JPH0561024A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0561024A
JPH0561024A JP3221606A JP22160691A JPH0561024A JP H0561024 A JPH0561024 A JP H0561024A JP 3221606 A JP3221606 A JP 3221606A JP 22160691 A JP22160691 A JP 22160691A JP H0561024 A JPH0561024 A JP H0561024A
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liquid crystal
display device
crystal display
light
crystal layer
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Application number
JP3221606A
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English (en)
Inventor
Toshimitsu Minemura
敏光 峯村
Toshihiro Suzuki
敏弘 鈴木
Michiko Takei
美智子 竹井
Kazumasa Nomura
和正 野村
Tsutomu Tanaka
田中  勉
Makoto Goshima
誠 五島
Takahiro Nakano
貴浩 中野
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バックライトを必要としない、薄型、低消費
電力、フレキシブルな反射型液晶表示装置を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 少くとも1つの散乱型液晶体(1)と、該散
乱型液晶体を透過する光の光路上に配置した光吸収体
(2)とを薄板状に積層して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄型、フレキシブルな
液晶表示装置、特に反射型のモノクロ又はカラー液晶表
示装置に関する。近年のOA機器および家庭電気製品の
軽量、薄型化にともない、特に表示装置の軽量化、薄型
化、低消費電力化およびカラー化が要求されている。こ
のため、従来から普及しているCRTに代わって、透過
型の液晶表示装置が普及しつつある。
【0002】
【従来の技術】従来の透過型液晶表示装置において、液
晶の動作モードとして、TNモードまたはSTNモード
が主流であり、光の透過/遮断には2枚の偏光板を使用
している。そのため、光の利用効率が悪く、透過率は40
%程度である。また、カラー表示を実現するためにカラ
ー・フィルタを使用するとパネルの透過率は精々4〜8
%程度であるため、後方にバックライトを配置しなけれ
ば十分な表示輝度が得られない。そのため、バックライ
ト光を前面側に導くために透過型であることが前提であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の偏
光板を使用するタイプの液晶表示装置では、後方にバッ
クライトを設けなければならない。しかるに、バックラ
イトは、通常10〜20mmの厚みがあり、消費電力も3
〜12wであるため液晶表示装置の薄型化、低消費電力
化の妨げになっていた。また、従来の液晶表示装置は、
液晶体の厚みを精度よく制御しないと均一な表示が得ら
れないため、液晶体を2枚のガラス板間にスペーサとと
もに挟み込む構造となっており、フレキシブルな表示装
置を実現できなかった。
【0004】そこで本発明は従来の透過型に代え、全く
新規な反射型液晶表示装置を実現せんとするものであ
る。しかるに、単に、従来タイプの液晶パネルの裏面に
反射板を設けて反射型を実現しようとしても、パネル前
面からの入射光に対して2〜4%程度(透過率の半分)
しか反射されないため、十分に明るい照明下でなければ
暗すぎて表示が識別できず実用に供さない。本発明の目
的は、バックライトを必要としない、薄型、低消費電
力、フレキシブルな反射型液晶表示装置を提供すること
にある。本発明はまた、反射型のカラー液晶表示装置に
も向けられる。
【0005】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理説
明図である。図中、1は液晶層であり、電圧の印加また
は磁界の印加または加熱または通電により液晶体を構成
する液晶分子1aの配向パターンが変わると白濁状態
(不均一屈折率分布による光散乱状態)から透明化状態
(均一屈折率分布による光透過状態)への変化、および
その逆の変化を引き起こす。図中2は、可視光吸収層で
あり、この層では光(可視光)は、反射されずに吸収さ
れる機能を有する。通常は表面が黒色のフィルムが用い
られる。液晶層1と可視光吸収層2は密着した構造にな
っている。
【0006】液晶層1は、周知の如く、電圧の印加また
は磁界の印加または加熱または通電によって、部分的に
液晶分子配向パターンを制御できるので、不均一屈折部
分では液晶層1に入射した外光は散乱反射されるためそ
の領域はどこからでも明るく見え、均一屈折部分では外
光は液晶層1を突き抜けて可視光吸収層2に吸収される
ためその領域は黒く見える。
【0007】図2は、別の本発明(カラー表示用)の原
理説明図である。図中、1は液晶層、2は可視光吸収層
であり、夫々図1で説明した機能を有する。3はカラー
・フィルタである。カラー・フィルタ(着色フィルタ)
として、青透過フィルタ、緑透過フィルタ、赤透過フィ
ルタをモザイク状またはストライプ状に配置することが
考えられる。カラー・フィルタ3と液晶層1と可視光吸
収層2はこの順番で積層されている。
【0008】カラー・フィルタ3を通過した外光は、液
晶層1の不均一屈折率部分では散乱反射されるため、カ
ラー・フィルタ側に反射された光は再びカラー・フィル
タ3を通過して外光入射側に反射される。この状態で
は、青透過フィルタ部分Bで散乱反射された光は青く見
え、緑透過フィルタ部分Gで散乱反射された光は緑に見
え、赤透過フィルタ部分Rで散乱反射された光は赤く見
える。ここで、カラー・フィルタ3の各絵素が肉眼の分
解能より十分に小さい場合には、青、緑、赤の混色によ
って(加法混色の原理より)8色以上が実現できる。ま
た、液晶層1の均一屈折率部分では、カラー・フィルタ
3を通過した光は液晶層1を突き抜けて可視光吸収層2
で吸収されるためその領域は黒く見える。
【0009】
【作用】本発明では、図1で説明したように光散乱モー
ドを白表示としているため、あらゆる方向に光を散乱反
射することができ、液晶分子の配列による旋光を利用し
たときに問題となる視野角の狭さを解消することがで
き、視野角の広い表示が得られる。また、前述の如く、
偏光板を使用するとその光透過率が約40%であるた
め、偏光板を2枚使用するTNモードおよびSTNモー
ドでは、バックライトを使用した透過型の表示装置でも
バックライト出射光の84%は偏光板で吸収されてしま
い輝度が低下する問題があるが、本発明では偏光板を使
用しないため偏光板での透過光の損失がなく表示輝度が
高い。従って、バックライトを使用する必要は全くな
い。
【0010】また、コントラストを向上させる目的で液
晶に色素を添加する方法も考えられるが、黒色色素濃度
には限界があり、好ましくない。しかるに本発明では、
光吸収層に光を吸収させることにより黒表示としている
ので色素添加液晶を用いるものよりコントライストが高
い。
【0011】
【実施例】図3に本発明の基本構成の一例を示す。本実
施例は、液晶分子配向パターンが変わると白濁状態(不
均一屈折率分布による光散乱状態)から透明化状態(均
一屈折率分布による光透過状態)への変化およびその逆
の変化を引き起こす液晶層1と、その片側に設けられた
可視光吸収層2からなる。不均一屈折率部分では外光が
散乱反射されるためその領域はどこからでも明るく見
え、均一屈折率部分では外光は液晶層1を突き抜けて可
視光吸収層2に吸収されるためその領域は黒く見える。
図3に示す実施例では、液晶層1として垂直配向させた
スメクティックA液晶を用いている。
【0012】不均一屈折率状態は、加熱後の冷却時に発
現するフォーカルコニック構造により実現される。ま
た、不均一屈折率から均一屈折率の状態へは、強電界に
より全面消去を行うか、加熱後適当な電界を印加して冷
却を行って垂直配向構造とすることにより容易に実現さ
れる。尚、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、室温において不均一屈折率を発現する液晶分子配向
構造と均一屈折率を発現する液晶分子配向構造が実現で
きる性質を有する液晶あるいは液晶層構成、あるいは液
晶装置等(例えば、ネマチック液晶を相容性の小さい高
分子に分散した高分子分散型液晶と液晶に電界を印加す
る電極を備えたもの) にも適用できる。
【0013】本発明の液晶装置としては、(1)それの
みでは書換え不可能なメモリ表示体であってもよいし、
あるいは(2)光カード、光ディスク、光テープ、磁気
カード、磁気ディスク、磁気テープ等のメモリ媒体から
のデータ入力回路または受信回路またはキーボードやタ
ッチパネルとその入力回路、読み込んだデータを処理制
御する信号制御回路、液晶装置を駆動する駆動回路、太
陽電池やリチウム電池等の一次電池や二次電池を備えた
ものであってもよい。(1)の場合には電圧を印加また
は磁界を印加または加熱または通電する手段により記録
消去を行うことができる。
【0014】本実施例によれば、光散乱モードを白表
示としているため視野角が広い、偏光板を使用しない
ため、偏光板を用いる液晶装置の6倍以上の表示輝度が
実現できる、光吸収層に光を吸収させて黒表示として
いるため、黒色色素濃度に限界がある色素添加液晶を用
いるものよりコントラストが高い等の効果がある。
【0015】図4に本発明の第2実施例を示す。図3と
の基本的な相違は、少なくとも光吸収層2と液晶層1と
を有するフィルムまたは板において、2つの液晶層1に
より光吸収層2をサンドイッチすることによりその表裏
両面において液晶の表示を行うことができるようにした
点にある。図では、一例として、反磁性透磁率の異方性
が大きいサーモトロピックなネマティック液晶を透明高
分子に分散させたもの(高分子分散型液晶)を液晶層1
としている。ベース・フィルム(板)5の表面には光吸
収層2を形成する黒色顔料を含有した磁性膜(黒色磁性
有機膜)を塗布してあり、また液晶層1の光吸収層2と
は反対側の両表面には各画素の中心部にオルソフェライ
トなどの比較的透明度の大きい磁性体7を配置してあ
る。均一屈折率の状態は各画素に外部磁界を印加して高
分子中の液晶分子の配列を揃えることにより実現し、ま
た不均一屈折率の状態は各画素の両側部分の磁性体7を
消磁処理することにより実現する。本実施例において
は、体積当たりおよび重量当たりの表示面積が増えると
いう効果がある。
【0016】図5は本発明の第3実施例を示す。液晶層
1の光吸収層2と対向する側(外光入射側)に着色フィ
ルタ3を配置したものである。着色フィルタ3として青
透過フィルタB、緑透過フィルタG、赤透過フィルタR
をモザイク状またはストライプ状に並べたカラー・フィ
ルタを用いれば8色以上が実現できる。光はフィルタを
往復で二回透過するので、直射型のフィルタより分光特
性が悪い(従って製造性が良い)ものを使用できる。例
えば、吸収帯域の透過率が10%と非常に悪いフィルタ
3を用いても、往復で二回透過するため1%と十分の一
に低下する。ただし、透過帯域の透過率は同様の理由に
より直視型のものより高く設定する必要があるが、吸収
帯域の透過率が10%と悪くても十分なため、実現は容
易である。また基体(ベース)5としてフィルムを用い
ているため、丸めることができ(フレキシブル)運搬、
保存に便利である。
【0017】図6は本発明の第4実施例を示す。図4と
の基本的な相違は、表裏両面または片面の液晶層1の表
面(入射光側)にカラー・フィルタ3が配置されている
点にある。また、図5との基本的な相違は、カラー・フ
ィルタ3と光吸収層2と液晶層1からなるフィルムまた
は板において、2つまたは1つのカラー・フィルタ3お
よび2つの液晶層1により光吸収層2をサンドイッチす
ることによりその表裏両面において液晶の表示を行うこ
とができ、その表示は表裏両面または片面がカラー表示
できるようにした点にある。即ち、図6は図4と図5を
組み合わせたものに相当する。
【0018】図6では、カラー・フィルタ3のさらに表
面に保護用フィルム6が積層されているが、モザイク状
またはストライプ状に配置された多色のカラー・フィル
タ3を形成する時のベースとして用い、まずこの保護用
透明フィルム6にカラー・フィルタ3を形成してから、
各層を積層してもよい。本実施例においては、表裏両面
のカラー表示が可能であり体積当たりおよび重量当たり
の表示面積が増えるという効果がある。
【0019】図7(A),(B)は本発明の第5実施例
を示す。この実施例は、電圧を印加または磁界を印加ま
たは加熱または通電する手段を備えない液晶層(液晶フ
ィルム、液晶板)、液晶装置、およびそれらの複合体、
または電圧を印加または磁界を印加または通電する手段
を備えるもののそれ自体では表示の書換えが不可能な液
晶層(液晶フィルム、液晶板)、液晶装置、およびそれ
らの複合体に、表示消去、表示書換えを行うための装置
に向けられたものである。図7(A)は表裏両面にスメ
クティックA液晶表示面がある場合の一実施例である。
ここでは黒表示のための光吸収層2を、書き込み時のレ
ーザ・ビーム光またはハロゲンランプやメタルハライド
ランプ光(外光)の空間変調光を吸収して昇温し液晶層
1を加熱するために用いる。
【0020】図7(B)は図7(A)の液晶表示フィル
ム10の表示消去または表示書換えを行う装置の一実施
例である。消去はベースフィルム5と光吸収層2との間
に設けられる昇温用フレキシブル電極4による多少の加
温に加え、電界印加用電極9による電界印加により行
う。この場合には、液晶フィルム10の表裏両面の表示
が全部消去部23にて同時に消去される。片側の表示の
みを消去したいときには装置側の電極9と、液晶フィル
ム10側の消去すべき側の液晶の裏側に配設された消去
時電圧印加用フレキシブル電極4とを対として電界を印
加すればよい。表示消去後、液晶フィルムは搬送機25
により次段の書き込み部21に搬送され、そこで書き込
みが行われる。ここではレーザ・ビーム光27をポリゴ
ンミラー29A,29Bにより偏向して書き込む方式を
提示したが、ライト・バルブまたはライト・バルブ・ア
レイを用いて変調した光を照射して書き込んでもよい。
【0021】図8(A),(B)は本発明の第6実施例
である。本実施例では、液晶層1として高分子分散型液
晶または多孔質フィルム含浸液晶を用いている。高分子
分散型液晶はネマティック液晶などを微粒子としてアク
リル樹脂板内に分散させたものであり、多孔質フィルム
含浸液晶は、ネマティック液晶などを多孔質フィルムの
孔に含浸させたものである。これらの液晶層は、通常状
態では分子配向ベクトルはバインディング部材との境界
面に対して平行になろうとするため光学的不均一性が生
じて散乱が起こり、入射光は散乱反射されるため白濁し
て見える。これに電圧印加または磁界印加などを行うと
分子が揃って光の進行方向の屈折率が、液晶内で均一と
なり、かつ、バインディング部材と液晶で同じぐらいに
なるため、入射光はそのまま直進し液晶層1を通過する
ため透明に見える。
【0022】本実施例では電圧印加により、液晶の分子
配向を制御するための電極4A,4Bが液晶層の両側に
積層されている。電極の内, 外光入射側4Aは透明な導
電体(例えばITO)で形成され、外光入射側と反対側
の電極4Bは光吸収体としての機能をもたせるためクロ
ム等の黒色導電体が使用される。黒色導電体4Bの外側
にはさらに樹脂等のベースフィルム5が積層され、液晶
装置に実用的な強度をもたせている。また、透明電極4
Aの表面には、透明電極4Aおよび液晶層1を保護する
ための透明保護用フィルム6が積層されている。製作の
プロセスとしては例えば、透明電極4Aは保護用フィル
ム6に、黒色電極4Bはベース用フィルム5にそれぞれ
蒸着、エッチング等の方法で形成しておき、最後にこれ
らのフィルムで液晶層1を挟み込むようにしてもよい。
上下の電極4A,4Bは、表示ドットに対応して個々の
表示ドットが個別に電圧印加、電圧非印加を制御できる
ように、上下のストライプ状の電極が直行するように形
成されている。直行した交点の液晶層は個別に制御され
る。
【0023】本実施例では、前述したように、液晶層1
が対向する2対の電極4A,4B間で電圧が印加されて
いる部分と印加されない部分で液晶分子の配向状態が異
なるため、屈折率の均一性をドット毎の印加電圧の有無
により制御できる。すなわち、あるドットを白くしたけ
れば液晶層を通常の状態(散乱反射状態)にするために
対向電極には電圧がかからないようにし、黒くしたけれ
ば光が液晶層を通過して光吸収体で吸収されるように対
向電極に電圧を印加すればよい。
【0024】図9は本発明の第7実施例を示す。図8
(8A,8B)との基本的な相違は、2つの液晶層1お
よび複数の液晶分子配列状態変化手段により光吸収層
(ベース用フィルム5)をサンドイッチすることにより
その表裏両面において液晶の表示を行うことができるよ
うにした点にある。図では、本装置全体に実用的な強度
をもたせるベース用フィルム5を黒色ポリイミドにする
ことにより、光吸収層2を実現している。液晶層1に
は、高分子分散型液晶または多孔質フィルム含浸液晶を
用い、図8と同様な機能をもたせる。黒色電極4Bは非
線形能動素子を付加したドットマトリクス状のクロム電
極とし、透明電極4AはITO透明電極のベタ電極とす
る。マトリクス状クロム電極4Bには、個々のドット毎
に個別に電圧を印加する。透明電極4A表面には保護用
の透明樹脂フィルム6を積層する。表裏それぞれの電極
群は、別々に制御できるように制御系を独立にしておく
ことが望ましい。本実施例では表裏両面での表示がなさ
れ体積当たりおよび重量当たりの表示面積が増えるとい
う効果がある。
【0025】図10(10A,10B)は本発明の第8
実施例である。図8との基本的な相違は、すくなく、外
光入射側の透明電極4Aのさらに表面にカラー・フィル
タ3を積層した点である。本実施例では液晶層1に高分
子分散型液晶または多孔質フィルム含浸液晶を用いてい
る。外光入射側の電極4AはITO等の透明電極であり
ストライプ状に形成されている。外光入射側と反対側の
電極4Bは、光吸収層としての機能をもたせるためクロ
ムの薄膜が用いられ、透明電極4Aとは直行する方向で
ストライプ状に形成されている。透明電極4Aのさらに
上面にはカラー・フィルタ3として青透過フィルタ、緑
透過フィルタ、赤透過フィルタをモザイク状またはスト
ライプ状に並べられている。カラー・フィルタ3のピッ
チは、上下の電極の直行格子のピッチと合致している。
下側のクロム電極4Bの下には補強用のベース用フィル
ム5が、上面のカラー・フィルタ3の上には保護用の透
明フィルタ6が積層されている。
【0026】本実施例によれば、上下の電極の交点で電
圧が印加される部分は液晶層1が均一屈折率状態とな
り、カラー・フィルタ3を通過してきた外光は下側のク
ロム電極4Bまで散乱せずに到達する。クロム電極4B
は光吸収体であるため光は吸収され、外光入射方向から
は黒色に見える。一方、上下の電極の交点で電圧が印加
されない部分は液晶層1が通常の不均一屈折率状態であ
るため、各色のカラー・フィルタ3を通過してきた光は
液晶層1で散乱反射されるため一部の光は再びカラー・
フィルタ3を通過して外部に出射する。この時、青透過
フィルタ部分では青の光だけが散乱反射されるため青色
表示となり、同様に、緑透過フィルタ部分では緑色表
示、赤透過フィルタ部分では赤色表示となる。各色のカ
ラー・フィルタ3のドットサイズが肉眼の分解能より十
分に小さければ、加法混色の原理により3原色の組み合
わせにより8色以上の表示が可能である。本発明では、
入射光の散乱と透過を制御しているため、偏光板を使用
しておらず、偏光板を使用したものでは輝度が低すぎて
実用的でない反射型のカラー液晶表示装置が実現でき
る。
【0027】図11は本発明の第9実施例である。図1
0との相違点は、カラー・フィルタ3と散乱型液晶体1
と光吸収体と散乱型液晶体1とカラー・フィルタ3をこ
の順番で積層し、液晶層1の配向状態を変化せしめる手
段が2つの液晶層1でそれぞれ別々に備えられている点
である。図11(A)では、液晶層1としてネマティッ
ク液晶などを用いた高分子分散型液晶または多孔質フィ
ルム含浸液晶を使用し、光吸収層2としてストライプ状
のクロム電極4B、クロム電極4Bに対向する電極とし
てストライプ状のITO電極4A、カラー・フィルタ3
として青、緑および赤色透過フィルタを使用している。
また、図11Bは、図10に示す同一の液晶装置10
A,10Bを裏側同士で張り合わせた例である。本実施
例によれば、図10で説明した作用により表裏両面でそ
れぞれで8色以上のカラー表示が可能であり、体積当た
りおよび重量当たりの表示面積が増える。
【0028】図12は本発明の第10実施例である。図
では光吸収体2として配向膜に黒色有機膜を使用してい
る。黒色配向膜8Bとして黒色色素を添加含有させた黒
色ポリイミドを使用する。また、液晶層1には相転移型
液晶または動的散乱モード液晶が用いられる。相転移型
液晶ではらせん構造の分子配列をもつコレステリック相
からホメオトロピック分子配列のネマティック相へ、ま
たはこの逆のネマティック相からコレステリック相への
相転移が電圧印加または磁界印加などにより生じ、ホメ
オトロピック分子配列のネマティック相に入射する光は
直進するのに対して、らせん構造の分子配列をもつコレ
ステリック相に入射する光は光学的不均一性のために散
乱される。
【0029】動的散乱モード液晶は、負の誘電異方性を
有するネマチック液晶に有機イオン(ドナー・アクセプ
タ)供給源としてアンモニウム塩などを混入したものな
どがあり、通常状態では垂直または水平配向しており入
射光はそのまま透過するが、電圧を印加すると同時に通
電が起こり、液晶相は対流状態から乱流状態へと遷移す
る。この状態の液晶層に光を入射すると、液晶の光学的
異方性と流体運動にともなって散乱が起こる。尚、8A
は透明配向膜である。本実施例によれば、光吸収層を別
に積層する必要がなく、製造プロセスの削減、層構成の
単純化により低コスト化が計れる。
【0030】図13(13A,13B)は本発明の第1
1実施例である。図13(A)および図13(B)での
共通点は、液晶層1にネマティック液晶などを用いた高
分子分散型液晶または多孔質フィルム含浸液晶を使用し
ている点、ベース用フィルム5上に下側電極4Bを積層
し下側電極4Bはクロム等で形成される黒色導電膜であ
り光吸収体としての役割ももたせている点、液晶層1の
上の透明電極4AとしてITO等で形成される透明導電
膜が積層されている点、透明電極4Aの上に赤、緑、青
のカラー・フィルタ3がモザイク状またはマトリクス状
に配置されている点、およびカラーフィルタ3の表面に
さらに透明樹脂膜等の保護用フィルム6が積層されてい
る点である。また、図13(A),(B)ともに、上下
のどちらかの電極をベタの共通電極とし、対向する電極
をマトリクス状に配置しそれぞれ個別に非線形能動素子
にて駆動できるようにしてある。非線形能動素子は、導
電性薄膜、絶縁性薄膜および半導体薄膜により形成さ
れ、半導体薄膜の電圧−電流の非線形性を利用するもの
が用いられる。
【0031】図13(A)では、下側電極4Bをベタパ
ターンとし、カラー・フィルタ3側の電極4Aをマトリ
クス状に分割されたパターンとしてあり、それぞれ個別
の透明電極パターンに非線形能動素子としての薄膜トラ
ンジスタ4Cが形成付加されている。図13(B)で
は、カラー・フィルタ3側の透明電極4Aをベタパター
ンとし、下側の電極4Bをマトリクス状に分割されたパ
ターンとしてあり、それぞれ個別の黒色電極パターンに
非線形能動素子としての薄膜トランジスタ4Cが形成付
加されている。本実施例では、マトリクス状に分割され
たパターンに個別に非線形能動素子を付加することによ
りドッドパターン毎に独立して電圧印加の制御をするこ
とができるので、ドット毎に対応する液晶層を均一屈折
率状態/不均一屈折率状態の安定領域で2値制御が可能
あり、クロストークの少ない、高速な表示を実現でき
る。
【0032】図14(A)は本発明の第12実施例であ
る。図では、ベース用フィルム5としてポリイミドを用
い、ポリイミド上の中央部表示部分に非線形能動素子4
C+黒色ドットマトリクス電極4Bを形成し、周辺部に
非線形能動素子4Cを駆動するための駆動回路を集積し
たICチップ10とこれらの駆動用ICにデータ信号、走
査選択信号および各種タイミング信号を与える信号制御
回路を集積したICチップ11とを配置し、さらに外部
からの信号および電源の入力部であるインタフェースコ
ネクタ12を配置してある。非線形能動素子、ICチッ
プおよびコネクタの信号配線、およびICチップの実装
パッドはポリイミド基板(ベース用フィルム)5上に銅
等のエッチングによりパターンが形成されている。コネ
クタ12のコンタクト部は、ポリイミド基板上に銅パタ
ーンの延長として形成され剥き出しの部分は金等により
めっきが施されている。ICチップの実装については、
ICチップの端子部分に金等のバンプを付加しポリイミ
ド基板の実装パッドは錫めっきを施しておき、ICチッ
プを実装パッド上に搭載してから、インナーリードボン
ディング法により加圧、加熱して接続する。
【0033】表示部分には液晶層1としてネマティック
液晶などを用いた高分子分散型液晶または多孔質フィル
ム含浸液晶を積層する。液晶層1の上には透明電極4A
を積層しさらにその上にカラー・フィルタ3を積層して
もよい。液晶表示部およびIC実装部を保護する目的で
透明樹脂フィルム6を全体を覆うように積層する。ただ
し、コネクタ12のコンタクト部分は剥き出しになるよ
うにする。ポリイミド基板裏側のICインナーボンディ
ング部分は、裏側より樹脂を充填塗布して保護する。
【0034】図14(B)は、図14(A)の実施例の
回路ブロック図である。図では、インタフェースコネク
タ31、信号制御部33、駆動回路部35,37および
非線形能動素子群を含む液晶表示部39からなる構成を
示す。インタフェースコネクタ31から入力される信号
(ドットクロック信号、水平同期信号、垂直同期信号、
データ信号)および電源をまず信号制御回路33にて受
け、マトリクス状の非線形能動素子群を例えば線順次走
査するための信号に変換する。駆動ICに対して内部に
て電源を生成供給しなければならない場合はこの信号制
御部にて生成する。駆動回路部は、信号制御回路からの
ロジックレベル信号(例えば0V/5V)を非線形能動
素子駆動レベルに変換供給する。駆動回路部には、セグ
メント駆動群35とコモン駆動群37があり、セグメン
ト駆動群には各横方向表示ライン毎のデータ信号が供給
され、コモン駆動群には線順次駆動のための横ライン選
択信号が供給される。本実施例では、駆動回路および制
御回路はICチップを用いたが、ベース用フィルムまた
は基板5上に直接回路を形成する手段を用いてもよい。
本実施例によれば、薄型、フレキシブル、軽量かつ外部
装置からの制御が容易な表示装置が実現できる。また、
電池等の電源も内蔵することにより持ち運び、携帯の便
に優れた表示装置が実現できる。
【0035】図15は本発明の第13実施例である。上
述の液晶フィルム10(または液晶板または液晶装置)
の複数を、それらの一辺50において機械的に結合し、
かつ該結合部において折り曲げ可能にした複合体であ
る。液晶フィルム、液晶板、液晶装置を混合して綴じ込
んであってもよい。表示書換え可能な液晶装置を折り込
んである場合や、表示維持のための電圧保持や電力供給
が必要な液晶フィルムや液晶板等を折り込んである場合
で、折り曲げ部分に液晶装置(液晶フィルム、液晶板)
間各種回路や電源部を搭載したプレートを綴じ込んであ
る場合にはそのプレートと液晶装置(液晶フィルム、液
晶板)との間を、フレキシブル配線により電気的に結合
させることが出来る。本実施例においては、表裏二枚
のカバー30で多数の表示面を保護できるので、また、
回路や電源や入出力部等を共通化できるので、体積当た
りおよび重量当たりの表示面積が飛躍的に増大する、
スクロールが電気的に行えるだけでなくマニュアルでも
行えるため、スクロール速度が飛躍的に増大する、液
晶装置(液晶フィルム、液晶板)に故障が発生してもそ
の部分のみを取り外し交換できるので、メンテナンスが
容易、等の効果がある。
【0036】尚、本願明細書において、「電圧印加、磁
界印加、加熱または通電」とは具体的には夫々以下の各
モードを指す。「電圧印加」とは、液晶分子の電気的誘
電率の異方性(液晶分子配向ベクトル方向の誘電率と配
向ベクトルに垂直な方向の誘電率の差)または自発分極
を利用する動作モードである。印加電界のON/OFF
により分子配向を変化させ、パネル面垂直方向の光学的
な特性を変えることができる。液晶相構造としては高分
子分散型液晶/多孔質フィルム含浸液晶/相転移液晶等
に関する。
【0037】「磁界印加」とは、液晶分子の透磁率(磁
化率)の異方性(液晶分子配向ベクトル方向の透磁率と
配向ベクトルに垂直な方向の透磁率の差)を利用する動
作モードである。例えば、通常の棒状の分子からなるサ
ーモトロピックなネマティック液晶は分子の背骨にベン
ゼン環を含み、その反磁性透磁率の異方性のために液晶
分子配向ベクトルに垂直な方向の透磁率が、配向ベクト
ル方向の透磁率より大きくなり、これに印加磁界をON
/OFFして分子配向を変化させ、パネル面垂直方向の
光学的な特性を変えることができる。液晶相構造として
は高分子分散型液晶/多孔質フィルム含浸液晶/相転移
液晶等に関する。
【0038】「加熱」は、液晶の昇降温により相転移を
起こさせまたは温度に依存する特性を変化させて、パネ
ル面垂直方向の光学的な特性を変える動作モードと、温
度の昇降により例えば印加電圧等の他のスイッチング手
段のON/OFFを行い、分子配向を変化させて実質的
にパネル面垂直方向の光学的な特性を変える動作モード
とがある。液晶としてはスメクティック液晶、コレステ
リック液晶、スメクティック液晶等がある。また、カイ
ラル物質を添加したスメクティックA相を用い、透明な
垂直配向構造と光散乱性のフォーカルコニック構造を利
用するものがある。本モードでは、レーザ光、加熱ヘッ
ド、マトリックス状に配置されたヒータ線などにより局
部的に加熱後冷却することにより透明な状態から散乱状
態に変化させる。逆方向の相転移は強電界により全面消
去を行うか、適当な電界を付加して加熱後冷却を行う。
【0039】「通電」とは、電圧印加のもとでイオン性
の電流が生じると、液晶が乱流状態となり光学的不均一
が生じる動的散乱モードである。液晶相構造としては負
の誘電異方性を有するネマチック液晶にアンモニウム塩
などの有機イオンを混入したものなどがある。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればバ
ックライトを必要としない、軽量、薄型、低消費電力か
つフレキシブルな液晶表示装置、特に反射型カラー液晶
表示装置を提供することができ、表示装置の多用途化、
携帯のしやすさの向上に寄与するところが大きい。ま
た、軽量、薄型かつフレキシブルな液晶装置例えば、書
換え可能な光記憶カード、書換え可能な表示カードを提
供することができるので紙や樹脂フィルムの表示物、印
刷物の消費量を軽減し、ゴミの増加問題および天然資源
の浪費問題の対策にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する断面図である。
【図2】本発明のカラー表示の場合の原理説明断面図で
ある。
【図3】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す図である。
【図8】本発明の第6実施例を示す図である。
【図9】本発明の第7実施例を示す断面図である。
【図10】本発明の第8実施例を示す図である。
【図11】本発明の第9実施例を示す断面図である。
【図12】本発明の第10実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の第11実施例を示す断面図である。
【図14】本発明の第12実施例を示す図である。
【図15】本発明の第13実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…液晶層 2…光吸収層 3…カラー・フィルタ 4…電極 5…ベース用フィルム 6…保護用フィルム 7…書き込み用磁性体 8…配向膜 9…電圧印加用電極 10…駆動用ICチップ 11…制御用ICチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 和正 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 田中 勉 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 五島 誠 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 中野 貴浩 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くとも1つの散乱型液晶体(1)と、
    該散乱型液晶体を透過する光の光路上に配置した光吸収
    体(2)とを薄板状に積層した反射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 光吸収体を少くとも一対の散乱型液晶体
    間に挟んだ請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 カラー・フィルタ(3)と散乱型液晶体
    (1)と光吸収体(2)とをこの順序で積層したことを
    特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 第1のカラー・フィルタ(3)と、第1
    の散乱型液晶体(1)と、光吸収体(2)と、第2の散
    乱型液晶体(1)と、第2のカラー・フィルタ(3)と
    をこの順序で積層したことを特徴とする請求項3に記載
    の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 電圧を印加または磁界を印加または加熱
    または通電する記録消去手段を有する請求項1〜5のい
    ずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 電圧を印加または磁界を印加または加熱
    または通電する手段は複数の散乱型液晶体の各々に設け
    られる請求項2に記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 各散乱型液晶体に別々に書き込み手段が
    付設されることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表
    示装置の複数個を、各々の少なくとも一部において機械
    的に結合した複合液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 光吸収体が配向膜兼用の黒色有機膜によ
    り形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 カラー・フィルタは赤、緑、青の各々
    の光を透過する赤透過フィルタ(R)、緑透過フィルタ
    (G)、青透過フィルタ(B)をモザイク状またはスト
    ライプ状に配設したものである請求項3または4に記載
    の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 電圧を印加する手段は液晶層の両側に
    配設した二電極群により形成される請求項5または6に
    記載の液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 電極群はマトリクス状に配列した非線
    形能動素子を備えるマトリクス状電極群である請求項1
    1に記載の液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の液
    晶表示装置を、液晶駆動回路(35,37)及び/又は
    信号制御回路(33)を形成した基板上に搭載したこと
    を特徴とする液晶表示装置。
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