JPH0560666A - 非導電性粉末試料の走査電子顕微鏡観察用試料前処理方法 - Google Patents
非導電性粉末試料の走査電子顕微鏡観察用試料前処理方法Info
- Publication number
- JPH0560666A JPH0560666A JP25282791A JP25282791A JPH0560666A JP H0560666 A JPH0560666 A JP H0560666A JP 25282791 A JP25282791 A JP 25282791A JP 25282791 A JP25282791 A JP 25282791A JP H0560666 A JPH0560666 A JP H0560666A
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- JP
- Japan
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- sample
- electron microscope
- scanning electron
- pretreatment method
- conductive powder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 非導電性粉末試料を走査電子顕微鏡で観察す
る際の試料前処理方法を提供する。 【構成】 金属製の試料ステージの表面に所定の粗さを
付与し、この試料ステージ表面に粉末試料を懸濁させた
溶媒を塗布あるいは滴下した後乾燥することにより、均
一かつ薄く付着させることが可能となり、これによりチ
ャージアップを防止し高倍率でかつ精度のよい走査電子
顕微鏡観察を行うことができる。
る際の試料前処理方法を提供する。 【構成】 金属製の試料ステージの表面に所定の粗さを
付与し、この試料ステージ表面に粉末試料を懸濁させた
溶媒を塗布あるいは滴下した後乾燥することにより、均
一かつ薄く付着させることが可能となり、これによりチ
ャージアップを防止し高倍率でかつ精度のよい走査電子
顕微鏡観察を行うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非導電性粉末試料の走
査電子顕微鏡観察用試料前処理方法に関する。
査電子顕微鏡観察用試料前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、粉末材料の研究開発や品質管理
には走査電子顕微鏡(以下、SEMと略称する)による
形状や寸法の観察が必須の手段となっている。ところ
で、金属などの良導体(抵抗率:〜10-6Ω・cm) や半導
体( 抵抗率:10-2〜109 Ω・cm)の試料の場合は、特別
な前処理なしでSEM観察を行うことができるが、電気
抵抗が上記した値以上の非導電性材料の場合は、電子線
が試料の一部に滞留して電子線の軌道を変化させたり、
突然の放電により像が乱れるチャージアップと称する現
象が生じることが多い。このようなチャージアップを防
止するためには、ブロック状試料の場合は表面に金属あ
るいはカーボンを蒸着し導電性を付与する試料前処理法
が一般に行われている。
には走査電子顕微鏡(以下、SEMと略称する)による
形状や寸法の観察が必須の手段となっている。ところ
で、金属などの良導体(抵抗率:〜10-6Ω・cm) や半導
体( 抵抗率:10-2〜109 Ω・cm)の試料の場合は、特別
な前処理なしでSEM観察を行うことができるが、電気
抵抗が上記した値以上の非導電性材料の場合は、電子線
が試料の一部に滞留して電子線の軌道を変化させたり、
突然の放電により像が乱れるチャージアップと称する現
象が生じることが多い。このようなチャージアップを防
止するためには、ブロック状試料の場合は表面に金属あ
るいはカーボンを蒸着し導電性を付与する試料前処理法
が一般に行われている。
【0003】しかし、近年の材料研究開発の高度化にと
もない、従来以上に高倍率でSEM観察を行いたいとい
う要求が強まっているが、上記した試料前処理法では以
下のような問題点がある。すなわち、高倍率SEM観
察では表面の金属あるいはカーボン蒸着膜の粗さが目立
ち、試料の形態の正確な評価が不可能である。さらに
粉末試料では導電性が確保できるように表面に均一にカ
ーボンあるいは金属を蒸着することが困難である。
もない、従来以上に高倍率でSEM観察を行いたいとい
う要求が強まっているが、上記した試料前処理法では以
下のような問題点がある。すなわち、高倍率SEM観
察では表面の金属あるいはカーボン蒸着膜の粗さが目立
ち、試料の形態の正確な評価が不可能である。さらに
粉末試料では導電性が確保できるように表面に均一にカ
ーボンあるいは金属を蒸着することが困難である。
【0004】なお、SEMの加速電圧を通常の20〜30kV
よりたとえば5kV以下に低くし、入射電子線量と2次電
子発生量をバランスさせるようにして、電子の滞留を防
止する手段もあるが、SEMの機種によっては低加速電
圧での観察が不可能な場合もある。また、高分解能を有
するSEMにおいて加速電圧を低下させるとSEMの分
解能が低下し、たとえば1万倍以上の高倍率観察が不可
能であるうえ、試料により適当な加速電圧が異なるた
め、トライアンドエラーで観察条件を決める必要があ
り、観察に多大の時間を要するという問題がある。
よりたとえば5kV以下に低くし、入射電子線量と2次電
子発生量をバランスさせるようにして、電子の滞留を防
止する手段もあるが、SEMの機種によっては低加速電
圧での観察が不可能な場合もある。また、高分解能を有
するSEMにおいて加速電圧を低下させるとSEMの分
解能が低下し、たとえば1万倍以上の高倍率観察が不可
能であるうえ、試料により適当な加速電圧が異なるた
め、トライアンドエラーで観察条件を決める必要があ
り、観察に多大の時間を要するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来法における課題を解決すべくしてなされたもので
あって、とくに非導電性の粉末材料の高倍率での精度の
よいSEM観察を行うための試料前処理法を提供するこ
とを目的とする。
な従来法における課題を解決すべくしてなされたもので
あって、とくに非導電性の粉末材料の高倍率での精度の
よいSEM観察を行うための試料前処理法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、非導電性粉末
試料を走査電子顕微鏡で観察するにあたり、金属製の試
料ステージの表面に所定の粗さを付与し、この試料ステ
ージ表面に粉末試料を懸濁させた溶媒を塗布あるいは滴
下した後乾燥することを特徴とする非導電性粉末試料の
走査電子顕微鏡観察用試料前処理方法である。
試料を走査電子顕微鏡で観察するにあたり、金属製の試
料ステージの表面に所定の粗さを付与し、この試料ステ
ージ表面に粉末試料を懸濁させた溶媒を塗布あるいは滴
下した後乾燥することを特徴とする非導電性粉末試料の
走査電子顕微鏡観察用試料前処理方法である。
【0007】
【作 用】本発明によれば、非導電性粉末試料をSEM
観察する際に、以下の手順に従って試料前処理を行うこ
とにより、粉末試料を試料ステージ上に均一かつ薄く付
着させ得ることができるから、チャージアップの発生し
ない鮮明なSEM観察が可能である。すなわち、 金属製の試料ステージの表面にエメリー紙あるいは
その他の適切な手段で粗さを付与すること。 粉末を適切な溶媒に懸濁させ、試料ステージに塗布
または滴下すること。 乾燥させて粉末のみを試料ステージ表面に付着させ
ること。
観察する際に、以下の手順に従って試料前処理を行うこ
とにより、粉末試料を試料ステージ上に均一かつ薄く付
着させ得ることができるから、チャージアップの発生し
ない鮮明なSEM観察が可能である。すなわち、 金属製の試料ステージの表面にエメリー紙あるいは
その他の適切な手段で粗さを付与すること。 粉末を適切な溶媒に懸濁させ、試料ステージに塗布
または滴下すること。 乾燥させて粉末のみを試料ステージ表面に付着させ
ること。
【0008】ここで、上記した手順における試料ステ
ージへの粗さの付与に関しては、粉末試料の寸法により
粗さを変える必要がある。試料の直径の2〜10倍の幅お
よび深さの溝が望ましい範囲である。たとえば平均直径
2μm 程度の粉末では#180の番手のエメリー紙で研摩
粗さを付与すれば上記の溝が形成される。なお、好まし
くは互いに90°に交差するように2方向に交互に研磨す
るのがよい。
ージへの粗さの付与に関しては、粉末試料の寸法により
粗さを変える必要がある。試料の直径の2〜10倍の幅お
よび深さの溝が望ましい範囲である。たとえば平均直径
2μm 程度の粉末では#180の番手のエメリー紙で研摩
粗さを付与すれば上記の溝が形成される。なお、好まし
くは互いに90°に交差するように2方向に交互に研磨す
るのがよい。
【0009】つぎに、手順に用いる溶媒については、
粉末試料を溶解せず表面張力が小さくて、試料ステージ
に滴下後薄く均一に拡がり蒸気圧が低くはなく乾燥が容
易なもの、たとえばエタノールあるいはメタノール,ア
セトンなどが好ましい。また懸濁密度については、体積
で溶質/溶媒比=0.0001〜0.01、好ましくは0.0002〜0.
002 が適する。
粉末試料を溶解せず表面張力が小さくて、試料ステージ
に滴下後薄く均一に拡がり蒸気圧が低くはなく乾燥が容
易なもの、たとえばエタノールあるいはメタノール,ア
セトンなどが好ましい。また懸濁密度については、体積
で溶質/溶媒比=0.0001〜0.01、好ましくは0.0002〜0.
002 が適する。
【0010】さらに、手順の乾燥法については、自然
乾燥, 強制乾燥のいずれを選択してもよい。溶媒にアル
コールを使用した場合あるいは恒温槽で50℃に保持した
場合は1時間程度で十分に乾燥する。以上の条件で試料
前処理を行えば、粉末試料が試料ステージ上に1個ない
し数個の粒の重なりの状態で付着し、通常のSEM観察
操作において試料がステージから分離することはない。
乾燥, 強制乾燥のいずれを選択してもよい。溶媒にアル
コールを使用した場合あるいは恒温槽で50℃に保持した
場合は1時間程度で十分に乾燥する。以上の条件で試料
前処理を行えば、粉末試料が試料ステージ上に1個ない
し数個の粒の重なりの状態で付着し、通常のSEM観察
操作において試料がステージから分離することはない。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、BN粉末
材料のSEM観察の場合について図1(a) ,(b) を参照
して説明する。図1(a) は、従来の試料前処理法による
粒子構造のSEM像を顕微鏡写真に示したものである。
すなわち、試料ステージ表面に両面テープを貼り、その
上にBN粉末をふりかけて固定し、さらに端部のBN粒
子と試料ステージの間を導電性塗料を塗った後のSEM
像であるが、チャージアップに起因するノイズにより像
の不連続が生じていることがわかる。
材料のSEM観察の場合について図1(a) ,(b) を参照
して説明する。図1(a) は、従来の試料前処理法による
粒子構造のSEM像を顕微鏡写真に示したものである。
すなわち、試料ステージ表面に両面テープを貼り、その
上にBN粉末をふりかけて固定し、さらに端部のBN粒
子と試料ステージの間を導電性塗料を塗った後のSEM
像であるが、チャージアップに起因するノイズにより像
の不連続が生じていることがわかる。
【0012】図1(b) は、本発明の試料前処理法による
粒子構造のSEM像である。すなわち、試料ステージ表
面に#180 の番手のエメリー紙で研摩粗さを付与して、
エタノールに懸濁したBN粉末を試料ステージ表面に滴
下,乾燥した場合のものであるが、ノイズはまったく認
められず鮮明な像が得られていることが明らかで、高倍
率でのSEM観察が極めて効果的であることがわかる。
粒子構造のSEM像である。すなわち、試料ステージ表
面に#180 の番手のエメリー紙で研摩粗さを付与して、
エタノールに懸濁したBN粉末を試料ステージ表面に滴
下,乾燥した場合のものであるが、ノイズはまったく認
められず鮮明な像が得られていることが明らかで、高倍
率でのSEM観察が極めて効果的であることがわかる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明の試料前処理
法によれば、非導電性の粉末試料をSEM観察する際
に、金属製の試料ステージの表面に所定の粗さを付与
し、この試料ステージ表面に粉末試料を懸濁させた溶媒
を塗布あるいは滴下した後乾燥することにより、チャー
ジアップのない鮮明な像が得られ、精密な形態観察が可
能となり、これにより粉末材料の研究開発や品質管理に
有効に活用することが可能である。
法によれば、非導電性の粉末試料をSEM観察する際
に、金属製の試料ステージの表面に所定の粗さを付与
し、この試料ステージ表面に粉末試料を懸濁させた溶媒
を塗布あるいは滴下した後乾燥することにより、チャー
ジアップのない鮮明な像が得られ、精密な形態観察が可
能となり、これにより粉末材料の研究開発や品質管理に
有効に活用することが可能である。
【0014】なお、上記した実施例においては、SEM
におけるチャージアップ防止の効果のみを例示したが、
本発明はこれに限るものではなく、たとえば電子線,イ
オンなどの荷電粒子を利用したオージェ電子分析装置や
2次イオン質量分析装置あるいはFIB(Focussed Ion
Beam)装置などにおける試料の前処理に適用し得ること
は言うまでもない。
におけるチャージアップ防止の効果のみを例示したが、
本発明はこれに限るものではなく、たとえば電子線,イ
オンなどの荷電粒子を利用したオージェ電子分析装置や
2次イオン質量分析装置あるいはFIB(Focussed Ion
Beam)装置などにおける試料の前処理に適用し得ること
は言うまでもない。
【図1】図面に代わる粒子構造を示す顕微鏡写真であ
り、(a) は従来法によるSEM像、(b) は本発明法によ
るSEM像である。
り、(a) は従来法によるSEM像、(b) は本発明法によ
るSEM像である。
Claims (1)
- 【請求項1】 非導電性粉末試料を走査電子顕微鏡で
観察するにあたり、金属製の試料ステージの表面に所定
の粗さを付与し、この試料ステージ表面に粉末試料を懸
濁させた溶媒を塗布あるいは滴下した後乾燥することを
特徴とする非導電性粉末試料の走査電子顕微鏡観察用試
料前処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25282791A JPH0560666A (ja) | 1991-09-05 | 1991-09-05 | 非導電性粉末試料の走査電子顕微鏡観察用試料前処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25282791A JPH0560666A (ja) | 1991-09-05 | 1991-09-05 | 非導電性粉末試料の走査電子顕微鏡観察用試料前処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0560666A true JPH0560666A (ja) | 1993-03-12 |
Family
ID=17242761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25282791A Pending JPH0560666A (ja) | 1991-09-05 | 1991-09-05 | 非導電性粉末試料の走査電子顕微鏡観察用試料前処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0560666A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015159870A1 (ja) * | 2014-04-18 | 2015-10-22 | 株式会社堀場製作所 | 試料分散装置、試料分散方法 |
-
1991
- 1991-09-05 JP JP25282791A patent/JPH0560666A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015159870A1 (ja) * | 2014-04-18 | 2015-10-22 | 株式会社堀場製作所 | 試料分散装置、試料分散方法 |
JPWO2015159870A1 (ja) * | 2014-04-18 | 2017-04-13 | 株式会社堀場製作所 | 試料分散装置、試料分散方法 |
US9869615B2 (en) | 2014-04-18 | 2018-01-16 | Horiba, Ltd. | Sample dispersion device and sample dispersion method |
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