JPH0567918A

JPH0567918A - ラジアルラインスロツトアンテナ

Info

Publication number: JPH0567918A
Application number: JP9932591A
Authority: JP
Inventors: Yuji Numano; 雄司沼野; Akio Suzuki; 晧生鈴木; Masanori Suzuki; 正則鈴木; Tatsuhiro Okano; 達広岡野; Mitsuhiro Onda; 光弘恩田
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1991-04-30
Filing date: 1991-04-30
Publication date: 1993-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】異方性を持つ低発泡誘電体を単層で用いても
性能劣化することがないラジアルラインスロットアンテ
ナを実現する。【構成】互に直交するＸ方向およびＹ方向でそれぞれ
第１および第２の誘電率となる異方性の誘電体をラジア
ル導波路に介挿した場合、スロットパターンを前記第１
および第２の誘電率に対応して設定する。これにより、
異方性を持つ誘電体を単層で用いた場合でも性能劣化す
ることがないラジアルラインスロットアンテナとなる。

Description

【発明の詳細な説明】【産業上の利用分野】

【０００１】この発明は、平面アンテナに関し、特に、
衛星放送や、衛星通信などの準ミリ波帯に用いて好適な
ラジアルラインスロットアンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、近年にあっては、衛星放
送の実用化に伴って各種の平面アンテナが各種開発され
ている。第３図は、これら平面アンテナの内、特に、給
電線路として伝送損失が小さいラジアル導波路を利用し
たラジアルラインスロットアンテナの一構成例を示す斜
視断面図である。

【０００３】図において、１はラジアルラインスロット
アンテナ（以下、これをアンテナと略す）である。２は
このアンテナ１の後面側を形成するフレームである。こ
のフレーム２は、正面視円形を呈する導体であって、上
部が広く開口された偏平容器形状を成している。３は多
数のスロット（後述する）が配設される円形スロット板
である。５ａ，５ｂは各々発泡プラスチック等で形成さ
れた低発泡誘電体であり、上記フレーム２と円形スロッ
ト板３との間に介挿されてなる。この円形スロット板３
の直径は、上記フレーム２の開口内径より若干小径に形
成されており、また、低発泡誘電体５ａ，５ｂの直径も
同様にこの円形スロット板３と略同径に形成されてい
る。そして、この円形スロット板３とフレームとは、低
発泡誘電体５ａ，５ｂが充填された形のラジアル導波路
６を構成している。ここで、この低発泡誘電体５ａ，５
ｂの誘電率をεとすると、ラジアル導波路６における伝
送波の管内波長は、1/√εだけ短縮される。このため、
この低発泡誘電体５ａ，５ｂは遅波回路と呼ばれる。

【０００４】４は上述したラジアル導波路６の中心に給
電するよう配設された同軸線路である。この同軸線路４
の中心導体は、ラジアル導波路６内まで伸長し、プロー
ブ４ａを形成しており、該同軸線路４から給電される伝
送波をラジアル導波路６の中心から周辺部へ放射状に伝
搬させる。７はこのアンテナ１の前面を覆いつつ、フレ
ーム２と共に、このアンテナを密閉構造とするレドーム
である。このレドーム７と円形スロット板３との間に
は、誘電率が空気と略等しい高発泡材からなるスペーサ
８が充填されており、これにより円形スロット板３を低
発泡誘電体５ａ，５ｂに密着させ、かつ、フレームとの
距離を一定に保持して電気的性能を安定化させている。
９は上述したレドーム７とフレーム２との嵌合部に介在
するシーリング材、１０は周辺保護用ゴムリングであ
る。

【０００５】上記構造によれば、同軸線路４から供給さ
れる軸対称形のＴＥＭ波の伝送波は、プローブ４ａを介
してラジアル導波路６へ進行し、当該導波路６の中心か
ら周辺部へと放射状に軸対称外向きの円筒波となって伝
搬する。そして、その大部分は円形スロット板３に配設
されたスロットアレイを励振し、空間へ放射される。こ
のようなラジアルラインスロットアンテナにあっては、
円形スロット板３に配設される各スロットアレイの形状
およびその配置に応じて偏波が決まる。例えば、図４に
示すように、所定のスパイラル線Ｓ１上に、互いに位相
が９０度異なり、偏波面が直交するように“ハ"の字状
のスロット対ＳＬ₁，ＳＬ₁，…ＳＬ₁を順次配設させた
場合には、スロット対からの放射波の合成が円偏波とな
って放射される。

【０００６】ところで、前述した低発泡誘電体５ａ，５
ｂは、発泡プラスチックを押出成形したものである。こ
の押出成形された発泡プラスチックは、押出し方向に沿
って偏平楕円形の独立気泡が一様に配列されている。し
たがって、この低発泡誘電体５ａ，５ｂは、必要厚さを
２等分して２枚構成とし、押出し方向とこれに直交する
方向とではその誘電率εが僅かに異なる。また、押出成
形された発泡プラスチックは、その製造工程の特質によ
り、押出し方向と直交する方向に反り易い性質を持つ。
そこで、ラジアル導波路６に充填される低発泡誘電体５
ａ，５ｂは、押出し方向が互に直交するようにして配置
され、その誘電率εを均一化すると共に、反りを押える
ように２層に積層されている訳である。なお、この種の
技術については、特願平２−２２８９７２号に開示され
ている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た２層構造をなす低発泡誘電体５ａ，５ｂをラジアル導
波路６に充填する場合には、押出成形時の押出し方向が
互に直交するようにして積層しなければならない。した
がって、このような構造によるラジアルラインスロット
アンテナを製造する場合、人手を介した積層工程が要求
され、好ましい生産態様をとることができない。すなわ
ち、製造技術上の観点からは、単層の低発泡誘電体であ
ることが望ましい。

【０００８】ところが、単層の低発泡誘電体を用いた場
合には、前述した理由に基づき、円形スロット板３のｘ
軸方向およびｙ軸方向（図４参照）とでは誘電率εが僅
かに異なる。これ故、ラジアル導波路６におけるｘ軸方
向およびｙ軸方向の管内波長が異なるため、円形スロッ
ト板３において、所定の設計に基づいて得たスパイラル
線Ｓ１上に順次配設されるスロットアレイからは、所望
の電波が放射されなくなり、結果的にアンテナ性能の劣
化を招致するという問題がある。この発明は上述した事
情に鑑みてなされたもので、異方性の低発泡誘電体を単
層で用いても性能劣化することがないラジアルラインス
ロットアンテナを提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、多数のスロ
ットが所定のスロットパターン状に配設されたスロット
アレイからなるスロット板と、このスロット板に対向す
る導体板からなるフレームとでラジアル導波路を構成
し、互に直交するＸ方向およびＹ方向でそれぞれ第１お
よび第２の誘電率となる異方性の誘電体を前記ラジアル
導波路内に介挿してなるラジアルラインスロットアンテ
ナにおいて、前記スロットパターンが前記第１および第
２の誘電率に対応して設定されていることを特徴として
いる。

【００１０】

【作用】この発明によれば、互に直交するＸ方向および
Ｙ方向でそれぞれ第１および第２の誘電率となる誘電体
を前記ラジアル導波路に介挿した場合、スロットパター
ンを前記第１および第２の誘電率に対応して設定する。
すなわち、スロットパターンの少なくとも半径方向の間
隔（Ｓρ）を誘電体の第１および第２の誘電率に対応し
て設定する。これにより、異方性の誘電体を単層で用い
た場合でもスロットアレイから所望の電波が放射され、
性能劣化することがないラジアルラインスロットアンテ
ナとなる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図１はこの発明の一実施例によるラジア
ルラインスロットアンテナの構造を示す斜視断面図であ
る。この図において、図３の各部に対応する部分には同
一の番号を付け、その説明を省略する。この図が図３に
示したものと異なる点は、フレーム２と円形スロット板
３との間に単層構造の低発泡誘電体５を介挿したことに
ある。

【００１２】このような構造において、同軸線路４から
供給される伝送波は、プローブ４ａからラジアル導波路
６へ進行し、当該導波路６の中心から周辺部へ放射状に
軸対称外向きの円筒波となって伝搬する。ところが、こ
のラジアル導波路６に介挿された低発泡誘電体５は、単
層構造であるから、前述した理由により円形スロット板
３のｘ軸方向およびｙ軸方向で管内波長が異なる。これ
により、かかる配慮がなされずに所定の設計に基づいて
得たスパイラル線Ｓ１上（図４参照）に順次配設される
スロットアレイからは、所望の電波が放射されなくなっ
てしまう。そこで、各スロットアレイから所望の電波を
放射させるようにするため、図２に示すスパイラル線Ｓ
２上にスロットアレイを配設する。このようにすること
で、異方性を持つ低発泡誘電体５の誘電率εの不均一性
が解消される。

【００１３】以下、この理由について説明する。まず、
図４に示すように、従来のスパイラル線Ｓ１は、遅波回
路を成す低発泡誘電体の誘電率εが一様であるとして規
定されたものである。さらに、スロットアレイの半径方
向の間隔、円周方向の間隔及びスロットの大きさを適宜
変更し、微調整することにより、高性能とすることがで
きる。したがって、この誘電率εが異方性を持つ場合に
は、これに応じてスパイラル線Ｓ１を形状補正すれば良
いことになる。すなわち、誘電率εの異方性に基づく管
内波長の違いに対応してスパイラル形状を変えれば良い
ことになる。この時、少なくともスパイラル線Ｓ１の半
径方向の間隔（Ｓρ）を各誘電率に対応して設定すれば
よい。ここで、低発泡誘電体５の平均誘電率をεm、ま
た、この低発泡誘電体５におけるｘ軸方向の誘電率をε
x、ｙ軸方向の誘電率をεyとすると、次のようにしてス
パイラル線Ｓ１の形状が補正される。

【００１４】ｘ軸方向の補正この場合、スパイラル線Ｓ１のｘ軸方向に対して（εm
／εx）^-1/2の軸比を取る。ｙ軸方向の補正この場合、スパイラル線Ｓ１のｙ軸方向に対して（εm
／εy）^-1/2の軸比を取る。

【００１５】そして、このような形状補正が加えられる
ことで、図２に示す楕円形状のスパイラル線Ｓ２が求め
られる。この実施例では、Ｘ方向がＹ方向に比べて誘電
率が小さい方向性を持つ低発泡誘電体を用いている。こ
の図に示すスパイラル線Ｓ２の半径方向の間隔につい
て、Ｘ方向（誘電率の低い方向）の間隔Ｓρx₂は、図４
に示すスパイラル線Ｓ１の半径方向の間隔Ｓρx₁より大
きくなり、また、Ｙ方向（誘電率の高い方向）の間隔Ｓ
ρy₂は、図４に示すスパイラル線Ｓ１の半径方向の間隔
Ｓρy₁より小さくなる。なお、このスパイラル線Ｓ２上
に“ハ"の字状のスロット対（図示略）を所定の条件に
基づいて複数配設すると、これらスロットアレイから所
望の円偏波が放射されることになる。

【００１６】例えば、低発泡誘電体５の平均誘電率εm
を１．５５、ｘ軸方向誘電率εxを１．５０およびｙ軸
方向誘電率εyを１．６０とすると、この平均誘電率εm
に対して規定されるスパイラル線Ｓ１が、ｘ軸方向に
１．０１７、ｙ軸方向に０．９４８の軸比に対応して設
定される。この設定の結果、ｘ軸方向が長軸、ｙ軸方向
が短軸となる楕円形状のスパイラル線が形成される。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、互に直交するＸ方
向およびＹ方向でそれぞれ第１および第２の誘電率とな
る異方性の誘電体をラジアル導波路に介挿した場合、ス
ロットパターンを前記第１および第２の誘電率に対応し
て設定するので、異方性の低発泡誘電体を単層で用いて
も所望の電波が放射され、性能劣化することがないラジ
アルラインスロットアンテナが実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例によるラジアルラインスロ
ットアンテナの構造を示す斜視断面図。

【図２】同実施例におけ円形スロット板３のスロットパ
ターンの一例を示す図。

【図３】従来のラジアルラインスロットアンテナの構造
を示す斜視断面図。

【図４】従来例における円形スロット板３のスロットパ
ターンの一例を示す図。

【符号の説明】

２フレーム３円形スロット板５低発泡誘電体Ｓ２スロットパターン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者岡野達広東京都台東区台東一丁目５番１号凸版印刷株式会社内 (72)発明者恩田光弘東京都台東区台東一丁目５番１号凸版印刷株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】多数のスロットが所定のスロットパター
ン状に配設されたスロットアレイからなるスロット板
と、このスロット板に対向する導体板からなるフレーム
とでラジアル導波路を構成し、互に直交するＸ方向およ
びＹ方向でそれぞれ第１および第２の誘電率となる異方
性の誘電体を前記ラジアル導波路内に介挿してなるラジ
アルラインスロットアンテナにおいて、前記スロットパターンが前記第１および第２の誘電率に
対応して設定されていることを特徴とするラジアルライ
ンスロットアンテナ。