JPH0560674A - センサーの有効長さ決定方法、及び動粘度測定方法 - Google Patents

センサーの有効長さ決定方法、及び動粘度測定方法

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JPH0560674A
JPH0560674A JP3245182A JP24518291A JPH0560674A JP H0560674 A JPH0560674 A JP H0560674A JP 3245182 A JP3245182 A JP 3245182A JP 24518291 A JP24518291 A JP 24518291A JP H0560674 A JPH0560674 A JP H0560674A
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sensor
fluid
heating element
temperature
heat generation
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JP3245182A
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Yasuhiko Shiiki
靖彦 椎木
Katsunori Harada
勝典 原田
Tomoshige Hori
友繁 堀
Kensuke Ito
健介 伊藤
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体1を内蔵するセンサー3と接触する流
体がセンサー軸に対して直角方向の流速を生じる場合の
センサーの表面における発熱有効長さL’を決定するこ
と、及びこれを用いて流体の動粘度を測定することを目
的とする。 【構成】 物性が既知の流体を一定流速でセンサー3に
接触させることにより、その時の発熱体の発熱量、発熱
体の表面温度、発熱体と流体の温度差、流体の物性値か
らセンサーの固有定数を決定し、センサーの表面におけ
る発熱有効長さを決定する。そののち、流体の動粘度を
求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発熱体を内蔵するセンサ
ーのセンサー表面における発熱有効長さを決定する手段
に関し、更にこの発熱有効長さから、流動する流体の動
粘性率を求める手段に関する。本発明によれば、各種産
業分野における流体の粘度や密度、組成などの変化によ
って起きる動粘性率の変化を計測することができ、工程
制御の基礎値を知ることが可能になる。
【0002】
【従来の技術】従来、流体の状態変化を測定する方法と
して、本出願人が出願した特開昭60−152943
号、特開昭62−185146号があげられる。また、
粘度測定方法として特開昭60−177244号があ
り、その他にも公知技術として特開平1−284721
号、特開平1−311250号等があげられる。特開昭
60−152943号は、金属細線と流体の温度差を一
定に保つように電流を調整して、そのときの電流値から
金属細線の表面における流体の熱伝達率を算出して、そ
の熱伝達率の変化から流体の状態変化を計測する方法で
ある。特開昭62−185146号は、流体と熱的に接
触する感知素子の温度、流体の温度、感知素子と流体の
温度差を計測して、その変化から流体の状態変化を判定
する方法である。特開昭60−177244号は、流体
の粘度と温度を計測し、予め定められた温度における粘
度を計算する粘度測定装置である。特開平1−2847
21号は、液体と水晶振動子を接触させ、液体の温度が
変化したときの水晶振動子の共振周波数の変化または損
失抵抗を求め、液体の粘性を検出し、これをもとに液体
の温度の計測を行う装置である。特開平1−31125
0号は、液体と圧電素子を接触させ、圧電素子の共振周
波数または損失抵抗を求め、液体の粘性を計測する手段
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の測温素子の機能
を有する発熱体を内蔵するセンサーに関しては、例え
ば、特開昭64−44838号のごとき構成が実例とし
てあげられるが、センサーの構造は、発熱体がセンサー
保護管内に組み込まれたもので保護管は発熱体より長い
のが一般的である。この場合、発熱部の長さは内部発熱
体の長さに依存するものと理解されるが、事実上は保護
管の熱伝導率や流体の流れの方向により、センサー表面
における発熱部の長さは内部発熱体とは異なるものとな
る。該センサーを使用する場合において、粘性変化を数
値としてではなく変化状態の計測として用いる場合にお
いてその指標値を得る点では、指標値が変化の状態を表
すため問題が生じない。この利用形態として特公平2−
31932号があげられる。しかし、各種産業における
流体の状態変化の計測では、指標値を得てその変化状態
を把握できれば良いというだけに終わらず、実質的な物
性値を求め、工程制御の基礎値として利用することが望
まれている。特に産業上は動粘性率、粘性値、熱伝導率
などを実質的数値として把握するために時間をかけて計
測される例が多い。ここで、特開昭60−152943
号は熱伝達率の変化から流体の状態変化を計測するもの
で、特に粘性変化を測定するものである。この計測にお
いて粘性率を実質値として知る必要はなく、変化の始点
や終点を時機的に把握する計測方法である。従って、実
質的な数値として得ているものは流体の物性変化を表す
指標値であって物性値を得てはいない。また、特開昭6
2−185146号も同じく物性値を実質的数値として
得る方法には至っていない。更に、特開昭60−177
244号、特開平1−284721号、特開平1−31
1250号などは、流体の粘性率を計測するものであっ
て、流体の流動特性が関係する動粘性率の測定方法では
ない。従って、従来技術においては、前記粘性率を計測
する方法に関するものがあるが、実質的数値として動粘
性率を得たものはない。一方、流体の動粘性率が直接か
つ実質的な数値として求めることが可能になれば、更に
測定による流体の物性を詳細に把握することが可能であ
る。特に動粘性率の変化は流体の密度に関係なく生じる
場合があり、これが測定可能となれば、例えば生体培養
中の菌体濃度や、培地中の生理活性物質の濃度、更に流
体の粘性変化を伴う場合の物性変化の特徴等を計測する
ことが可能となる。そして、この動粘性率を求めるにあ
たり、測温素子であり、かつ発熱体である素子を内蔵す
るセンサーを使用する場合は、センサー表面における有
効発熱長さを知ることが重要な課題となる。これは内部
素子の長さとセンサー表面における有効発熱長さが異な
るためであり、内部素子からセンサー表面までにおける
構造物において三次元的に熱伝導することが原因であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は流体の
動粘度を実質的数値として簡単かつインラインで計測可
能な動粘度測定方法を提供するものであり、そのための
必須事項として測定センサーの表面における実質的発熱
部の長さを決定する方法を提供するものである。そこ
で、測温素子でありかつ発熱体である素子を内蔵するセ
ンサーの表面における有効発熱長さを求めるにあたり、
物性値が既知の流体中に該センサーを配置してセンサー
軸に対して直角方向に一定の流速を維持しながら、発熱
体の発熱量、及びそのときの発熱体の温度、流体の温度
を測定し、発熱体と流体の温度差の発熱量に対する比率
を求め、流動場における発熱体の熱伝達に関する無次元
式より該センサー表面の熱伝達率の逆数を求め、これら
から熱伝達率の逆数が0m2 K/Wの時の発熱体と流体
の温度差の発熱量に対する比率を求め、これを該センサ
ーの保護筒部の熱伝導率の固有定数とし、これを用いて
該センサーの表面における発熱有効長さを決定するセン
サーの有効長さ決定方法を発明した。また、測温素子で
ありかつ発熱体である素子を内蔵するセンサーを流体中
に配置し、その時の発熱体温度と流体温度の温度差と、
上記の方法により決定されたセンサー保護筒部の熱伝導
率の固有定数と、センサー有効長さを用いて流体の動粘
性率を測定する動粘度測定方法を発明すると共に、流体
の流速を既知の機械的手段によって一定に維持するよう
に構成した。なお、本発明でいう動粘度(動粘性率)と
は、粘性流体の流れの状態における粘性率を表し、粘性
率を密度で割った値、ν=η/ρ(m2 /S)で表され
る。
【0005】
【作用】固有定数からセンサー表面における発熱有効長
さを決定すると共に、物性が未知の流体中に該センサー
を配置し、センサーの有効長さの範囲における流体の平
均流速と、発熱体の発熱量と、発熱体温度、もしくはセ
ンサー表面温度、もしくは発熱体温度と流体の温度差、
もしくはセンサー表面温度と流体の温度差の何れかを用
いて、流体の物性値である動粘度を測定する。なお、こ
のときの流体の流速方向はセンサー軸に対して直角であ
り、流速は一定であるか、または、既知手段によって測
定される。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。図1、図2
は測温素子でありかつ発熱体である素子1を保護筒2の
内部に備えたセンサー3を示し、4は素子1に通電する
リード線である。以上のようなセンサー3においてリー
ド線4に通電しながら、センサー3をセンサー軸に対し
て直角方向の流れを有する流体中に配置することによ
り、素子1から発生した熱が保護筒2を通って流体中に
伝達されるのであるが、熱伝導により図示のように熱が
末広がり状に伝わるため保護筒2の表面では素子1の長
さLよりも長い距離L’の間で熱伝達が行われる。そこ
で、本発明にあっては以上のようにセンサー3の表面に
おいて実際に熱伝達に関与しているセンサー有効発熱長
さL’を求めるにあたり、例えば水のように物性値が既
知の流体中にセンサー3を配置してセンサー軸に対して
直角方向に一定の流速を維持しながら、発熱体である素
子1の発熱量Q、及びそのときの素子1の温度θW 、流
体の温度θ∞を測定し、発熱体素子1の温度θW と流体
の温度θ∞との差ΔθW の発熱量Qに対する比率を求
め、流動場における発熱体素子1の熱伝達に関する無次
元式よりセンサー3の表面の熱伝達率αの逆数1/αを
求め、これらから熱伝達率の逆数1/αが0m2 K/W
の時の発熱体素子1と流体の温度差ΔθW の発熱量Qに
対する比率を求め、これをセンサー3の保護筒部2の熱
伝導率の固有定数Kとし、これを用いてセンサー3の表
面における発熱有効長さL’を決定するように構成し
た。また、以上の方法により決定されたセンサー3の保
護筒2における熱伝導率の固有定数Kと、センサー3の
表面における発熱有効長さL’を用いて流体の動粘性率
νを測定するように構成した。
【0007】図3のように直径di、回転数Nの撹拌羽
根5で撹拌される内部直径dvの撹拌槽6に流体Fが充
填された状態において、円周方向流速Vtの半径方向分
布はNagataら(Nagata,S.,Yoshioka,N.and Yokoyama,T.1
955. "Studies on the powerrequiment of mixing impl
lers (1)" Mem.Fac.Eng., Kyoto Univ. 17:175-185)に
よるCOMPOUND VORTEX MODEL から予測でき、Miyawakiら
(Miyawaki,O.,Sato,Y.and Yano,T.1990."Application
of the Hot-wire Tcehnique to Monitoring Viscosity
of the Fluid in a Nonbaffled Agitated Vessel." J.F
ood Eng. 11:93-102)により、 di / dv = 0.236 及び ν = 1.0 E−6 [m2 /S] の条件下で以下のように確認されている。 Vt = 2πNr (0<r≦rc) Vt = 2πNrc2/r (rc≦r<dv/2) …(1) 但し、 rc = di/2・Rem/(1000+1.43Rem) …(2) ここで、 r : 半径方向距離 rc : 固体的回転部半径 Rem : 撹拌レイノズル数(=Ndi2/ν) ν : 動粘性率 である。また、Kramers により円柱状発熱体に垂直に流
体が流れている系の熱伝達に関する式は以下のように明
らかにされている(Kramers 、H. 1946 "Heat Transfer
from Spheres to Flowing Media" Physica 12:61-8
0)。 Nu = 0.42・Pr1/5+0.57Pr1/3・Re1/2 …(3) ここで、 Nu : ヌッセルト数(=αd/λ) Pr : プラントル数(=ν/a) Re : レイノルズ数 d : 円柱直径 α : 熱伝達率 λ : 熱伝導率 a : 熱拡散率 である。これら(1)、(2)式からVtを求め、流体
物性値と(3)式からセンサー表面の熱伝達率αを求め
る。
【0008】例えば、物性既知の水を使って考えると、
流体温度300[K]の場合、水の物性値は以下に示す
値となる。 ν = 0.8573 × 10-6 [m2 /S] λ = 0.6104 [W/mK] a = 0.1466 × 106 [m2 /S] Pr = 5.850 [1] 該水を図3に示すような円筒容器6(dv = 0.242
[m])に入れ、撹拌羽根5(di = 0.0419 [m] )で、
回転数100(N = 100 [rpm] )で撹拌し、センサー3
(d = 3.5 * 10-3 [m])を撹拌中心軸よりr(r = 0.04
19 [m])の位置に鉛直に固定したとする。このセンサー
の位置における円周方向流速Vtは(1)、(2)式よ
り、以下のように求まる。 Rem = 100 × 0.042 / 0.8573 × 10-6 = 1.8663 × 105 [1] rc = 0.04 / 2 × (1.8663 × 105 ) / {1000 + 1.43 × (1.8663 × 105 )} = 1.3934 × 10-2 [m] センサー位置rは(rc≦r<dv/2)を満たすか
ら、(1)式より Vt = 2π × (1.3934 × 10-22 / 0.0419 = 2.9115 × 10-2 [m/S] となる。よって、 Re = Vt・d / ν = (2.9115 × 10-2) × (3.5 × 10-3) / 0.8573 × 10-6 = 118.8644 [1] ここで、 Pr = 5.850 であるから、(3)式より、Nuは以下のようになる。 Nu = 0.42 × (5.850)1/5 + 0.57 × (5.850)1/3 ×(118.8644)1/2 = 11.7954 [1] よって λ = 0.6104 [W/mK] より、αは α = λ・Nu / d = 0.6104 × 11.7954 / 3.5 × 10-3 = 2057.122 [W/m2 K] となる。そこで、センサー3の表面における発熱有効長
さL’は、発熱体素子1の長さLと有効発熱長さ係数C
を用いて次式で表される。 L’ = C・L …(4) 更に、センサー3の表面温度θsと発熱体素子1の温度
θwは保護筒2の見かけの熱伝導率Kを用いて θs = θw − Q・ln(r0 / ri ) / (2π・K・L’) …(5) と表される(Miyawaki,o., Sato,y., Yano,T., Ito,K.
and Saeki,Y. 1990. "Fundamental Aspects of Viscosi
ty Monitoringby the Hot-wire Technique" J.Food Su.
55:854-857)。ここで、 Q : 発熱量[W] r0 : センサー3の半径[m] ri : 発熱体素子1の半径[m] である。 また、(5)式は、流体の温度θ∞を用いれば Δθs = θs − θ∞ Δθw = θw − θ∞ の関係より、(4)式を用いて、以下の(6)式とな
る。 Δθs = Δθw − Q・ln(r0 / ri )/(2π・K・C・L) …(6) また、 α = Q / πd・L’(θs − θ∞) = Q / (πd・L’・Δθs) Nu = (αd) / λ = Q・d / (πd・L’・Δθs・λ) = Q / (πL’・λ・Δθs) つまり、 (αd) / λ = Q / (πC・L・λ・Δθs) Δθs = Q / (πα・d・C・L) となり、これを(6)式に代入して整理すると、 Δθw / Q = 1/(πd・C・L)・(1/α) + ln(r0 / ri ) / (2π・C・K・L) …(7) となる。
【0009】しかして、以上のように物性値が既知の水
を用いて一定の発熱量Q、一定の回転数Nで、発熱体と
流体の温度差の発熱量に対する比率Δθw/Qと熱伝達
率の逆数1/αを求め、これを、異なる発熱量、回転数
で実施する。これらの結果を各発熱量に対して図4に示
すように、縦軸にΔθw/Q、横軸に1/αをとって図
示し、熱伝達率の逆数1/αが0の時の発熱体と流体の
温度差の発熱量に対する比率Δθw/Qを外捜して、
(7)式における第2項であるln(r0 /ri )/(2
πCKL)を求める。こうして求めたln(r0 /ri
/(2πCKL)を縦軸、発熱量Qを横軸として図5の
ようにグラフで表し、このグラフから発熱量が0の時の
値A求めると、この時C=1.0が仮定できるため、 A = ln(r0 / ri ) / (2π・K・L) …(8) が成立し、(7)式より保護筒2の見かけの熱伝導率K
が求まる。こうして熱伝導率Kが求まることにより、
(7)式を整理した式 C = Q / Δθw・{1/(πd・L)・(1/α) + ln(r0 /ri )/(2π・K・L)} …(9) より、有効発熱長さ係数Cが求まる。各発熱量Qに対し
てCを求めれば、この値はセンサー3の独自の有効発熱
長さの固有値となり、センサー3の表面における発熱有
効長さL’は、(4)式より容易に求めることができ
る。なお、保護筒2の見かけの熱伝導率K、有効発熱長
さ係数Cは動粘性率νを求めるにあたって有効な数値と
なる。
【0010】動粘性率νの求め方を説明する。以上説明
したように、センサー3の表面における発熱有効長さ
L’が決定でき、この発熱有効長さL’における流体流
速が一定であると、物性が未知の流体の動粘性率νが測
定できる。 例えば、センサー3に垂直に流体が一定速
度Vt[m/S]で流れていた場合、発熱量Qにて、Δ
θwの測定値が得られたとする。CとKが既知であるた
め、(7)式より容易にαが求められる。更にこのαと
dとλより、(3)式よりNuの値が求まる。一方、
(3)式は Nu = 0.42・(ν/a)1/5 + 0.57(ν/a)1/3 (Vt・d/ν)1/2 = 0.42・a-1/5・ν1/5 + 0.57・a-1/3・Vt1/2 ・d-1/2・ν-1/6 = C0・ν1/5 + C1・ν-1/6 となり、予めC0、C1を求めておき、νに対してグラ
フで図示しておけば、Nuの値より動粘性νが求まる。
【0011】ここで、以上の方法を実際の流体を用いて
実験した結果を示す。図3に示すように、センサー3を
物性が既知である流体中に配置し、撹拌羽根5の回転に
より流体流速を一定に保ちながら、センサー軸に対して
直角方向の流速を維持し、リード線4から通電してセン
サー3を発熱させながらセンサー3の固有の定数である
CとKを求めた。図6は本発明方法によりセンサー3の
固有定数であるCとKを求めると共に、それらから動粘
度を求めるまでの手順をブロック化して示したものであ
り、図中、7は物性値が既知の流体中にセンサー3を配
置してセンサー3の保護筒部2の熱伝導率の固有定数
K、及び有効発熱長さ係数Cを定め、これらK、Cを用
いてセンサー3の表面における発熱有効長さL’を決定
する部分であり、8は以上のようにしてK、Cを求めた
センサー3を流体中に配置し、その時の発熱体素子1の
温度と流体温度の温度差Δθwから流体の動粘性率νを
測定する部分を示している。
【0012】先ず、物性が既知である流体として25゜
Cの水を用いた場合は、各発熱量Qの値に対する熱伝導
率の固有定数K、及び有効発熱長さ係数Cは図7(表
1)に示されるような値になった。一方、物性が既知で
ある流体として25゜Cで、動粘度が8.387×10
-5[m2 /S]のCMC(カルボキシメチルセルロー
ス)水溶液を用いた場合は、各発熱量Qの値に対する熱
伝導率の固有定数K、及び有効発熱長さ係数Cは図8
(表2)に示されるような値になった。以上のように、
物性が異なる流体においても、熱伝導率の固有定数K、
及び有効発熱長さ係数Cは一定発熱量Qに対しては同一
の値になることが分かる。
【0013】また、以上のような物性が既知である流体
における動粘性率νを本発明方法によって求め、この値
と、B型粘度計及び測定密度を用いて得られた動粘度ν
Bとを比較した結果を図9(表3)に示す。なお、実験
ではCMC水溶液を用いた。しかして、表3に示される
ように、物性既知の流体における本発明の実測値とB型
粘度計の測定値が一致することが分かり、本発明の方法
が実証された。なお、発熱量Qを変えて測定しているの
は、発熱量Qによって発熱体の温度が変化し、かつその
温度によって有効長さL’が変化するため、動粘度値が
発熱量の変化によって大きく変わってしまうものではな
いことを示している。更にこのことは被測定流体の物性
や測定現場の条件によって適当な発熱量を選定できるこ
とを示唆している。
【0014】
【発明の効果】従来の測定方法では動粘度を得るのにB
型粘度計や回転粘度計、ザーンカップなどを用いるか、
粘度の指標値を求めて変化を知るというように、時間の
かかる測定方法であり、あるいは人為的操作のため測定
毎に数値が異なるか、またはインライン計測が不可能な
測定方法であるのに対し、本発明の方法によれば動粘度
をインラインで瞬時に、しかも実質的数値として計測可
能で、人為的な介在もなく即座に工程管理基礎値として
使用できるため、工程制御の拡大ができる。センサーの
内部における発熱体の長さから、センサー表面における
実質的な発熱部の有効長さを決定できるため、センサー
測定値を指標値として扱う必要がない。これは指標値と
実際に必要な値との相関を予め調べておく必要がなくな
り、計測の迅速性向上と相関関係を対象とする演算装置
の不必要による設備費用の軽減の効果がある。センサー
は同じ材料、工程、方法をもって作成したとしても、一
つ一つに独自の個性が生じることから、センサー固有の
定数は一つ一つ異なり、これがためにセンサーを交換す
ると、制御装置における演算機の調整が必要となるが、
本発明におけるセンサー有効長さの決定方法により、有
効長さを基準とできるため、演算機の調整は有効長さを
入力することで済ませることが可能である。また、この
センサー固有の定数を求める方法も既知の流体を用いた
方法で解決することができ、センサー一つ一つについ
て、これを簡単に求めることができる簡便な方法であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】センサーの斜視図
【図2】センサーの断面図
【図3】撹拌槽の断面図
【図4】発熱体と流体の温度差の発熱量に対する比率Δ
θw/Qと熱伝達率の逆数1/αの相関図
【図5】ln(r0 /ri )/(2πCKL)と発熱量Q
の相関図
【図6】本発明方法の手順のブロック図
【図7】25゜Cの水を用いて各発熱量Qの値に対する
熱伝導率の固有定数K、及び有効発熱長さ係数Cを求め
た結果を示す表図(表1)
【図8】25゜Cで、動粘度が8.387×10-5[m
2 /S]のCMC(カルボキシメチルセルロース)水溶
液を用いて各発熱量Qの値に対する熱伝導率の固有定数
K、及び有効発熱長さ係数Cを求めた結果を示す表図
(表2)
【図9】本発明方法によって求めた動粘性率νと、B型
粘度計及び測定密度を用いて得られた動粘度νBとを比
較した結果を示す表図(表3)
【符号の説明】
1 測温素子でありかつ発熱体である素子 2 保護筒 3 センサー F 流体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測温素子でありかつ発熱体である素子を
    内蔵するセンサーの表面における有効発熱長さを求める
    にあたり、物性値が既知の流体中に該センサーを配置し
    てセンサー軸に対して直角方向に一定の流速を維持しな
    がら、発熱体の発熱量、及びそのときの発熱体の温度、
    流体の温度を測定し、発熱体と流体の温度差の発熱量に
    対する比率を求め、流動場における発熱体の熱伝達に関
    する無次元式より該センサー表面の熱伝達率の逆数を求
    め、これらから熱伝達率の逆数が0m2 K/Wの時の発
    熱体と流体の温度差の発熱量に対する比率を求め、これ
    を該センサーの保護筒部の熱伝導率の固有定数とし、こ
    れを用いて該センサーの表面における発熱有効長さを決
    定するセンサーの有効長さ決定方法。
  2. 【請求項2】 測温素子でありかつ発熱体である素子を
    内蔵するセンサーを流体中に配置し、その時の発熱体温
    度と流体温度の温度差と、請求項1の方法により決定さ
    れたセンサー保護筒部の熱伝導率の固有定数と、センサ
    ー有効長さを用いて流体の動粘性率を測定する動粘度測
    定方法。
  3. 【請求項3】 流体の流速が既知の機械的手段によっ
    て、一定に維持されることを特徴とする請求項2記載の
    動粘度測定方法。
JP3245182A 1991-08-30 1991-08-30 センサーの有効長さ決定方法、及び動粘度測定方法 Withdrawn JPH0560674A (ja)

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