JPH056112A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH056112A
JPH056112A JP3158480A JP15848091A JPH056112A JP H056112 A JPH056112 A JP H056112A JP 3158480 A JP3158480 A JP 3158480A JP 15848091 A JP15848091 A JP 15848091A JP H056112 A JPH056112 A JP H056112A
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洋司 芹澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写部材に印加する電圧制御の回路構成を簡
単にし、安定した精度の高い電圧制御を行なえる。 【構成】 転写ローラ2に対する定電圧制御時の定電圧
値をステップ的に増加させ、電流検出回路14により転
写ローラ2に流れる電流が所望の値に達したと検知され
たとき、その電流に基づいて転写出力電圧を決定するの
をプリント動作前に行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置、静電記
録装置等の複写機、プリンタのような画像形成装置に関
するもので、特に像担持体の像を転写材に転写するため
に転写材の裏側に接触する転写部材を備えた画像形成装
置に好適に具現化し得うるものである。
【0002】
【従来の技術】像担持体としての感光体ドラム表面に形
成した可転写像を紙等の転写材に転写する工程を含む周
知の画像形成装置において、感光体ドラムとこれに圧接
する転写ローラ等の転写部材とで当接形成された転写部
位に前記転写材を通過させ、これとともに該転写部材に
転写バイアスを印加し、よって形成される電界の作用で
像担持体側のトナー像を転写材に転移させるように構成
したものが既に知られている。
【0003】上記転写部材として使用される転写ローラ
等は通常ゴム、スポンジ等に導電性粒子を分散させてこ
の抵抗値を適宣に調整したものが使用されているが、製
造時のバラツキ、湿度耐久変動等の影響によって抵抗値
が1桁以上も変化するため、常時安定した転写バイアス
を印加することが困難である。
【0004】良好な転写性を常に得るためには紙裏に与
える電荷量を制御してやるのが理想的であり、例えば転
写ローラを定電流制御することが考えられる。しかし、
装置に使用される転写材のサイズの変化により転写ロー
ラが感光体面に当接している幅が変わることで、転写材
の有無部で転写ローラの感光体ドラムに対する負荷イン
ピーダンスが異なり、特に転写材無部では負荷インピー
ダンスが小さくなり、多くの電流が集中的に流入し、転
写材の有る部分では転写不良をきたしてしまう。
【0005】従って、転写部材としての転写ローラを定
電圧制御する必要がある。
【0006】本発明者らは上記問題点を鑑みて、抵抗値
の異なる転写ローラから転写材裏面に常に同程度の電荷
を付与するために以下に述べる方式を既に提案した。
【0007】すなわち、転写動作以前に通紙時に転写ロ
ーラへ流す電流を推定した一定電流を転写ローラに流
し、転写時に必要とする電圧(発生電圧)を保持し、転
写時に印加するというバイアス制御方式(以下ATVC
方式と呼ぶ。)である。
【0008】ハードウェアで構成されたATVC方式の
簡単な制御回路のブロック図を図10に示す。
【0009】図10において、感光体ドラム1に転写ロ
ーラ2が当接しており、転写ローラ2の芯金に転写高圧
電源11よりバイアスが印加されるようになっている。
【0010】転写ローラは非通紙時(SW A:ON、
SW B:OFF)、一定電流を感光体ドラムに対して
流す様に電流電圧変換回路とコンパレータの機能を合わ
せ持つ回路14で制御される。上記回路14のコンパレ
ータの部分で一定電流となるまで電流を増加し、それと
同時にゲイン用抵抗Rgを介してメモリ用コンデンサC
mに電圧変換された電圧VOが記憶される。ゲイン用抵
抗Rgの役割は、検出された電圧VOを転写に適正なバ
イアスに補正するためのもので、本回路においては、検
出電圧VOを係数α(≧1)倍している。
【0011】通紙時になるとDCコントローラ4がSW
AをOFF、SW BをON状態にして、メモリ用コ
ンデンサCmに記憶されている転写用電圧αVOを出力
し、AMP15を介して転写高圧電源11が駆動され
て、転写ローラに転写バイアスが印加される。
【0012】本方式、ATVC方式を利用することによ
って、接触転写部材を有するレーザープリンタ等で一定
の効果を挙げている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記A
TVC方式は高圧回路に定電流回路が必要なのでコスト
的に高くなり、また定電流動作時の出力電圧を記憶する
手段としてコンデンサを用いたハードウェアに頼ってい
るため、リークによるコンデンサ電位の変動や、ゲイン
抵抗の公差、温度特性等の変動が転写時の出力電圧に影
響を及ぼす怖れもある。
【0014】また、ATVC方式は、ハードウェアで構
成されているので、回路設計をした時点で定数、例えば
定電流値や発生電圧を適正転写電圧に補正するための係
数が定まってしまい、単純なバイアス制御しか実現でき
ない等といった不利な点がある。
【0015】
【発明の目的】本発明は、上記の問題点に鑑み成された
ものであり、その目的は転写部材に印加する電圧制御の
回路構成を簡単にし、安定した精度の高い電圧制御を行
なえる画像形成装置を提供することである。
【0016】
【発明の構成】上記目的を達成するために、本発明によ
れば像担持体と、前記像担持体の像を転写材の裏側に接
触して転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加
する電圧印加手段と、を有する画像形成装置において、
前記電圧印加手段の出力を制御する制御手段であって、
前記電圧印加手段によって前記転写部材を定電圧制御す
るときの出力電圧を変化させ、前記電圧印加手段の出力
電流を検知して前記出力電流が所望値に達したとき前記
検知手段の検知結果に応じて前記電圧印加手段の出力電
圧を決定する制御手段を有し、前記電圧印加手段の出力
電圧の決定はプリント動作前に行なわれることを特徴と
するものである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の画像形成装置の実施例を図面
に基づいて説明する。
【0018】図1に画像形成装置であるレーザビームプ
リンタの要部側面図を示す。
【0019】図1の紙面に垂直方向に軸線を有し、図示
矢印方向に回転移動(プロセススピード50mm/se
c)する像担持体としての感光体ドラム1があり、その
有機光導電層表面を、1次帯電用高圧電源9に接続され
た1次帯電ローラ3によって一様に負帯電する。
【0020】次いで該帯電面にレーザビームスキャナ5
により画像情報に応じて画像変調されたレーザ光Lが照
射され、当該部分の電位が減衰して静電潜像が形成さ
れ、更にこの潜像が感光体ドラム1と現像器6が対向す
る現像部位に至ると現像高圧電源10より電圧が印加さ
れ現像器6から潜像部分にネガトナーが供給され、反転
現像によってトナー像が形成される。
【0021】感光体ドラム1の回転方向にみて、現像部
位の下流側には、感光体ドラム1と転写部材である転写
ローラ2とが圧接して転写部位を形成しており、感光体
ドラム1の回転につれて前記トナー像が転写部位に到来
すると、これにタイミングを合わせて搬送路7から紙か
らなる転写材Pが該転写部位に供給され、同時に電圧印
加手段である転写高圧用電源11によって転写ローラ2
に正の転写バイアスが印加されて、感光体ドラム1側の
トナー像は転写材Pに転写される。この転写時には転写
材Pの裏側に転写ローラ2が回転接触して転写材Pの裏
側には前記トナー像の電荷とは逆極性の電荷が付与され
る。なお、転写ローラ2と感光体ドラム1との間に転写
材Pの厚さよりも小さい間隙を設けることも可能であ
る。
【0022】その後トナー像を担持する転写材Pは感光
体ドラム1から分離されて不図示の定着部位に搬送され
て定着され、一方感光体ドラム1表面に一部残った残留
トナーは、クリーナ8によって除去され、感光体は次の
画像形成行程に入り得る状態になる。
【0023】また本実施例で使用の転写ローラ2は導電
性フィラーとして酸化亜鉛を分散したEPDM(エチレ
ンプロピレンジエンの3元共重合体)スポンジ転写ロー
ラを用いた。その外径は8mmのSUS芯金の上に肉厚
6mmで形成し、外径20mmとした。その抵抗値は3
00g重の荷重のもと接地に対して、転写ローラ2、5
0mm/secの周速で回転させ、芯金に1.0KVの
電圧印加のもと測定された電流の関係から抵抗値を測定
したところ約5×108〜5×109Ωという値となっ
た。
【0024】感光体ドラム1上の帯電ローラ3による1
次帯電電位は暗電位VD=−600V、レーザ光による
露光電位VL=−100Vである。
【0025】以下に転写電圧の制御について詳細に述べ
る。
【0026】従来のATVC方式は転写動作以前の非通
紙時(転写部位に転写材が存在しないとき)感光体ドラ
ム上電位がVD=−600Vの部分に転写ローラ2に接
続された定電流回路を用いて感光体ドラム1に一定電流
を流すようにしている。このとき転写ローラ2の抵抗に
対応して発生する電圧をハード的に保持し、その後転写
部位に転写材が存在するとき、すなわち通紙時に上記電
圧、もしくは、上記電圧に係数倍、定数加算等といった
補正を加えて印加する様にしていた。
【0027】しかしながら、本実施例では、転写ローラ
に印加する電圧をデジタル的に増減させる手段と、転写
ローラから感光体ドラムに流入する電流を検出する手段
と、前記流入する電流が所望の値に達しているか否かを
判断する手段とを用いて、転写ローラから感光体ドラム
に流入する電流を一定値に収束させ、前記ATVC方式
の定電流回路と同等の制御を可能としている。本方式を
以後PTVC(Programable Transf
er Voltage Control)方式と称す
る。
【0028】PTVC方式の定電流制御について以下に
詳述する。
【0029】PTVC方式の定電流制御はATVC方式
同様に非通紙時、感光体ドラム1表面がVD電位(−6
00V)に帯電された状態のときにその表面が転写部位
にあるとき行う。VD電位部で行う理由は、感光体表面
の感光層(負帯電極性有機光導体層)に転写ローラ2に
より正規の帯電(本実施例では負帯電)とは逆極性の強
い正の帯電がなされた場合、感光層表面に逆極性のメモ
リ(プラスメモリと言う)を形成して、感光層表面にダ
メージを与える怖れがある。感光体上の電位が露光電位
L(−100V)の様に低い状態程、ダメージを受け
易いからである。
【0030】従ってPTVC方式は感光体ドラム1にお
いて1次帯電が施された部分に転写ローラが接した時点
から始める。
【0031】図1において、不図示の駆動装置によって
感光体ドラム1が駆動され、帯電ローラ3に1次高圧電
源9から1次帯電用バイアスが印加され、感光体表面を
D電位に一様に帯電を開始する。感光体ドラム1の帯
電部が転写部位に到達するや否やD/Aコンバータ12
にDCコントローラ4からの信号が入力されデジタル的
に電圧を増加する動作を始める。
【0032】図4はD/Aコンバータ12の出力電圧と
転写高圧電源11の出力電圧との関係を示したもので、
DCコントローラ4よりD/Aコンバータ12に00〜
FFまでデジタル信号が入力されると、0〜5Vのアナ
ログ電圧に変換され、更に転写高圧電源11の出力電圧
の0〜5KVが出力される様になる。なお、転写高圧電
源11は、感光体ドラム1と転写ローラ2との間に一定
電圧を印加可能な定電圧電源である。
【0033】図5は先述の電圧を増加する動作を示した
もので横軸に時間t[msec]、縦軸にはD/Aコン
バータの出力電圧[V]をとっている。
【0034】図5においては1lsb:転写最大出力電
圧[V]/256[bit]=5000/256≒20
Vの電圧を5msecの間転写ローラに印加し、順次s
tep upしている。時間を5msecとしている理
由としては以下の事が挙げられる。即ち、本実施例で使
用している転写ローラ2の発泡EPDMローラには静電
容量があるため短時間のパルス電圧を印加すると、感光
体ドラム1表面には微分された形で印加されてしまう。
その結果、過渡電流が流れて正常な動作が行われない。
また、高圧出力回路には立ち上り応答遅れ等といった現
象もあるために、ある一定時間電圧を印加し続ける必要
がある。しかし長い時間印加し続けるとステップアップ
に多くの時間を費やしてしまう。双方の条件をほぼ満た
す時間が2〜10msecであったので本実施例では5
msecを選択した。
【0035】図6に転写ローラ2の抵抗値に依る転写ロ
ーラ印加電圧と感光体VD部に流入する電流量の関係を
示す。
【0036】図6は、先述の転写ローラ抵抗測定法によ
って測定された製造上多少抵抗ばらつきをもつことによ
り2×108〜4×109Ωの抵抗を有する各々の転写ロ
ーラ2の感光体ドラム1上電位(−600V)に対する
電圧、電流特性であり、特に転写材として転写条件の厳
しい15℃、10%RHの低温低湿環境下での放置紙で
プリントしたときのものである。転写ローラの電圧、電
流特性が曲線となっているのは、転写ローラの材質の抵
抗特性が電圧依存性を有しているためである。また、同
じ転写ローラでも印加電圧が高ければ先述のプラス、メ
モリがプリント画像に影響を及ぼす。現象としては、強
い逆極性のプラス電荷が感光体表面に付与されるため、
その部分が次段の1次帯電行程を経ても、電位がVD
位まで回復しきらず、部分的に現像電位よりも低い部分
が生じて、その部分にトナー像が現像されて、次プリン
ト時の画像にカブリとして現われる。
【0037】図6中の各々の転写ローラでプラス、メモ
リの発生した境界電圧をプロットしたラインをプラス、
メモリラインとしてそのメモリ領域を図中上方に示し
た。逆に転写ローラに印加する電圧が弱いと、転写材裏
面にトナーを強く保持するだけの電荷を付与することが
できなくなるので、感光体と転写材が分離する際にトナ
ーが転写材のうち文字部等の画像部から背景部である非
画像部へ飛び散って転写不良を引き起こす。この転写不
良の領域を図中下方に示している。
【0038】従って、先述の環境下で良好なプリント画
像を得るには両ラインを避けた領域で転写バイアス制御
を行う必要がある。
【0039】図6中央に転写バイアスを設定するために
転写部材である転写ローラに一定電流を流すための定電
流制御ラインを示す。本実施例ではこれを3.5μAに
設定している。前述したPTVC方式を用いて、この
3.5μA定電流制御をこの様にして行うか以下に述べ
る。
【0040】図6に示した様にデジタル的に転写電源1
1に印加する電圧を増加して、3.5μAに電流を収束
させる必要がある。しかしながらここで問題は、転写ロ
ーラの抵抗値によって収束する迄の時間が異なり、特に
高い抵抗を有する転写ローラにおいては収束にかなりの
時間を必要とする。
【0041】上記問題の解決方法として、1lsbで上
昇する電圧を大きくする方法がある。先述においては1
lsbで20Vしか増加させなかった。ここで、例えば
1lsbで100V、200Vと大きくすると著しく速
く所望の値に収束する様になる。しかし、この様に1l
sb当りの電圧値を大きくすると抵抗の高い転写ローラ
は救うことが可能となるが、比較的低い抵抗の転写ロー
ラでは、検出される電流値のオーバーシュートが激しく
なり、収束迄に時間がかかるという弊害を生じる。
【0042】従って、使用する転写ローラの抵抗範囲の
中でオーバーシュートが小さく、収束時間が最も短くな
るように1lsb当りの電圧を設定する必要がある。
【0043】本発明者らの実験の結果、60V/1ls
bを5msec印加することが、最も収束時間が短くな
ることがわかった。
【0044】図6に示した転写ローラにおいて最も抵抗
の低い2×108Ωの転写ローラにおいて3.5μAに
収束する必要だった時間は約300msec、同様に最
も高い4×109Ωの転写ローラにおいては約1000
msecの時間が必要とされた。
【0045】一方、転写ローラを製造するとき転写ロー
ラの導電性フィラーは周方向で分散にばらつきが出てし
まう。従って、個々の転写ローラはその抵抗が周方向で
ばらつきをもつことになる。従って、本実施例によれば
転写動作前に転写ローラに対して定電流制御を行ない、
このとき少なくとも転写ローラが1回転する間転写ロー
ラの転写部位の抵抗に対応する発生電圧をサンプリング
して平均化している。
【0046】従って、PTVCによる転写部材に対する
定電流制御は(定電流値への収束時間)+(転写ローラ
1周サンプリング時間)の時間だけ行う必要がある。
【0047】ATVC方式においては、ハードウェアの
定電流回路を用いていたために、プリント動作中の感光
体表面の電位の調整、清浄化を目的とした前準備回転と
言われる時間内に、充分電圧は収束し、サンプリングも
可能であった。
【0048】PTVC方式をこの様な前回転中だけで実
施するとなると、転写バイアス設定のために多くの時間
が割かれ、ファースト・プリントタイムが著しく長くな
ってしまうという不具合を生じる。
【0049】従って、本実施例ではPTVCの有利な点
を十二分に引き出すために実施されるものであって、電
源投入直後のプリント動作に入る前の前多回転と呼ばれ
る、レーザプリンタ立ち上げ(ウォームアップ)時に実
施される感光体表面の清浄化、表面電位の均一化、及び
定着加圧ローラの加熱等を目的とした一連の感光体ドラ
ム駆動時に、第1のPTVCを実施し、プリント動作中
の前準備回転時に第2のPTVCを実施するのが好まし
い。より具体的には第1のPTVC(以下PTVC1)
は前多回転中で所望の定電流値に収束する迄、第2のP
TVC(以下PTVC2)は前回転中で転写ローラの抵
抗の周方向ムラを補正するために転写ローラ1周分、上
記の収束した定電流値でサンプリングする時間だけ実施
する様にしたものである。
【0050】ここで前多回転について述べると、前多回
転は電源投入後まず定着装置が加熱されウォームアップ
終了より前に開始されウォームアップ終了とほぼ同時に
終わる。これは定着ローラ表面が、サーモスイッチ、サ
ーミスタ及び分離爪等に固着したトナーによって傷付け
られるのを防ぐためである。
【0051】図2に転写バイアス制御のシーケンス、図
3にそのときのDCコントローラ4内に組み込まれてい
るCPUが行う制御のアルゴリズムを示す。PTVC1
は前多回転開始後、1次帯電が施された感光体表面が転
写部位に到達したとき行われる。CPUからの信号HV
TINがD/Aコンバータ12に入力され、60V/l
sb5msecの電圧が転写高圧電源11より転写ロー
ラに入力される。図3中のaの値は、1stepで上昇
する電圧をlsbの値で表現するためのもので、本装置
は20V/lsbであるので、1step60V/ls
bで上昇させるのでaの値はa=3となる。
【0052】D/Aコンバータ12から順次増加した一
定電圧が、転写高圧電源11より出力されるのに応じて
転写ローラから感光体ドラムに対して流れた電流は、電
流検出回路14を介してA/Dコンバータ13に入力さ
れ、0〜5Vの電圧に変換されてHVTOUTというデ
ジタル信号となってDCコントロール内のCPUに送ら
れ、目標値Kと比較される。この目標値Kは、先の予め
設定した3.5μAという電流値をA/Dコンバータ1
3により電流、電圧変換した値である。なお、この電
流、電圧変換の値をソフト上で任意の値に設定すること
も可能である。
【0053】D/Aコンバータの出力はA/Dコンバー
タの入力より早いために図3のPTVC1のアルゴリズ
ムの中で、検出電流をA/Dコンバータにより変換した
値が目標値Kと一致した(検知電流が3.5μAとなっ
た)後は、D/Aコンバータの出力による電源11の出
力電圧はさらにstep upしており転写出力電圧は
オーバーシュートした状態にいると考えられる。そして
HVTINの値を増減し3度、目標値Kと検出電流をA
/Dコンバータにより変換した値とが一致したときにP
TVC1の制御を終了するようにしている。このとき同
時にCPU上に、ほぼ3.5μAの電流を流すことが可
能な転写定電圧を出力するデジタル信号HVTINの値
をHVTTとして記憶して前多回転を終了する。
【0054】次いで、転写材に画像を形成する一連のプ
リント動作が始まり、即ち前回転が開始すると、PTV
C2がスタートする。PTVC2ではPTVC1で記憶
されたHVTTという信号が、CPUから出され、今度
は一気に転写出力電圧を上昇させる。このときの転写出
力電圧によるによって電流検知回路14で検知された電
流をA/D変換したHVTOUTは目標値Kの値に非常
に近いために、PTVC1と同様にHVTINの増減に
より素速く、Kの値に収束し、そしてHVTINを微妙
に制御して、収束した状態を維持する。以後転写ローラ
を少なくとも1周の間前記動作が繰返され、Kの値と一
致したHVTINの値をサンプリングし、1周が終了し
たときに、CPU上で平均化されることで転写バイアス
信号HVTOが記憶されて、プリント中の通紙時に電源
11により転写ローラに印加する様にする。
【0055】この様にして得られた転写出力電圧は図6
に示してある様に既に最適化されているので、図6中に
示す各々の転写ローラにおいて、プラスメモリ転写不良
等という画像上の問題を生じることなく、良好な転写画
像が得られる。また、次にプリント動作を行なう時のP
TVC2の時には上記転写バイアス信号で保持しておき
初期値としてHVTIN=HVTOとすると、収束が速
く、間欠プリントでムラの無い画像が得られる。PTV
C方式は先にも述べたが、ATVC方式に対してソフト
の変更だけで、定電流値の設定や転写時の転写電圧の補
正が可能であり、更にハードウェアに頼る部分が大幅に
減少するので、制御の精度が高くなる、コスト面で安く
なるといった大きなメリットがある。
【0056】また、制御時間が、長いという弱点も、本
実施例の様にプリント動作前である前多回転中のPTV
C1プリント動作中である前回転中のPTVC2といっ
た2つのモードに分けることによって、何の問題もな
く、充分に先述のPTVC方式のメリットを引き出すこ
とが可能となる。
【0057】なお、PTVC2は製造上転写ローラの周
方向の抵抗のばらつきがなければ行なわなくても良い
が、PTVC1は、プリント動作の時間を短くするため
にプリント動作前である前多回転中に行なうのが必要で
ある。
【0058】本発明の画像形成装置の転写制御の2つめ
の実施例は、電源投入直後にプリント動作を開始しない
場合について有効となる。現在、コンピュータの周辺機
器として使用されるレーザプリンタ等は、電源投入後、
終日オン状態を維持し電源を落とさずに翌日に持ち込
す、といった様な使用のされ方も珍しくない。
【0059】この様な使用をされた場合、第1の実施例
の様にプリント前の前多回転でPTVC1を実施し、プ
リント中の前回転でPTVC2を実施するとなると、周
囲環境の変動、例えば夏季のエアコン、冬季の暖房器具
等による温湿度の変化が転写ローラの抵抗値に微妙な変
化を引き起し、PTVC2の制御が大きくはずれてしま
う可能性がある。
【0060】本実施例では上記問題を回避するべくPT
VC1終了後、一定時間内にプリント動作(PTVC
2)が実施されなかった場合に、再度PTVC1の制御
を実施するというものである。使用した装置は先の第1
の実施例で用いたものと殆ど同様なものであるので、こ
こでの説明は省略する。唯一、異なる点はDCコントロ
ーラ4に組込まれているCPUがタイマー機能を有して
いることである。
【0061】図7に実施例の特徴をよく表す転写バイア
ス制御のシーケンスを示す。
【0062】本実施例において、前多回転で実施するP
TVC1の内容については第1の実施例と同様である
が、PTVC1終了と同時にCPU内のタイマーが動作
始める。そして、予め設定した時間Tが経過しても、プ
リント動作即ち前回転中のPTVC2が始まらないと自
動的にPTVC用感光体ドラム駆動が始まり、再びPT
VC1が実施される。
【0063】上述の予め設定した時間Tは、任意に設定
できるが、短時間に設定しても効果はあるが、無駄な感
光体ドラム回転が多くなるのと、1次帯電とは逆極性の
電圧が転写材を介さず転写ローラから感光体ドラムへ直
接与えられるので、感光体ドラムのいたみが激しくな
る。従って適当な時間間隔をおいて実施することが望ま
しい。装置を設置するオフィス環境が朝から夕方迄に変
化する状況を考えると2〜4時間の間に1回行えば充分
であることがわかった。従って本実施例においてはT=
2hourに設定した。
【0064】上記タイマー機能はPTVC1、2に関わ
りなくPTVCの始まりでリセットされ、終了と同時に
スタートする様に設定されているものとする。
【0065】図7においてはPTVC用感光体ドラム駆
動時に実施されたPTVC1の後にプリント動作が開始
している。このとき、第1の実施例に記載するものと同
様のPTVC2が実施される。このときPTVC2によ
って求められたHVTOはCPU上に記憶され、その後
時間Tが経過する迄の間に実施されるプリント動作、即
ちPTVC2においては図3に示すアルゴリズムの中で
HVTIN=HVTOに設定することによって、制御が
大きくはずれることを防止するようにしている。
【0066】本発明の様にPTVC1とPTVC2との
間に時間の開きがあったとしてもタイマー機能が働いて
PTVC1が再び実施される様になるので、装置使用環
境が大きく変化しても、転写出力制御が大きくはずれる
ことはなく、常に良好な転写性を得ることが可能となっ
た。
【0067】図8、図9は本発明の画像形成装置の転写
制御の第3の実施例を示すブロック図及びシーケンス図
である。
【0068】まず図8に示したブロック図において制御
内容を詳述する。図中16は転写出力電圧を制御するC
PUで、OUT端子より、所望の転写出力電圧に対応し
たパルス幅をもつPWM信号を出力する。実際にはパル
ス幅に対応した転写出力テーブル(不図示)をCPU1
6内にメモリしておく。このPWM信号はLow Pa
ss Filter17により、DC化され、アンプ1
5により増幅されて転写出力電圧VTとなる。このとき
流れた電流ITに対応した信号がCPU16IN端子に
入力されCPU16内で検知するという流れになってい
る。
【0069】定電圧制御をしたい場合には、予めCPU
16内に設定されたPWM転写出力対応テーブルから判
断し、所望の電圧値に対応したパルス幅のPWM信号を
出力する。また、転写部材である転写ローラ2から感光
体ドラム1に流れる電流を定電流制御したい場合には、
CPU9からのPWM信号のパルス幅を徐々に上げてい
き、CPU IN端子に入ってくる信号が所望の電流値
(定電流値)に対応した値になるまで続けられ、その
後、電流値変化に伴って電圧(パルス幅)を追従させて
定電流制御を行う。
【0070】以上のようにPTVC制御の利点は、定電
流出力回路が削除できるため、コストが安く済む。ま
た、CPU16内の設定(CPU内にプログラム可能)
により自由な電流値で、定電流制御することが可能とな
る。しかしながら、実際にはPTVC制御系を用いる
と、前述したように従来の定電流出力回路を有する転写
高圧を使用したATVC制御系に比べて定電流制御時の
バイアス立ち上り時間が長くなってしまう。従ってプリ
ント信号入力後の前回転時にP.T.V.C制御を行な
った場合ATVC制御を行なった場合よりもFirst
Print Timeに遅れを生じてしまう。本実施
例では前記問題を解決するために以上の様な制御シーケ
ンスにPTVC制御を設定した。
【0071】図9を発照して順に説明すると、まず、本
体メインスイッチでメインモータ、定着器ヒータ、帯電
ACバイアス、転写逆バイアス
【0072】
【外1】 (−2KV)がオンされる。このときの転写逆バイアス
【0073】
【外2】 は、転写ローラに付着したネガ極性のトナーをドラムへ
付着させ、転写ローラをクリーニングする目的を持つ、
約1秒後(転写ローラ1周分クリーニング後)に、PT
VC1制御を開始するが、定電流値までの立ち上り時間
を短縮するために、前記実施例と同様に所定のバイアス
立ち上げ制御を行ない、その後プラスの定電流制御もし
くは転写部材の抵抗値を検知する制御に移行する。これ
は転写ローラの少なくとも1周分所定の電流値で定電流
制御し(転写ローラ抵抗むらのため)、その時に発生し
た電圧を平均してVO′としホールドしている。また、
この定電流制御中には、帯電ローラはAC/DCともに
オン、現像バイアスはDCオンとなっている。
【0074】以上の一連のシーケンスを終えたら、転写
ローラ電位は、プリント信号が入力されて感光体が回転
を始めるまでアースとなる。
【0075】次にプリント信号がプリンタに入力される
と、先程と同様にメインモータ駆動と同時に帯電ローラ
ACと転写逆バイアスがオンされ、約1秒後にP.T.
V.C.2制御を開始する。ただし、ここでのP.T.
V.C.制御においては、まず先程ホールドした電圧値
O′で定電圧制御を行なった後に定電流制御をし、先
程と同様にVOを算出する。このときVO′はVOに変更
され、以降定電流制御を行ないVOを更新するまでホー
ルドしておく。VOをホールドしたらVO電圧で制御し
(VOはドラムにメモリを残さない電圧値)、転写部位
に転写材が到達したらVO電圧より算出した転写適正電
圧VTを印加する。
【0076】以上のように制御したことで、プリント信
号入力後の前回転時間が長くならないので、ファースト
プリントタイムも遅れないで済むようになる。
【0077】更に、前多回転中のP.T.V.C.制御
前に逆バイアスをかけたことで感光体を帯電する補助的
役目と、転写ローラの汚れのクリーニング効果により
P.T.V.C.制御中の転写ローラ抵抗(転写電流)
検知の精度が格段に良くなるうえに、転写ローラのクリ
ーニングをしているため通紙時の裏汚れを全く生じな
い。このため非常に高品位な画像を出力することが可能
となった。
【0078】以上説明したように、接触転写部材を定電
圧制御する電圧制御手段と、前記電圧制御手段による定
電圧制御時の出力電流値を検出する出力電流検出手段
と、前記出力電流が所望の値に達しているか否かを判断
して所望の値に達していると判断したときの定電圧出力
値と上記出力電流検知手段からの入力演算結果より、上
記接触転写部材への出力電圧を決定する手段を有し、電
源投入後、プリント動作迄の間少くとも2回、上記転写
出力制御を実施し、更に第2の転写出力制御が、第1の
転写出力制御によって得られた出力値に基づいて実施す
ることによって、従来、ハード的に行なわれた転写出力
制御をソフトを介して行えるようにしたため、ハードウ
ェアの公差、温特等の不安定要素を考慮しなくても済
み、精度の高い制御と低コスト化が実現されるようにな
る。また、ソフトウェアの変更が容易であるため、従来
回路設計の時点で決定されてしまっていた転写出力制御
における定数(定電流値、電圧補正係数等)を自由に設
定できるというメリットがある。
【0079】更に、転写出力制御を2回以上実施し、例
えば前多回転と前回転で各々実施することによって、デ
ジタル電圧制御を利用した定電流制御の弱点である制御
時間が長いという点を十分補うことができるので、上記
有利な点をあますことなく引き出す事ができるので、常
に良好なプリント画像が得られるようになった。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば転写
部材に印加する電圧制御の回路構成を簡単にし、安定し
た精度の高い電圧制御を行なえる画像形成装置を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例であるレー
ザ、プリンタの概略断面図である。
【図2】本発明の転写出力制御の一例を示すシーケンス
である。
【図3】本発明の転写出力制御の一例を示すアルゴリズ
ムである。
【図4】D/Aコンバータ出力と転写高圧出力との関係
を示すグラフである。
【図5】転写ローラに印加する電圧を制御するD/Aコ
ンバータの出力を示すグラフである。
【図6】転写ローラの電流・電圧特性を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の転写出力制御の第2の実施例のシーケ
ンスである。
【図8】D/Aコンバータの代わりにPWM信号、LP
Fを使用した転写高圧出力回路の概略ブロック図であ
る。
【図9】本発明の転写出力制御の第3の実施例のシーケ
ンスである。
【図10】従来のハードウェアを用いた転写出力制御回
路のブロック図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 転写ローラ 4 DCコントローラ 11 転写高圧電源 12 D/Aコンバータ 13 A/Dコンバータ 14 電流検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芹澤 洋司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 竹内 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と前記像担持体の像を転写材の
    裏側に接触して転写する転写部材と、前記転写部材に電
    圧を印加する電圧印加手段と、を有する画像形成装置に
    おいて、前記電圧印加手段の出力を制御する制御手段で
    あって、前記電圧印加手段によって前記転写部材を定電
    圧制御するときの出力電圧を変化させ、前記電圧印加手
    段の出力電流を検知して前記出力電流が所望値に達した
    とき前記検知結果に応じて前記電圧印加手段の出力電圧
    を決定する制御手段を有し、前記電圧印加手段の出力電
    圧の決定はプリント動作前に行なわれることを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記プリント動作前に決定された前記電
    圧印加手段の出力電圧に基づいてプリント動作時におい
    ても前記制御手段による前記電圧印加手段出力電圧の決
    定が行なわれることを特徴とする請求項1記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 前記プリント動作前の前記制御手段によ
    る前記出力電圧の決定は前記装置のウォームアップ中に
    行なわれることを特徴とする請求項1又は2記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段による前記出力電圧の決定
    前に前記転写部材の表面はクリーニングされることを特
    徴とする請求項1乃至3記載の画像形成装置。
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