JPH0567575U - 動力操向装置のラック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で、かつ安価に製造できる動力操向装置
のラック装置を提供する。 【構成】 ラック３が、ラック３の長手方向略中央部に
設けられたピストン５を境として、一端にラックギヤ６
を有するラック本体１４とパイプ部材１５とに分割構成
されている。ラック本体１４には他端に中ぐり加工によ
り中空部１７が設けられ、ピストン５の各端部には軸部
２１が設けられている。ピストン５の軸部２１に各々ラ
ック本体１４の他端中空部１７とパイプ部材１５の端部
とが差し込まれフリクション溶接あるいはプロジェクシ
ョン溶接により接合されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、動力操向装置のラック装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

動力操向装置の中には、例えば図４に示すようなラックピニオン式のものがあ る。ラックピニオン式は、ピニオン１の軸部にコントロールバルブ２が設けられ 、ラック３の軸部にはパワーシリンダ４が設けられ、ラック３のラックギヤ６と ピニオン１とが噛合したものである。エンジンによって駆動されるオイルポンプ から作動油が送られると、運転者の操舵により作動するコントロールバルブ２の 機能によって左，右の操舵方向、操舵速度に応じた油量，油圧が決定され、パワ ーシリンダ４に導かれた作動油によって、操舵出力が倍力される。

【０００３】 ここで、上記ラック３は、図３に示すように略中央部外周にピストン５を備え 、一端側には前記ピニオン１に噛合するラックギヤ６を備えたものであり、ラッ クギヤ６以外の芯部にはガンドリルによる中ぐり加工で中空部７が形成され軽量 化を図っている（ラック装置としては、例えば、実開昭５６−７５０６６号公報 に示されている）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の動力操向装置のラック装置においては、長尺のラッ ク３に中ぐり加工により中空部７を形成する作業に多くの時間を要し、高価なも のとなってしまうという問題があった。

【０００５】 そこで、この考案は、軽量化を図りつつ、安価に製造することができる動力操 向装置のラック装置を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するためにこの考案はラックの長手方向略中央部に設けられた ピストンを境にして、このラックが外面にラックギヤを、中心部に軸方向の貫通 孔を有するラック本体と、パイプ部材とに分割構成され、ピストンの一端にラッ ク本体が取り付けられ、ピストンの他端にはパイプ部材が取り付けられている。

【０００７】

【作用】

パイプ材を用いることで、ラック本体が短くなって、軽量化のための中ぐり加 工が容易になる。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面と共に説明する。尚、従来の構成と同一部分 には同一符号を付して説明する。

【０００９】 図２に示すように、ピニオン１の軸部にはコントロールバルブ２が設けられ、 このコントロールバルブ２が図外のステアリングホイールに接続されている。一 方、ラック３は長手方向略中央部にピストン５を備え、またピニオン１と噛合す るラックギヤ６を一端側に備えている。

【００１０】 上記ピニオン１、コントロールバルブ２及びラック３のラックギヤ６の部分が 、ギヤハウジング８によって覆われている。

【００１１】 ギヤハウジング８には、ラックギヤ６の基部からラック３の他端側を覆いシリ ンダ９の一端が取り付けられ、このシリンダ９及びラック３のピストン５によっ てパワーシリンダ４が構成されている。シリンダ９の外周壁にはピストン５によ って区画された各室に対応する位置に油圧配管のポート１０，１０が設けられて いる。

【００１２】 ラック３の両端（ラック３の他端と、ラック３のラックギヤ６の先端）にはタ イロッド１１が各々支持され、各タイロッド１１の取り付け部の周囲には、ブー ツ１２が設けられている。尚、１３はラック３の外周部に取り付けられたシール 材を示す。

【００１３】 ここで、上記ラック３は、図１に示すように、ラック３の長手方向略中央部に 設けられたピストン５を境にして一端側にラックギヤ６を有するラック本体１４ とパイプ部材１５とに分割構成されている。

【００１４】 ラック本体１４の一端側、即ちラックギヤ６の先端には前述したようにタイロ ッド１１の取り付け部１６が設けられ、ラック本体１４の他端側にはガンドリル で中ぐり加工が施され、ここに貫通孔としての中空部１７が形成されている。

【００１５】 パイプ部材１５は、中空丸棒を素材とし、一端側にタイロッド１１を組み付け るためのネジ部１８が形成されたものである。

【００１６】 ピストン５は外周にピストンシール１９の組付溝２０を有すると共にラック本 体１４とパイプ部材１５との各端部に挿入される軸部２１，２１が各々設けられ たもので、各軸部２１，２１にはパイプ部材１５とラック本体１４との内部を連 通させブーツ１２内のエアーを流通させる孔２２が形成されている。

【００１７】 そして、上記ピストン５の各軸部２１，２１に、ラック本体１４の他端とパイ プ部材１５の他端とが各々挿入され、フリクション溶接あるいはプロジェクショ ン溶接等により固定されている。

【００１８】 上記実施例の構造によれば、ラック３は、芯部が一部、中ぐり加工されたラッ ク本体１４とパイプ部材１５とで構成されているため、ラック３を軽量化するこ とができ、かつ、パイプ部材１５は素材として中空であるため、軽量化を図るた めの加工はラック本体１４の一部のみで良いため、切削加工時間が少なくなり、 中ぐり長が大きかった従来に比較して安価に製造することができる。

【００１９】 したがって、ラックピニオン式のメリットである軽量化を更に進め、かつ、安 価に製造できるのである。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明してきたようにこの考案によれば、パイプ部材を用いることによって ラック本体が短くなり、中ぐり加工長さが短くなって軽量でありながら安価なラ ック装置を提供することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の要部を示す断面図。

【図２】同全体断面説明図。

【図３】従来技術の要部を示す断面図。

【図４】同全体断面説明図。

【符号の説明】

３…ラック、５…ピストン、６…ラックギヤ、１４…ラ
ック本体、１５…パイプ部材、１７…中空部（貫通
孔）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラックの長手方向略中央部に設けられた
   ピストンを境にして、このラックが外面にラックギヤ
   を、中心部に軸方向の貫通孔を有するラック本体とパイ
   プ部材とに分割構成され、ピストンの一端にラック本体
   が、ピストンの他端にはパイプ部材が固定されているこ
   とを特徴とする動力操向装置のラック装置。