JPH0563762U - 自己通水研磨セグメント型重研磨ブラシロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】重研磨能を有する研磨メンバー付きの扇形をし
たボードを包含する研磨セグメントが、外周面に水噴出
口付きのブラシロールシャフトの軸線周りの方向へは円
形に並び、シャフト長さ方向へは相接して並ぶ態様に、
前記扇形ボードにて同シャフト周面に装着された重研磨
ブラシロールの研磨セグメントにおいて、それの研磨セ
グメントに実質的に均等な水分散性を付与する。 【構成】本考案は、上記タイプの重研磨ブラシロールの
扇形ボード２の表面及び裏面の少なくとも何れかに、ブ
ラシロールシャフト３のラジアル方向に開通する通水溝
７を形成したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は重研磨ブラシロール、詳しくは、重研磨能を有する研磨メンバー及び これを外周縁に取り付けた実質的に扇形をしたボードを包含する研磨セグメント が、外周面に水噴出口付きのブラシロールシャフトの軸線の周りに複数円形に並 び、シャフト長さ方向に多数、相接して並ぶ態様に、扇形ボードにて同シャフト 外周面に装着された重研磨ブラシロールに関する。

【０００２】 本明細書において、「重研磨ブラシロール」とは、研磨といし或いは研磨ジス クの研磨性能に殆ど匹敵するまたはそれに近い研磨性能を持ったブラシロールを 指し、研磨メンバーについての「重研磨能」も同様な研磨性能のことである。こ れらのことは、実用新案登録請求の範囲の項の記載についても同じである。

【０００３】

【従来の技術】

前記のような研磨セグメントをロールシャフト周面に前示態様下に装着した重 研磨ブラシロールは、本発明者によって既に開発されており、鋼板等金属ストリ ップパスラインの研磨に優れた研磨成果を得ることに成功している。しかし、研 磨性能が良すぎて、その研磨性能を従来公知の水冷では十分に発揮させるには難 があった。

【０００４】 従来、この点を解消するのに即応する構成の重研磨ブラシロールの研磨セグメ ントは、開発されていない。

【０００５】 因みに従来、重研磨ブラシロールの研磨セグメントは、それ自体水分散機能を 持たない。これによると、研磨セグメントのブラシロールシャフト周面に対する 前述態様の装着の結果、シャフト周面の水噴出口からの水がシャフト軸線の周り に並ぶ研磨セグメントの扇形ボードと扇形ボードの隣り合う側端の隙間に集中し 、研磨セグメント自体については、均等な水分散が得られない。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする課題は、前述したタイプの重研磨ブラシロールにおいて、そ れの研磨セグメントに実質的に均等な水分散性を付与するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、重研磨能を有する研磨メンバー及び該メンバーを外周縁に取り付け た実質的に扇形をしたボードを包含する研磨セグメントが、外周面に水噴出口付 きのブラシロールシャフトの軸線の周りに複数、円形に並び且つシャフト長さ方 向に多数、相接して並ぶ態様に、前記扇形ボードにて該シャフト外周面に装着さ れた重研磨ブラシロールであって、前記扇形ボードの前面及び後面の少なくとも 何れかに、ブラシロールシャフトのラジアル方向に開通する通水溝が形成されて いることを特徴としている。

【０００８】 この構成によって、後に説明するように所期の課題解決が達成される。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施態様を示す図面を参照して、本考案を説明する。

【００１０】 図でＳが重研磨ブラシロールＲの研磨セグメントであり、該研磨セグメントは 、重研磨能を有する研磨メンバー１及び実質的に扇形をしたボード２を構成要素 として包含している。

【００１１】 研磨メンバー１は、研磨材を樹脂バインダーで固めた棒状の研磨チップ１１、 該研磨チップの基端部を先端側に結合した金属スリーブ１２、及び該スリーブの 基端側に先端部を結合しボード２の外周縁に基端部を植設固定した且つ繊維の紐 を樹脂加工した弾性ロッド１３を構成要素として包含するもの（図１の（Ａ）参 照）を有利に適用できる。

【００１２】 金属スリーブ１２には、掩蔽体１４を固着することが好ましい。掩蔽体１４は 、ブラシロールシャフト３の外周面に後述する所定の態様下に装着された研磨セ グメントＳにおいて、シャフト３の長さ方向に隣り合う掩蔽体１４同士が相互に 接触或いは近接する。掩蔽体１４を固着すれば、研磨メンバー１の研磨性能が向 上する。該掩蔽体１４は、その主体部１４ａの平面視形状が図６に示すような外 形のものを有利に適用できる。掩蔽体１４にはナイロン等のプラスチック成形体 を充てることができる。

【００１３】 研磨メンバー１は、扇形ボード２の外周縁に多数、一列に並べて装着されてい る。ボード２には、プラスチック成形品を適用すればよい。プラスチック成形品 によるボードの場合、研磨メンバー１を成形金型にイサンートし、プラスチック 材料からボードを該金型でインサート成形することにより、ボード外周縁に対す る研磨メンバー１の装着を行えばよい。

【００１４】 重研磨能の研磨メンバー１及びこれを外周縁に装着した扇形ボード２を包含す る研磨セグメントＳは、ブラシロールＲの構成要素としての研磨ジスクのセグメ ントである。研磨セグメントＳは、扇形ボード２が複数、シャフト３の軸線の周 りに円形に並び、シャフト３長さ方向に同ボードが多数、相接して並ぶ態様に、 該シャフト３外周面に装着される。

【００１５】 ボード２は、シャフト３の外周面定位置に設けられた逆Ｔ字形の実質的にダブ テール形のキー溝５にボード２をキー止めするための、逆Ｔ字形をした実質的に ダブテール形のキー４を有する。シャフト３は、外周面に水噴出口６付きになっ ている。該水噴出口６は、前記キー溝５の底に該溝長さ方向沿いに形成され、送 水ポンプ等圧力水供給源に通じるスリットを充てることができる。図示の場合、 水噴出口６としてのスリットは、キー溝５の底に該溝長さ方向に延在して形成さ れた通水溝６１に、該通水溝長さ方向沿いに延びるチャンネル型通水ダクト６２ を伏せて備えることにより、形成されている。通水ダクト６２の下端と通水溝６ １との間の隙間は、適当な手段により設ければよい。

【００１６】 研磨セグメントＳの扇形ボード２の前面及び後面或いは少なくともその何れか には、ブラシロールシャフト３のラジアル方向に開通する通水溝７が形成されて いる。該通水溝７の所定の開通は、図示の場合、キー４の厚みより厚くなったボ ード２の本体部位に、該部位のシャフト３ラジアル方向全長に亘り溝７を形成し た形式が充てられている。当該形式において、通水溝７を形成する部位は、例え ば弾性ロッド１３が植設されたボード２の膨大部であって、図２、図３に小丸点 で示した個所とすることができる。ボード２が係る膨大部付きの場合、ボード２ が多数、シャフト３長さ方向に相接して並ぶ態様は、図５に例示する如くである 。

【００１７】 重研磨ブラシロールＲが回転すると、ブラシロールシャフト３外周面の水噴出 口６よりの吹き出し水が、該ロールＲの回転により遠心方向へ飛散する。この遠 心方向へ飛散する水は、ブラシロールシャフト３の外周面に所定態様下に装着さ れた研磨セグメントＳの扇形ボード２の表面及び裏面の少なくとも何れかに形成 されている通水溝７に流入する。

【００１８】 上記通水溝７は、扇形ボード２のブラシロールシャフト３のラジアル方向に開 通している。このため、扇形ボード２がシャフト３長さ方向につき相接して並ん でいるにかかわらず、シャフト３軸線の周りに円形に並ぶ研磨セグメントＳの扇 形ボード２と扇形ボード２との隣り合う側端の隙間に噴出口６からの水が集中す ることなく、通水溝７を通じ扇形ボード２の表、裏面側からも吹き出す。

【００１９】 即ち、本考案によれば、ブラシロールシャフト３周面の研磨セグメントＳにつ き、実質的に均等な水分散が得られる。

【００２０】

【考案の効果】

上記の如く本考案は、冒頭に述べたタイプの重研磨ブラシロールにおいて、そ れの研磨セグメントに実質的に均等な水分散性を付与し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（Ａ）は本考案の一実施例を示す正面図、
図１（Ｂ）は図１（Ａ）に示された研磨セグメントにお
ける扇形ボードの通水溝を形成した部位の拡大平面図で
あって、図２の左右両端部を省略した中間部の拡大詳細
図である。

【図２】図１（Ａ）のII〜II線断面図である。

【図３】図１（Ａ）のIII 〜III 線断面図を示す。

【図４】図３の左右両端部を省略し、中間部を拡大して
示す詳細図である。

【図５】本考案に係る研磨セグメントの扇形ボードのブ
ラシロールシャフト長さ方向の並列状態を示す平面図で
ある。

【図６】図１（Ａ）のVI〜VI線断面図を示す。

【図７】重研磨ブラシロールを概略的に示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 研磨メンバー ２ 扇形ボード ３ ブラシロールシャフト ４ キー ５ キー溝 ６ 水噴出口 ７ 通水溝 Ｓ 研磨セグメント Ｒ 重研磨ブラシロール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】重研磨能を有する研磨メンバー及び該メン
   バーを外周縁に取り付けた実質的に扇形をしたボードを
   包含する研磨セグメントが、外周面に水噴出口付きのブ
   ラシロールシャフトの軸線の周りに複数円形に並び且つ
   シャフト長さ方向に多数、相接して並ぶ態様に、前記扇
   形ボードにて該シャフト外周面に装着された重研磨ブラ
   シロールであって、前記扇形ボードの前面及び後面の少
   なくとも何れかに、ブラシロールシャフトのラジアル方
   向に開通する通水溝が形成されている自己通水研磨セグ
   メント形重研磨ブラシロール。