JPH0560440B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気カードの磁気ストライプのデー
タ記録部に記録されたデータの読取処理及びデー
タ記録部に対するデータの書込処理を行う磁気カ
ードエンコーダに使用するマスター磁気カードに
関する。

〔従来技術〕 磁気カードは、身分証明用のIDカード、各種
会員カードあるいはキヤツシユカード等として広
く利用されており、これを新規に発行する場合に
は、磁気カードエンコーダによつて磁気カードの
磁気ストライプに所望のデータを書き込むことと
している。

ところで、本出願人は磁気カードの偽造発行等
を防止するために、磁気ストライプのデータ記録
に所定の暗号カードを記録したマスター磁気カー
ドがカード挿通部に挿通された場合にのみ書込モ
ードに設定される新規な磁気カードエンコーダを
提案した（特願昭59−152111号、特願昭59−
249630号）。

この磁気カードエンコーダに使用されるマスタ
ー磁気カードは、第５図に示すように、磁気カー
ドMCの磁気ストライプ１の両端に所定幅でタイ
ミング信号記録部２Ｆ，２Ｒが形成され、タイミ
ング信号記録部２Ｆ及び２Ｒ間にデータ記録部３
が形成されている。

そして、このデータ記録部には、新規発行の磁
気カードに共通して書き込まれる書換不能な固定
データDP₁及びDP₂と、個別的な識別データ等を
自由に書き込むことのできる可変データ記録領域
からなるフオーマツト情報Ｆと、所定の暗号コー
ドAC₁及びAC₂が記録されている。

また、磁気カードエンコーダは、これを起動さ
せて読取モードになつたときに、磁気ヘツドを有
するカード挿通部にマスター磁気カードMCを挿
通させて所定の暗号コードAC₁及びAC₂を読み取
り、該暗号コードが予め記憶された所定のコード
と一致するか否かを判定して、一致すると判定し
た場合にのみ該マスター磁気カードMCに記録さ
れたフオーマツト情報Ｆを読み取つてメモリに一
時記憶すると共に、装置を書込モードに設定し、
記憶されたフオーマツト情報Ｆの可変データ記憶
領域DVにキーボード等の入力装置から所望の可
変データをキー入力させた後、カード挿通部に新
規発行の磁気カードを挿通させて前記フオーマツ
ト情報Ｆを書込処理するようにしている。

したがつて、所定の暗号コードAC₁及びAC₂を
記録したマスター磁気カードMCを使用しなけれ
ば新規カードを発行することができないから、カ
ードの偽造防止を確実に防止し得ると共に、種類
の異なるフオーマツト情報Ｆを記録したマスター
磁気カードを複数枚用意することにより、磁気カ
ードエンコーダの記録容量を増設することなく、
各種仕様の異なるカードを発行することができる
という利点がある。

〔解決しようとする問題〕

しかしながら、このようにした場合に、操作者
が誤つてマスター磁気カードMCの機能を滅失さ
せる事故が発生することがある。

即ち、装置がードエンコーダが書込モードに設
定された後に、操作者が誤つてマスター磁気カー
ドMCをカード挿通部に挿通させ、そのデータ記
録部３の記録内容が暗号コードAC₁及びAC₂を含
めて書き替えられてしまうという事故が発生する
おそれがある。

そこで本発明は、磁気カードエンコーダが書込
モードに設定されているときに、誤つてマスター
磁気カードを挿通させた場合でも、その磁気スト
ライプのデータ記録部に記録されたデータが書き
換えられて滅失することのないマスター磁気カー
ドを提供することを目的とする。

〔問題を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本発明は、マスタ
ー磁気カードに記録された所定の暗号コードを読
み取つて書込モードに設定され、磁気ヘツドを有
するカード挿通部に挿通された磁気カードの始端
部で光学センサの光路が遮断された際に当該磁気
カードのデータ記録部に対するデータの書込処理
を行う書込信号が発せられ、また当該書込信号発
生直後に前記光学センサの光路が導通された時に
は前記書込処理の実行を中止する書込中止信号が
出力されるようになされた磁気カードエンコーダ
に使用するマスター磁気カードであつて、磁気カ
ード磁気ストライプと平行して前記光学センサの
光路を横切る部分で且つ当該磁気カードの始端部
から前記データ記録部の始端部に至るまでの間に
前記光学センサの光路を導通させる透光部が形成
されていることを特徴とする。

〔発明の目的〕

本発明によれば、磁気カードエンコーダが書込
モードに設定された状態で誤つてマスター磁気カ
ードを挿通させた場合であつても、当該マスター
磁気カードの始端部で光学センサの光路が一旦遮
断された直後にその光路がマスター磁気カードの
透光部を通じて導通されて、書込処理の実行を中
止させる書込中止信号が出力されるから、当該マ
スター磁気カードのデータ記録部に記録された暗
号コード等のデータが書き換えられて消去される
ことがなく、マスター磁気カードとしての機能を
滅失することを防止することができる。

〔実施例〕

第１図は、本発明によるマスター磁気カードと
これを使用する磁気カードエンコーダの基本的構
成例を示すフローシートである。

本発明によるマスター磁気カードMCは、磁気
ストライプ１と平行して光学センサの光路を横切
る部分で且つカードの始端部から磁気ストライプ
のデータ記録部３に至るまでの間に透光部４が形
成されている。

また、前記マスター磁気カードMCを使用する
磁気カードエンコーダは、装置を起動させて読取
モードとなつたときにマスター磁気カードＭのデ
ータ記録部３に記録されたフオーマツト情報と所
定と暗号コードを読み取る読取手段ａと、該読取
手段ａで読み取つた暗号コードと一致するか否か
を判定する判定手段ｂと、該判定手段ｂにより暗
号コードが所定のコードと一致すると判定された
場合に前記フオーマツト情報を記憶する記憶手段
ｃと、該記憶手段ｃに記憶したフオーマツト情報
の可変データ記憶領域に所望のデータを入力する
入力手段ｄと、装置を書込モードに設定する書込
モード設定手段ｅと、書込モード設定時にカード
挿通部に挿通された磁気カードNCが光学センサ
OSの光路を遮断すると書込信号を発生する書込
信号発生手段ｆと、該書込信号発生手段ｆからの
信号に基づいて記憶手段ｃで記憶されたフオーマ
ツト情報を磁気カードNCに書き込む書込手段ｇ
と、磁気カードの始端部で光学センサOSの光路
が一旦遮断された直後にその光路が導通されると
書込処理を中止させる書込中止信号を出力する誤
消去防止手段ｈとを具備している。

第２図は磁気カードエンコーダの一例を示す外
観図、第３図はそのカード挿通部を示す断面図、
第４図ａ及びｂは夫々本発明によるマスター磁気
カードの例を示す平面図である。

磁気カードエンコーダ５は、例えばプラスチツ
クにより一体成形されたケース体６と、該ケース
体６の上面に配設された平板型キーボード７と、
該キーボード７の後方に配設された液晶表示板８
と、ケース体６の右側部に配設されたカード挿通
部１０とから構成されている。

キーボード７には、仮名、アルフアベツド等の
選択キー７ａと、その右側に配設されたフアンク
シヨンキー７ｂとが配列され、該フアンクシヨン
キー７ｂの中には書込モード設定キー７ｃ及びテ
ンキー等が設けられている。

カード挿通部１０には、磁気カードNC及びマ
スター磁気カードMCを挿入及び排出するカード
挿入口１１及びカード排出口１２が夫々ケース体
６の前後に配設され、該挿入口１１と排出口１２
の間には第３図に示すようにカード挿通路１３が
形成されており、該カード挿通路１３には、磁気
カードの磁気ストライプ１に摺接して第５図に示
すデータ記録部３に所定のデータを書き込み又は
書き込まれたデータを読み取る書込・読取兼用の
磁気ヘツド１４と、磁気ヘツドの挿通を検知して
所定の信号を発する光学センサS₁，S₂及びOSと、
前記挿入口１１から挿入された磁気カードを自動
的に搬送するカード搬送機構１５（第６図図示）
が配設されている。

光学センサS₁及びS₂は、夫々カード挿入口１１
及びカード排出口１２の近傍に配設され、光学セ
ンサOSは磁気ヘツド１４の中心部に並設され、
各光学センサは、カード挿通路１３を挟んで上下
に対向配設された発光素子Ｌと受光素子Ｐとから
なり、発光素子Ｌには例えば発光ダイオード
（LED）が用いられ、受光素子Ｐには例えばCdS
光導電セル等が用いられている。

なお、１６は磁気カードの挿入方向を明示する
サンプルカードSCを所定の向きに嵌合するため
の凹部である。

マスター磁気カードMCは、例えば第４図ａに
示すように、不透明なプラスチツクで形成され、
カード挿通部１０に挿通された再に磁気ストライ
プ１と並行して光学センサOSの発光素子Ｌ及び
受光素子Ｐの光路を横切る部分で且つカードの始
端部１７と磁気ストライプ１のデータ記録部３の
始端部１８に至るまでの間に所要径の透孔が穿設
されて、光学センサOSの光路を導通させる透孔
部４が形成されている。

あるいは、第４図ｂに示す如く、カード全体を
透明なプラスチツクで形成し、前記光路を横切る
部分のうちタイミング信号記録部２Ｆと並行して
所定幅だけ透明部分を残して透光部４を形成し、
その他を光を遮断する塗料もしくはテープ等で覆
うようにしてもよい。

なお、透光部４は、透孔や透明に形成する場合
に限らず、少なくとも光学センサOSの発光素子
Ｌから放射される光を透過して受光素子Ｐに伝達
することができるものであれば、半透明もしくは
不透明であつても差し支えない。

マスター磁気カードMCの磁気ストライプ１に
は、第５図に示すように、そのデータ記録部３の
２桁目から70桁目までに書き換え不能な固定デー
タDP₁及びDP₂と、所望のデータを自由に入力す
ることのできる可変データ記録領域DVとからな
るフオーマツト情報Ｆが記録されると共に、１桁
目及び71桁目に始め符号及び終り符号を兼ねた所
定の暗号コードAC₁（例えば、＄EE）及びAC₂
（例えば、＄FF）が記録されている。

一方、磁気カードエンコーダ５には、第６図に
示す如く、インターフエース回路２１、演算処理
装置２２及び記憶装置２３を有するマイクロコン
ピユータでなる制御装置２０が配設されている。

ここで、インターフエース回路２１には、その
入力側にキーボード７及びキースイツチ９と、各
光学センサS₁，S₂及びOSの光路の断続を検出し
て所定の信号を出力する光検出部２４が接続され
ると共に、その出力側にカード搬送機構１５の駆
動源となるモータ２５、磁気ヘツド１４の駆動回
路２６、液晶表示板８及びプリンタ２７等が接続
されている。

演算処理装置２２は、マスター磁気カードMC
に記録された所定の暗号コードAC₁，AC₂及びフ
オーマツト情報Ｆと、キーボード７からの入力デ
ータとに基づいて所定の演算処理を実行し、フオ
ーマツト情報Ｆや入力データ（可変データ）を記
憶すると共に、この記憶データを未使用の磁気カ
ードNCの磁気ストライプ１に記録する書込処理
を実行する。

記憶装置２３は、マスター磁気カードMCの暗
号コードAC₁，AC₂に符合する所定のコードを記
憶していると共に、演算処理装置２２の演算処理
に必要な処理プログラムと、演算処理過程で必要
な処理データを記録し、また演算処理結果を一時
記憶する。

以下、第７図に示すフローチヤートに従つて、
演算処理装置２２の処理手順を説明する。

キースイツチ９をオンすると、装置が起動され
て第７図に示す処理の実行が開始され、まずステ
ツプ(1)で磁気ヘツド１が読取側となるように駆動
回路２６を読取モードに設定してからステツプ(2)
に移行する。ステツプ(2)では液晶表示板８にマス
ター磁気カードMCの挿通を促すために、例えば
「Read Start up Card！」等のメツセージを表
示する。

次いで、ステツプ(3)に移行してマスター磁気カ
ードMCがカード挿通部１０に挿通されるまで待
機し、マスター磁気カードMCが挿通されて、光
学センサS₁の光路が遮断されると、ステツプ(4)で
カード搬送機構１５のモータ２５が駆動され、マ
スター磁気カードMCは自動的にカード挿通路１
３内を搬送される。

そしてステツプ(5)に移行して、光学センサOS
の光路がマスター磁気カードMCの始端部１７で
遮断されるまで待機し、遮断されるとステツプ(6)
に移行して読取処理を実行開始して、磁気ストラ
イプ１に記録された暗号コードAC₁，AC₂及びフ
オーマツト情報Ｆを磁気ヘツド１４で読み取り、
これを記憶装置２３内のバツフアメモリに一時記
憶してステツプ(7)に移行する。

ステツプ(7)では、磁気ストライプ１に記録され
たデータの読取が終了したか否かを判定し、終了
していない場合には前記ステツプ(5)に戻り、終了
した場合にはステツプ(8)に移行してマスター磁気
カードMCをカード排出口１２から排出し、モー
タ２５の駆動を停止する。なお、ステツプ(7)にお
ける判定は、終り符合（この場合は、暗号コード
AC₂）を読み取つたか否かを判断することによつ
て行う。

次いで、ステツプ(9)に移行して、読み取つた暗
号コードAC₁，AC₂が記憶装置２３に予め記憶さ
れている所定のコードと一致するか否かを判定す
る。

そして、暗号コードAC₁，AC₂が所定のコード
と一致しない場合、即ち当該カードがマスター磁
気カードMCでないと判断された場合には、ステ
ツプ（9a）に移行して液相表示板８に所定のエ
ラーメツセージを表示してから、前記バツフアメ
モリの内容を消去した後、ステツプ(2)に戻る。

一方、ステツプ(9)において、暗号コードAC₁，
AC₂が所定のコードと一致した場合、即ち当該磁
気カードがマスター磁気カードMCであると判断
された場合には、ステツプ(10)に移行して前記バツ
フアメモリに記憶された記憶内容のうちフオーマ
ツト情報Ｆのみを記憶装置２３の所定の記憶領域
に登録し、ステツプ(11)に移行して該フオーマツト
情報Ｆを液晶表示板８に所定時間（例えば、１秒
間）表示した後、ステツプ(12)でフオーマツト情報
Ｆの登録完了を示す「Copied」等のメツセージ
を表示してステツプ(13)に移行する。

なお、このときフオーマツト情報Ｆ記憶装置２
３に登録されて固定されるから、キースイツチ９
をオフにしない限り、他のマスター磁気カードを
挿通しても該フオーマツト情報が書き換えられる
ことはない。

次に、ステツプ(13)では、磁気ヘツド１４で磁気
カードにデータを書き込む書込モードに駆動回路
２６を切り換えるキーボード７の書込モード設定
キー７ｃが押下されたか否かを判定し、当該書込
モード設定キー７ｃが押下された場合には、ステ
ツプ(14)に移行して駆動回路２６を書込モードに切
換設定して、ステツプ(15)に移行する。

ステツプ(15)では、記憶装置２３に登録されたフ
オーマツト情報Ｆ中の固定データDP₁及びDP₂
と、可変データ記憶領域DVに対応するバツフア
メモリの記憶内容を、夫々伏時（例えば、＊＊＊
……）と空白スペースで表示すると共に、所定の
カーソル制御を行つてカーソル位置を空白スペー
スで成る可変データ記憶領域DVの先頭位置に移
動させる。

次いで、ステツプ(16)に移行し、キーボード７か
らのキー入力による所望の可変データ記憶を順次
記憶装置２３内のバツフアメモリに記憶すると共
に、これを液晶表示板８に表示する。

そして、ステツプ(17)に移行し、キーボード７か
らの可変データの入力が完了したか否かを判定す
る。この場合の判定は、可変データの入力が完了
したことを指示する所定の書込完了キーが押下さ
れたか否かで判断し、押下されないときは押下さ
れるまで待機し、押下されたときはそのときのバ
ツフアメモリの記憶内容を記憶装置２３内の所定
の記憶領域に固定してステツプ(18)に移行する。

ステツプ(18)では、新規に発行する磁気カート
NCの挿入を促す「Insert！」等のメツセージを
液晶表示板８に表示した後、ステツプ(19)に移行し
て磁気カードNCがカード挿通口１１に挿入され
るまで待機し、磁気カードNCが挿入されて光学
センサS₁の光路が遮断されたときにステツプ(20)に
移行され、カード搬送機構１５のモータ２５が駆
動されて磁気カードNCが自動的に搬送される。

次いで、ステツプ（21）に移行して磁気カード
NCの始端部１７が光学センサOSを通過するまで
待機し、通過したときにはステツプ（22）に移行
して前記光学センサOSの光路が遮断されたか否
かを判定する。

そして、前記光路が遮断され光検出部２４から
検出信号が発せられると、ステツプ（23）に移行
して駆動回路２６を作動させる書込信号を出力し
てステツプ（24）に移行する。

このステツプ（24）では、前記書込信号に基づ
き磁気カードNCの始端にあるタイミング信号記
録部２Ｆからの信号に従つて書込処理を実行開始
し、記憶装置２３に記憶された固定データDP₁，
DP₂及びキーボード７から入力された可変データ
DVと、マスター磁気カードMCの暗号コード
AC₁，AC₂とは異なる組み合わせの始め符号
「＄EE」及び終り符号「＄EE」（第８図図示）と
を、磁気カードNCの磁気ストライプ１のデータ
記録部３に順次書き込んでいく。

そして、ステツプ（25）に移行して書込処理が
終了したか否かを判定する。この判定は、例えば
終り符号が出力されたか否かを判断することによ
つて行い、終了したときはステツプ（28）に移行
し、終了していないときは（22）に戻つて書込処
理を続行する。

なお、書込モード設定時において、光学センサ
OSの光路が磁気カードの始端部で一旦遮断され
た直後に再び導通されると、ステツプ（22）から
ステツプ（26）に移行して書込処理の実行を中止
させる書込中止信号が出力されると共に、液晶表
示板８に所定のエラーメツセージを表示し、ステ
ツプ（27）に移行して当該磁気カードを排出した
後にカード搬送機構１５のモータ２５の駆動を停
止させてステツプ(18)に戻る。

したがつて、書込モード設定時に誤つてマスタ
ー磁気カードMCを挿入した場合には、その始端
部１７で光学センサOSの光路が一旦遮断された
直後に透光部４によつて再び導通されるから、書
込処理の実行が中止されてマスター磁気カード
MCのデータ記録部３の記録内容が書き換えられ
て消去されることがなく、マスター磁気カード
MCはそのままカード排出口１２から排出される
こととなる。

また、磁気カードNCの書込処理が終了すると
ステツプ（28）に移行して、該カードNCを排出
口１２から排出した後にカード搬送機構１５のモ
ータ２５の駆動を停止し、ステツプ（29）に移行
してキースイツチ９がオン状態を継続しているか
否かを判定する。

そして、キースイツチ９がオンであれば新たな
磁気カードNCを発行すべきステツプ(13)に戻り、
またオフとなつていれば処理を終了する。

ここで、ステツプ(1)〜(8)の処理がマスター磁気
カードMCに記録されたフオーマツト情報Ｆ及び
暗号コードAC₁，AC₂の読取手段ａ、ステツプ(9)
が暗号コードAC₁，AC₂の判定手段、ステツプ(10)
〜(12)がフオーマツト情報Ｆの記憶手段ｃ、ステツ
プ(13)及び(14)が書込モード設定手段ｅ、ステツプ
（23）が書込信号発生手段ｆ、ステツプ（24）が
新規発行に係る磁気カードNCへのフオーマツト
情報Ｆを書込手段ｇ、ステツプ（22）から（26）
へのループが誤消去防止手段ｈを示す具体例であ
る。

以上が本発明によるマスター磁気カードMC及
びそれを使用する磁気カードエンコーダの一例構
成であり、次にその作用について説明する。

まず、キースイツチ９をオンすると、制御装置
２０の演算処理装置２２により第７図に示す処理
が実行開始され、磁気ヘツド１４の駆動回路２６
が読取モードに設定されると同時に〔ステツプ
(1)〕、液晶表示板８にマスター磁気カードMCの
挿通を促す「Read Start up Cred！」の文字が
表示される〔ステツプ(2)〕。

この状態で、所望のマスター磁気カードMCを
選択し、これをカード挿通部１０の挿入口１１か
ら挿通すると光学センサS₁の光路が遮断されてカ
ード搬送機構１５によつてマスター磁気カード
MCが自動的に搬送され、次いで光学センサOS
の光路が当該カードMCの先端部１７で遮断され
ると読取処理が実行開始され、磁気ストライプ１
のデータ記録部３に記録された所定の暗号コード
AC₁，AC₂及びフオーマツト情報Ｆが磁気ヘツド
１４で読み取られて記憶装置２３のバツフアメモ
リに一時記憶され、該カードMCはカード排出口
１２から排出される〔ステツプ(3)〜(8)〕。

なお、このときマスター磁気カードMCの透光
部４で光学センサOSの光路が一時的に導通され
るので、その間はデータの読取処理がされないこ
ととなるが〔ステツプ(5)〕、該透光部４は始め符
号「＄EE」が記録されたデータ記録部３の始端
部１８とカード始端部１７との間に形成されてい
るため、当該データ記録部３に記録されたフオー
マツト情報Ｆ及び暗号コードAC₁，AC₂を読取に
は何等支障を生じない。

次いで、読み取つた暗号コードAC₁，AC₂が、
記憶装置２３に予め記憶されている所定のコード
「＄EE」、「＄FF」と一致するか否かが判定され、
一致した場合には前記バツフアメモリに記憶され
たフオーマツト情報Ｆが記憶装置２３の所定の記
憶領域に記憶されると共に、液晶表示板８に約１
秒間表示され、その後該フオーマツト情報Ｆの登
録完了を示す「Copied」の文字が表示される
〔ステツプ(8)〜(12)〕。

このように、マスター磁気カードMCに記録さ
れた暗号コードAC₁，AC₂が、記憶装置２３に予
め記憶されている所定のコードと一致する場合に
のみ、フオーマツト情報Ｆが登録されて書込モー
ドに設定することができるので、カードの偽造や
勝手な複製を防止することができる。

次に、キーボード７の書込モード設定キー７ｃ
を押下すると磁気ヘツド１４の駆動回路２６がそ
れまでの読取モードから書込モードに切り換えら
れ、この状態で、新規に発行する個々の磁気カー
ドNCごとに異なる所望の可変データをキーボー
ド７から入力すると、これが記憶装置２３内の所
定の記憶領域に記憶される〔ステツプ(13)〜(17)〕。

したがつて、キーボード７からは可変データの
みを入力すればよく、固定データまで一々入力す
る必要はない。

ここで、磁気カードNCをカード挿入口１１に
挿通するとカード搬送機構１５により自動的に搬
送され、当該磁気カードNCの始端部１７により
光学センサOSの光路が遮断されると磁気ヘツド
１４の駆動回路２６を作動させる書込信号が出力
されて該書込信号に基づいて書込処理が実行さ
れ、記憶装置２３に記憶された固定データDP₁，
DP₂及び可変データと、マスター磁気カードMC
の暗号コードAC₁，AC₂とは異なる組み合わせの
始め符号及び終り符号が、第８図に示す如く前記
磁気カードNCの磁気ストライプ１のデータ記録
部３に書き込まれて行く〔ステツプ(18)〜（25）〕。

この際、カード挿通部１０の挿入口１１、新規
に発行する磁気カードNCではなく、誤つてマス
ター磁気カードMCを挿通したとすると、該マス
ター磁気カードMCには磁気ストライプ１と並行
して光学センサOSの光路を横切る部分で且つカ
ードの始端部１７とデータ記録部３との間に透光
部４が形成されているので、光学センサOSの光
路が導通されることとなり、その時点でステツプ
（22）から（26）に移行して書込処理が即座に中
止されると同時に、該マスター磁気カードMCが
排出されて液晶表示板８に所定のエラーメツセー
ジが表示される〔ステツプ（26）（27）〕。

したがつて、本発明によれば書込モード設定時
において誤つてマスター磁気カードMCを挿通し
たとしても、そのデータ記録部に記録された暗号
コードAC₁，AC₂等のデータが書き換えられて消
去されることがなく、マスター磁気カードMCと
しての機能を滅失するおそれが全くない。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によるマスター磁気
カードによれば、カード始端部と磁気記録部の始
端部との間に透光部が形成されており、当該マス
ター磁気カードを使用する磁気カードエンコーダ
はカード挿通部に挿通された磁気カードに透光部
があるときは書込処理の実行を中止するように成
されているので、磁気カードエンコーダが書込モ
ードに設定されているときにマスター磁気カード
を誤つてカード挿通部に挿通したとしても、マス
ター磁気カードのデータ記録部に記録された所定
の暗号コード等のデータが書き換えられて消去さ
れることが確実に防止され、マスター磁気カード
としての機能を滅失するおそれが全くないという
優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるマスター磁気カードとこ
れを使用する磁気カードエンコーダの基本的構成
例を示すフローシート図、第２図は磁気カードエ
ンコーダの一例を示す外観図、第３図はそのカー
ド挿通部を示す断面図、第４図ａ及びｂは夫々本
発明によるマスター磁気カードの例を示す平面
図、第５図はマスター磁気カードの磁気ストライ
プに記録されたテータの例を示す説明図、第６図
は磁気カードエンコーダの具体的構成を示すフロ
ーシート図、第７図はその演算処理装置の処理手
順を示すフローチヤート、第８図新規発行に係る
磁気カードの磁気ストライプに書き込まれるデー
タを示す説明図である。 符号の説明、MC……マスター磁気カード、
NC……磁気カード、１……磁気ストライプ、２
Ｆ，２Ｒ……タイミング信号記録部、３……デー
タ記録部、４……透光部OS……光学センサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ マスター磁気カードに記録された所定の暗号
   コードを読み取つて書込モードに設定され、磁気
   ヘツドを有するカード挿通部に挿通された磁気カ
   ードの始端部で光学センサの光路が遮断された際
   に当該磁気カードのデータ記録部に対するデータ
   の書込処理を行う書込信号が発せられ、また当該
   書込信号発生直後に前記光学センサの光路が導通
   された時には前記書込処理の実行を中止する書込
   中止信号が出力されるようになされた磁気カード
   エンコーダに使用するマスター磁気カードであつ
   て、磁気カードの磁気ストライプと平行して前記
   光学センサの光路を横切る部分で且つ当該磁気カ
   ードの始端部から前記データ記録部の始端部に至
   るまでの間に前記光学センサの光路を導通させる
   透光部が形成されていることを特徴とする磁気カ
   ードエンコーダに使用するマスター磁気カード。