JPH0565137U - 高周波移動無線送受信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】異なる変調高周波帯に対して高、低周波数の少
なくとも２組のヘテロダイン無線送受信機を、受信段の
第１中間周波後段以降の復調部に至る回路系統と、第１
の中間周波数変換ミキサ又は変調器１３に加える第１局
発７０とを共用して、スプリアス性と、経済性のよい周
波数設定、小形軽量且つ低消費電力の無線送受信装置を
得る。 【構成】各送受信機の受信段に備えた第１の中間周波数
変換ミキサ４夫々の出力を、復調部１６に至る第１の中
間周波後段以降の系統へ切り換えるスイッチ１４−１、
各送信段に含む変調器１３又は１９、２５へ、復調部か
らのベースバンド信号を切り換えて加えるスイッチ１４
−２、第１の中間周波数変換又は送信段の変調のために
加える第１局発７０と、各送受信機の第１局発周波数を
高、低切り換え分周する分周器６０とより成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は異なる周波数帯域、例えば低い周波数８００ＭＨｚと高い周波数１． ５ＧＨｚの各周波数帯域で、種々の変調ヘテロダイン方式を採用したデジタル自 動車電話のような移動帯通信装置の無線送受信機に適用して好適な高周波移動無 線送受信装置に関し、高い周波数帯域の第１の中間周波数を、高、低分周して各 送受信機に共通な第１局発周波数に設定するとともに、各受信段の第１の中間周 波後段からベースバンド信号を処理する復調部に至る経路を共用しうるようにし たスプリアス性と経済性のよい、小形軽量化、低消費電力化を満足する高周波移 動無線送受信装置を提供するにある。

【０００２】

【従来の技術】

従来から自動車電話における変調搬送周波数のヘテロダイン無線送受信装置、 例えば図３に示す第１の送受信機Ａを例えば８００ＭＨｚ帯用に、第２の送受信 機Ｂを１．５ＧＨｚ帯用として一般に用いることが多い。

【０００３】 図３において、第１の送受信機Ａは、デュプレクサ８を介してアンテナ１にて受 信した変調搬送波は、ＲＦ増幅器２、バンドパスフィルタ３、第１局発９により オフセットされる周波数変換部のミキサ４、バンドパスフィルタ５、増幅器６、 第２局発１０によりオフセットされる周波数変換部のミキサ７によって構成され る受信段Ｒｘと、上記受信段の第１局発周波数によりベースバンド信号処理部の 復調部１６からの信号に変調を掛ける変調器１３、バンドパスフィルタ１２、上 記デュプレクサを介して上記アンテナへ送信電力を送出する電力増幅器１１によ り構成される送信段Ｔｘとより成っており、例えば８００ＭＨｚ帯の送、受信に 専用される。

【０００４】 第２の送受信機Ｂも第１の送受信機が備えると同様な送、受信段から成り、例 えば１．５ＧＨｚ帯の送、受信に専用される。

【０００５】 そして上記異なる周波数帯域に夫々対応させるために、第１及び第２の送受信 機夫々の各受信段と各送信段とが、各使用周波数帯域Ａ又はＢに切り換え可能な ように可動接点が設けられ、上記受信段からは検波器等を含む最終の中間周波段 １５を経て、ベースバンド信号処理部である復調部１６への経路に固定接点が接 がれたスイッチ１４−１と、各送信段に含まれた変調器への上記復調部からの信 号経路に固定接点が接がれたスイッチ１４−２とを備えている。

【０００６】

【従来技術の課題】

ところで、上記従来の構成にあっては、高、低異なる周波数帯域毎に、第１及 び第２の送受信器Ａ、Ｂ夫々の各受信段の第１の中間周波数変換ミキサ４の出力 側に、バンドパスフィルタ５、増幅器６、第２の中間周波数変換ミキサ７を備え 、しかも上記第１の中間周波数変換ミキサ４及び変調器１３に加えるべき第１局 発が夫々別個に設けられているために、送、受信周波数から決まるオフセット周 波数を含む周波数設定即ち特に局発周波数を共用することが難しく、装置全体の 外形寸法並びに重要が嵩むばかりか、可搬状態で頻繁に使用する場合には、電池 電力の消耗が甚だしく通話時間を大幅に短縮してしまうといった問題が生じる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は如上の障害を払拭し、特に広い周波数帯域の送、受信周波数に対応す るために設けられる高精度且つ高価なクリスタル局部発振器を、高い周波数帯域 の中間周波数の高、低分周により、各送受信機に共通なオフセット又は変調を掛 ける周波数の設定に利用するとともに、各受信段の第１の中間周波後段からベー スバンド信号を処理する復調部に至る回路系統をも共用するように構成したもの である。

【０００８】

【実施例】

以下に図１により本考案の実施例について説明するが、図２の異なる実施例で は、送、受信段の構成が若干異なるだけであるので、説明は省略する。 図１、図２において図３と同等部は同一符号で表し、１点鎖線で囲まれる範囲 が異なる周波数帯域即ち、低い周波数帯域Ａ、高い周波数帯域Ｂ夫々に対応する 第１、第２の送受信機夫々の送、受信段Ｔｘ、Ｒｘの回路構成を表している。

【０００９】 又、第２の送受信機Ｂ中、２点鎖線で囲まれる部分は、第１の送受信機Ａの受 信段Ｒｘとほぼ同一構成になっている。スイッチ１４−１、１４−２の可動接点 Ａ、Ｂは、第１、第２の送受信機Ａ又はＢ夫々に接続されることを意味し、各ス イッチは相互に連動するものである。又、バンドパスフィルタ５、増幅器６まで は第１の中間周波後段と呼び、ミキサ７、中間周波段１５までを第２の中間周波 段として取り扱っている。

【００１０】 上記本考案図１の構成をデジタル方式の自動車電話に適用した場合の周波数設 定について説明すると、低い周波数帯域Ａのアンテナ１により受信された変調搬 送波は、デュプレクサ８により分離されてＲＦ増幅器２に送られ、バンドパスフ ィルタ３により不要波を除去後、第１局発７０を高、低切り換え分周する分周器 ６０による分周周波数でオフセットされるミキサ４の第１中間周波段の出力側に 可動接点Ａを備えたスイッチ１４−１を経て、更に不要波を除去するバンドパス フィルタ５、増幅器６の第１の中間周波後段に送られ、第２局発によりオフセッ トされるミキサ７、検波器等を含む中間周波段１５の経路から、ベースバンド信 号の処理部である復調部１６に送られて復調される。

【００１１】 又、上記復調部でのベースバンド信号は、上記スイッチ１４−１と連動して選 択されるスイッチ１４−２の可動接点Ａを経て上記第１局発７０の分周器６０に よる高、低分周比により分周された周波数で変調される変調器１３、バンドパス フィルタ１２、電力増幅器１１にて増幅後、高周波送信段Ｔｘから上記デュプレ クサを介して上記アンテナ１より電波を送出する。

【００１２】 高い周波数帯Ｂに対する第２の送受信機についても同様の構成、作用を有する が、送信段Ｔｘはバンドパスフィルタ２４、第２局発により変調を掛ける変調器 ２５を含んでいる点が異なるだけで、第１の送受信器の送信段Ｔｘと同様の構成 にしても構わない。

【００１３】 次に基地局の送信周波数が８００ＭＨｚ帯では８１０〜８２６ＭＨｚ、１．５ ＧＨｚ帯では１．４６５〜１．４８９ＧＨｚ及び１．５０１〜１．５１３ＧＨｚ 、受信周波数が８００ＭＨｚ帯では９４０〜９５６ＭＨｚ、１．５ＧＨｚ帯では １．４２９〜１．４４１ＧＨｚ及び１．４５３〜１．４６５ＧＨｚとなるので、 ８００ＭＨｚ帯で使用する第１の送受信機Ａを直接変調方式とした場合、第１局 発の周波数を上記の８１０〜８２６ＭＨｚに採ることによって、第１の中間周波 数が受信周波数との関係から１３０ＭＨｚとなる。この時、第１局発７０の発信 周波数は、１，６２０〜１，６５２ＭＨｚとなるように分周器６０が１／２分周 することになる。

【００１４】 １．５ＧＨｚ帯は、上記受信周波数と第１の中間周波数とから、第１局発７０ の周波数は、上記上側帯を採ると、１．５５９〜１．５７１ＧＨｚ及び１．５８ ３〜１．５９５ＧＨｚとなって、上記第２局発３０の発信周波数は、上記送信周 波数と上記第１局発周波数とから、８２ＭＨｚに設定される。

【００１５】 従って共用する上記第１局発の周波数範囲が１，５５９〜１，６５２ＭＨｚと なるが、汎用のＶＣＯの性能で充分に対応することができ、制御すべき周波数範 囲が拡大する場合には、高、低周波数帯毎に周波数合成回路のＶＣＯに付加され る可変容量素子を切り換える方法を採用するだけで充分対応ができる。又、本実 施例においては、第１局発周波数を低分周しているが、高い分周比を用いて同一 に合わせることでもよい。

【００１６】

【考案の効果】

かくして本考案によれば、高、低周波数帯夫々の第１局発を共用するために、 一方から他方への送受信機の第１中間周波数変換及び変調器に加えるオフセット 又は変調すべき周波数を分周する分周器を設け、各送信段の各変調器を高、低周 波数毎に切り換えるスイッチとを備えしめて成るので、高精度且つ高価な発振器 を単一化でき、回路の共用化による小形軽量化並びに消費電力の軽減に資すると ともに、周波数設定上、スプリアス性のよい周波数合成を実現することを可能に するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の異なる高、低変調高周波帯に対応する
高周波移動無線送受信装置の回路構成図。

【図２】図１と異なる実施例の回路構成図。

【図３】従来周知の高周波移動無線送受信装置の回路構
成図。

【符号の説明】

１、２１ アンテナ ２ ＲＦ増幅器 ３、５、１２、１８、２２、２４ バンドパスフィ
ルタ ４、７、１７、２３ ミキサ ６ 増幅器 ８、２８ デュプレクサ １０、２０、３０ 第２局発 １１、２１ 電力増幅器 １４−１、１４−２ スイッチ １５ 中間周波段 １６ 復調部 １３、１９、２５ 変調器 ６０ 分周器 ７０ 第１局発 Ａ 第１の送受信機 Ｂ 第２の送受信機 Ｒｘ 受信段 Ｔｘ 送信段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】異なる高、低の変調高周波帯域に対応して
   設けた少なくとも２組の移動無線送受信機夫々を、その
   使用周波数帯域毎に切り換えるようにしたヘテロダイン
   方式の移動無線送受信装置において、高、低周波数帯域
   の受信段夫々の第１中間周波数変換ミキサの各出力を、
   ベースバンド信号を処理する復調部に至る経路に切り換
   えるスイッチと、上記低い周波数帯域に対応する送信段
   の第１の中間周波数変換ミキサ及び変調器に対し、上記
   高い周波数帯域に対応する受信段の第１の中間周波数変
   換ミキサ及び送信段の変調器に対し、高い周波数帯域に
   対応する送受信機の周波数変換ミキサ夫々をオフセット
   する第１局発を、高、低切り換えする分周器を介して設
   け、上記復調部からの出力信号を、上記低い周波数帯域
   に対応する送信段の上記変調器及び上記高い周波数帯域
   に対応する送信段の第２局発により変調を掛ける変調器
   とに切り換えるスイッチとを備えて成ることを特徴とす
   る高周波移動無線送受信装置。