JPH0566512U - 縦型真直度測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定穴の全周の任意の位置の真直度測定を容
易に、かつ高精度に行うことの出来る縦型真直度測定装
置を提供する。 【構成】 被測定物を測定穴を垂直にした状態で円テー
ブル上に搭載し、被測定物の測定穴内にミラー付き測定
駒を挿入し、該ミラー付き測定駒を測定穴の内壁に圧接
させながら上下動すると共に円テーブルを回動し、測定
穴の全円周の各部の真直度測定を行う。 【効果】 ミラー付き測定駒を上下動すると共に、円テ
ーブルを回動し、高精度，真直度測定が容易に行われ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば工作機械の主軸台のクイル穴等の円筒穴の真直度をその全円 周範囲にわたって高精度に測定し得る縦型真直度測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

工作機械の主軸台のクイル穴は高精度に仕上げ加工させることが必要である。 クイル穴は真円度および真直度を所定の規格値内に保持されることが必要のため 、加工後に測定が行われる。真円度の測定方法は各種のものがあるが、真直度の 測定装置としてはオートコリメータを用いる方法が従来より採用されていた。従 来一般に採用されている真直度測定装置としては、例えば主軸台を横置きにし、 そのクイル穴に沿ってミラー付きの測定具を走らせてオートコリメータによって 測定するものが採用されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来一般に使用されている真直度測定装置は前記したように被測定物を横置き にして測定を行うため、クイル穴の全円周範囲を測定することが困難で、円周を ４等分した４箇所の真直度を測定してクイル穴の真直度を求めていた。４箇所の 測定を行う場合、その都度主軸台を回動位置決めすることが必要になり、段取り に多くの時間を要すると共に、主軸台をその都度移動せざる得ないため、高精度 の真直度測定に高度の熟練を必要とする問題点があった。また、クイル穴等の円 筒孔の真直度測定はその全周に沿って測定しなければ真の真直度を求めることが 困難であり、その点においても従来の測定装置は不十分なものであった。

【０００４】 本考案は、以上の問題点を解決するもので、測定穴の全円周にわたり高精度の 真直度測定が出来ると共に、測定時間が短縮し得る縦型真直度測定装置を提供す ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の目的を達成するめに、被測定物を搭載して割出し回転すべく 装置の不動側に配設される円テーブルと、前記被測定物の測定穴内に着離可能に 挿入され、その内壁に圧接して軸線方向に移動するミラー付き測定駒と、該測定 駒のミラーと相対向する位置に受光部を有するオートコリメータと、該オートコ リメータを前記被測定物の測定部位に移動すべく装置の不動側に配設される移動 機構部とを設けてなる縦型真直度測定装置を構成するものである。

【０００６】

【作用】

被測定物の測定穴を垂直にし、円テーブル上に搭載する。ミラー付き測定駒を 測定穴の内壁に圧接させると共に、その軸線方向に沿って移動可能に支持する。 また、ミラー付き測定駒のミラー面を上方に向けて配置する。移動機構部に支持 されたオートコリメータの受光部を前記ミラーと相対向する位置に位置決めする 。前記ミラー付き測定駒を測定穴の軸線方向に移動させると共に円テーブルを割 出し回転することにより、測定穴の全周にわたり真直度測定が出来る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。図１は本実施例の真直度測 定装置１の全体構造を示す側面図である。真直度測定装置１は装置の不動側のベ ース台６上に支持されると共に被測定物を搭載する円テーブル２と、被測定物の １つである主軸台７のクイル穴８内に挿入されその内壁９に圧接して配設される ミラー付き測定駒３と、ミラー付き測定駒３のミラー１０と相対向する位置に受 光部１１を有するオートコリメータ４とおよびオートコリメータ４を測定部位に 移動位置決めする移動機構部５等から構成される。なお、移動機構部５はベース 台６上に載置される。

【０００８】 円テーブル２は主軸台７のクイル穴８をその中心に位置決め支持すると共に、 図略の回転駆動部により割出し回転すべく形成される。ミラー付き測定駒３は、 後に説明する押圧手段等により、クイル穴８の内壁９に常時圧接されると共に、 ミラー付き測定駒３に連結するワイヤ１２を往復動させる巻回駆動部１３等によ り、クイル穴８の軸線方向に沿って移動可能に支持される。一方、移動機構部５ は、ベース台６上に載置され、垂直方向に沿って配置されるガイド部材１４と、 ガイド部材１４に摺動自在に支持される移動台１５と、移動台１５上に図１の紙 面直角方向に沿って摺動自在に支持されると共にオートコリメータ４を固定する 支持台１６等から構成される。移動台１５および支持台１６は図略の駆動手段に より駆動され、オートコリメータ４の受光部１１をミラー付き測定駒３のミラー １０と相対向する位置に位置決めすべく構成される。

【０００９】 図２および図３はミラー付き測定駒３およびその周辺部材の詳細構造を示すも のである。ガイドバ１７はクイル穴８よりもやや小径の円筒体からなり、クイル 穴８に着脱可能に挿着される。図３に示すようにガイドバ１７にはミラー付き測 定駒２の嵌まり込む凹溝１８が凹設される。また、図２に示すように、ガイドバ １７にはその軸線方向に沿ってロック用ロッド１９が回動可能に枢支される。ロ ック用ロッド１９には偏心部２０が形成される。また、偏心部２０の形成される 部位にはガイドバ１７の半径方向に沿って移動可能に支持される押圧具２１が摺 動可能に支持される。偏心部２０は押圧具２１を貫通して配置される。また、押 圧具２１はスプリング２２により偏心部２０側に常時押圧される。ロック用ロッ ド１９にはハンドル２３が固定される。以上の構造により、ハンドル２３を回動 すると偏心部２０が押圧具２１を押圧し、ガイドバ１７をクイル穴８側に押圧し てクイル穴８内にガイドバ１７を固定する。一方、図３に示すようにミラー付き 測定駒３は、クイル穴８の内径９に当接係合する接触部２４と、ミラー１０と、 接触部２４の当接係合側と反対側に形成される溝部２５と、溝部２５とガイドバ １７の凹溝１８の底面間に介設されるスプリング２６等からなる。接触部２４は クイル穴８よりも小径のＲ部を有し、クイル穴８の内壁９に点又は線接触する。 この場合、スプリング２６により、接触部２４はクイル穴８の内壁９に常時圧接 する。

【００１０】 次に、本実施例の作用について説明する。まず、凹溝１８内にミラー付き測定 駒３を入れたガイドバ１７をクイル穴８内に挿入する。ハンドル２３を回動し、 偏心部２０で押圧具２１を押圧する。それにより、ガイドバ１７はスプリング２ ２によりミラー付き測定駒３を介してクイル穴８内に固定される。また、ミラー 付き測定駒３は、スプリング２６のスプリング反力によりクイル穴８の内壁９側 に押圧され、その接触部２４を内壁９に圧接する。図１に示す移動台１５および 支持台１６を移動し、オートコリメータ４をミラー付き測定駒３のミラー１０と 相対向する位置に移動すると共に、受光部１１とミラー１０との間隔を所定距離 に調整する。次に、巻回駆動部１３を作動し、ワイヤ１２を往復動させることに より、ミラー付き測定駒３はクイル穴８内を上下動する。クイル内８の真直度は ミラー１０の傾斜角度と相関関係を有するため、ミラー１０の動きをオートコリ メータ４により計測することにより、真直度を測定することが出来る。次に、ク イル穴８からミラー付き測定駒３を引き出し、主軸台７を搭載している円テーブ ル２を回動する。再びミラー付き測定駒３をクイル穴８内に挿入することにより 、クイル穴８の別の円周方向の位置における真直度の測定が出来る。以下、円テ ーブル２を０乃至３６０°の範囲で回動することにより、全円周におけるクイル 穴８の真直度が測定される。

【００１１】 本実施例において、被測定物として主軸台７のクイル穴８を採用したが、それ に限定するものでなく、測定穴はクイル穴８のような円形穴に限定するものでな い。また、ミラー付き測定駒３の形状およびガイドバ１７のロック機構も本実施 例のものに限定するものでない。また、本実施例の作用説明において、円テーブ ル２の回動とワイヤ１２およびミラー付き測定駒３の移動およびオートコリメー タ４の位置測定移動を個々の動作として説明したが、それ等はそれぞれ同期して 自動制御されるものであってもよい。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によれば、次のような効果を上げることが出来る。 （１）ミラー付き測定駒が垂下支持されると共に、被測定物の内壁に圧接係合す べく配設されるため、ミラー付き測定駒を上下するのみ動作で真直度測定が行わ れる。それにより、真直度測定が容易に、かつ高精度に行われる。 （２）被測定物は円テーブル上に載置されるため、円テーブルを回動することに より被測定物の全円周の各位置における真直度測定が簡単に行われる。 （３）円テーブル，ミラー付き測定駒およびオートコリメータを連動することに より、測定時間が短縮され、かつ所望の位置における真直度測定が選択的に、か つ任意に行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体構造を示す側面図であ
る。

【図２】同実施例のミラー付き測定駒およびその周辺構
成要素の詳細構造を説明するための軸断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 真直度測定装置 ２ 円テーブル ３ ミラー付き測定駒 ４ オートコリメータ ５ 移動機構部 ６ ベース台 ７ 主軸台 ８ クイル穴 ９ 内壁 １０ ミラー １１ 受光部 １２ ワイヤ １３ 巻回駆動部 １４ ガイド部材 １５ 移動台 １６ 支持台 １７ ガイドバ １８ 凹溝 １９ ロック用ロッド ２０ 偏心部 ２１ 押圧具 ２２ スプリング ２３ ハンドル ２４ 接触部 ２５ 溝部 ２６ スプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被測定物を搭載して割出し回転すべく装
   置の不動側に配設される円テーブルと、前記被測定物の
   測定穴内に着離可能に挿入され、その内壁に圧接して軸
   線方向に移動するミラー付き測定駒と、該測定駒のミラ
   ーと相対向する位置に受光部を有するオートコリメータ
   と、該オートコリメータを前記被測定物の測定部位に移
   動すべく装置の不動側に配設される移動機構部とを設け
   ることを特徴とする縦型真直度測定装置。