JPH0568517U

JPH0568517U - 生理用ナプキン

Info

Publication number: JPH0568517U
Application number: JP968992U
Authority: JP
Inventors: ともえ辻; 直人中尾
Original assignee: Daio Paper Corp
Current assignee: Daio Paper Corp
Priority date: 1992-02-28
Filing date: 1992-02-28
Publication date: 1993-09-17
Anticipated expiration: 2007-02-28
Also published as: JP2586442Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】就寝時に着用してもショーツおよび着用者との
相対的位置ずれがなく、後漏れを防止できるようにす
る。【構成】吸収体３の後端部において、幅10〜40mmで厚み
８〜30mmの延在部30Ａが５〜80mmの長さ範囲にわたって
後方に延在している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、生理用ナプキン、特に夜用に好適な生理用ナプキンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

生理用ナプキンは、ショーツと着用者の股間部との間に介装して使用するが、特に就寝時に使用する場合は、就寝中の寝返り等により着用者股間部との相対位置がずれ、生理用ナプキンとしての機能を成さなくなることがある。したがって、かかる位置ずれの防止を図る必要がある。

【０００３】ところで、就寝時には着用者は仰向けに寝ている場合が多く、かかる状態では排出された経血や体液は、その一部がナプキンの前部あるいは中央部に吸収されるが、残部は股の付け根あるいはナプキンに沿って肛門部方向へ流下し、ナプキンの後部に達するから、この部分での漏れを防止する必要があり、このため特にこの部分での上記位置ずれおよび着用者の股とナプキン表面との空隙の発生とを有効に防止する必要がある。したがって、就寝時に使用するナプキンにおいては、股間部の背側の窪み、特に肛門部付近に当接するナプキン後部の形状等が機能上特に重要である。

【０００４】従来の就寝時用の生理用ナプキンの後部形状としては、上述の問題を特に意識せずに考案された小判状のものや、上記位置ずれ防止を意図してナプキン中央部両側縁を括れさせて前後方向長さを長くした瓢箪状のものが主流であった。

【０００５】また、従来のナプキンの吸収体は、ナプキンの幅方向全体に渡って、ほぼ同一の厚みを有するものであった。

【０００６】一方、特開昭63−5746号公報には、後部を幅広とし、その幅広部分の中央部を着用者側に山形に突出させる構造のナプキン構造が知られている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のナプキンを装着した場合、図１２に示したように、尻部肛門部付近でのナプキンの相当面積が広いため、股間部の割れ目に追従できず、その割れ目付近とナプキンとの間に空隙が生じてしまい、相対的位置ずれ、特に横ずれを生じやすいとともに、この空隙を通って経血等の背中部への後漏れの原因となる。

【０００８】また、吸収体の厚みがナプキンの幅方向全体に同一であると、使用時、股間部の割れ目に密着した状態で追従できず、ナプキンと股間部の間に空隙が生じ易く、横方向の位置ずれを発生しやすい上、この空隙からの後漏れの原因となる。

【０００９】一方、前記公報のナプキン構造は、ずれ防止効果に優れるものの、吸収体の全体の面積がその分大きくなり、コスト高となり、しかも突出部によりＺ軸方向の実質的な厚みが増え、携帯性を著しく低下させる。また、寝返りなどのときにおいて臀部のずれに引きずられてナプキンのずれを生じる危険性がある。

【００１０】そこで本考案の課題は、ナプキンとショーツおよび着用者との相対的位置ずれがなく、後漏れの生じない生理用ナプキンを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記課題は、吸収体の後端部において、幅10〜40mmで厚み８〜30mmの延在部が５〜80mmの長さ範囲にわたって後方に延在していることで解決できる。

【００１２】また、吸収体の後端から吸収体全長の1/50以上の長さにわたって長手方向に沿い、かつ10〜40mmの幅を有し非中高部分より厚み３〜25mm分突出した中高部を使用面がわに形成し、かつその吸収体の後端部における非中高部分の終端から中高部分の終端の長さが５mm以上とし、後端部において中高部分のみが後方に延在していることでも解決できる。

【００１３】この場合、吸収体は下側吸収体と上側吸収体とで構成され、その上側吸収体により前記中高部分を形成することができる。

【００１４】さらに、吸収体の全体が実質的に同一の厚みを有し、吸収体の後端部において、幅10〜50mmで厚み５〜20mmの延在部が15〜80mmの長さ範囲にわたって後方に延在している構成とすることもできる。

【００１５】

【作用】

本考案では、吸収体の後端部において、幅10〜40mmで厚み８〜30mmの延在部が５〜80mmの長さ範囲にわたって後方に延在しているので、その延在部が肛門付近および臀部の谷間まで達して、その谷間にフィットし、結果としてナプキンの横ずれを防止する。また、就寝時において、経血が後方に流れたとき、その延在部で吸収する。一方、前記公報技術との比較では、後端部を幅広としておらず、逆に幅狭としているので、吸収体の面積を小さくでき、製造コストを低減でき、しかも平面状のため携帯性を損ねることもない。

【００１６】

【実施例】

次に図面に基づき実施例を説明する。図１は、本考案にかかる生理用ナプキンの第１実施例の使用面がわから見た平面図である。図の上方が使用時前部（腹がわ）となり、下方が使用時の後部（肛門部がわ）となる。また、図２は図１のナプキンの２−２線断面図、図３はその吸収体のみの拡大断面図、図４は図１の４−４線断面図である。

【００１７】１はメッシュシート等からなる透液性シート、２はポリエチレンシート等からなる不透液性シート、３は吸収体である。５は吸収体３を額巻きしたポリラミ不織布等からなる不透液性の包被シートである。ナプキンの前後端部には吸収体３が存在せず、透液性シート１と不透液性シート２とが直接熱接着されて形成されたフラップ部４、４を有する。

【００１８】上記吸収体３は、長手方向全長に沿って中高部30を有し、これによりナプキンの使用面がわを中高形状としている。中高部30以外の部分は非中高部31となっている。また、ナプキン全体および吸収体３の後端輪郭は後方に先端を有する略Ｖ字状として形成されているとともに、後端側部が括れている。また、そのナプキンの前半部または中央部から前半部にかけて中高部30の両側部に、使用時にナプキンが前記中高部を頂点とする山形に屈曲してフィット性を高めるために、溝状のサイドエンボス６、６が形成されている。

【００１９】前記の中高部30は、上記実施例では吸収体３の全長にわたって形成されているが、少なくとも吸収体３の終端Ｘから吸収体全長の1/50以上、より好ましくは1/ 30以上の長さにわたって形成されているのが好適である。この中高部30は10〜40 mmの幅Ｗを有するものが好適である。中高部30は、その全長にわたって均一の幅を有することは要しないが、少なくとも10〜40mmの幅部分が５mm以上延在部30Ａに有することが有効である。図１の実施例では、中高部30と非中高部31とが一体となって終端Ｘにまで延在しているが、その全体の厚みｔとしては、８〜30mmが好ましい。８mm未満では、経血の吸収能力に劣り、かつずれ防止効果も十分でなくなる。逆に、30mmを超えると、使用者に違和感を与えることになる。実施例のように、中高部30を形成する場合、その厚みｔ₁としては、８〜30mmが好ましい。非中高部の厚みｔ₂は２〜14mmが望ましい。さらに、図１の例では、終端部分が幅狭となっている。しかし、吸収体３の後端部における非中高部分31の終端Ｅから中高部分30の終端Ｘまでの長さＬの範囲内において、10〜40mmの幅Ｗ部分が５mm以上、好適には、10mm以上有するものであれば、本考案の効果が発揮される。

【００２０】他方、ナプキンの後端側側縁端Ｙ、Ｙと延在部30Ａの終端とがなすＶ字の開き角θとしては、70°〜150 °が好ましい。また、本考案では、吸収体３に中高部30を形成してある。この中高部30が着用者の股間部の付け根に密着され、前述の吸収体３の延在部30Ａの存在とにより、股間部の形状に良好にフィットする。

【００２１】本考案のナプキンＮの装着時の作用効果を従来のものと比較説明すると、図１２は従来のナプキンＮ’の装着状態図（ショーツを省略してある）であるが、着用者の尻部ＨにナプキンＮ’が密着せず、股間部の割れ目とナプキンとの間に空隙Ｓが生じ、ナプキンＮ’の位置ずれが生じやすいとともに、後漏れの原因となることが容易に推測できよう。これに対し、図１３に示す本考案にかかるナプキンＮの装着状態では、後端部に延在部30Ａを有し、しかも吸収体３が中高形状をしているため、中高部30に臨む尻Ｈの割れ目特に肛門部付近に当接し、使用面全体が股間部の割れ目にほぼ密着するから、相対的位置ずれがなく、後漏れを防止することができる。

【００２２】図５は第２実施例の吸収体のみを示したもので、吸収体３の後端部の両側部が厚みが薄くなり、逆に厚みが薄くない部分が結果として中高部30としたものである。

【００２３】図６はさらに発展させて、吸収体３の全体の厚みは均一とし、単に延在部32を形成した第３実施例を示したものである。この場合には、中高部の存在によるずれ防止効果はないので、10〜50mmの幅Ｗ部分が長さＬ’として、15mm以上有するものが望まれる。

【００２４】前述の各実施例において、吸収体の後端部形状として、図９〜図１１に示す輪郭形状とすることもできる。

【００２５】他方、第１実施例では、吸収体３が中高部とともに一体的に形成されているが、図７に示すように、下層吸収体34Ａと上層吸収体34Ｂとに分割しかつこれらを積層して適宜の表面の形状を得ることができる。図７に示す実施例では、さらに上層吸収体34Ｂの幅方向中央部に中高部34ａを形成してある。この中高部34ａまでの厚みをもって、幅Ｗの延在部を形成することができる。

【００２６】さらに、図８に示すように、延在部30Ａにおいて、下層吸収体35Ａと上層吸収体35Ｂとに分割して積層させることもできる。

【００２７】なお、本考案のナプキンの全長ＦＬとしては、220 〜350 mmが、全幅ＦＷとしては50〜140 mmが好ましい。

【００２８】

【考案の効果】

以上の通り、本考案によれば、就寝時に着用してもショーツおよび着用者との相対的位置ずれがなく、後漏れを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる生理用ナプキンの第１実施例の
使用面がわからみた一部破断平面図である。

【図２】図１の２−２線断面図である。

【図３】吸収体の拡大横断面図である。

【図４】延在部の横断面図である。

【図５】吸収体の形状を異にする例の第２実施例の平面
図である。

【図６】吸収体の形状を異にする例の第３実施例の平面
図である。

【図７】吸収体の積層構造例の横断面図である。

【図８】延在部における吸収体の積層構造例の横断面図
である。

【図９】吸収体の後端部の輪郭形状を異にする例の平面
図である。

【図１０】吸収体の後端部の輪郭形状を異にする他の例
の平面図である。

【図１１】吸収体の後端部の輪郭形状を異にする別の例
の平面図である。

【図１２】従来のナプキンの装着状態説明図である。

【図１３】本考案のナプキンの装着状態説明図である。

【符号の説明】

１…透液性シート、２…不透液性シート、３…吸収体、
４、…フラップ部、５…包被シート、30…中高部、30Ａ
…延在部、31…非中高部、32…延在部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吸収体の後端部において、幅10〜40mmで厚
み８〜30mmの延在部が５〜80mmの長さ範囲にわたって後
方に延在していること特徴とする生理用ナプキン。
【請求項２】吸収体の後端から吸収体全長の1/50以上の
長さにわたって長手方向に沿い、かつ10〜40mmの幅を有
し非中高部分より厚み３〜25mm分突出した中高部を使用
面がわに形成し、かつその吸収体の後端部における非中
高部分の終端から中高部分の終端の長さが５mm以上と
し、後端部において中高部分のみが後方に延在している
ことを特徴とする生理用ナプキン。
【請求項３】吸収体は下側吸収体と上側吸収体とで構成
され、その上側吸収体により前記中高部分が形成されて
いる請求項２記載の生理用ナプキン。
【請求項４】吸収体の全体が実質的に同一の厚みを有
し、吸収体の後端部において、幅10〜50mmで厚み５〜20
mmの延在部が15〜80mmの長さ範囲にわたって後方に延在
していること特徴とする生理用ナプキン。