JPH056114A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH056114A
JPH056114A JP22144391A JP22144391A JPH056114A JP H056114 A JPH056114 A JP H056114A JP 22144391 A JP22144391 A JP 22144391A JP 22144391 A JP22144391 A JP 22144391A JP H056114 A JPH056114 A JP H056114A
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heat
recording material
recording
fixing device
heating
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JP22144391A
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English (en)
Inventor
Kazushi Nagato
一志 永戸
Yuzo Koike
祐三 小池
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被記録材上のトナー像が形成されている部分付
近だけを集中的に加熱し、定着工程の消費電力及びウォ
ームアップ時間の低減を図る。 【構成】選択的に発熱可能な、多数の発熱素子を有する
ヒーターまたは多数の電極を有する通電手段と、被記録
材との間に被記録材と実質的に等速度で移動する耐熱性
媒体または導電性媒体を設けた定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザプリンタ等の電
子写真記録に使用される定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真記録装置は、ノンインパクト記
録装置であるため騒音が少ないことや、文字が綺麗に記
録できること、記録速度が高速であること、ランニング
コストが比較的安いこと等の特長を持っているために、
最近ではOA機器の出力端末装置として利用されてお
り、その市場も急速に拡大している。
【0003】電子写真記録装置のひとつであるレーザプ
リンタの記録部の模式図を図20に示し、電子写真記録
装置の概要について説明する。通常の電子写真記録装置
では図20に示すように、感光体ドラム100を使用し
ている。この感光体ドラム100はまずコロナチャージ
ャから成る帯電器101によって、表面が例えばマイナ
スの電荷で−700V程度に一様に全面帯電される。次
に画像信号に応じてレーザ光102が感光体ドラム10
0に照射される。感光体は光が照射された部分だけ抵抗
が減少するので、レーザ光102が照射された部分のマ
イナス電荷が消去された静電潜像が形成される。なお通
常はレーザとしては1個の半導体レーザが使用され、画
像に応じて変調された光は、回転多面鏡によって走査さ
れる。
【0004】この様にして形成された静電潜像は、次に
現像器103によって現像される。つまり感光体ドラム
100上の静電潜像のマイナス電荷の消去された部分
に、例えば反転現像によってマイナスに帯電した着色微
粒子であるトナーが、−500V程度の現像バイアスを
与えられることにより付着し、静電潜像が可視化され
る。給紙ローラ104によって図示しない紙カセットか
ら取り出された記録紙105が、画像信号とタイミング
を合わせて搬送され、感光体ドラム100に接触され
る。ここでは可視化されたトナー像の記録紙105への
転写が行なわれる。転写チャージャ106では例えば記
録紙105の裏側からプラスの電荷が与えられ、これに
よって感光体ドラム100上のマイナス帯電したトナー
像が、記録紙105上に引き付けられることにより、転
写される。画像が転写された記録紙105は、次に剥離
チャージャ107によって、感光体ドラム100と剥離
する。
【0005】最後に、トナーはヒートローラ110を有
する定着器111で加熱・加圧され、記録紙105上に
定着されることにより記録が終了する。なお、感光体ド
ラム100上には記録紙105に転写されずに残ったト
ナーが存在する。ドラム100上の残留トナーは、クリ
ーニングブレード108を有するクリーナーで擦り落と
して清掃され、その後LEDなどから構成される消去ラ
ンプ109で全面露光することによって感光体ドラム1
00上の電荷が消去される。
【0006】この様に電子写真記録装置では、帯電・潜
像形成・現像・転写・定着の工程を経て画像が形成され
る。また、ドラムはクリーニング工程で綺麗に清掃さ
れ、繰り返し使用される。各工程は装置の機種によって
多少構成が異なる場合もあるが、基本的にはこの様な構
成になっている。
【0007】以上、電子写真記録装置の代表例としてレ
ーザプリンタについて簡単に説明を行なったが、電子写
真記録装置としてはレーザプリンタばかりでなく、静電
潜像を書き込むための記録ヘッドとして、他の発光素子
を使用したものも開発・製品化されている。レーザプリ
ンタにおいては、1つのレーザから発生した光を、高速
に機械的に回転する多面鏡(ポリゴンミラー)や、ホロ
グラムに照射し、画点を走査する。装置の小形化・低価
格化を考え、アレイ光源を用いた固体走査方式も現在で
はかなり注目され始めている。例えばLED、液晶シャ
ッタ、EL素子、プラズマ発光素子、蛍光体ドットなど
の発光素子や光シャッタ素子をアレイ状に並べたヘッド
を用いた電子写真記録装置も実用化されている。上述し
た電子写真記録装置はいずれも光プリンタと総称される
ものであり、用途としてはプリンタあるいはディジタル
複写機などの出力装置として利用されている。また従来
から使用されている蛍光灯などの光で原稿を照明し、そ
の反射光を感光体に導くことにより静電潜像を形成して
原稿を複写するタイプのアナログ複写機も、電子写真記
録装置のひとつである。更に、感光体の代わりに誘電体
を使用して、アレイ状に並べられた小さな穴からイオン
を吹き出し、誘電体上にこのイオンによって静電潜像を
記録する方式の、イオンフロー記録またはイオンディポ
ジション記録と呼ばれる記録方法もある。
【0008】以上述べたように、電子写真記録装置は優
れた特長を持っているために、最近ではOA機器の出力
端末装置として多数利用されており、様々な方式が開発
及び実用化され、その市場も急速に拡大している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの電子写真記録
装置では、上述したように帯電、潜像形成、現像、転写
及び定着の工程を経て、記録が行なわれる点が共通して
いる。電子写真記録装置の特徴として、静電潜像を形成
するエネルギーが非常に小さいことがある。例えば1画
点の潜像を形成するのに約10-6〜10-5J/cm2 程度
の光エネルギーを感光体に与えることによって達成され
るのである。これに対し熱転写記録装置などで被記録材
上に1画点を形成するには、約2〜6J/cm2 程度の大
きな記録エネルギーが必要である。これだけから考える
と、電子写真記録装置は非常に効率が良く、消費電力も
熱転写記録装置などに比較すると非常に小さくなるよう
に思われる。
【0010】ところが実際の電子写真記録装置になる
と、毎分8〜12枚機で消費電力は通常約1.5kW程
度、また低速の4枚機で最低でも500〜600W程度
である。この値は熱転写記録装置と比較しても同等ある
いはそれ以上の大きさである。電子写真記録装置の記録
プロセスの帯電から普通紙へのトナー像の転写までは、
確かに非常に小さなエネルギーで実現されているが、最
後の被記録材へのトナーの定着工程で大きなエネルギー
が使用されるため、電子写真記録装置全体の消費電力が
増加してしまうのである。例えば、この定着エネルギー
は数10J/cm2 程度の大きさであり、この値は熱転写
記録装置で記録するエネルギーの10倍程度の大きな値
である。
【0011】電子写真記録装置に用いられる定着装置で
は、現在ではほとんどの製品でヒートロールを使用した
熱と圧力による定着方法が使用されている。このヒート
ロールを使用した記録装置では、発火などの危険がない
ので安全である。また熱容量を大きくしてあるので画質
を常に安定にできる。また圧力定着などと比較すると定
着性が十分大きいなどの特長を持っている。
【0012】しかし、欠点としてはヒートロールの熱容
量を大きくしてあるために、ヒートロールの温度が定着
に必要な温度まで上昇するのに時間がかかり、スイッチ
を入れた直後から使用することができず、数分程度のウ
ォームアップ時間が必要なことがある。またヒートロー
ルの熱容量が大きいので消費電力の大きなヒーターが必
要であり、通常500W〜1000W程度の赤外線ラン
プなどがローラーの中に入れられているのである。つま
り、従来の定着装置では熱容量の大きなヒートロールを
使用していたために、それなりの利点もあるが、大きな
消費電力が必要なことやウォームアップ時間が長い問題
があった。特に電子写真記録装置の小形化を考える場合
に、記録装置として消費電力が大きく発熱も大きいヒー
トロールを使用することは望ましくない。
【0013】本発明の目的は上述した従来の電子写真記
録装置の定着装置の欠点に鑑み、消費電力が小さく、ウ
ォームアップ時間の短い定着装置を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した問題を解決する
ために、本発明の定着装置は、熱転写記録装置に使用さ
れるサーマルヘッドと、サーマルヘッドに対して記録紙
とほぼ等速度で移動する中間シートとから構成されるこ
とを特徴とする。この定着装置では、トナー像が転写さ
れた被記録材を中間シートを介してサーマルヘッドに圧
接される。この状態でサーマルヘッドに電流を流すこと
によってヘッド上の発熱抵抗素子を発熱させ、この熱で
トナーを加熱し、更に圧接されている圧力によってトナ
ー像の記録紙への定着を行なう。中間シートは、サーマ
ルヘッドとトナー像とが直接接触し、定着前のトナー像
をヘッドが擦って消してしまうことを防ぐものであり、
従って記録紙と同じ速度で動く構成になっており、さら
に、サーマルヘッドで発生した熱を記録紙上のトナーに
伝達する役割も果たす。
【0015】なお、本発明においてはサーマルヘッドの
代わりに通電転写記録ヘッドを、また中間シートの代わ
りに樹脂上に抵抗層を形成した通電発熱シートを使用し
ても良い。
【0016】本発明の定着装置の第1の態様は、静電潜
像を現像して得た現像剤像を被記録材に転写した後、被
記録材に定着するための定着装置であって、多数の発熱
素子から構成される加熱手段と、該発熱素子を選択的に
発熱させる手段と、前記加熱手段と被記録材との間に介
在し、かつ該被記録材と実質的に等速で前記加熱手段と
相対移動する耐熱性伝熱媒体とを具備し、前記耐熱性伝
熱媒体を介して被記録材を前記加熱手段に圧接し、選択
的に発熱された発熱素子からの熱を前記伝熱媒体を介し
て前記被記録材上の現像剤に伝達することにより前記現
像剤像を前記被記録材に定着させることを特徴とする定
着装置を提供する。この場合、耐熱性媒体は、エンドレ
スのベルト状であることが好ましい。
【0017】本発明の定着装置の第2の態様は、静電潜
像を現像して得た現像剤像を被記録材に定着するための
定着装置であって、多数の電極を有する通電手段と、該
電極に選択的に電圧を印加させる手段と、前記通電手段
と被記録材との間に介在し、かつ該被記録材と実質的に
等速で前記通電手段と相対移動する導電性発熱媒体とを
具備し、前記導電性発熱媒体を介して被記録材を前記通
電手段に圧接し、前記通電手段に選択的に印加し、前記
導電性発熱媒体を部分的に発熱させ、この熱により前記
現像剤を前記被記録材に定着させることを特徴とする定
着装置を提供する。この場合も、導電性媒体は、エンド
レスのベルト状であることが好ましい。
【0018】本発明の定着装置の第3及び第4の態様
は、第1の態様及び第2の態様を表す定着装置にさらに
被記録材の位置情報を検知するセンサーを具備する定着
装置を提供する。上記定着装置においては、現像剤付着
部とその周囲を選択的に加熱することが好ましい。ま
た、発熱素子は、静電潜像記録時の解像度よりも低解像
度の発熱素子を使用することができる。センサーが被記
録材の位置ずれあるいはスキューを検知したときは、被
記録材上の加熱する領域を変化させることができる。
【0019】
【作用】本発明の定着装置においては、熱容量の大きな
定着装置が使用されないので、従来の定着装置のように
記録紙以外の例えばヒートロールなどを暖める必要がな
く、その定着部における発熱の一部はサーマルヘッドを
暖めるために使用されるものの、発生した熱の大部分が
トナーとその周辺の記録紙に効率良く伝達される。従っ
て、数J/cm2 の熱で定着することができるようにな
り、定着に消費される電力は従来装置の1/10程度に
まで減少させることができる。この様になると当然のこ
とであるが、常温で使用する場合にはウォームアップ時
間は0にすることができる。
【0020】通常の文字記録は画像記録の場合と異な
り、記録紙全面にわたって画像が形成されているのでは
なく、多い場合でも10〜20%程度である。本発明の
定着装置では、選択的に加熱し得る手段を使用して定着
を行なうため、文字のある場所あるいはその付近のトナ
ーだけをオンデマンドで選択的に定着することが可能で
ある。この様な定着方法にすることで消費電力を更に数
分の一まで小さくすることが可能である。従来の定着装
置では画像があっても無くても記録紙全体を暖めていた
ので、必然的に消費電力は増加していたのである。
【0021】また別な作用として、この様な選択的な定
着を行なった場合には、カブリ等の不所望に付着したト
ナーは定着されないので、下地汚れのない綺麗な記録を
得ることができる作用もある。
【0022】
【実施例】
実施例 1
【0023】以下、図面を参照して本発明を具体的に説
明する。図1は本発明の定着装置を用いたレーザプリン
タの全体構成図であり、図1は、本発明の定着装置を電
子写真記録装置に組み込んだ例、図2、図3及び図4
は、各々本発明の定着装置の第1ないし第3の態様を示
す図である。
【0024】まず、図1を用いて、本発明の定着装置を
用いたレーザプリンタのプリンタとしての機能を説明す
る。このレーザプリンタにおいて、記録紙105は図示
しないカセットにストックされており、記録開始タイミ
ングに応じて給紙ローラ104によって記録紙105は
一枚づつ繰り出される。給紙ローラにより繰り出された
記録紙105は感光ドラム100に達する。
【0025】感光ドラム100上は記録開始タイミング
によって回転を開始し、記録画像に応じた画像がドラム
100上に形成されることになる。感光ドラム100と
しては、有機感光体もしくは無機感光体が使用されてお
り、この感光体は、光が当ることによって抵抗が小さく
なるいわゆる光導電性を示す物質によって構成されてい
る。この様な感光ドラム100は、まずプリチャージ1
01によって−700V程度に一様帯電される。帯電さ
れたドラム100上に、1つのレーザから発せられた各
記録ドット毎にアナログ的に制御されたレーザ光102
を、通常は回転多面体鏡であるポリゴンミラー(図示し
ない)によって、主走査方向に走査することにより、感
光体上に静電潜像が順次形成される。
【0026】レーザ光102で静電潜像が形成されたド
ラム100は、さらに現像器ユニット103で現像され
る。現像器ユニット103は、一般に用いられているよ
うに、マグネットローラ112、シャフト113、およ
び図示しないトナーセンサを有し、二成分負極性のトナ
ーが、シャフト113により掻き回されている。マグネ
ットローラ112には、−500Vのバイアス電圧が印
加されており、レーザ光102が当たってプリチャージ
ャ101の電荷が消去された部分が反転現像され、マイ
ナスに帯電したトナーによって可視像が形成される。
【0027】トナー像が形成されたドラム100は、転
写チャージャ106上で、上記した記録紙105に接触
しながら、記録紙上に転写される。次に、剥離チャージ
ャ107で記録紙がドラム100より剥離されて、出口
方向へ搬送される。記録紙へのトナー転写が完了したド
ラム100は、クリーナーユニット114において残留
トナーをクリーニングされる。クリーナーユニット11
4は、トナーを掻き取るためのクリーニングブレード1
08と、掻き落とされたトナーを受け取る回収ブレード
115及びトナー回収オーガー116とから成る。そし
てクリーニングされたドラム100は、LED等から構
成される除電ランプ109によって、残留電荷を消去さ
れる。この様に、感光ドラム100が一回転する間に、
帯電、静電潜像形成、現像、クリーニング及び除電工程
が行われ、再び上記したプリチャージャ101により一
様帯電が行なわれ、上記工程を繰り返すことになる。
【0028】一方、トナー転写された記録紙105は、
ガイド120,121及び搬送ローラ9より本発明の定
着ユニット1へ搬送される。定着ユニット1においてト
ナーが定着された記録紙105は、次に出口方向に搬送
され、出口ローラ10が駆動して、トレー(図示しな
い)へ排紙される。このようにして記録が完了する。図
2〜4は、本発明の定着装置を更に詳しく説明する図で
ある。
【0029】図2は、本発明の第1の具体例として、図
1に示すレーザプリンタに用いられている定着装置を示
す図である。定着装置1は発熱部3を含むヒータ2と、
耐熱性の樹脂ベルト4と、耐熱性ベルト4を張るための
2つのローラ6およびローラ7と、ローラ状のプラテン
5と有する。この定着装置1には、更に記録紙105を
定着装置1まで運ぶための搬送ローラ9と、記録紙10
5を定着装置1から排紙するローラ10とが設けられて
いる。
【0030】このような構成を有する定着装置1に、転
写画像を有する未定着の記録紙105が搬送ローラ9で
搬送される。定着装置1では発熱部3を含んだヒータ2
が、耐熱性のベルト4を介してプラテン5に圧接されて
いる。プラテン5は図の矢印Aの方向に回転している。
耐熱性ベルト4は、プラテン5と同じ速度で矢印Bの方
向に回転している。この耐熱性ベルト4の機能は、記録
紙105をヒータ2に対し相対移動しながらヒータ2に
直接圧接すると、まだ定着されていない画像をヒータ2
が擦って消してしまうことを防止することである。耐熱
性ベルト4が記録紙105の移動速度と同じ速度で回転
していることにより、この様な不都合は解決される。耐
熱性ベルト4は2つのローラ6および7によって、弛む
ことがないようにピンと張られている。なおこの例では
耐熱性ベルト4を回転させる駆動力は、耐熱性ベルト4
を介してローラ6に圧接された駆動ローラ8によって供
給されている。駆動ローラ8が矢印Cの方向に回転する
ことによってローラ6も矢印方向に回転し、耐熱性ベル
ト4も矢印Bの方向に回転することになる。搬送ローラ
9で送られてきた記録紙105は紙ガイド120によっ
て、プラテン5と耐熱性ベルト4の間に導かれる。この
様にしてヒータ2が耐熱性ベルト4を介して記録紙10
5に圧接されることになる。この様な圧接状態で記録紙
105は、プラテン5と耐熱性ベルト4に挾まれてヒー
ターに対し相対移動されるようになる。
【0031】ヒータ2には多数の発熱素子3が搭載され
ており、これらの発熱素子3は選択的に発熱される。発
熱素子3で発生した熱は、耐熱性ベルト4を介してベル
ト4に圧接されている記録紙105と記録紙105上に
転写されているトナー像に伝達される。この熱によって
トナーが溶融され、固体から液体状態に変化し、更に溶
かされたトナーは適当な圧力の下で、周辺の暖められて
いる記録紙105に広がり、やがて浸透して定着が完了
する。この様なヒータ2としては様々なものが考えられ
るが、その構造及び値段等を考慮すると。従来から熱転
写記録装置などに広く使用されているサーマルヘッドが
最適である。サーマルヘッドは、多数の発熱抵抗素子が
アレイ状に並べられており、選択的にこれらの発熱抵抗
素子に電流を流し、発熱抵抗素子で発生するジュール熱
によって、発熱抵抗素子に圧接されているインクリボン
に塗布されているインクを加熱・溶融させて、更にこの
インクをインクリボンに圧接されている記録紙に転写
し、画像を形成するものである。このように、機能的に
はサーマルヘッドは本発明の定着装置に使用する加熱手
段としては最適である。なお通常サーマルヘッドでは〜
10J/cm2 程度の熱を発生することが可能であるの
で、トナーを記録紙上に定着するには充分大きなエネル
ギーを発生することができる。以上のような理由から本
発明の定着装置では加熱手段としてサーマルヘッドを好
ましく使用している。
【0032】図3及び図4には本発明に係る定着装置の
第2及び第3の具体例を示す。上述の図2は、サーマル
ヘッド2の中心部に発熱抵抗素子3が並んでいる例であ
る。これに対し、図3及び図4は、サーマルヘッド2の
端の部分に発熱抵抗素子3が並んでいる(リアルエッジ
タイプ)例である。なお、これらの例では全て絶縁性の
ベルト4の回転は駆動ローラ8を使用して行なわれる。
しかし、駆動ローラ8を使用しなくてもプラテン5と耐
熱性ベルト4は接触しているので、耐熱性ベルト4をプ
ラテンだけで回転駆動することも可能である。従って、
図示してはないが駆動ローラ8のない例も本発明の定着
装置に含まれるものである。また、図2、図3及び図4
に示す例は、定着中の例であるので、全てサーマルヘッ
ド2がプラテン5に圧接されている例を示したが、装置
の停止時には、サーマルヘッド2とプラテン5との圧接
が解除される機構があることが望ましい。このようにす
ることで定着が必要ないときには、プラテン5とサーマ
ルヘッド2の圧接を解除できるので、プラテン5の変形
による定着圧力の変化を防止することが可能となる。
【0033】図5〜図6には、耐熱性ベルト4の構成を
示す。耐熱性ベルト4の材料としては、通常の熱転写プ
リンタのインクリボンに使用されているようにPET
(ポリエチレンテレフタレート)樹脂が使用可能であ
る。ただ、図2、図3及び図4に示したようにベルト状
にして何回も繰り返し使用する場合には、通常のPET
樹脂だけでは不十分な場合もある。図5に示すように、
PET樹脂のベース材20にスティッキング防止のため
のバックコート層21を付与した耐熱性のベルト4など
が考えられる。更に、耐熱性を増加させるためには、よ
り耐熱性の大きな樹脂を使用すれば良い。例えばPI
(ポリイミド)樹脂などがこの例である。この様な樹脂
を使用すればバックコート層を使用する必要もなくなる
場合もある。
【0034】耐熱性ベルト4はトナーに直接接触するの
で、熱で溶融したトナーが耐熱性のベルト4に付着する
場合もある。通常の電子写真記録装置のヒートローラで
はヒートローラ表面をフッ素樹脂コートなどして、ロー
ラにトナーが付着するのを防止している。図6はこの様
な例であり、ベース材22としてPI樹脂を使用し、更
にその上にトナー付着防止層23としてフッ素樹脂層を
形成した耐熱性ベルト4の例を示した。この様にするこ
とで耐熱性ベルト4に付着するトナーはほとんどなくな
る。耐熱性ベルト4には僅かにトナーが付着する場合も
あるが、これらのトナー汚れは記録中の画像にほとんど
影響を与えることはない。また、更に図7に本発明の定
着装置の第4の具体例を示す。図7に表されるように、
例えばブレード等から構成されるクリーナー24を使用
し、耐熱性ベルト4を常に清掃することによって、付着
したトナーが記録紙に再度転写することを防止すること
も可能である。 実施例2
【0035】実施例1は、サーマルヘッドをヒータとし
て熱定着を行なう例について説明した。サーマルヘッド
では発熱抵抗体が基板の上にアレイ状に並べられている
ので、抵抗素子で発熱した熱の一部は基板側へと逃げて
しまう。つまり加えたエネルギーの一部は、定着に使用
されることなく無駄に消費されてしまうことになるので
効率が悪い。より効率の良い発熱方法としては、通電転
写記録方式を利用した方法がある。
【0036】図8及び図9を用いて通常の通電転写記録
方式を簡単に説明する。通電転写記録装置は、サーマル
ヘッドを使用した熱転写記録装置と同様にインクリボン
に塗布されたインクを軟化・溶融あるいは昇華させ、記
録紙にインクを転写して画像を形成する記録装置であ
る。但し、熱転写記録装置と異なる点は通電転写記録装
置ではインクリボン自身が発熱することである。図8に
通電転写記録装置に使用される記録ヘッドを示す。この
記録ヘッドには、記録電極25が多数並んだ記録ヘッド
26が使用される。図9に、この記録ヘッドを用いた従
来の通電転写記録装置の一例を示す。この記録装置のイ
ンクリボン27は、図9に示すように抵抗性ベースフィ
ルム28、導電層29、インク層30から構成される。
このインクリボン27に記録ヘッド26と帰路電極31
を圧接し、記録電極25に選択的に電極駆動回路32で
電圧を印加すると、記録電極25→抵抗性ベースフィル
ム28→導電層29→抵抗性ベースフィルム28→帰路
電極31の経路で電流が流れ、抵抗性ベースフィルム2
8を電流が流れるときにジュール熱が発生する。なお記
録電極25に比較して帰路電極31がインクリボン27
と接触している面積は非常に大きいために、インク30
を溶かすような発熱は記録電極25の直下でのみ発生し
画像もここで形成される。通常の熱転写記録装置と比較
すると、通電転写記録装置はインク層30のすぐ近くの
抵抗性ベースフィルム28で発熱しているために、発生
した熱が効率良くインク層30まで伝達される。
【0037】実施例2では、この様な通電転写記録方式
の利点を熱定着方式に利用する。図10及び図11に、
本発明の定着装置の第5及び第6の具体例として、通電
発熱方式を用いた定着装置の例を示す。この定着装置で
は、抵抗性ベースフィルム28上に導電層29を形成し
た導電性のベルト33を使用している。この導電性ベル
ト33と、図8及び図9に示した通電転写記録用のイン
クリボン27との異なる点は、インク層30が形成され
ていないことである。この様な導電性ベルト33の抵抗
性ベースフィルム28の側に、多数の記録電極25がア
レイ状に並べられた通電記録ヘッド26を押付ける。そ
して通電記録ヘッド26は導電性ベルト33を介してプ
ラテン5に圧接されることになる。導電性ベルト33は
弛むことがないようにローラ6および31でピンと張ら
れている。定着前の記録紙105は搬送ローラ9によっ
て定着装置まで搬送され、紙ガイド120によって導電
性ベルト33とプラテン5の間に導入され、この間でト
ナーの定着が行なわれる。定着後の記録紙105は排紙
ローラ10によって図示しないペーパースタッカに排紙
される。
【0038】導電性ベルト33の抵抗性ベースフィルム
28は樹脂にカーボンを混入させることによって導電性
を持たせたポリカーボネイトなどの樹脂である。また、
導電層29は抵抗の小さい層であり、ポリカーボネイト
から構成される抵抗性ベースフィルム28にアルミなど
の金属を500〜3000オングストローム程度蒸着さ
せて形成したものである。この様な導電性ベルト33の
抵抗性ベースフィルム28に記録電極25と帰路電極を
兼ねているローラ31を押し付けて、記録電極25に駆
動回路32から選択的に電圧を印加する。このようにし
て記録電極25→抵抗性ベースフィルム28→導電層2
9→抵抗性ベースフィルム28→帰路電極31の経路で
電流が流れ、抵抗性ベースフィルム28を電流が流れる
ときにジュール熱が発生する。なお記録電極25に比較
して帰路電極31がインクリボン27と接触している面
積は非常に大きいために、記録電極25の直下でのみ大
きな熱が発生する。サーマルヘッドを使用した実施例と
比較すると、発熱が記録紙105に直接接触している導
電性ベルト33の抵抗性ベースフィルム28で発生して
いるので、記録紙105および記録紙105上のトナー
に、発生した熱が効率良く伝達される。なお、この場
合、導電層29が直接トナーに接触することになるが、
導電層29は金属を蒸着して形成されているので、電流
路の役割ばかりでなく、トナーの付着を防止する役割も
果たしている。
【0039】図11には、更に通電発熱方式を使用した
他の例を示す。図10の例では、導電性ベルト33の抵
抗性ベースフィルム28側に帰路電極31を設けた例を
示した。しかしこの方式では上述したように抵抗性ベー
スフィルム28から帰路電極31に電流が流れ込む際
に、僅かではあるが発熱してしまう。すなわち、この様
な方式では熱の損失が発生している。図11に示した方
式ではこの点を改良し、帰路電極31を導電性ベルト3
3の導電層29側に接触させている。金属製の帰路電極
31を金属を蒸着して形成した導電層29に接触させる
ことにより、原理的には金属どうしの接触が得られるの
で、熱の損失はほとんど無くなることになる。なお、図
11に示す定着装置では、帰路電極31として長方形の
電極を使用した例を示したが、金属ローラを導電層29
に押し付けて帰路電極としても良い。またローラの方が
スムーズな接触を得ることが可能であるので、熱の損失
をより少なくすることが可能となる。
【0040】なお、図12には本発明の定着装置の第7
の具体例として、通電発熱方式の定着装置のさらに他の
例を示す。この定着装置は、導電性ベルト33′が抵抗
性ベースフィルム28′だけから構成されている。この
様な導電性ベルト33′を使用する場合には、図12に
示したような記録ヘッド26′を使用している。この記
録ヘッド26′には、個別のアレイ状に並んだ記録電極
25′と、同電位の多数のあるいは1つの帰路電極3
1′とが搭載されている。この記録ヘッド26′を導電
性ベルト33′を介してトナーの定着されてない記録紙
105に圧接し、駆動回路32で記録電極25′に選択
的に電圧を印加すると、電流は、図12の矢印で示すよ
うに記録電極25′から導電性ベルト33′の内部を通
過して帰路電極31′に流れ込むことになる。ここで導
電性ベルト33′の内部を電流が流れる際に発熱が生
じ、この熱が記録紙105と記録紙105上の未定着の
トナーに伝達され定着が行なわれる。この定着装置のよ
うに導電性ベルト33′が抵抗性ベースフィルム28′
だけから構成されている場合には、トナーが導電性ベル
ト33′に付着し易くなる。図13に、この装置に用い
られる導電性ベルト33′の断面図を示す。図13に示
すように、トナーの付着を防止するためには抵抗性ベー
スフィルム28′上に、トナーの付着防止層23を形成
するのが望ましい。トナー付着防止層23は、例えばフ
ッ素樹脂やテフロン樹脂などの薄層をコーティングによ
り形成することで実現できる。 実施例3
【0041】図14は、本発明の第8の具体例である記
録紙の位置情報を検出するセンサーを設けた定着装置
を、レーザプリンタに使用した例を示す概略図である。
図14に示すように、このレーザプリンタに用いられる
定着装置201は、図1に示す第1の具体例の定着装置
に記録紙の位置情報を検出するセンサーを設けたもので
あり、搬送ローラ9とガイド121との間に記録紙10
5の位置情報を検知するセンサー40が設けられている
以外は、図1に示す装置と同様の構造を有する。
【0042】定着器201は、発熱部3を含んだヒータ
2と耐熱性の樹脂ベルト4および耐熱性ベルト4を張る
ための2つのローラ6および7とプラテン5によって構
成されている。更に記録紙105を定着装置201まで
運んでくるための搬送ローラ9と記録紙105を定着装
置201から排紙するローラ10とから構成されてい
る。定着装置201の入口には、記録紙105の通過お
よびその位置情報を検知するセンサー40が取付けられ
ている。
【0043】まず、トナー像が転写されてまだ定着され
ていない記録紙105は、その定着装置201の入口で
センサーによって位置とスキューが検出される。センサ
ーは、簡易なものならば記録紙の通過だけを検知できれ
ば良い。センサーが記録紙の通過を検知したらサーマル
ヘッドのコントローラに同期信号FPS−1を送り、コ
ントローラは信号FPS−1を受取ると、所定時間の後
サーマルヘッドの駆動を開始する。これによりトナー付
着部とヒータ加熱部の副走査方向(記録紙の進行方向)
の位置合わせが行なえる。しかし、トナー付着部とヒー
タによる加熱部をより正確に一致させるためには、記録
紙の位置ずれおよびスキューを補正しなければならな
い。図15は、センサーが記録紙の位置情報を検知する
状態を上から見た図であり、図16はその側面図であ
る。図15に示すように、センサー30は、CCDスキ
ャナ41と光源42とから構成される。記録紙105の
位置ずれとスキューの検出のために、CCDの各素子4
5は、その出力が、記録紙が通過する側の最端部43
(センサーA)とそれ以外のセンサー群44(センサー
B)の2つに分かれている。センサーBは記録紙の通過
時に端部の位置を検出するためのもので、センサーAは
センサーBと合わせて記録紙のスキューを検出するため
のものである。CCDの出力は適当なスレシホールドで
2値化される。各センサーの(2値化後の)出力から記
録紙端部の位置とスキューを以下のように4通りに場合
分けして定めた。
【0044】(1)センサーAの出力がHになった時
と、センサーBのいずれかが最初にHになった時が同時
ならば、スキューは無いものとする。この時の記録紙端
部の主走査方向の位置は、最初にHになったAから最も
遠いBのセンサーの位置とする。
【0045】(2)センサーBのどれかが最初にHにな
り、その後センサーAがHになった時は、Aと最初にH
になったBのセンサーがそれぞれHになるまでの時間の
差(サンプリングロックの回数)をセンサー間の距離
(センサーの個数)で割った値をスキューとし、この時
のBの側のセンサーの位置を記録紙端部の位置とする。
【0046】(3)センサーAが最初にHになり、その
後センサーBのどれかがHになった時は、AとBの中で
最初にHからLになったセンサーで、(2)同様スキュ
ーと記録紙の位置を定める。ただし、スキューの方向は
逆向きとなる。
【0047】(4)記録開始時点から所定の時間が過ぎ
ても上記(1)から(3)に該当する出力が得られなか
った場合は、スキューが最大とする。スキューがある一
定値より大きくなったら記録紙の全面を加熱するので、
この場合は、スキューの方向と記録紙端部の位置は考え
なくて良い。
【0048】以上の構成で記録紙のスキューと端部の位
置を検出できるが、これをより正確に行なうには、セン
サーを記録紙の中央部や反対側の隅に対応する位置など
にも取付けると良い。さらに正確に行ないたい場合は、
記録紙が記録ドラムから剥離された直後にセンサーで記
録紙の位置とスキューを検出し、さらに定着器の直前で
再び記録紙の位置とスキューを検出し、両者の差を改め
て記録紙の位置とスキューとする。この様にすると、記
録紙が記録ドラムに接する前に生じた分の位置ずれやス
キューが取除かれ、トナー像のある場所と定着器での加
熱箇所をより正確に合わせることができる。なお、本実
施例では、記録紙の位置ずれとスキューの両者の検出を
行なったが、一方だけの検出でもある程度は記録箇所と
加熱箇所のずれの補正ができる。
【0049】センサーを通過した記録紙105は、ヒー
ター2に導入される。定着の工程は、ヒーター2に位置
ずれとスキューの情報が送られる以外は図2に示す第1
の具体例の装置と同様にして行われる。第1の具体例と
同様にヒーター2としてサーマルヘッドが好ましく用い
られる。
【0050】ここで、サーマルヘッドの解像度は、レー
ザビームによる静電潜像書き込み時の解像度より粗い解
像度のもので十分である。記録紙は感光ドラムから定着
装置に搬送される間に、ある程度の位置ずれやスキュー
を生じる。この分をカバーすることと、トナー付着部の
周囲の記録紙を加熱することのため、実際に静電潜像を
書き込んだ部分より加熱領域を大きくしてあるので、加
熱パターンは記録パターンの解像度より粗いものとな
る。また、高解像度のサーマルヘッドは高価であり、ま
た高解像度のサーマルヘッドを用いて低い解像度で加熱
を行なうことは無駄なので、コストを下げるために16
DPMの記録解像度に対して8 DPMのサーマルヘッドを用
いる。
【0051】サーマルヘッドへのデータの転送は例えば
次のようにして行われる。記録画像用と加熱パターン用
にそれぞれページメモリを持っている場合、加熱パター
ン用のメモリーには、記録を始める前に加熱パターンを
書き込んでおく。コントローラが定着開始用の同期信号
FPS−1を受け取ったら、所定時間経過後にメモリー
から加熱パターンを読みだし、サーマルヘッドに転送す
る。ここで信号FPS−1を受け取ってから読みだしを
始めるまでの時間は、記録紙が位置センサーから実際の
発熱部に搬送される時間に設定する。ここで位置ずれが
検出されたときには、その値に応じてページメモリの読
みだし位置を主走査方向に移動させ、スキューが検出さ
れたときはその値に応じてページメモリを斜めにアクセ
スし、記録パターンと加熱パターンとのずれを防ぐ。
【0052】次に、記録パターンから加熱パターンへの
変換法について述べる。例えば16DPM の記録に対して
8 DPM のサーマルヘッドを用いた場合、図17に示す
ような記録パターンを2×2の4画素の論理和でサーマ
ルヘッドの解像度に解像度変換して図18に示すような
解像度変換されたパターンを得る。これを太らせたもの
を図19に示すような加熱パターンとする。この太らせ
る処理は、3×3のカーネルを1画素ずつシフトさせな
がら論理和をとることで行なう。カーネルサイズは3に
限ることはなく、その装置の搬送の精度によって定めれ
ば良い。また、最初に解像度変換を行なうのは、先に解
像度を落とすことにより後のフィルター処理のカーネル
サイズを小さくでき、必要なラインバッファなどのハー
ドウェアを少なくできるからである。なお、ここでは上
下左右それぞれ同じ割合で太らせているが、サーマルヘ
ッドの蓄熱などを考えて方向性を持たせて太らせても良
い。なお、記録紙の位置情報を検知するセンサーは、第
1の具体例のみでなく、第2ないしの第7の各具体例に
設けることができる。
【0053】以上、本発明の定着装置の具体例について
幾つか述べたが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。例えばこの実施例はレーザを使用した光
プリンタでの実施例についてのみ述べているが、例えば
LED、液晶シャッタ、EL素子、プラズマ発光素子、
螢光体ドットなどの発光素子やシャッタ素子をアレイ状
に並べた光プリンタ、あるいは通常の電子写真方式のア
ナログ複写機、更に感光体の代わりに誘電体を使用した
イオンデポジション記録方式などの各種の記録方式で
も、現像したトナー像を最終的に記録紙上に定着する工
程が必要であり、本発明の定着装置を適用することが可
能である。また、本発明の定着装置では、選択的に駆動
できる多数の発熱素子から構成されるヒータまたは多数
の電極を有する通電手段を使用して、これらの発熱素子
または電極を画像データに応じて選択的に駆動すること
によって定着が必要な部分のトナーだけを定着すること
を特徴としている。この様に、本発明においては、選択
的に発熱を行なうことにより、定着装置で消費される電
力を少なくすることを特徴とする。従って、本発明は、
この様な特徴を有する定着装置であれば良く、必ずしも
上記実施例で示したサーマルヘッドや通電記録ヘッドを
使用した定着装置だけに限定されない。
【0054】
【発明の効果】本発明の定着装置は、熱容量の大きな定
着手段例えばヒートロール等を使用してないので、従来
の定着装置のように記録紙以外の例えばヒートロールな
どを暖める必要がなく、発生した熱が定着されるトナー
とその周辺の記録紙に効率良く伝達される。従って、数
J/cm2 の熱で定着が可能となり、定着に消費される電
力は従来装置の約1/10程度にまで減少される。これ
により、通常の常温で使用する場合にはウォームアップ
時間を0にすることができる。
【0055】さらに、本発明の定着装置では、選択的に
加熱し得る手段を使用して定着を行なうため、文字のあ
る場所あるいはその付近のトナーだけをオンデマンドで
選択的に定着することも可能である。この様な定着方法
にすることで消費電力を更に数分の一まで小さくするこ
とが可能である。
【0056】また別な効果として、この様な選択的な定
着を行なった場合には、記録以外で転写されたカブリな
どの下地汚れとなるトナーは定着されないので、下地汚
れのない綺麗な記録を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置を用いたレーザプリンタの一
例を示す概略図。
【図2】本発明の定着装置の第1の具体例を示す概略
図。
【図3】本発明の定着装置の第2の具体例を示す概略
図。
【図4】本発明の定着装置の第3の具体例を示す概略
図。
【図5】本発明の定着装置に用いられる耐熱性ベルトの
一例を示す断面図。
【図6】本発明の定着装置に用いられる耐熱性ベルトの
他の一例を示す断面図。
【図7】本発明の定着装置の第4の具体例を示す図。
【図8】通電記録装置に用いられる記録ヘッドの一例を
示す部分的な斜視図。
【図9】図8の記録ヘッドを用いた従来の通電転写記録
装置の一例を示す。
【図10】本発明の定着装置の第5の具体例を示す概略
図。
【図11】本発明の定着装置の第6の具体例を示す概略
図。
【図12】本発明の定着装置の第7の具体例を示す概略
図。
【図13】図12の定着装置に使用される導電性ベルト
の断面図。
【図14】本発明の定着装置の第8の具体例を用いたレ
ーザプリンタを示す概略図。
【図15】センサーと記録紙との配置を上から見た図。
【図16】センサーと記録紙との配置を表す側面図。
【図17】定着装置におけるデータ転送を説明するため
の記録パターンの一例を示す図。
【図18】図3に示す記録パターンを解像度変換したパ
ターンの一例を示す図。
【図19】定着装置におけるデータ転送を説明するため
の加熱パターンの一例を示す図。
【図20】従来の定着装置を用いたレーザプリンタの一
例を示す概略図。
【符号の説明】
1…定着装置、2…ヒータ、3…発熱素子、4…耐熱性
樹脂、5…プラテン、25…記録電極、26…記録ヘッ
ド、27…導電性樹脂、100…感光体ドラム、103
…現像器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像を現像して得た現像剤像を被記
    録材に転写した後、被記録材に定着するための定着装置
    であって、多数の発熱素子から構成される加熱手段と、
    該発熱素子を選択的に発熱させる手段と、前記加熱手段
    と被記録材との間に介在し、かつ該被記録材と実質的に
    等速で前記加熱手段と相対移動する耐熱性伝熱媒体とを
    具備し、前記耐熱性伝熱媒体を介して被記録材を前記加
    熱手段に圧接し、選択的に発熱された発熱素子からの熱
    を前記伝熱媒体を介して前記被記録材上の現像剤に伝達
    することにより前記現像剤像を前記被記録材に定着させ
    ることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 静電潜像を現像して得た現像剤像を被記
    録材に定着するための定着装置であって、多数の電極を
    有する通電手段と、該電極に選択的に電圧を印加させる
    手段と、前記通電手段と被記録材との間に介在し、かつ
    該被記録材と実質的に等速で前記通電手段と相対移動す
    る導電性発熱媒体とを具備し、前記導電性発熱媒体を介
    して被記録材を前記通電手段に圧接し、前記通電手段に
    電圧を選択的に印加し、前記導電性発熱媒体を部分的に
    発熱させ、この熱により前記現像剤を前記被記録材に定
    着させることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 静電潜像を現像して得た現像剤像を被記
    録材に定着するための定着装置であって、多数の発熱素
    子から構成される加熱手段と、該発熱素子を選択的に発
    熱させる手段と、前記加熱手段と被記録材との間に介在
    し、かつ該被記録材実質的に等速で加熱手段と相対移動
    する耐熱性伝熱媒体と、前記被記録材の位置情報を検知
    するセンサーとを具備し、前記耐熱性伝熱媒体を介して
    被記録材を前記加熱手段に圧接し、選択的に発熱された
    発熱素子からの熱を前記伝熱媒体を介して前記被記録材
    上の現像剤に伝達することにより前記現像剤像を前記被
    記録材に定着させることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 静電潜像を現像して得た現像剤像を被記
    録材に定着するための定着装置であって、多数の電極を
    有する通電手段と、該電極に選択的に電圧を印加させる
    手段と、前記通電手段と被記録材との間に介在し、かつ
    該被記録材と実質的に等速で通電手段と相対移動する導
    電性発熱媒体と、前記被記録材の位置情報を検知するセ
    ンサーとを具備し、前記導電性発熱媒体を介して被記録
    材を前記通電手段に圧接し、前記通電手段に選択的に電
    圧を印加し、前記導電性発熱媒体を部分的に発熱させ、
    この熱により前記現像剤像を前記被記録材に定着させる
    ことを特徴とする定着装置。
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