JPH0566031A - 氷蓄熱槽及び氷蓄熱槽による蓄氷方法 - Google Patents

氷蓄熱槽及び氷蓄熱槽による蓄氷方法

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JPH0566031A
JPH0566031A JP3049958A JP4995891A JPH0566031A JP H0566031 A JPH0566031 A JP H0566031A JP 3049958 A JP3049958 A JP 3049958A JP 4995891 A JP4995891 A JP 4995891A JP H0566031 A JPH0566031 A JP H0566031A
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JP
Japan
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ice
heat
heat exchanger
storage tank
pipe
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Withdrawn
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JP3049958A
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English (en)
Inventor
Teruo Kinoshita
輝雄 木下
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Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒートポンプを利用した空調システムの冷房
用熱源として使用可能なもので、短時間で効率よく氷を
蓄えることができ、さらに、他の熱交換器と関連的に作
動させることにより消費電力を大幅に削減して省エネル
ギー的な冷房を行なうことができる氷蓄熱槽を提供する
ことを目的とする。 【構成】 水を供給した槽内部に熱交換器を配設し、熱
交換器への熱媒体の可逆的な循環により前記熱交換器を
放熱作動若しくは吸熱作動させて製氷を行ない、前記槽
内部に氷を蓄える氷蓄熱槽である。そして、この氷蓄熱
槽に配設された熱交換器は、内部を前記熱媒体が可逆的
に循環する配管と、この配管の外周に設けられて配管外
周面を長さ方向及び円周方向に分割するフィンとから構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒートポンプシステム
における冷房用熱源として稼働可能な氷蓄熱槽及び氷蓄
熱槽による蓄氷方法に関し、水を供給した槽内部に熱交
換器が配設され、この熱交換器への熱媒体の可逆的な循
環により製氷を行ない、槽内部に氷を蓄えるものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒートポンプを利用した空調システム
は、暖房、冷房、除湿等の種々の機能が備えられたもの
として広く普及されてきており、現在の住宅設備におい
ては必須の設備になりつつある。
【0003】一般的な空調システムの具体的構成として
は、屋外に設置された熱交換器と、室内に設置された熱
交換器との間にて熱媒体を圧縮機によって可逆的に循環
させ、室内の熱交換器を放熱器若しくは吸熱器として作
動させることにより室内の空気を加温若しくは冷却する
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ヒ
ートポンプを利用した空調システムにも、改善すべき点
がある。
【0005】すなわち、夏期の昼間等においては、外気
温度の上昇に伴い屋外に設置された熱交換器の冷房能力
が低下しやすく、それにより室内の快適さを維持するた
めに、多大な電力を消費して空調システムを作動させな
ければならないのが現状であった。
【0006】したがって、従来のヒートポンプを利用し
た空調システムにおいては、省エネルギーの面、及び電
力消費の面で問題があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ヒートポンプを利用した空調システムの冷房用熱源
として使用可能な氷蓄熱槽及び氷蓄熱槽による蓄氷方法
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に
記載の氷蓄熱槽は、水を供給した槽内部に熱交換器を配
設し、熱交換器への熱媒体の可逆的な循環により熱交換
器を放熱作動若しくは吸熱作動させて製氷を行ない、前
記槽内部に氷を蓄える氷蓄熱槽であって、氷蓄熱槽に配
設された熱交換器が、内部を熱媒体が可逆的に循環する
配管と、この配管の外周に接して設けられて配管外周面
を長さ方向及び円周方向に分割するフィンとから構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2に記載の氷蓄熱槽による蓄
氷方法は、水を供給した槽内部に、内部を熱媒体が可逆
的に循環する金属管と、この配管の外周に接して設けら
れて配管外周面を長さ方向及び円周方向に分割するフィ
ンとから構成される熱交換器を配設しておき、熱交換器
を吸熱作動することによりその表面に氷を形成する製氷
工程と、熱交換器を放熱作動することによりその表面か
ら氷を分離する氷分離工程とを具備してなり、製氷工程
と氷分離工程とを繰り返し行なうことを特徴とするもの
である。
【0010】
【作用】本発明の氷蓄熱槽による製氷工程は、熱交換器
を吸熱器として作動させることにより、先ず、配管の外
周に氷が形成されていき、次に、配管と接しているフィ
ンの端部表面から徐々に氷が形成されていき、短時間で
熱交換器の表面に所定厚さの氷が形成される。
【0011】また、氷分離工程は、熱交換器を放熱器と
して作動させることにより、先ず、配管が加温され、次
にフィンに配管から熱が伝わっていき、それによりフィ
ンの表面に形成されている氷が剥離していく。そして、
フィンから剥離した氷は、氷片として氷蓄熱槽の上部に
浮上していき槽内部に蓄えられる。
【0012】このように、製氷工程と、氷分離工程とを
繰り返し行うことにより、短時間で効率よく所定容積の
氷が蓄えられる。
【0013】また、氷を蓄えた冷熱熱源としての氷蓄熱
槽を、他の熱交換器と関連的に作動させることにより、
他の熱交換器で蒸発した熱媒体は、氷蓄熱槽の放熱作動
を行なう熱交換器に送り込まれ、氷蓄熱槽の内部で高効
率に凝縮、液化される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、第1図ない
し第3図を参照して説明する。本実施例の氷蓄熱槽の特
徴は、例えば深夜電力を利用して、氷蓄熱槽内部に配設
された熱交換器の吸放熱作動を繰り返すことにより製氷
を行ない、かつ形成された氷を槽内部に蓄える作動(以
下、蓄氷作動と略称する。)が行なえるとともに、昼間
等において、室内側の熱交換器から送られてきた熱媒体
を、蓄氷された槽内部に送り込んで凝縮液化させて再度
他の熱交換器に送り込む冷房熱源としての作動(以下、
冷房作動と略称する。)が行なえることである。
【0015】第3図は、本発明の氷蓄熱槽が組み込まれ
たヒートポンプ式の空調装置の実施例を示すものであ
る。
【0016】先ず、本空調装置の全体的な基本構成から
説明する。
【0017】本構成は、圧縮機1と、熱交換器2、3、
4、5と、膨張弁6と、分流器7と、複数の第1及び第
2の制御弁8、9とを備え、前記圧縮機1の吐出配管1
aに、それぞれ第1の制御弁8と熱交換器2、3、4、
5と膨張弁6とが直列に接続された複数の連結配管A、
B、C、Dを接続するとともに、これら連結配管A、
B、C、Dの膨張弁6側を分流器7に接続し、さらに前
記各連結配管A、B、C、Dの第1の制御弁8と熱交換
器2、3、4、5との間から第2の制御弁9を備えた分
流配管E、F、G、Hを分岐させて圧縮機1の吸入配管
1bに接続してなる基本構成となっている。
【0018】そして、本実施例では、熱交換器2、3、
4、5のうち、熱交換器2が室外に設置され、熱交換器
3が室内の空調機に納まり、熱交換器4が水(貯湯水)を
貯湯した貯湯槽10の内部に設置され、さらに熱交換器
5が水を貯蓄した氷蓄熱槽20の内部に設置されてい
る。ここで、氷蓄熱槽20内の水には、防錆剤や不凍液
などを溶かしてもよい。
【0019】次に、本実施例の構成要素について具体的
に説明する。
【0020】先ず、圧縮機1は、インバータ15の制御
により所定の周波数で回転し、アキュムレータ11から
送られてきた熱媒体を圧縮して、第3図上方から下方へ
矢印方向に圧送するものである。この圧縮機1から吐出
した熱媒体は、第1及び第2の制御弁8、9の関連的な
切り替え制御によって、熱交換器2、3、4、5を選択
的に通過するようになっている。
【0021】次に、室外に設置された熱交換器2は、内
部を通る熱媒体と外気との間で熱交換が行われて吸熱器
又は放熱器として使用されるものである。
【0022】また、室内に設置された熱交換器3は、フ
ィン付きの配管等により室内空気と接触面積が大きくな
るように形成されて放熱器又は吸熱器として使用される
ものであり、膨張弁6によりその放熱量及び吸熱量が調
整されるようになっている。
【0023】また、貯湯槽10の内部に配設された熱交
換器4は、上記熱交換器2、3と同様にフィン付きの蛇
管等により蓄熱媒体と接触面積が大きくなるように形成
されていてもよく放熱器及び吸熱器として使用されるも
のであり、第1及び第2の制御弁8,9の切り替え及び
膨張弁6により、その放熱量及び吸熱量が調整されるよ
うになっている。
【0024】また、膨張弁6は、電子式のものが用いら
れており、熱交換器2,3,4,5を通過してきた熱媒体
を狭い通路を通して圧力を下降させる作用をもつもの
で、漸次自動的に弁の開度を調整する。
【0025】また、分流器7は、各連結配管A、B、
C、Dの一端が接続されており、放熱器として作動する
熱交換器を通過してきた熱媒体を、吸熱器として作動す
る熱交換器に向けて流す構成となっている。
【0026】また、第1及び第2の制御弁8,9として
は、弁開度を連続的に変更し得る流量制御弁などを用い
ることもできる。
【0027】一方、氷蓄熱槽20の内部に配設された熱
交換器5は、図1ないし図2に示すような構造とされて
いる。
【0028】熱交換器5は、図1に示すように、断熱材
21により周囲が囲まれた氷蓄熱槽20内部の上部から
下方へ延びる蛇行した一本の熱交換配管22と、この熱
交換配管22から分流器23により分岐して互いに平行
に延び、かつ氷蓄熱槽20の底部に水平配置された複数
の直線状の熱交換配管24と、これら複数の熱交換配管
24を収束する分流器23とから概略構成されている。
そして、この熱交換器5は、氷蓄熱槽20の外部へ延在
する外部配管と連結されている。なお、熱交換配管24
を立てて配置してもよく、この場合、リング状フィン2
7の下側の面を円錐状に形成しておく。
【0029】そして、これら熱交換配管24は、図2に
示すように、熱媒体を循環させる銅管25と、幅方向の
一端が銅管25の外周に接して銅管25の軸方向に沿っ
て延び、かつ互いに銅管25の径方向に略120°の間
隔をあけて配設された板状フィン26と、銅管25の軸
方向に所定間隔をあけてその外周に接して設けられたリ
ング状のフィン27とから構成されている。ここで、板
状フィン及びリング状フィン26、27は、プラスチッ
ク材等により形成されている。また、銅管25の外表面
は、形成された氷の分離が容易となるように、例えばフ
ッソ樹脂コーティング等の表面処理が施されている。さ
らに、板状及びリング状フィン26、27の表面にも、
形成された氷の分離が容易となるように、例えばシリコ
ン処理等の表面処理が施されている。また、氷蓄熱槽2
0の上部壁には空気孔29が設けられている。また、図
中符号30はポンプであり、このポンプ30を作動させ
ることにより、氷蓄熱槽20の上部から底部へ水ないし
空気を送り、槽内温度の均一化及び熱交換器24からの
氷の分離を促すようになっている。
【0030】これにより、熱交換器5は、第1及び第2
の制御弁8,9の切り替え及び膨張弁6により、熱媒体
の放熱量及び吸熱量が調整されるようになっている。
【0031】次に、上記図1に示す装置構成を使用し
て、本発明の氷蓄熱槽20が行なう蓄氷作動、及び氷2
8が蓄えられた氷蓄熱槽20を使用する冷房作動につい
て以下に説明する。
【0032】なお、図1に示す装置構成は、熱交換器
2、3、4、5が吸熱作動若しくは放熱作動を行なうこ
とにより、冷房、冷房+暖房、冷房(除湿)+暖房などの
機能が備えられている。すなわち、圧縮機1により高温
高圧状態に圧縮されて吐出配管1aから吐出した熱媒体
を、連結配管A、B、C、Dのそれぞれに接続する第1
の制御弁8と、分岐配管E、F、G、Hのそれぞれに接
続する第2の制御弁9の開閉制御を関連的に行うことに
より、上記機能を行なうことができるが、それらの機能
の説明は省略する。
【0033】先ず、氷蓄熱槽20の蓄氷作動は、前述し
たように、通常、深夜電力を利用して氷蓄熱槽20内部
の熱交換器5を作動させて行なわれる。そして、この蓄
氷作動は、熱交換器5を吸熱作動することにより板状及
びリング状フィン26、27の表面に氷を形成する製氷
工程と、熱交換器5を放熱作動することにより板状及び
リング状フィン26、27から氷28を分離させる氷分
離工程とを行ない、これら製氷工程と氷分離工程とを繰
り返すことにより氷蓄熱槽20内部に氷28を蓄えるも
のである。
【0034】すなわち、製氷工程は、連結配管B、C、
Dの第1の制御弁8を閉状態とし、連結配管Aの第1の
制御弁8を開状態とし、分岐配管Gの第2の制御弁9の
みを開状態として他の第2の制御弁9を閉状態とする。
そして、熱媒体の流れを第3図の矢印方向として、室外
に設置された熱交換器2を放熱器として作動させ、氷蓄
熱槽20に設置された熱交換器5を吸熱器として作動さ
せる。
【0035】これにより、先ず、銅管25の外周に氷2
8が形成されていき、次に、水との接触面積を大きくさ
れ、かつ銅管25の外周と接している板状及びリング状
フィン26、27の端部表面から徐々に氷28が形成さ
れていく。そして、短時間で板状及びリング状フィン2
6、27の表面に厚さ1〜2cm程の氷が形成される。
【0036】また、氷分離工程は、連結配管A、B、D
の第1の制御弁8を閉状態とし、連結配管Aの第1の制
御弁8を開状態とし、分岐配管Eの第2の制御弁9のみ
を開状態として他の第2の制御弁9を閉状態とする。そ
して、熱媒体の流れを第3図の矢印方向として、室外に
設置された熱交換器2を吸熱器として作動させ、氷蓄熱
槽20に設置された熱交換器5を放熱器として作動させ
る。
【0037】これにより、先ず、銅管25が加温され、
次に板状及びリング状フィン26、27に銅管25から
熱が伝わっていき、それにより板状及びリング状フィン
26、27の表面に形成されている氷28が剥離してい
く。この際、板状及びリング状フィン26、27は互い
に平行に延びる直線状の銅管25に設けられ、熱媒体は
分流器23から直線状の各銅管25に略所定流量で流れ
込むので、板状及びリング状フィン26、27に形成さ
れた氷28は、熱ロスを少なくして速やかに剥離され
る。そして、板状及びリング状フィン26、27から剥
離した氷28は、氷片として氷蓄熱槽20の上部に浮上
していき蓄えられる。
【0038】このように、蓄氷作動は、製氷工程と、氷
分離工程とを繰り返し行うことにより、製氷速度及び放
冷性(融解性)が高められた状態で短時間で所定容積の
氷を蓄えることができる。
【0039】次に、氷28を蓄えた氷蓄熱槽20を使用
した冷房作動について説明する。先ず、連結配管A、
C、Dの第1の制御弁8を閉状態とし、連結配管Bの第
1の制御弁8を開状態とし、分岐配管Gの第2の制御弁
9のみを開状態として他の第2の制御弁9を閉状態とす
る。そして、熱媒体の流れを第3図の矢印方向として、
室内に設置された熱交換器3を放熱器として作動させ
る。
【0040】これにより、熱交換器3で蒸発した熱媒体
は、氷蓄熱槽20の熱交換器5に送り込まれ、氷蓄熱槽
20の内部で高効率に凝縮、液化された後、分岐配管G
に送り込まれる。この際には、圧縮機1は、ポンプの機
能を果たすだけでよく、消費電力は少なくて良い。
【0041】以上、述べたことから容易に理解できるよ
うに、本発明の氷蓄熱槽は、水を供給した氷蓄熱槽20
内部に配設された熱交換配管24が、内部を前記熱媒体
が可逆的に循環する銅管25と、この銅管25の外周に
接して設けられたプラスチック材からなる板状及びリン
グ状フィン26、27とから構成され、蓄氷作動と、蓄
氷作動により冷熱熱源とされた氷蓄熱槽20を使用して
冷房作動を効果的に行なうことができる。
【0042】すなわち、蓄氷作動を行なう場合には、熱
交換器5を吸熱作動することにより板状及びリング状フ
ィン26、27の表面に氷28を形成する製氷工程と、
熱交換器5を放熱作動することにより板状及びリング状
フィン26、27から氷28を分離させる氷分離工程と
を繰り返し、それにより製氷速度及び放冷性(融解性)
が高められた状態で短時間で所定容積の氷28を蓄える
ことができ、さらには、深夜電力を利用して作動させる
ことにより効率よく冷熱熱源としての氷蓄熱槽20を得
ることができる。
【0043】また、冷熱熱源とされた氷蓄熱槽20を使
用した冷房作動を行なう場合には、室内に設置された熱
交換器3を放熱器として作動して、熱交換器3で蒸発し
た熱媒体を、氷蓄熱槽20の熱交換器5に送り込み、冷
熱熱源とされた氷28が蓄えられた氷蓄熱槽20の内部
で高効率に凝縮、液化することができるので、消費電力
量を大幅に削減した省エネルギー化を図ることができ
る。
【0044】また、この氷蓄熱槽20は、室外の熱交換
器2、室内の熱交換器3、貯湯槽10の熱交換器5と組
み合わせて熱源の多用化が図られ、特に冷房能力を最大
限に発揮することが可能となり、システムを効率良く作
動させることができる。
【0045】なお、本発明は前述した実施例に限定され
るものではなく、熱交換器の数、配置などは、その設計
要求に基づいて適宜変更することができる。
【0046】また、配管を他の金属、プラスチック材若
しくはゴム材で、フィンを金属材やゴム材で形成しても
よく、氷蓄熱槽20の作動は、直膨式の他に、熱交換器
を一つ増設してブライン式としてもよい。
【0047】さらに、本発明の氷蓄熱槽20は、夏期に
おける製氷作動、冷房作動のみに使用されのではなく、
冬季、春期において氷蓄熱槽20の内部の熱交換器を常
時放熱器として作動させて蓄熱し、これを熱交換器22
で吸熱することで暖房熱源槽として使用してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、氷蓄熱
槽が、水を供給した槽内部に配設された熱交換器が、内
部を熱媒体が可逆的に循環する配管と、この配管の外周
に設けられて配管外周面を長さ方向及び円周方向に分割
するフィンとから構成されており、熱交換器を吸熱作動
させてフィンの表面に氷を形成する製氷工程と、熱交換
器を放熱作動させてフィン表面から氷を分離する氷分離
工程とを繰り返し行なうことにより、短時間でフィンの
表面に所定の大きさの氷が形成され、また、フィンの表
面に形成された氷が、熱ロスを少なくして速やかに剥離
して、氷片として槽の上部に浮上していき、短時間で槽
内部に氷を蓄えて冷熱熱源を得ることができる。
【0049】また、内部に氷を蓄えた冷熱熱源としての
氷蓄熱槽を、他の熱交換器と関連的に作動させることに
より、他の熱交換器で蒸発した熱媒体を、氷蓄熱槽の放
熱作動を行なう熱交換器に送り込み、氷蓄熱槽の内部で
高効率に凝縮、液化することができるため、消費電力量
を大幅に削減して省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の氷蓄熱槽を示す一部断面斜視図であ
る。
【図2】本発明の氷蓄熱槽の内部に配設された熱交換器
を示す斜視図である。
【図3】本発明の氷蓄熱槽による蓄氷方法を示す空調装
置の概略構成である。
【符号の説明】
5 熱交換器 20 槽(氷蓄熱槽) 24 槽の底部に配設された熱交換配管 25 銅管(配管) 26 板状フィン(フィン) 27 リング状フィン(フィン) 28 氷。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明に係る請求項1
に記載の氷蓄熱槽は、水を供給した槽内部に熱交換器を
配設し、熱交換器への熱媒体の可逆的な循環により熱交
換器を放熱作動若しくは吸熱作動させて製氷を行ない、
前記槽内部に氷を蓄える氷蓄熱槽であって、氷蓄熱槽に
配設された熱交換器が、内部を熱媒体が可逆的に循環す
る配管と、この配管の外周に設けられて配管外周面を長
さ方向及び円周方向に分割するフィンとから構成されて
いることを特徴とするものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 また、請求項2に記載の氷蓄熱槽による
蓄氷方法は、水を供給した槽内部に、内部を熱媒体が可
逆的に循環する配管と、この配管の外周に設けられて
管外周面を長さ方向及び円周方向に分割するフィンとか
ら構成される熱交換器を配設しておき、熱交換器を吸熱
作動することによりその表面に氷を形成する製氷工程
と、熱交換器を放熱作動することによりその表面から氷
を分離する氷分離工程とを具備してなり、製氷工程と氷
分離工程とを繰り返し行なうことを特徴とするものであ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【作用】 本発明の氷蓄熱槽による製氷工程は、熱交換
器を吸熱器として作動させることにより、先ず、配管の
外周に氷が形成されていき、次に、配管の周 りのフィン
の端部表面から徐々に氷が形成されていき、短時間で熱
交換器の表面に所定厚さの氷が形成される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【実施例】 以下、本発明の実施例について、図1ない
図3を参照して説明する。本実施例の氷蓄熱槽の特徴
は、例えば深夜電力を利用して、氷蓄熱槽内部に配設さ
れた熱交換器の吸放熱作動を繰り返すことにより製氷を
行ない、かつ形成された氷を槽内部に蓄える作動(以
下、蓄氷作動と略称する。)が行なえるとともに、昼間
等において、室内側の熱交換器から送られてきた熱媒体
を、蓄氷された槽内部に送り込んで凝縮液化させて再度
他の熱交換器に送り込む冷房熱源としての作動(以下、
冷房作動と略称する。)が行なえることである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 第3図は、本発明の氷蓄熱槽が組み込ま
れたヒートポンプ式の空調システムの実施例を示すもの
である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】 先ず、圧縮機1は、インバータ15の制
御により所定の周波数で回転し、アキュムレータ11か
ら送られてきた熱媒体を圧縮して、図3上方から下方へ
矢印方向に圧送するものである。この圧縮機1から吐出
した熱媒体は、第1及び第2の制御弁8、9の関連的な
切り替え制御によって、熱交換器2、3、4、5を選択
的に通過するようになっている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】 熱交換器5は、図1に示すように、断熱
材21により周囲が囲まれた氷蓄熱槽20内部の上部か
ら下方へ延びる蛇行した一本の熱交換配管22と、この
熱交換配管22から分流器23により分岐して互いに平
行に延び、かつ氷蓄熱槽20の底部に水平配置された複
数の直線状の熱交換配管24と、これら複数の熱交換配
管24を収束する分流器23とから概略構成されてい
る。そして、この熱交換器5は、氷蓄熱槽20の外部へ
延在する外部配管と連結されている。なお、熱交換配管
24を立てて配置してもよく、この場合、リング状フィ
ン27の下側の面を円錐状に形成しておく。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 そして、これら熱交換配管24は、図2
に示すように、熱媒体を循環させる銅管25と、幅方向
の一端が銅管25の外周に銅管25の軸方向に沿って延
び、かつ互いに銅管25の径方向に略120°の間隔を
あけて配設された板状フィン26と、銅管25の軸方向
に所定間隔をあけてその外周に設けられたリング状のフ
ィン27とから構成されている。ここで、板状フィン及
びリング状フィン26、27は、プラスチック材等によ
り形成されている。また、銅管25の外表面は、形成さ
れた氷の分離が容易となるように、例えばフッソ樹脂コ
ーティング等の表面処理が施されている。さらに、板状
及びリング状フィン26、27の表面にも、形成された
氷の分離が容易となるように、例えばシリコン処理等の
表面処理が施されている。また、氷蓄熱槽20の上部壁
には空気孔29が設けられている。また、図中符号30
はポンプであり、このポンプ30を作動させることによ
り、氷蓄熱槽20の上部から底部へ水ないし空気を送
り、槽内温度の均一化及び熱交換器24からの氷の分離
を促すようになっている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 これにより、先ず、銅管25の外周に氷
28が形成されていき、次に、水との接触面積を大きく
され、かつ銅管25の外周と接している板状及びリング
状フィン26、27の端部表面から徐々に氷28が形成
されていく。そして、短時間で板状及びリング状フィン
26、27の表面に厚さ1cm程の氷が形成される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】 また、氷分離工程は、連結配管A、B、
Dの第1の制御弁8を閉状態とし、連結配管Aの第1の
制御弁8を開状態とし、分岐配管Eの第2の制御弁9の
みを開状態として他の第2の制御弁9を閉状態とする。
そして、熱媒体の流れを図3の矢印方向として、室外に
設置された熱交換器2を吸熱器として作動させ、氷蓄熱
槽20に設置された熱交換器5を放熱器として作動させ
る。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】 これにより、先ず、銅管25が加温さ
れ、次に板状及びリング状フィン26、27に銅管25
から熱が伝わっていき、それにより板状及びリング状フ
ィン26、27の表面に形成されている氷28が剥離し
ていく。この際、板状及びリング状フィン26、27は
互いに平行に延びる直線状の銅管25に設けられ、熱媒
体は分流器23から直線状の各銅管25に略所定流量で
流れ込むので、板状及びリング状フィン26、27に形
成された氷28は、速やかに剥離される。そして、板状
及びリング状フィン26、27から剥離した氷28は、
氷片として氷蓄熱槽20の上部に浮上していき蓄えられ
る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】 次に、氷28を蓄えた氷蓄熱槽20を使
用した冷房作動について説明する。先ず、連結配管A、
、Dの第1の制御弁8を閉状態とし、連結配管の第
1の制御弁8を開状態とし、分岐配管の第2の制御弁
9のみを開状態として他の第2の制御弁9を閉状態とす
る。そして、熱媒体の流れを図3の矢印方向として、室
内に設置された熱交換器3を吸熱器として作動させる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】 これにより、圧縮機1から吐き出された
気体熱媒体は熱交換器5で蓄氷の冷熱により凝縮液化し
膨張弁6、分流器7、再び膨張弁6を流れ、室内熱交換
器3で蒸発(吸熱)、即ち冷房機能を果し、分岐配管F
を経由し圧縮器1へ戻る。この際には圧縮器1は低い圧
縮作動でよく消費電力が小さい。なお、氷蓄熱槽20の
冷水を室内に循環させる冷房作動を行ってもよい。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】 また、配管を他の金属、プラスチック材
若しくはゴム材で、フィンを金属材やゴム材で形成して
もよく、氷蓄熱槽20の作動は、上記のような直膨式の
他に、熱交換器を一つ介在させてブライン式としてもよ
い。
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を供給した槽内部に熱交換器を配設
    し、該熱交換器への熱媒体の可逆的な循環により前記熱
    交換器を放熱作動若しくは吸熱作動させて製氷を行な
    い、前記槽内部に氷を蓄える氷蓄熱槽であって、 前記氷蓄熱槽に配設された熱交換器が、内部を前記熱媒
    体が可逆的に循環する配管と、この配管の外周に接して
    設けられて配管外周面を長さ方向及び円周方向に分割す
    るフィンとから構成されていることを特徴とする氷蓄熱
    槽。
  2. 【請求項2】 水を供給した槽内部に、内部を熱媒体が
    可逆的に循環する金属管と、この配管の外周に接して設
    けられて配管外周面を長さ方向及び円周方向に分割する
    フィンとから構成される熱交換器を配設しておき、前記
    熱交換器を吸熱作動することによりその表面に氷を形成
    する製氷工程と、前記熱交換器を放熱作動することによ
    りその表面から前記氷を分離する氷分離工程とを具備し
    てなり、前記製氷工程と前記氷分離工程とを繰り返し行
    なうことを特徴とする氷蓄熱槽による蓄氷方法。
JP3049958A 1991-03-14 1991-03-14 氷蓄熱槽及び氷蓄熱槽による蓄氷方法 Withdrawn JPH0566031A (ja)

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