JPH0560722A - グルコースセンサ - Google Patents
グルコースセンサInfo
- Publication number
- JPH0560722A JPH0560722A JP3246735A JP24673591A JPH0560722A JP H0560722 A JPH0560722 A JP H0560722A JP 3246735 A JP3246735 A JP 3246735A JP 24673591 A JP24673591 A JP 24673591A JP H0560722 A JPH0560722 A JP H0560722A
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- JP
- Japan
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- platinum
- titanium oxide
- electrode
- glucose
- titanium
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- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 信頼性の高いグルコ−スセンサを提供する。
【構成】 金属チタン基体1表面に酸化チタン膜層4を
形成し、さらに該酸化チタン膜上に白金5を斑点状に形
成した電極にグルコースオキシダーゼを固定したグルコ
ースセンサとする。
形成し、さらに該酸化チタン膜上に白金5を斑点状に形
成した電極にグルコースオキシダーゼを固定したグルコ
ースセンサとする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルコースの濃度を測
定するためのグルコースセンサ、さらに詳しくは、特に
血液中の血糖値を連続的に測定するのに好適なグルコー
スセンサに関するものである。
定するためのグルコースセンサ、さらに詳しくは、特に
血液中の血糖値を連続的に測定するのに好適なグルコー
スセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】よく知られているように、グルコース
(ブドウ糖)は、グルコースオキシダーゼ(GOD)と
いう酵素の作用により、次のように酸素と反応してグル
コン酸と過酸化水素とを生成する。
(ブドウ糖)は、グルコースオキシダーゼ(GOD)と
いう酵素の作用により、次のように酸素と反応してグル
コン酸と過酸化水素とを生成する。
【0003】 この反応が右へ進むと、溶液中の酸素が消費されて
グルコース濃度および酸素濃度が減少し、同時に過酸化
水素が生成する。そこで、グルコースオキシダーゼの存
在下で、酸素の減少量あるいは過酸化水素の生成量を測
定することによって、溶液中のグルコースの濃度を求め
ることができる。
グルコース濃度および酸素濃度が減少し、同時に過酸化
水素が生成する。そこで、グルコースオキシダーゼの存
在下で、酸素の減少量あるいは過酸化水素の生成量を測
定することによって、溶液中のグルコースの濃度を求め
ることができる。
【0004】この原理を利用したグルコース濃度を検出
するグルコースセンサは、すでに各種のものが市販され
ている[軽部征夫監修 「バイオセンサー最先端技術」
シーエムシー発行(1987)]。また、生体の皮下に直接挿
入できる過酸化水素検出方式の微小針型グルコースセン
サも開発された[M.Shichiri,R.Kawamori,N.Hakui,Y.Ya
masaki and H.Abe Diabetes,33,1200(1984).]。
するグルコースセンサは、すでに各種のものが市販され
ている[軽部征夫監修 「バイオセンサー最先端技術」
シーエムシー発行(1987)]。また、生体の皮下に直接挿
入できる過酸化水素検出方式の微小針型グルコースセン
サも開発された[M.Shichiri,R.Kawamori,N.Hakui,Y.Ya
masaki and H.Abe Diabetes,33,1200(1984).]。
【0005】さらに、いわゆるクラーク型酸素電極と固
定化酵素膜を利用し、グルコースのグルコースオキシダ
ーゼによる触媒反応に基づく溶存酸素濃度変化を酸素電
極系の出力でとらえ、グルコース濃度を測定する方法も
開発されている[池田,青山,伊藤,大倉,市橋,近藤
日本化学会誌,1980(10),1554.]。また、酸化チタン
膜が溶存酸素センサとしてはたらくことを利用し、チタ
ン線の表面を電解酸化し、酸化チタン層を形成したもの
をカソードに用いた針状酸素電極系を基本に、これにグ
ルコースオキシダーゼを固定した、皮下測定用針状グル
コースセンサも発表されている[池田,木村,野田,伊
藤,大倉,中尾,高木,近藤 電気化学, 56,1055(19
88).]。
定化酵素膜を利用し、グルコースのグルコースオキシダ
ーゼによる触媒反応に基づく溶存酸素濃度変化を酸素電
極系の出力でとらえ、グルコース濃度を測定する方法も
開発されている[池田,青山,伊藤,大倉,市橋,近藤
日本化学会誌,1980(10),1554.]。また、酸化チタン
膜が溶存酸素センサとしてはたらくことを利用し、チタ
ン線の表面を電解酸化し、酸化チタン層を形成したもの
をカソードに用いた針状酸素電極系を基本に、これにグ
ルコースオキシダーゼを固定した、皮下測定用針状グル
コースセンサも発表されている[池田,木村,野田,伊
藤,大倉,中尾,高木,近藤 電気化学, 56,1055(19
88).]。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】市販されている各種グ
ルコースセンサや過酸化水素検出方式の微小針型グルコ
ースセンサは、いずれも生体に対する適合性に問題があ
り、寿命が3〜4日であり、そのつど交換しなければな
らないという不便さがあった。
ルコースセンサや過酸化水素検出方式の微小針型グルコ
ースセンサは、いずれも生体に対する適合性に問題があ
り、寿命が3〜4日であり、そのつど交換しなければな
らないという不便さがあった。
【0007】上述の、金属チタンに酸化チタン層を形成
した電極をカソードとした酸素電極系を使用した皮下測
定型グルコースセンサは、次のような測定原理にもとづ
いている。すなわち、酸化チタンは酸素電極として働
き、これと対極および照合電極とを組合せ、酸化チタン
電極と対極との間に通電すると、酸化チタン電極−照合
電極間電位差と酸化チタン電極−対極間に流れる電流と
の間には図2に示すような関係がみられる。図2におい
て、曲線のX〜Yは限界拡散電流を示し、電圧Eを一定
とすれば、電流iは酸素濃度に比例する。グルコースが
酸素の存在下でグルコースオキシダーゼ(酵素)の働き
によって酸化されてグルコン酸になる時、消費される酸
素量がわかればグルコースの濃度もわかることになる。
したがつて、限界拡散電流iとグルコース濃度とは一定
の関係を持ち、酸化チタン電極とグルコースオキシダー
ゼを組み合わせると、グルコースセンサが得られること
になる。この酸化チタン電極を使用した従来のグルコー
スセンサは、酸化チタン層の形成の再現性が困難なこと
から、電流−電位曲線のばらつきが大きく、また、酸素
還元の限界拡散電流の現れる電位領域が-1.1〜-1.3V
(対 Ag/AgCl照合電極)であるため、印加電圧を大きく
しなければならなかった。さらに、-1.25 Vより卑な電
位領域では、酸化チタンが還元されることに起因する残
余電流が大きくなって、測定の誤差が大きくなるという
欠点を持っていた。また、このグルコースセンサは、生
理食塩水中では約2か月以上も酵素活性を保つという優
れた特性を示したが、血液中では各種の被毒を受けるた
めに、寿命が短くなるという欠点を持っていた。
した電極をカソードとした酸素電極系を使用した皮下測
定型グルコースセンサは、次のような測定原理にもとづ
いている。すなわち、酸化チタンは酸素電極として働
き、これと対極および照合電極とを組合せ、酸化チタン
電極と対極との間に通電すると、酸化チタン電極−照合
電極間電位差と酸化チタン電極−対極間に流れる電流と
の間には図2に示すような関係がみられる。図2におい
て、曲線のX〜Yは限界拡散電流を示し、電圧Eを一定
とすれば、電流iは酸素濃度に比例する。グルコースが
酸素の存在下でグルコースオキシダーゼ(酵素)の働き
によって酸化されてグルコン酸になる時、消費される酸
素量がわかればグルコースの濃度もわかることになる。
したがつて、限界拡散電流iとグルコース濃度とは一定
の関係を持ち、酸化チタン電極とグルコースオキシダー
ゼを組み合わせると、グルコースセンサが得られること
になる。この酸化チタン電極を使用した従来のグルコー
スセンサは、酸化チタン層の形成の再現性が困難なこと
から、電流−電位曲線のばらつきが大きく、また、酸素
還元の限界拡散電流の現れる電位領域が-1.1〜-1.3V
(対 Ag/AgCl照合電極)であるため、印加電圧を大きく
しなければならなかった。さらに、-1.25 Vより卑な電
位領域では、酸化チタンが還元されることに起因する残
余電流が大きくなって、測定の誤差が大きくなるという
欠点を持っていた。また、このグルコースセンサは、生
理食塩水中では約2か月以上も酵素活性を保つという優
れた特性を示したが、血液中では各種の被毒を受けるた
めに、寿命が短くなるという欠点を持っていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化チタン層
とグルコースオキシダーゼを組み合わせたグルコースセ
ンサにおける、上記問題点を解決するために、酸化チタ
ン層の表面に、粒子状の白金を不均一に点々と付着させ
ることを特徴とするものである。また、線状グルコース
センサにおいて、被測定溶液と感応部分の接触面積を大
きくするために、酸化チタン・白金・グルコースオキシ
ダーゼを線状電極の側面にとりつけることを特徴とする
ものである。
とグルコースオキシダーゼを組み合わせたグルコースセ
ンサにおける、上記問題点を解決するために、酸化チタ
ン層の表面に、粒子状の白金を不均一に点々と付着させ
ることを特徴とするものである。また、線状グルコース
センサにおいて、被測定溶液と感応部分の接触面積を大
きくするために、酸化チタン・白金・グルコースオキシ
ダーゼを線状電極の側面にとりつけることを特徴とする
ものである。
【0009】
【作用】本発明におけるグルコースセンサにおいては、
酸化チタン層の表面に白金が存在するため、従来酸化チ
タン上で行われていた酸素の還元反応が、白金上で行わ
れるようになる。すると、白金の触媒性能が高いため
に、酸素還元の限界拡散電流の現れる電位領域が、従来
の-1.1〜-1.3V(対Ag/AgCl照合電極)から-0.7〜-1.0
V(対 Ag/AgCl照合電極)にかなり貴な方向にずれるこ
とになる。
酸化チタン層の表面に白金が存在するため、従来酸化チ
タン上で行われていた酸素の還元反応が、白金上で行わ
れるようになる。すると、白金の触媒性能が高いため
に、酸素還元の限界拡散電流の現れる電位領域が、従来
の-1.1〜-1.3V(対Ag/AgCl照合電極)から-0.7〜-1.0
V(対 Ag/AgCl照合電極)にかなり貴な方向にずれるこ
とになる。
【0010】また、酸化チタン層と白金へのグルコース
オキシダーゼの固定化の難易を比較すると、前者には固
定化が容易であるが、後者には難しいという問題があ
る。これに対し、本発明では、酸化チタン層の表面では
白金が点々と存在し、酸化チタンが露出している部分が
あるため、酸化チタン層に白金をつけることによるグル
コースオキシダーゼの固定化が難しいという問題は、容
易に回避される。
オキシダーゼの固定化の難易を比較すると、前者には固
定化が容易であるが、後者には難しいという問題があ
る。これに対し、本発明では、酸化チタン層の表面では
白金が点々と存在し、酸化チタンが露出している部分が
あるため、酸化チタン層に白金をつけることによるグル
コースオキシダーゼの固定化が難しいという問題は、容
易に回避される。
【0011】さらに、線状グルコースセンサにおいて、
酸化チタン・白金・グルコースオキシダーゼを線の側面
に取り付けてあるため、線を細くした場合でも、グルコ
ースオキシダーゼの固定が容易で、しかも多量に取り付
けることができ、感応面積を大きくすることができる。
酸化チタン・白金・グルコースオキシダーゼを線の側面
に取り付けてあるため、線を細くした場合でも、グルコ
ースオキシダーゼの固定が容易で、しかも多量に取り付
けることができ、感応面積を大きくすることができる。
【0012】なお、グルコースを高濃度(7.0g dm-3)
まで直接測定するためには、グルコースオキシダーゼが
固定されている感応面の上に、アセチルセルロース膜ま
たはポリウレタン膜などからなるグルコース透過制限膜
を装着する必要がある。
まで直接測定するためには、グルコースオキシダーゼが
固定されている感応面の上に、アセチルセルロース膜ま
たはポリウレタン膜などからなるグルコース透過制限膜
を装着する必要がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明す
る。
る。
【0014】[実施例1] <酸化チタン−白金酸素電極の製法>直径0.5mm 、長さ
約25mmのチタン線に、内径0.6mm 、外径約1.0mm のガラ
ス管を 700℃の電気炉中、アルゴン雰囲気下で熔封して
かぶせ、一方の端にリード線を取り付け、他方の先端を
約45度の角度になるように磨きだした。この周囲に厚さ
0.1mm の銀板を巻き付け、これにもリード線を接続し、
接続部分をエポキシ樹脂とテフロン熱収縮チューブで絶
縁固定した。銀電極は食塩水中で白金板を対極にして2
Vで表面を塩化銀とした。チタン電極の45度の角度に磨
いた部分を、2mol dm-3の希硫酸水溶液中にいれ、白金
板を対極に、定電圧で陽極酸化し、酸化チタン層を形成
した。さらに、酸化チタン層を形成した部分を、塩化白
金酸水溶液にいれ、定電流を流し、酸化チタン層の表面
に白金を電解析出させた。図3は作製した酸素電極の断
面を示したもので、図において1はチタン線、2はガラ
ス、3はAg/AgCl 電極、4は酸化チタン層、5は白金、
6はハンダ、7はリード線、8はエポキシ樹脂、9はテ
フロン熱収縮チューブである。
約25mmのチタン線に、内径0.6mm 、外径約1.0mm のガラ
ス管を 700℃の電気炉中、アルゴン雰囲気下で熔封して
かぶせ、一方の端にリード線を取り付け、他方の先端を
約45度の角度になるように磨きだした。この周囲に厚さ
0.1mm の銀板を巻き付け、これにもリード線を接続し、
接続部分をエポキシ樹脂とテフロン熱収縮チューブで絶
縁固定した。銀電極は食塩水中で白金板を対極にして2
Vで表面を塩化銀とした。チタン電極の45度の角度に磨
いた部分を、2mol dm-3の希硫酸水溶液中にいれ、白金
板を対極に、定電圧で陽極酸化し、酸化チタン層を形成
した。さらに、酸化チタン層を形成した部分を、塩化白
金酸水溶液にいれ、定電流を流し、酸化チタン層の表面
に白金を電解析出させた。図3は作製した酸素電極の断
面を示したもので、図において1はチタン線、2はガラ
ス、3はAg/AgCl 電極、4は酸化チタン層、5は白金、
6はハンダ、7はリード線、8はエポキシ樹脂、9はテ
フロン熱収縮チューブである。
【0015】<酸化チタン−白金酸素電極の特性>作製
した酸素電極の電流−電圧特性を図4に示す。図からわ
かるように、この電極における酸素還元反応の限界拡散
電流は-0.7〜-1.0V(対 Ag/AgCl照合電極)の電位領域
に現れ、白金を取り付けない場合に比べ、より貴側へ変
化した。
した酸素電極の電流−電圧特性を図4に示す。図からわ
かるように、この電極における酸素還元反応の限界拡散
電流は-0.7〜-1.0V(対 Ag/AgCl照合電極)の電位領域
に現れ、白金を取り付けない場合に比べ、より貴側へ変
化した。
【0016】<グルコースセンサの作製>上記酸素電極
の白金を取り付けた酸化チタン電極部分を、シラン化剤
の3−アミノプロピルトリエトキシシランのトルエン溶
液(10 v/v %)中で1時間、還流し、トルエンおよび
エタノールで洗った後、20 w/v%の牛血清アルブミン水
溶液1.5 μl 、12 w/v%のグルコースオキシダーゼの0.
1mol dm-3酢酸緩衝溶液(pH5.5 )2.0 μl 、2 v/v %
のグルタルアルデヒド水溶液1.0 μl を滴下し、自然乾
燥させて、グルコースセンサとした。
の白金を取り付けた酸化チタン電極部分を、シラン化剤
の3−アミノプロピルトリエトキシシランのトルエン溶
液(10 v/v %)中で1時間、還流し、トルエンおよび
エタノールで洗った後、20 w/v%の牛血清アルブミン水
溶液1.5 μl 、12 w/v%のグルコースオキシダーゼの0.
1mol dm-3酢酸緩衝溶液(pH5.5 )2.0 μl 、2 v/v %
のグルタルアルデヒド水溶液1.0 μl を滴下し、自然乾
燥させて、グルコースセンサとした。
【0017】<グルコースセンサの特性>本発明になる
グルコースセンサをグルコース濃度の異なる溶液中にい
れ、電位を-0.75 V(対 Ag/AgCl照合電極)に保ち、そ
のときの限界拡散電流を測定した。その結果を図5に示
す。グルコースの濃度が約0.5 g dm -3までの範囲で、
濃度と電流の関係はよい直線性を示し、限界拡散電流値
からグルコースの濃度を求めることができることが示さ
れ、しかも応答時間は約30秒ときわめて短かった。ま
た、本発明になるグルコースセンサは約10日間安定した
出力を示した。
グルコースセンサをグルコース濃度の異なる溶液中にい
れ、電位を-0.75 V(対 Ag/AgCl照合電極)に保ち、そ
のときの限界拡散電流を測定した。その結果を図5に示
す。グルコースの濃度が約0.5 g dm -3までの範囲で、
濃度と電流の関係はよい直線性を示し、限界拡散電流値
からグルコースの濃度を求めることができることが示さ
れ、しかも応答時間は約30秒ときわめて短かった。ま
た、本発明になるグルコースセンサは約10日間安定した
出力を示した。
【0018】[実施例2]直径0.3mm 、長さ約25mmのチ
タン線に、内径0.35mm、外径0.6mm のガラス管を700 ℃
の電気炉中、アルゴン雰囲気下で、先端から数ミリ上の
部分のチタンを露出させて、熔封してかぶせ、一方の端
にリード線を取り付けた。さらにガラスの外側に、チタ
ンの部分が露出するように、テフロン熱収縮チューブで
覆った。つぎに熱収縮チューブの周囲に、露出したチタ
ン部分が隠れないように、厚さ0.1mmの銀板を巻き付
け、これにもリード線を接続する。銀電極は食塩水中で
白金板を対極にして2Vで表面を塩化銀とした。つぎに
チタンの露出した部分を、2mol dm-3の希硫酸水溶液中
にいれ、白金板を対極にして定電圧で陽極酸化し、酸化
チタン層を形成した。さらに、酸化チタン層を形成した
部分を、塩化白金酸水溶液中にいれ、定電流を流し、酸
化チタン層の表面に白金を電解析出させた。さらに、こ
の酸化チタン−白金電極の表面に、実施例1で示したの
と同じ方法でグルコースオキシダーゼを取り付け、グル
コースセンサを得た。図1は作製した線状グルコースセ
ンサの構造を示したもので、図において1はチタン線、
2はガラス、3はAg/AgCl 電極、4は酸化チタン層、5
は白金、6はハンダ、7はリード線、8はエポキシ樹
脂、9はテフロン熱収縮チューブ、10はグルコースオ
キシダーゼを含んだ固定化酵素膜であり、A−Bの部分
が感応部である。
タン線に、内径0.35mm、外径0.6mm のガラス管を700 ℃
の電気炉中、アルゴン雰囲気下で、先端から数ミリ上の
部分のチタンを露出させて、熔封してかぶせ、一方の端
にリード線を取り付けた。さらにガラスの外側に、チタ
ンの部分が露出するように、テフロン熱収縮チューブで
覆った。つぎに熱収縮チューブの周囲に、露出したチタ
ン部分が隠れないように、厚さ0.1mmの銀板を巻き付
け、これにもリード線を接続する。銀電極は食塩水中で
白金板を対極にして2Vで表面を塩化銀とした。つぎに
チタンの露出した部分を、2mol dm-3の希硫酸水溶液中
にいれ、白金板を対極にして定電圧で陽極酸化し、酸化
チタン層を形成した。さらに、酸化チタン層を形成した
部分を、塩化白金酸水溶液中にいれ、定電流を流し、酸
化チタン層の表面に白金を電解析出させた。さらに、こ
の酸化チタン−白金電極の表面に、実施例1で示したの
と同じ方法でグルコースオキシダーゼを取り付け、グル
コースセンサを得た。図1は作製した線状グルコースセ
ンサの構造を示したもので、図において1はチタン線、
2はガラス、3はAg/AgCl 電極、4は酸化チタン層、5
は白金、6はハンダ、7はリード線、8はエポキシ樹
脂、9はテフロン熱収縮チューブ、10はグルコースオ
キシダーゼを含んだ固定化酵素膜であり、A−Bの部分
が感応部である。
【0019】ここで作製した線状グルコースセンサを、
実施例1と同じ方法で測定し、グルコース濃度と限界拡
散電流との間には図4と同様の関係があることが示され
た。また、応答時間や寿命などの諸特性もほぼ同じであ
つた。
実施例1と同じ方法で測定し、グルコース濃度と限界拡
散電流との間には図4と同様の関係があることが示され
た。また、応答時間や寿命などの諸特性もほぼ同じであ
つた。
【0020】
【発明の効果】本発明になるグルコースセンサにおいて
は、酸化チタン層の上に白金が付いている。酸素の還元
反応がこの白金上でおこなわれるために、酸素還元の限
界拡散電流は、白金のない場合に比べ約0.3 V貴な電位
領域に現れる。そのためセンサの作動電位をより貴側
に、いいかえるとセンサの印加電圧を低くすることがで
き、さらに酸化チタンの還元[およそ-1.25 V(対 Ag/
AgCl照合電極)より卑な領域で起こる]に基づくものと
考えられる残余電流も取り除くことができ、電流測定の
信頼性を高めることができる。
は、酸化チタン層の上に白金が付いている。酸素の還元
反応がこの白金上でおこなわれるために、酸素還元の限
界拡散電流は、白金のない場合に比べ約0.3 V貴な電位
領域に現れる。そのためセンサの作動電位をより貴側
に、いいかえるとセンサの印加電圧を低くすることがで
き、さらに酸化チタンの還元[およそ-1.25 V(対 Ag/
AgCl照合電極)より卑な領域で起こる]に基づくものと
考えられる残余電流も取り除くことができ、電流測定の
信頼性を高めることができる。
【0021】また、線状グルコースセンサにおいて、感
応部分が線の側面であるため、グルコースオキシダーゼ
を多量に取り付けることができると同時に、感応面積を
大きくすることができ、安定な電極特性が得られるもの
である。この線状グルコースセンサは、小型針状である
ため、直接人体の血管に取り付けることが可能で、この
センサは人工膵臓システムに利用する上で、特に有効で
あるが、もちろん、本発明のグルコースセンサの用途
は、この用途に限定されるものではなく、従来、同種の
すべての用途に適用できる。
応部分が線の側面であるため、グルコースオキシダーゼ
を多量に取り付けることができると同時に、感応面積を
大きくすることができ、安定な電極特性が得られるもの
である。この線状グルコースセンサは、小型針状である
ため、直接人体の血管に取り付けることが可能で、この
センサは人工膵臓システムに利用する上で、特に有効で
あるが、もちろん、本発明のグルコースセンサの用途
は、この用途に限定されるものではなく、従来、同種の
すべての用途に適用できる。
【図1】本発明になる線状グルコースセンサの構造を示
した断面図である。
した断面図である。
【図2】酸素電極系グルコースセンサの測定原理を示す
図である。
図である。
【図3】酸化チタン−白金酸素電極の構造を示した断面
図である。
図である。
【図4】酸化チタン−白金酸素電極の電流−電圧特性を
示した図である。
示した図である。
【図5】本発明になるグルコースセンサにおける、グル
コース濃度と限界拡散電流の関係を示し図である。
コース濃度と限界拡散電流の関係を示し図である。
1 チタン線 4 酸化チタン層 5 白金 10 グルコースオキシダーゼを含む固定化酵素膜
フロントページの続き (72)発明者 菱田 裕子 愛知県海部郡蟹江町大字蟹江新田字六反割 30−7 (72)発明者 斉藤 哲 京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1番地 日本電池株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 金属チタン基体(1)表面に酸化チタン
膜層(4)を形成し、さらに該酸化チタン膜上に白金
(5)を斑点状に形成した電極にグルコースオキシダー
ゼを固定してなることを特徴とする、グルコースセン
サ。 - 【請求項2】 金属チタン基体が線条であることを特徴
とする、請求項1記載のグルコースセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3246735A JPH0560722A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | グルコースセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3246735A JPH0560722A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | グルコースセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0560722A true JPH0560722A (ja) | 1993-03-12 |
Family
ID=17152870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3246735A Pending JPH0560722A (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | グルコースセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0560722A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007091633A1 (ja) | 2006-02-09 | 2007-08-16 | The University Of Tokushima | 生体用デバイス、生体用デバイスの接触部構造および生体センサ |
JP2008502902A (ja) * | 2004-06-16 | 2008-01-31 | アイセンス コーポレーション | 複合金属アナライトセンサ |
JP2015059874A (ja) * | 2013-09-19 | 2015-03-30 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | マイクログルコースセンサ |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP3246735A patent/JPH0560722A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4681606B2 (ja) * | 2004-06-16 | 2011-05-11 | アイセンス コーポレーション | 複合金属アナライトセンサ |
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