス,B.ビフィダムに
対する反応は、B.ブレーベの反応と同程度だった。これ
は、B.ブレーベの染色体DNAをプローブとして用いた
ときに得られる反応と同じパターンであった。
【0045】パターン2:5個。B.ブレーベ,B.インフ
ァンティス,B.ロンガムの3種類に反応し、B.アドレセ
ティス,B.ビフィダムには反応しなかった。また、B.イ
ンファンティス,B.ロンガムに対する反応は、B.ブレー
ベに対する反応に比べて弱かった。
ァンティス,B.ロンガムの3種類に反応し、B.アドレセ
ティス,B.ビフィダムには反応しなかった。また、B.イ
ンファンティス,B.ロンガムに対する反応は、B.ブレー
ベに対する反応に比べて弱かった。
【0046】パターン3:2個。B.ブレーベ菌種のみに
反応した。B.ブレーベ菌種以外の4種類のビフィドバク
テリウムには、反応しなかった。
反応した。B.ブレーベ菌種以外の4種類のビフィドバク
テリウムには、反応しなかった。
【0047】(9) 2次スクリーニング 一次スクリーニング終了時、B.ブレーベ菌種のみに反応
するDNA断片を用いて、表2に示すビフィドバクテリ
ウム15菌種31菌株に対する特異性を検討した。方法は一
次スクリーニングと同様にして行った。
するDNA断片を用いて、表2に示すビフィドバクテリ
ウム15菌種31菌株に対する特異性を検討した。方法は一
次スクリーニングと同様にして行った。
【0048】
【表2】
【0049】オートラジオグラフィ終了後、ターゲット
フィルターのDNAスポット部分を切り出し、放射能活
性を測定した。測定はLSC−700液体シンチレーシ
ョンカウンタ(Aloka)で行い、シンチレーターに
はACS II(商品名:アマシャム製)を用いた。B.ブ
レーベYIT4006 に対する反応を 100%として、%ホモロ
ジーを次式から算出した。
フィルターのDNAスポット部分を切り出し、放射能活
性を測定した。測定はLSC−700液体シンチレーシ
ョンカウンタ(Aloka)で行い、シンチレーターに
はACS II(商品名:アマシャム製)を用いた。B.ブ
レーベYIT4006 に対する反応を 100%として、%ホモロ
ジーを次式から算出した。
【0050】
【0051】尚、コントロールは、DNAを載せていな
いフィルターの測定値(C.P.M) を用いた。
いフィルターの測定値(C.P.M) を用いた。
【0052】目的とするB.ブレーベに特異的なDNAプ
ローブの候補として、パターン3を示した、 No.2と N
o.22の染色体DNA断片を用いて、さらにビフィドバク
テリウム15菌種31菌株に対して2次のスクリーニングを
行った。
ローブの候補として、パターン3を示した、 No.2と N
o.22の染色体DNA断片を用いて、さらにビフィドバク
テリウム15菌種31菌株に対して2次のスクリーニングを
行った。
【0053】No.2染色体DNA断片はB.ブレーベ以外
にもB.ロンガムUIT4037 ,B.インファンティスYIT4026
に交差反応することが解った。このことから No.22DN
A断片をスクリーニングに用いた。
にもB.ロンガムUIT4037 ,B.インファンティスYIT4026
に交差反応することが解った。このことから No.22DN
A断片をスクリーニングに用いた。
【0054】図2は No.22の染色体DNA断片の表2に
示す15菌種31菌株に対するオートラジオグラムの結果を
示す説明図であり、a図は15菌種31菌株の配置図、b図
はオートラジオグラムのパターン図である。尚、図にお
いて各パターンのセクションは左に示した15菌種31菌株
の配置図のセクションと一致する。
示す15菌種31菌株に対するオートラジオグラムの結果を
示す説明図であり、a図は15菌種31菌株の配置図、b図
はオートラジオグラムのパターン図である。尚、図にお
いて各パターンのセクションは左に示した15菌種31菌株
の配置図のセクションと一致する。
【0055】図2に示す通り、 No.22は、B.ブレーベ6
株のみに反応し、B.ブレーベ以外の14菌種25菌株に対し
て、交差反応を示さなかった。
株のみに反応し、B.ブレーベ以外の14菌種25菌株に対し
て、交差反応を示さなかった。
【0056】また、表3に示す通り、B.ブレーベ菌種6
株に対するホモロジーは47%− 100%であり、B.ブレー
ベ以外の菌株に対するホモロジーは3%以下であった。
λHindIII 分子量マーカーとの比較から、 No.22のDN
A断片の長さは 1.8 Kbpであることが解った。 No.22は
プラスミドベクターpUC12に連結し、大腸菌に形質
転換した E.coli JM109 (pBB22) として、微工研に寄託
済み(微工研菌寄第11932号)である。
株に対するホモロジーは47%− 100%であり、B.ブレー
ベ以外の菌株に対するホモロジーは3%以下であった。
λHindIII 分子量マーカーとの比較から、 No.22のDN
A断片の長さは 1.8 Kbpであることが解った。 No.22は
プラスミドベクターpUC12に連結し、大腸菌に形質
転換した E.coli JM109 (pBB22) として、微工研に寄託
済み(微工研菌寄第11932号)である。
【0057】
【表3】
【0058】(10)腸内フローラ主要構成菌種に対する特
異性の検討 2次スクリーニング終了後、B.ブレーベのみに反応した
DNA断片( No.22)について、更に、表4に示す腸内
フローラの主要構成菌種である18属47菌種49株から抽出
した染色体DNAに対して特異性を検討した。
異性の検討 2次スクリーニング終了後、B.ブレーベのみに反応した
DNA断片( No.22)について、更に、表4に示す腸内
フローラの主要構成菌種である18属47菌種49株から抽出
した染色体DNAに対して特異性を検討した。
【0059】
【表4】
【0060】ターゲットフィルターは、各染色体DNA
を 0.125N NaOH, 0.125×SSCの条件下で 100
℃、5分間変性させ、それぞれ 500ngをミニホールド
IIを用いて、ジーン・スクリーン・プラスにドットし、
作製した。ハイブリダイゼーションは、一次スクリーニ
ングと同様に行った。
を 0.125N NaOH, 0.125×SSCの条件下で 100
℃、5分間変性させ、それぞれ 500ngをミニホールド
IIを用いて、ジーン・スクリーン・プラスにドットし、
作製した。ハイブリダイゼーションは、一次スクリーニ
ングと同様に行った。
【0061】図3は No.22の染色体DNA断片の表4に
示す18属47菌種49菌株に対するオートラジオグラムの結
果を示す説明図であり、a図は18属47菌種49菌株の配置
図、b図はオートラジオグラムのパターン図である。
尚、図において各パターンのセクションは左に示した18
属47菌種49菌株の配置図のセクションと一致する。図3
に示す通り、 No.22はB.ブレーベ菌種のみに反応した。
示す18属47菌種49菌株に対するオートラジオグラムの結
果を示す説明図であり、a図は18属47菌種49菌株の配置
図、b図はオートラジオグラムのパターン図である。
尚、図において各パターンのセクションは左に示した18
属47菌種49菌株の配置図のセクションと一致する。図3
に示す通り、 No.22はB.ブレーベ菌種のみに反応した。
【0062】更に、腸内フローラの主要構成菌種である
18属47菌種49菌株の染色体DNAに対して特異性を検討
した。結果を次の表5に示す。
18属47菌種49菌株の染色体DNAに対して特異性を検討
した。結果を次の表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】表5に示す通り、B.ブレーベ以外の菌株に
対するホモロジーは5%以下であった。
対するホモロジーは5%以下であった。
【0065】このようにして得られたB.ブレーベ染色体
DNA断片 No.22はB.ブレーベの菌種検出、同定、定量
に使用する十分な特異性を示すことが判明した。
DNA断片 No.22はB.ブレーベの菌種検出、同定、定量
に使用する十分な特異性を示すことが判明した。
【0066】(11)B.ブレーベに特異的なDNAプローブ
を用いた糞便中のB.ブレーベの同定 得られたプローブ No.22を用いて実際に、糞便中のB.ブ
レーベの同定を行った。人の糞便を嫌気的に緩衝液で1
0段階希釈し、ビフィドバクテリウムの選択培地である
MPN培地(Tanaka R,Mutai M.1980.Inproved medium f
or selective isolation and enumeration of bifidoba
cterium.Applied and Invironmetal Microbiology 40:8
66-869.)に塗布し、3日間、37度で嫌気的に培養した。
単一なコロニーが形成されているプレートを選び、コロ
ニーをフィルターにレプリカした。
を用いた糞便中のB.ブレーベの同定 得られたプローブ No.22を用いて実際に、糞便中のB.ブ
レーベの同定を行った。人の糞便を嫌気的に緩衝液で1
0段階希釈し、ビフィドバクテリウムの選択培地である
MPN培地(Tanaka R,Mutai M.1980.Inproved medium f
or selective isolation and enumeration of bifidoba
cterium.Applied and Invironmetal Microbiology 40:8
66-869.)に塗布し、3日間、37度で嫌気的に培養した。
単一なコロニーが形成されているプレートを選び、コロ
ニーをフィルターにレプリカした。
【0067】フィルター上のコロニーを上記に示した方
法により、溶菌、DNAの変性、固定を行ない、マルチ
プライム法によって32Pで標識した No.22プローブとハ
イブリダイズさせた。非特異的な反応を洗浄して除去
し、オートラジオグラフィーを行なった。
法により、溶菌、DNAの変性、固定を行ない、マルチ
プライム法によって32Pで標識した No.22プローブとハ
イブリダイズさせた。非特異的な反応を洗浄して除去
し、オートラジオグラフィーを行なった。
【0068】MPN培地上には、B.ブレーベ以外にもB.
アドレセティス,B.ビフィダム,B.ロンガム,B.インフ
ァンティスなどのビフィドバクテリウムが増殖してくる
が、B.ブレーベに特異的なDNAプローブ No.22はB.ブ
レーベのみに反応した。コロニーの位置に相当するオー
トラジオグラフィーの陽性に反応したスポットの数か
ら、B.ブレーベのコロニー数を求めた。 121個のコロニ
ー中、17個のコロニーがB.ブレーベであった。
アドレセティス,B.ビフィダム,B.ロンガム,B.インフ
ァンティスなどのビフィドバクテリウムが増殖してくる
が、B.ブレーベに特異的なDNAプローブ No.22はB.ブ
レーベのみに反応した。コロニーの位置に相当するオー
トラジオグラフィーの陽性に反応したスポットの数か
ら、B.ブレーベのコロニー数を求めた。 121個のコロニ
ー中、17個のコロニーがB.ブレーベであった。
【0069】希釈率を計算し、糞便中には、1gあたり
1.7×108 のB.ブレーベが存在することが解った。
1.7×108 のB.ブレーベが存在することが解った。
【0070】
【発明の効果】上述した通り、B.ブレーベに特異的なD
NAプローブはその特異性が非常に高く、食品中や糞便
中に存在する様々な細菌にたいして交差反応を示さな
い。これは、この様な検体中のB.ブレーベをその他細菌
に影響されずに、検出、同定、定量する事が可能である
事を示している。
NAプローブはその特異性が非常に高く、食品中や糞便
中に存在する様々な細菌にたいして交差反応を示さな
い。これは、この様な検体中のB.ブレーベをその他細菌
に影響されずに、検出、同定、定量する事が可能である
事を示している。
【0071】従って、本発明により作成された核酸プロ
ーブによって、従来用いられているグラム染色、形態観
察、ガスクロマトグラフィー、糖発酵試験などの70項目
に及び検査を行なわずにB.ブレーベを同定することが可
能である。これによって、大幅な労力の省力化と時間、
コストの削減が行なわれる。
ーブによって、従来用いられているグラム染色、形態観
察、ガスクロマトグラフィー、糖発酵試験などの70項目
に及び検査を行なわずにB.ブレーベを同定することが可
能である。これによって、大幅な労力の省力化と時間、
コストの削減が行なわれる。
【0072】また、ビフィドバクテリウムの同定には熟
練を要するが、種特異的なDNAプローブを用いた方法
は、操作が単純で、結果の判定が明確に行なえる事から
試験者に熟練を必要とせず、一度に大量の検体をこなす
事が可能である。
練を要するが、種特異的なDNAプローブを用いた方法
は、操作が単純で、結果の判定が明確に行なえる事から
試験者に熟練を必要とせず、一度に大量の検体をこなす
事が可能である。
【0073】以上のように、本発明により作成された核
酸プローブは、糞便、消化管、乳製品、乳酸菌飲料中に
存在するB.ブレーベを検出、同定、定量するために有用
である。
酸プローブは、糞便、消化管、乳製品、乳酸菌飲料中に
存在するB.ブレーベを検出、同定、定量するために有用
である。
【図1】組換え体クローンから任意に選ばれた25個の染
色体DNA断片の表1に示すビフィドバクテリウム5菌
種10菌株に対するオートラジオグラムの結果を示す説明
図である。
色体DNA断片の表1に示すビフィドバクテリウム5菌
種10菌株に対するオートラジオグラムの結果を示す説明
図である。
【図2】No.22の染色体DNA断片の表2に示す15菌種3
1菌株に対するオートラジオグラムの結果を示す説明図
であり、a図は15菌種31菌株の配置図、b図はオートラ
ジオグラムのパターン図である。
1菌株に対するオートラジオグラムの結果を示す説明図
であり、a図は15菌種31菌株の配置図、b図はオートラ
ジオグラムのパターン図である。
【図3】No.22の染色体DNA断片の表4に示す18属47
菌種49菌株に対するオートラジオグラムの結果を示す説
明図であり、a図は18属47菌種49菌株の配置図、b図は
オートラジオグラムのパターン図である。
菌種49菌株に対するオートラジオグラムの結果を示す説
明図であり、a図は18属47菌種49菌株の配置図、b図は
オートラジオグラムのパターン図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 15/11 C12R 1:01) (C12Q 1/04 C12R 1:01)
Claims (3)
- 【請求項1】 ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifid
obacterium breve)染色体の種特異的DNA部位に相補
的なビフィドバクテリウム・ブレーベのDNAプロー
ブ。 - 【請求項2】 ビフィドバクテリウム・ブレーベ染色体
DNAから制限酵素HindIII による切断によって得られ
た1.8 Kbp の染色体DNA断片又は該DNA断片と同様
の塩基配列を備えたビフィドバクテリウム・ブレーベの
DNAプローブ。 - 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載のビフィドバ
クテリウム・ブレーベのDNAプローブを用いたビフィ
ドバクテリウム・ブレーベの同定法において、 前記DNAプローブに標識マーカを施し、 該標識マーカを施したDNAプローブと被同定物のDN
Aとをハイブリダイズし、ハイブリダイズした被同定物
を検出することを特徴とするビフィドバクテリウム・ブ
レーベのDNAプローブを用いた同定法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3191261A JPH0568595A (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | ビフイドバクテリウム・ブレーベ同定用dnaプローブ及びそれを用いた同定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3191261A JPH0568595A (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | ビフイドバクテリウム・ブレーベ同定用dnaプローブ及びそれを用いた同定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0568595A true JPH0568595A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=16271597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3191261A Pending JPH0568595A (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | ビフイドバクテリウム・ブレーベ同定用dnaプローブ及びそれを用いた同定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0568595A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5443951A (en) * | 1992-07-20 | 1995-08-22 | Kabushiki Kaisha Yakult Honsha | Species-specific oligonucleotides for bifidobacteria and a method of detection using the same |
CN118480615A (zh) * | 2024-05-14 | 2024-08-13 | 迪辅乐生物(上海)有限公司 | 基于比较基因组的双歧杆菌三重绝对定量荧光pcr核酸检测试剂盒 |
-
1991
- 1991-07-05 JP JP3191261A patent/JPH0568595A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5443951A (en) * | 1992-07-20 | 1995-08-22 | Kabushiki Kaisha Yakult Honsha | Species-specific oligonucleotides for bifidobacteria and a method of detection using the same |
CN118480615A (zh) * | 2024-05-14 | 2024-08-13 | 迪辅乐生物(上海)有限公司 | 基于比较基因组的双歧杆菌三重绝对定量荧光pcr核酸检测试剂盒 |
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