JPH056101B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明は主として家庭用の給湯や暖房などに
使用される上焚式の温水ボイラに関する。

(ロ) 従来の技術 従来の上焚式温水ボイラは出願人が先に提案
（実願昭60−73645号）したように（第２図参照）、
有底筒状の外筒１および内筒２との間の水室３を
形成した水罐４を備え、水罐４の内側に燃焼ガス
通路５となる間隙を置いてバツフル片６……を水
罐４側に多数立設したバツフル筒７を配設し、バ
ツフル筒７の内側にバーナ８を下向きに臨ませた
燃焼室９を形成してなり、バーナ８から撚料およ
び燃焼用空気を噴射して燃焼室９で燃焼させ、燃
焼ガスを水罐４の底面で反転させて燃焼ガス通路
５に供給し、燃焼ガスをバツフル片６の作用で内
筒２に均一に接触させて水罐４内の水と熱交換さ
せ、その後、煙道１０から排気させるようにして
いた。また、バツフル筒７の内周面上部に耐火性
の断熱材１１を貼附し、燃焼室９からバツフル筒
７を介して燃焼ガス通路５の上部へ向かう熱の移
動を少量の断熱材１１で効率良く阻止できるよう
にしていた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 ところが、上述した温水ボイラはバツフル筒７
に上端から下端まで同じ直径にするとともに、排
気口の近傍を内方へ窪ませたものを使用している
ため、バツフル筒７の材料費が嵩むとともに、断
熱材１１の使用量を十分に低減することができ
ず、さらにはバツフル筒７の加工や断熱材の取付
けが複雑となる問題があつた。また、バツフル筒
とブラストチユーブとの間に燃焼ガスがこもり、
ブラストチユーブが熱変形する心配があつた。

この発明は上述した事実に鑑みてなされたもの
であり、バツフル筒形状を簡素にし、断熱材の使
用量を減少させつつ、燃焼室からバツフル筒を介
して燃焼ガス通路の上部へ向かう熱の移動を効率
良く阻止し、熱交換効率を高めるとともに、排気
が良好に行われるようにし、さらにはブラストチ
ユーブが熱変形を防止できるようにした温水ボイ
ラを提供することを目的とする。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この発明は水罐の内側に形成された燃焼室の上
壁に排気口を設けるとともに、バーナのブラスト
チユーブを貫通させ、燃焼室に突出させたブラス
トチユーブの焚口と排気口とを仕切るように上壁
からバツフル筒を垂下させ、バツフル筒と水罐と
の間を排気口に至る燃焼ガス通路としてなる温水
ボイラを改良するものである。この発明ではバツ
フル筒をブラストチユーブを囲繞する小径の首部
と大径の胴部とで構成する。そして、バツフル筒
の首部の外周面とバツフル筒の胴部の内周面上部
の耐火性の断熱材を設けた。

(ホ) 作 用 バツフル筒がブラストチユーブを囲繞する小径
の首部と大径の胴部とで構成されいるので、胴部
と水罐との間が狭い燃焼ガス通路となり、燃焼ガ
スを水罐と十分に接触させ、水罐内の水が良好に
加熱されるとともに、首部と水罐との間が排気ガ
ス溜りとなり、熱交換を終えた排気ガスを滑らか
に排気口へ導くことが可能である。しかも、バツ
フル筒の形状が簡素となり、材料費が低減される
とともに、加工が容易となる。また、首部の外周
面と胴部の内周面上部に耐火性の断熱材を設けた
ので、ブラストチユーブや燃焼室上部の熱がバツ
フル筒を介して排気ガス溜りや燃焼ガス通路へ逃
げるのを阻止でき、断熱材の使用量を減少させ、
断熱材の取付けを容易しつつ、熱交換効率の向上
が図れる。また、バツフル筒の首部とブラストチ
ユーブとの間が狭められているので、ここに燃焼
ガスがこもりにくくなり、ブラストチユーブが熱
変形しないようにできる。

(ヘ) 実施例 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

第１図において、水罐１２は有底筒状の外筒１
３と内筒１４とを上端部で水密に接合して形成さ
れている。また、外筒１３と内筒１４との間には
水室１５が設けられ、外筒１３の側部に給水口１
６、上側部に出湯口１７がそれぞれ設けられてい
る。水罐１２の内側には燃焼室１８が形成され、
この燃焼室１８は水罐１２の上端部に取付けた耐
火材からなる上壁１９にて仕切られている。上壁
１９にはバーナ２０のブラストチユーブ２０Ａを
下向きに貫通させるとともに、排気管２１と連通
した排気口２２が設けられている。燃焼室１８に
は燃焼室１８に突出させたブラストチユーブ２０
Ａの焚口２３と排気口２２とを仕切るようにバツ
フル筒２４が上壁１９から垂下されている。この
バツフル筒２４は上壁に固着される天板２５と、
ブラストチユーブ２０Ａを囲繞する小径の首部２
６と、水罐１２との間に燃焼ガス通路２７を形成
する大径の胴部２８とからなり、胴部２８の外周
面には多数のバツフル片２９が上向きに45度の傾
きをもつて立設されている。また、首部２６の外
周面と胴部２８の内周面上部にはそれぞれセラミ
ツクフアイバー等の耐火性のある断熱材３０，３
１がそれぞれ貼附されている。また、ブラストチ
ユーブ２０Ａには外方へ突出した環状突起３２が
設けられ、この環状突起３２は天板２５の中央開
口の周縁に係止されている。

なお、水罐１２は保温材３３にて被覆され、バ
ーナ２０及び排気管２１とともに外装箱３４に収
容されている。また、排気管２１には排気マフラ
ー３５が装着されている。

以上のように構成された温水ボイラはバーナ２
０を運転させると、ブラストチユーブ２０Ａの焚
口２３から燃焼炎が噴出する。燃焼ガスは水罐１
２の底面で反転し、バツフル筒２４の胴部２８と
水罐１２との間の燃焼ガス通路２７を上昇する。
そして、バツフル片２９の作用で内筒１４と接触
して水室１５の水を加熱した後、バツフル筒２４
の首部２６と水罐１２との間の排気ガス溜り３６
に至る。排気ガス溜り３６の排気ガスは排気口２
２から排気筒２１に入り、排気マフラー３５で消
音された後、排気筒２１に連結される煙突（図示
せず）から大気へ放出される。

本実施例によれば、バツフル筒２４はブラスト
チユーブ２０Ａを囲繞する小径の首部２６と大径
の胴部２８とで構成されているので、水罐１２と
の間に狭い燃焼ガス通路２７を形成し、燃焼ガス
の熱を水室１５の水に良好に伝達できるととも
に、排気ガス溜り３６を形成し、排気をスムーズ
に行なわせることができる。しかも、第２図に示
す従来のバツフル筒に比べて材料費の低減が図
れ、加工が容易になるなど、安価に製造可能であ
る。また、首部２６の外周面と胴部２８の内周面
上部とにそれぞれ耐火性の断熱材３０，３１を貼
附したので、断熱材３０，３１の使用量が僅かで
済み、その取付けも容易に行なえるばかりでな
く、ブラストチユーブ２０Ａや燃焼室１８上部の
熱がバツフル筒２４を介して排気ガス溜り３６や
燃焼ガス通路２７へ逃げるのを阻止でき、熱交換
効率の向上が図れる。また、ブラストチユーブ２
０Ａの環状突起３２を天板２５の中央開口の周縁
に係止させてあるので、燃焼ガスがブラストチユ
ーブ２０Ａと首部２６との間、さらにはブラスト
チユーブ２０Ａと上壁１９との間を通つて外装箱
３４の上部空間に逃げるのを防止できる。また、
排気管２１には排気マフラー３５が装設されてい
るので、排気管２１に連結される煙突に別途に消
音装置を設けなくても良い。

(ト) 発明の効果 この発明は以上のように構成されているので、
バツフル筒の形状が簡素になり、バツフル筒の加
工を容易にし、断熱材の使用量を減少させつつ、
燃焼室からバツフル筒を介して燃焼ガス通路の上
部へ向かう熱の移動を効率良く阻止して熱交換効
率を向上させることができるとともに、排気を滑
らかに行わせることができ、経済性及び効率性の
大幅な向上が図れるものであり、さらには、燃焼
室に臨ませたブラストチユーブが燃焼ガスに曝ら
されないようにでき、ブラストチユーブが熱変形
するのを防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す温水ボイラ
の断面図、第２図は従来の温水ボイラの一例を示
す断面図である。 １２…水罐、１８…燃焼室、１９…上壁、２０
…バーナ、２０Ａ…ブラストチユーブ、２２…排
気口、２３…焚口、２４…バツフル筒、２６…首
部、２７…燃焼ガス通路、２８…胴部、３０，３
１…断熱材、３２…環状突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水罐の内側に形成された燃焼室の上壁に排気
   口を設けると共に、バーナのブラストチユーブを
   貫通させ、燃焼室に突出させたブラストチユーブ
   の焚口と排気口とを仕切るように上壁からバツフ
   ル筒を垂下させ、バツフル筒と水罐との間を排気
   口に至る燃焼ガス通路としてなる温水ボイラにお
   いて、バツフル筒をブラストチユーブを囲繞する
   小径の首部と大径の胴部とで構成し、バツフル筒
   の首部の外周面とバツフル筒の胴部の内周面上部
   に耐火性の断熱材を設けたことを特徴とする温水
   ボイラ。 ２ ブラストチユーブは外方へ突出した環状突起
   を有するものとした特許請求の範囲第１項記載の
   温水ボイラ。