JPH0566220A - 超臨界流体クロマトグラフイと検出器とのインターフエース機構 - Google Patents

超臨界流体クロマトグラフイと検出器とのインターフエース機構

Info

Publication number
JPH0566220A
JPH0566220A JP22794391A JP22794391A JPH0566220A JP H0566220 A JPH0566220 A JP H0566220A JP 22794391 A JP22794391 A JP 22794391A JP 22794391 A JP22794391 A JP 22794391A JP H0566220 A JPH0566220 A JP H0566220A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
gas
detector
supercritical fluid
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22794391A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Takeuchi
誠 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP22794391A priority Critical patent/JPH0566220A/ja
Publication of JPH0566220A publication Critical patent/JPH0566220A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 気液の分離を完璧にした上で有効利用液量と
廃液量の割合において有効利用液を極力多くするように
工夫したSFCと低圧で動作する検出器とのインターフ
ェース機構を提供する。 【構成】 超臨界流体クロマトグラフィと低圧で動作す
る検出器とのインターフェース機構において、超臨界流
体クロマトグラフィの流路内の圧力を一定に保ち流路に
試料の良溶媒を導入する開口を有する定圧リリース弁1
と、その出力流路に設け気液混合体から気体成分と余剰
の液体成分を分離するための逆円錐型の分離容器31を
有するスプリッター2とからなり、該容器31の逆円錐
の最上端に前記定圧リリース弁1から気液混合体を導入
して円周壁面に沿って放出する第1の管体32と前記円
錐の底部に挿入され分離液を導出する第2の管体33と
前記円錐の中間に挿入され気体成分と余剰の液体成分を
排出する第3の管体34とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超臨界流体クロマトグラ
フィと例えば質量分析装置のような分析装置をオンライ
ンで連結する場合に両者の間に介在させるインターフェ
ース機構に関し、特に、超臨界流体クロマトグラフィか
ら出力される溶離流体の大部分をしめるCO2 を除い
て、分析試料成分を質量分析装置へ効率的に導くための
インターフェース機構に関する。
【0002】
【従来の技術】超臨界流体クロマトグラフィ(Supercri
tical Fluid Chromatography。以下、SFCと呼ぶ。)
は、常温常圧で気体であるような流体(例えば、C
2 )をその流体固有の物性値である臨界温度(CO2
の場合、31.4℃)並びに臨界圧力(CO2 の場合、
71kg/cm2)以上に保ち、高密度でありながら低粘性、
高拡散性という特徴を活かして行うクロマトグラフィで
あり、従来法であるガスクロマトグラフィ(GC)や液
体クロマトグラフィ(LC)にない特徴を持つ有効な分
離分析手段として注目されている。
【0003】このために、分離成分の検出までは、少く
とも状態維持のためにSFCの背圧を一定値以上に保た
ねばならない。背圧を得る手段としては、検出器の出口
流路に抵抗(カラムやリストリクター)を直列に結合す
ることがよく行われる。しかし、この方法は分析系に流
す溶離流体(Eluent)の流量に依存する。溶離流体の流
量とは独立に背圧を制御する方法として、定圧リリース
弁を用いる方法がある。超臨界流体クロマトグラフィに
用いる定圧リリース弁としては、本願発明者の一人によ
ってすでに特願平1−11558号において提案されて
いる。
【0004】さて、SFCの検出器として、紫外・可視
分光検出器を用いる場合、分離成分は変質したり消耗し
たりすることがないために、検出後に単離成分を回収す
ることができる。ところで、超臨界流体が被分析試料
(溶質)の良溶媒であっても、圧力が解放されると密度
が低下し、一般に溶質は元の状態に戻る。すなわち、粘
稠な液体か固体となる。超臨界流体がCO2 とモディフ
ァイヤと呼ばれる有機溶媒の混合体からなるときは、圧
力が解放されると、出口が大気に開放されている場合
は、CO2 は気化して逸散し、モディファイヤが溶質と
共に残される。モディファイヤが溶質の良溶媒であれ
ば、溶質はモディファイヤ溶液となり、流路出口から速
やかに流出する。しかし、もしモディファイヤが溶質の
良溶媒でない時は、粘稠な液体又は固体の溶質が流路を
塞ぐことになる結果、背圧が変化し、定圧リリース弁の
動作が不安定となる。このような場合、定圧リリース弁
の圧力解放端に溶質の良溶媒を常時供給しておくことに
より、安定動作を得ることができる。このような目的で
なされた工夫が、本出願人によってすでに特願平2−1
11561号により提案されている。
【0005】以上述べたように、SFCにおいて、分離
された成分を速やかに流系外へ流出させることは、分取
を目的とした背圧制御機構が備えなければならない最低
の要件である。
【0006】さらに、高能率な分取を可能にするための
背圧制御機構の要件としては、リリース弁の内容積はで
きるだけ少容量であること、前流出分と後流出分が混合
を起すことのない構造で、漏れなく全て回収できるこ
と、という要件をも満さねばならない。しかも、圧力制
御は、50μl/min ないし500μl/min という流
量範囲で、設定値の±0.5kg/cm2 という精度を数10
分間保つという性能を実現することも要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超臨界流体
クロマトグラフィにおいて分離成分を検出する手段は高
圧の容器を用いる必要があり、従来液体クロマトグラフ
ィで用いられてきた検出器をそのまま用いることができ
ない。一方CO2 は非燃性流体であるため、ガスクロマ
トグラフィで用いられる水素炎イオン検出器(FID)
を用いることができる。
【0008】しかしCO2 は極性が不充分であり、極性
の高い試料や高分子量物を溶出させることができない。
そこでCO2 に極性有機溶媒を混合した流体を用いる方
法がとられるが、この場合バックグラウンを生ずるた
め、もはやFIDを用いることができない。
【0009】本出願人は、CO2 と有極溶媒の混合流体
で行う超臨界流体クロマトグラフィの分離成分を低圧で
作動する種々の検出器を用いて検出する手段の一つの試
みとして既に先願(特願平2ー174859号)を提案
している。この基本的動作概念を説明するための断面図
を示したのが図3であり、その概要は、温度制御と溶媒
洗い出し機構を備えたデッドボリウムの極めて小さい圧
力リリース弁の出口に内径0.5〜0.8mmのステン
レススチール管41を配置し、このステンレススチール
管41内に内径50〜60μmの溶融石英管(キャピラ
リー)42を配置したものである。そして、その先端を
ステンレススチール管41の内壁に押しつけ、圧力リリ
ース弁の出口から出てくる気化したCO2 と種々の溶媒
の混合したミストから局在化した液流となし、この液の
一部を溶融石英管42内に導くようにしたものである。
なお、43は排出パイプ、44は制御弁、45ボトル、
46はT字金具、47は押さえネジ、48はシールであ
る。
【0010】ところで、SFCの背圧制御機構から流出
する成分は、体積比で最大の気化したCO2 と、その次
に多い溶質洗い出し用の第2の有機溶媒と、さらにSF
Cの分離に用いたモディファイヤとしての有機溶媒と、
そして最後に分析対象である試料の成分とが混在してい
る。検出器に対しては、これらの混合流体からCO2
除いた分析対象試料成分とマトリックス(グリセリン)
のみを、できるだけ高濃度で導くようにしなければなら
ない。SFCの検出器としてフリットFABMSを使用
する場合についてだけでなく、その他、示差屈折計、F
T−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)、NMR(核
磁気共鳴装置)あるいはESR(電子スピン共鳴装置)
などを検出器として使用する場合にも、気化した多量の
CO2 が、それも気液が混合した状態で存在すると、検
出に悪影響が出ることは避けられない。
【0011】しかし、上記の方法では、体積比で1万分
の1、気化したCO2 ガスを除いた液体にして100分
の1を利用しているにすぎない。この分割比は、液体と
気体の分離は極力完璧に、そして液としての分割比は極
力全量有効に使用したいわけであるが、CO2 に少量の
モデイファイヤ(例えばCH3 OH)を加えたもので、
圧力開放弁の洗い出し溶媒(例えばテトラヒドロフラ
ン:T.H.F)を用いてSFCを行うとき、その溶媒
T.H.Fの量を150〜400マイクロリットル毎分
以下にすると、キャピラリー中にガスの混入が避けられ
ない。
【0012】本発明は、上記の課題を解決したものであ
って、気液の分離を完璧にした上で有効利用液量と廃液
量の割合において有効利用液を極力多くするように工夫
したSFCと低圧で動作する検出器とのインターフェー
ス機構を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の超臨界流体クロマトグラフィと検出器とのインター
フェース機構は、超臨界流体クロマトグラフィと低圧で
動作する検出器とのインターフェース機構において、超
臨界流体クロマトグラフィの流路内の圧力を一定に保ち
流路に試料の良溶媒を導入する開口を有する定圧リリー
ス弁と、その出力流路に設け気液混合体から気体成分と
余剰の液体成分を分離するための逆円錐型の分離容器を
有するスプリッターとからなり、該容器の円錐の最上端
に前記定圧リリース弁から気液混合体を導入して円周壁
面に沿って放出する第1の管体と前記円錐の底部に挿入
され分離液を導出する第2の管体と前記円錐の中間に挿
入され気体成分と余剰の液体成分を排出する第3の管体
とを設けたことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明の超臨界流体クロマトグラフィと検出器
とのインターフェース機構では、超臨界流体クロマトグ
ラフィの流路内の圧力を一定に保ち流路に試料の良溶媒
を導入する開口を有する定圧リリース弁と、その出力流
路に設け気液混合体から気体成分と余剰の液体成分を分
離するための逆円錐型の分離容器を有するスプリッター
とからなるので、定圧リリース弁の流路が溶質によって
詰まることがなく、超臨界流体クロマトグラフィからの
溶離流体からCO2 を分離して試料の濃度を上げ、デッ
ドボリュームを少なくすることができる。また、該容器
の円錐の最上端に前記定圧リリース弁から気液混合体を
導入して円周壁面に沿って放出する第1の管体と前記円
錐の底部に挿入され分離液を導出する第2の管体と前記
円錐の中間に挿入され気体成分と余剰の液体成分を排出
する第3の管体とを設けるので、気体と液体の密度差を
利用して気液分離を行うことができ、液の有効利用率を
高めることができる。また、所定の一定流量で、超臨界
流体クロマトグラフィにより展開され良媒質が加えられ
た試料を検出器にオンラインで送り込むことができ、高
感度で安定した動作の超臨界流体クロマトグラフィと検
出器を結合した複合分析装置を実現することができる。
【0015】
【実施例】次に、添付の図面を参照して、本発明の実施
例について説明する。第1図は本発明による超臨界流体
クロマトグラフィと検出器とのインターフェース機構の
断面図である。
【0016】本発明のインターフェース機構は、主とし
て定圧リリース弁1とスプリッター2とからなってお
り、まず、定圧リリース弁1の構成を説明すると、第1
図において、7a、7b、7cは定圧リリース弁1を構
成する第1、第2及び第3の弁本体であり、各弁本体は
順次積み重ねられた状態で数本のボルト23により一体
化される。
【0017】前記第1の弁本体7aの下面中央部から下
方に先端が鏡面仕上げされた平面状の弁座24が一体に
突出して設けられており、この弁座の略中心部には流入
口12が形成され、この流入口12はパイプ3を介して
SFCのUV検出器の出口に接続されている。
【0018】前記第2の弁本体7bの中心部には弁座2
4が挿入される穴25が形成されていると共に、その側
壁の弁座24の先端位置にこの穴25を介して前記流入
口12に連通する排出口13が設けてあり、排出口13
はパイプ5を介して後記するスプリッター2へ接続され
ている。また、穴25には前記流入口12と排出口13
とを遮断するための棒状の弁体14が摺動可能で挿入さ
れている。この弁体の上端面、つまり前記弁座24と対
向する面にはリング状の突起が設けられ、その突起の上
面は平面状で弁座と同様に鏡面仕上げされ、この上面が
弁座24に密接するように構成されている。前記弁体1
4の長さは前記第2の弁体7bに形成した穴25の下面
と排出口13の間の長さと略同一の長さに形成されてい
る。
【0019】前記第3の弁本体7cの内部には前記弁体
14を弁座24に押圧するためのピストン16が設けら
れており、このピストン16と前記弁体14との接続部
分には円盤状で可撓性を持つ薄膜18(ダイヤフラム)
が介在されている。また、この薄膜18は、その縁部分
が第2、第3の弁本体7bと7cとの接続間に挟持、固
定され、さらに、弁体14部と大気間のシール部材の役
目を果たしている。
【0020】前記ピストン16の下端には枢軸27の回
りで回転可能なL字状アーム26の一方のアーム部に接
触しており、L字状アーム26の他方のアーム部にはス
プリング17の一端が係合し、スプリング17の他端は
圧力調整ネジ19に当接している。弁本体7bの排出口
13と同じ高さで排出口13に対向する位置には穴25
に連通するマトリックス含有有機溶媒導入孔20が設け
てあり、その他端は、パイプ4を介して専用ポンプを備
えるか加圧された溶媒リザーバーに接続されている。
【0021】前記有機溶媒としては、常温において分析
試料を良く溶かす溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジ
クロロメタンやアセトンのような有機溶媒が使用され、
マトリックスとしてはグリセリン、ニトロベンジルアル
コール等が用いられる。
【0022】なお、前記第1、第2の弁本体7aと7b
との接続部分には気密用の金属ガスケット22が設置し
てある。また、第1と第2の弁本体7aと7bとを一体
に形成した場合にはこのガスケットは不要となる。さら
に、薄膜18やガスケット22の材料としては、超臨界
流体クロマトグラフィで使用される超臨界流体に対して
不活性な材質、例えばステンレス(SUS316(JI
S))などを使用する必要がある。
【0023】また、パイプ3、4、5は、何れも外径が
1/16インチのステンレスパイプ(例えば、SUS3
16(JIS))でできており、パイプ3は内径0.1
mm、パイプ4、5は内径0.5ないし0.8mmである。
これらのパイプ3、4、5は液体クロマトグラフィでは
標準的に使用されているパイプであり、図に示したよう
に、フェラル6と押さえネジ8で弁本体7a、7bに固
定され、液体、気体の漏れが生じないようになってい
る。
【0024】また、パイプ3の先端が接する弁座24
は、ポリイミド等のエンジニヤリングプラスチックでで
きており、先に示した弁体14と接する部分はリリース
弁1の動作性能を支配する最も重要な部分であり、両端
面が正確に接し、一定の圧力以下では、液もガスも漏れ
ない程度に平面度と面粗さか極めて高レベル(鐘面仕上
げ)になっている。
【0025】さらに、弁体14及びピストン16は円柱
状に形成されており、上下方向への動きに対して摩擦が
極力小さく、しかしながら、薄膜18面に対して直角度
を保ったまま傾くことのないように、穴25にぴったり
嵌まり、かつ、スムーズに動くように仕上げられてい
る。
【0026】さらに、リリース弁1本体部が取り付けら
れる部材は、アルミニューム等の熱伝導度の高い金属厚
板にて構成され、この厚板にはブロックヒータ(又は、
セラミックビター)28とサーミスター、熱電対等の温
度センサー29が埋め込まれている。これらは、定圧リ
リース弁1で超臨界流体の圧力が解放されて液状二酸化
炭素が断熱膨張して周囲が冷却され、流体の粘度が高ま
るのを防止するために、リリース弁1の温度を所定の温
度に制御するためのものである。
【0027】このような定圧リリース弁1において、い
まスプリング17に圧力調整ネジ19を操作することに
より超臨界流体クロマトグラフィ流系内を流れる移動相
の所望の圧力に応じた力F1が加えられ、それによって
弁体14は弁座24に密接し、流入口12と排出口13
とは遮断されている。そして、超臨界流体クロマトグラ
フィの稼働により、移動相の圧力による力F2がスプリ
ング17とアーム26による力F1と等しくなると、弁
体14がスプリング17の押圧力に抗して下方に移動す
るため、弁座24と弁体14間に所望の隙間が形成され
る。その結果、流入口12からの移動相は前記弁座24
と弁体14間の隙間を通って排出口13よりリリースさ
れるため、移動相の圧力は所定の一定圧力に保たれる。
【0028】一方、弁座24と弁体14間の隙間には導
入孔20を介してグリセリン等のマトリックスを含み試
料を良く溶かす溶媒が専用ポンプを備えるか加圧された
溶媒リザーバーから連続して導入されている。そのた
め、移動相が弁座24と弁体14間の隙間を通過する際
圧力が降下して試料が析出されても、その析出した試料
は前記良溶媒に溶解されながらこの溶媒と共に排出口1
3から外部へ排出される。その結果、析出した試料が第
2の弁本体と弁体間に溜まって詰まることがなくなり、
安定した背圧が得られる。しかも、同時にFAB用のイ
オン化マトリックスを分析試料に効率的に導入すること
ができる。
【0029】次に、定圧リリース弁1の排出口13から
パイプ5を経て出てくる溶離流体から気化したCO2
除いて試料の濃度を上げる機能(エンリッチャー機能)
を持ち、かつ、ガスと余剰の液を取り除いて検出器35
に分析試料を供給するスプリッター2について説明す
る。
【0030】スプリッター2は、底が逆円錐状(すり鉢
状)になった透明ガラス容器からなり温度コントローラ
40によって温度調整された気液分離器31にステンレ
ススチール製のキャピラリー(32〜34)が3本挿入
されている。そのうちの一つのキャピラリーが圧力リリ
ース弁(SFCのoutーlet)1から導かれる導入
管32であり、その先端は、気液分離器31の管壁に沿
って曲げられ円錐の最上端に位置し、その出口から圧力
が解放され気化したCOと試料を含む有機溶媒の混合し
たミストが管壁に沿って円周方向に放出されるようにな
っている。他の一つのキャピラリーは、その先端が円錐
の底部に挿入される液導管33であり、この部分に溜ま
る液を検出器35に導くために用いられる。そして、他
の一つのキャピラリーは、円錐の中間に先端がくるよう
に設けられる廃液ガス導管34であり、ガスと余剰の液
が廃ガス指示器38を介して排出される。
【0031】検出器35の出口には、背圧を与えるため
抵抗管39が設けられ、これによってセル内の気泡発生
を防止している。また、分離器容器31から廃ガス指示
器38に至る廃液ガス導管34の途中には、圧力計37
と流量調節ニードル弁36が設けられ、気液分離器の動
作圧を圧力計37でモニターし、排出流系を流量調節ニ
ードル弁36でコントロールすることによって、動作条
件を制御することができるようにしている。
【0032】本発明の超臨界流体クロマトグラフィと検
出器とのインターフェース機構では、スプリッター2を
上記の構成とすることにより、気体と液体の密度差を利
用して分離するため、液体の有効利用率を大きくするこ
とができ、50%を越える利用率を実現することができ
る。
【0033】すなわち、気化したCO2 と液がミストと
して導入管32から気液分離器31内に放出(噴出)さ
れると、気液分離器31の壁面に沿って円周方向に回転
しながら凝集し(サイクロンの原理で)、密度差に応じ
て速やかに気液の分離が生じ、分離した液が逆円錐の底
部に溜まる。したがって、液導管33は、その先端が円
錐の底部に挿入されているので、逆円錐の底部より液だ
けを低圧作動の検出器35に導くことができる。
【0034】ここで、気液分離器31の内圧は、逆円錐
の底部に溜まった液を押し上げて液導管33から検出器
35へ導くと共に、常に一定の液が逆円錐の底部に溜ま
るように適当な圧力に調整される。つまり、内圧が高す
ぎると、逆円錐の底部に溜まる液の量が減るため、液導
管33から検出器35へ導く液にガスが混入することに
なるので、内圧の保持には微妙なコントロールが必要と
される。この調整がうまく行えれば1対1の割合まで高
めて液を液導管33から検出器35へ導くことも可能で
ある。むしろ液導管33から導く液にガスが混入しない
ようにするためには、廃液ガス導管34から若干の液が
流出する程度に内圧を調整することが必要である。
【0035】このような動作状況は、気液分離器31に
透明容器を用いるので目視でき、圧力計37で内圧モニ
ターができる。さらに、この内圧モニターの結果に基づ
いて流量調節ニードル弁36で排出流量を制御すること
によって内圧のコントロールを行うことができ、デッド
ボリュウムを少なく保ちつつ気液分離を実現することが
できる。
【0036】図2は本発明の超臨界流体クロマトグラフ
ィと検出器とのインターフェース機構の他の実施例を示
す図である。この実施例は、図1の液導管33に代えて
液導管33′を気液分離器31の逆円錐の底部から抜く
ように設けたものであり、また、気液分離器31の内圧
は、廃ガス指示器38のガス抜き側とドレイン側に設け
たバルブで行うように構成したものである。この場合の
内圧コントロールは、それぞれのバルブの流量、液面レ
ベルの調整によって行うことができる。
【0037】以上のようにして、定圧リリース弁1にお
いて、SFCの移動相の圧力が一定に保たれると共に、
パイプ4を通してイオン化マトリックスを含む良溶媒が
溶離流体に加えられてパイプ5を経て出てくる。そし
て、パイプ5に直結したスプリッター2において、この
溶離流体から気化したCO2 を除いて試料の濃度を上
げ、余分の液体を取り除いて一定の割合でイオン化マト
リックスを含む分析試料を検出器に供給することができ
る。
【0038】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形が可能である。例えば多波数
同時検出UV(紫外吸収検出器)、RI(比屈折計)、
蛍光検出器、MS(質量分析計)、FT−IR(フーリ
エ変換赤外分光光度計)、NMR(核磁気共鳴装置)あ
るいはESR(電子スピン共鳴装置)等の分析装置とオ
ンラインで結合できる。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、逆円錐状の気液分離器でサイクロンの原理を利用し
て気液分離を行い、底部に溜まった液だけを細管で検出
器に導くので、デッドボリュウムを少なく保ちつつ気液
分離を実現できる。しかも、気体と液体の密度差を利用
するため、液の有効利用率を大きくし、50%に近い利
用率を実現できる。また、気液分離器からガスと余剰の
液を廃液ガス導管34で排出するので、この排出系で内
圧モニター、内圧コントロールを行うことにより簡単に
動作条件をコントロールすることができる。さらに、気
液分離器として、透明の容器を用いることにより、動作
状況を目視できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による超臨界流体クロマトグラフィと
検出器とのインターフェース機構の1実施例を示す断面
図である。
【図2】 本発明の超臨界流体クロマトグラフィと検出
器とのインターフェース機構の他の実施例を示す断面図
である。
【図3】 従来の超臨界流体クロマトグラフィのインタ
ーフェース機構の断面部である。
【符号の説明】
1…定圧リリース弁、2…スプリッター、3、4、5…
パイプ、6…フェラル、7a…第1弁本体、7b…第2
弁本体、7c…第3弁本体、8…押さえネジ、12…流
入口、13…排出口、14…弁体、16…ピストン、1
7…スプリング、18…薄膜、19…圧力調整ネジ、2
0…マトリックス含有有機溶媒導入孔、22…金属ガス
ケット、23…ボルト、24…弁座、25…穴、26…
L字状アーム、27…枢軸、28…ブロックヒータ、2
9…温度センサー、31…分離器容器、32…導入管、
33…液導管、34…廃液ガス導管、35…低圧作動検
出器、36…流量調節ニードル弁、37…圧力計、38
…廃ガス指示器、39…負荷抵抗管、40…温度コント
ローラー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界流体クロマトグラフィと低圧で動
    作する検出器とのインターフェース機構において、超臨
    界流体クロマトグラフィの流路内の圧力を一定に保ち流
    路に試料の良溶媒を導入する開口を有する定圧リリース
    弁と、その出力流路に設け気液混合体から気体成分と余
    剰の液体成分を分離するための逆円錐型の分離容器を有
    するスプリッターとからなり、該容器の円錐の最上端に
    前記定圧リリース弁から気液混合体を導入して円周壁面
    に沿って放出する第1の管体と前記円錐の底部に挿入さ
    れ分離液を導出する第2の管体と前記円錐の中間に挿入
    され気体成分と余剰の液体成分を排出する第3の管体と
    を設けたことを特徴とする超臨界流体クロマトグラフィ
    と検出器とのインターフェース機構。
JP22794391A 1991-09-09 1991-09-09 超臨界流体クロマトグラフイと検出器とのインターフエース機構 Pending JPH0566220A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22794391A JPH0566220A (ja) 1991-09-09 1991-09-09 超臨界流体クロマトグラフイと検出器とのインターフエース機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22794391A JPH0566220A (ja) 1991-09-09 1991-09-09 超臨界流体クロマトグラフイと検出器とのインターフエース機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0566220A true JPH0566220A (ja) 1993-03-19

Family

ID=16868713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22794391A Pending JPH0566220A (ja) 1991-09-09 1991-09-09 超臨界流体クロマトグラフイと検出器とのインターフエース機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0566220A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016042618A1 (ja) * 2014-09-17 2016-03-24 株式会社島津製作所 気液分離器及び超臨界流体装置
CN107635633A (zh) * 2015-03-25 2018-01-26 威立雅水务技术支持公司 从液体汽提气体的脱气装置和方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016042618A1 (ja) * 2014-09-17 2016-03-24 株式会社島津製作所 気液分離器及び超臨界流体装置
JPWO2016042618A1 (ja) * 2014-09-17 2017-05-25 株式会社島津製作所 気液分離器及び超臨界流体装置
US10585076B2 (en) 2014-09-17 2020-03-10 Shimadzu Corporation Gas-liquid separator and super-critical fluid device
US11226317B2 (en) 2014-09-17 2022-01-18 Shimadzu Corporation Gas-liquid separator and super-critical fluid device
CN107635633A (zh) * 2015-03-25 2018-01-26 威立雅水务技术支持公司 从液体汽提气体的脱气装置和方法
CN107635633B (zh) * 2015-03-25 2020-06-12 威立雅水务技术支持公司 从液体汽提气体的脱气装置和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11226317B2 (en) Gas-liquid separator and super-critical fluid device
Engelhardt High performance liquid chromatography
US5151178A (en) Axially-driven valve controlled trapping assembly
US20110113866A1 (en) Microengineered Supercritical Fluid Chromatography System
US4187177A (en) Column for high pressure liquid chromatography
US4962042A (en) Method for on-column injection gas chromatography
US5009778A (en) Axially-driven valve controlled fluid trapping assembly
US5178767A (en) Axially-driven valve controlled trapping assembly
WO2014083639A1 (ja) 超臨界流体処理装置
EP0387408B1 (en) Trapping assembly
US9921191B2 (en) Gas chromatographic (GC) unit, scalable GC systems using same, and related methods
US20180164260A1 (en) Chip-Scale Gas Chromatography
US8210026B2 (en) System for integrated backflush in a gas chromatograph
JPH0566220A (ja) 超臨界流体クロマトグラフイと検出器とのインターフエース機構
JP6094679B2 (ja) 圧力制御バルブ及び超臨界流体クロマトグラフ
SE460522B (sv) Anordning och saett foer aastadkommmande av mottryck i en fraan en detektorcell kommande elueringsloesning i ett vaetskekromatografiskt system
JP3026445B2 (ja) トラップ装置と高圧流体をクロマトグラフのカラムへ供給する方法
Takeuchi et al. Instrumentation for fast micro high-performance liquid chromatography
Janssen et al. Flow rate control in pressure‐programmed capillary supercritical fluid chromatography
JP2526244B2 (ja) クロマトグラフイ−分析方法
JP2784681B2 (ja) 超臨界流体クロマトグラフィー用背圧制御装置
JPH0464055A (ja) 超臨界流体クロマトグラフィー―分析装置用インターフェース機構
JPH04240563A (ja) 超臨界流体クロマトグラフィ装置と第2の分析装置を結合するためのインタフェース機構
SU1122965A1 (ru) Способ хроматографического анализа смесей веществ и устройство дл его осуществлени
EP2626697B1 (en) Liquid chromatography device

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19991221