JPH055992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は竪型発酵機に関し、詳しくはタンク
上部の投入口の開閉機構に特徴を有するものに関
する。

（従来の技術） 竪型のタンク内部に畜糞、産業廃棄物等発酵物
を投入する一方、タンク内に空気を供給して発酵
物を所定の水分状態の下に好気発酵させる竪型発
酵機が用いられている。

この竪型発酵機の一種に、第５図に示している
ようにタンク上部に投入口１００と蓋体１０２と
を設けてその蓋体１０２をシリンダ１０４にて開
閉する一方、タンク側部にバケツトとその昇降装
置とを設けて、上記畜糞等発酵物をバケツトによ
り上昇させた上バケツトの反転により投入口より
タンク内部に投入する形式のものがある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながらこの竪型発酵機においては、投入
口１００の蓋体１０２を開閉するためのシリンダ
１０４を独立に設けなければならないためにコス
トが高くなり、またバケツトの上昇、反転動作に
合せて蓋体の開閉を行うようにタイミング合せを
する必要があり、その際蓋体１０２を十分余裕を
もつて開閉させる必要があるために、バケツト反
転による発酵物の投入時間に比べて投入口１００
の開放時間が長くなり、これに伴なつてタンク内
の臭気が外部に漏れ易い不具合があつた。

（課題を解決するための手段） 本考案はこのような課題を解決するためになさ
れたものであり、その要旨は、竪型タンクの上部
に投入口を有するとともに側部にバケツトとその
昇降装置とを有し、該バケツトの内部に収容した
畜糞、産業廃棄物等発酵物を該バケツトの上昇に
より持ち上げた後該バケツトの反転動作で前記投
入口よりタンク内部に投入するようにした竪型発
酵機において、前記投入口の蓋体に係合部材を該
蓋体から延び出すように設けるとともに、前記バ
ケツト又は該係合部材の何れか一方にカム面を、
他方にカムフオロワ部を設けて、該バケツトが一
定高さまで上昇した時点で該カムフオロワ部をカ
ム面に接触させてその後カム面上を相対移動させ
るようにし、且つ該カム面の形状を、前記所定高
さ位置からのバケツトの昇降及び反転動作に伴な
つて前記蓋体が開閉する形状と成したことにあ
る。

（作用及び考案の効果） このように本考案は、バケツト又は係合部材の
一方にカム面を他方にカムフオロワ部を設け、一
定高さ位置からのバケツトの昇降及び反転動作に
連動して投入口の蓋体を開閉するようにしたもの
である。

即ち本考案は、バケツト自身が駆動力を有して
いることから、その駆動力を利用して投入口の蓋
体を開閉するようにしたものであり、従つて本考
案によれば従来必要とされていた蓋体開閉のため
のシリンダ等駆動源が不要となつて、装置コスト
が安価となる。

また蓋体がバケツトの動作に連動して開閉する
ために、それらのタイミング合せを行う必要がな
くなる他、蓋体の開閉のタイミングがバケツトに
よる発酵物の投入動作に完全に合致するから、投
入口の開放時間を可及的に短くすることが可能と
なる。同時に蓋体の開度を必要最小限の開度に維
持しつつ開閉することが可能となるから、タンク
内部の臭気の漏れを必要最小限に抑えることがで
きる効果が生ずる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説
明する。

第３図において１０は竪型発酵機であつて、タ
ンク１２の上部に投入口１４と蓋体１６とを有
し、また側部にバケツト１８とその昇降装置２０
とを有している。蓋体１６には、第１図にも示し
ているように水平辺部と垂直辺部とから成るＬ字
状の係合部材２２が固定され、これら係合部材と
蓋体１６とが一体に回動するようになつている。
尚係合部材２２の下端には、カムフオロワとして
のローラ２３が取り付けられている。

昇降装置２０は、第１図及び第２図に示してい
るようにフレーム２４を有しており、そのフレー
ム２４の上面と下部位とに一対の回転シヤフト２
６，２８が設けられている。回転シヤフト２６，
２８には夫々スプロケツト２９が固設されてお
り、それらスプロケツト２９にチエーン３０が巻
き掛けられている。上側の回転シヤフト２６には
モータ３２が連結されており、モータ３２の駆動
によつてチエーン３０が上下に移動させられるよ
うになつている。

第２図、第３図に示しているように、バケツト
１８は上端に開口３６を有しており、また背面側
に上下一対のシヤフト３８，４０が固定されてい
る。下側のシヤフト４０には、ジヨイント部材４
２が相対回転可能に固定されており、このジヨイ
ント部材４２にチエーン３０が連結されている。
即ちモータ３２の駆動力が、チエーン３０を介し
てバケツト１８に伝達されるようになつている。

下側のシヤフト４０の両端部には、ガイドロー
ラ４４が設けられ、これらガイドローラ４４が第
１図に示しているように垂直上下に延びるガイド
溝４６に移動可能に嵌合されている。

一方上側のシヤフト３８においても、その両端
にガイドローラ４８が設けられており、これらガ
イドローラ４８が第二のガイド溝５０に相対移動
可能に嵌合されている。第二のガイド溝５０は、
垂直上方に延びた後上端部において水平方向に直
角に湾曲している。

バケツト１８の側面には、第１図に示している
ように水平部５４と傾斜部５６とを有するカム面
５２が設けられている。水平部５４は、上記係合
部材２２下端のローラ２３の直下に位置させられ
ている。

尚第２図において、５８はリミツトスイツチで
ある。

次に本装置の作用を説明する。

第１図及び第２図に示す状態、即ちバケツト１
８を下降させた状態でその内部に畜糞等発酵物を
投入した後、モータ３２を回転させてチエーン３
０によりバケツト１８を上昇させると、第４図Ａ
に示しているように所定高さ位置においてバケツ
トカム面５２の水平部５４が係合部材２２の下端
のローラ２３に突き当たる。その後更にチエーン
３０を駆動すると、バケツト１８は第４図Ｂに示
しているようにガイドローラ４４，４８に対する
一対のガイド溝４６，５０の案内作用の下に、漸
次傾斜しつつ係合部材２２及び蓋体１６を持ち上
げて投入口１４を少しづつ開いていく。そして投
入口１４を一定開度まで開いた段階で、バケツト
内部に収容されている発酵物が投入口１４よりタ
ンク内部に投入される。バケツト１８は更に傾斜
を続けて、最終の段階で予め定めた所定角度まで
大きく傾き、内部の発酵物を完全に投入口１４よ
りタンク内に投入する（以上第４図Ｃ，Ｄ参照）。
この間蓋体１６は、バケツト１８の上昇及び傾斜
に伴なつて対応する角度だけ回動し、そしてバケ
ツト１８内の発酵物が投入される際にその飛散防
止のための蓋体としても作用する。

バケツト１８内に収容された発酵物の投入が完
全に終了すると、モータ３２の逆転によりバケツ
ト１８は水平姿勢に戻されつつ下降させられ、こ
れと共に蓋体１６が上記とは逆方向に回動して投
入口１４を閉塞する。

以上のように本例によれば、蓋体１６がバケツ
ト１８に機械的に連動して開閉するため、これを
独立に開閉運動させるための駆動源は不要であ
り、その分装置を安価に構成できる。

また蓋体１６の開閉動作タイミングは、バケツ
ト１８による発酵物の投入動作に完全に合致させ
ることができるため、投入口１４の開放時間を可
及的に少なくすることができる。またこれと同時
に蓋体１６の開度をバケツト１８の投入動作に応
じて必要最小源に抑えることができるため、タン
ク内の臭気の漏れを必要最小源に抑えることがで
きる。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はそ
の他の形態で構成することも可能である。

例えば場合によつて係合部材２２の側にカム面
を、バケツト１８の側にカムフオロワ部を設ける
ことも可能であるし、本考案を他の形態の竪型発
酵機に適用することも可能である。その他本考案
はその主旨を逸脱しない範囲において、当業者の
知識に基づき様々な変更を加えた形態で構成可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々本考案の一実施例であ
る竪型発酵機の要部側面図及び要部正面図であ
り、第３図はその竪型発酵機の斜視図である。第
４図はその竪型発酵機の作用説明図であり、第５
図は従来の竪型発酵機の蓋開閉機構の説明図であ
る。 １０……竪型発酵機、１４……投入口、１６…
…蓋体、１８……バケツト、２０……昇降装置、
２２……係合部材、２３……ローラ、５２……カ
ム面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 竪型タンクの上部に投入口を有するとともに側
   部にバケツトとその昇降装置とを有し、該バケツ
   トの内部に収容した畜糞、産業廃棄物等発酵物を
   該バケツトの上昇により持ち上げた後該バケツト
   の反転動作で前記投入口よりタンク内部に投入す
   るようにした竪型発酵機において、 前記投入口の蓋体に係合部材を該蓋体から延び
   出すように設けるとともに、前記バケツト又は該
   係合部材の何れか一方にカム面を、他方にカムフ
   オロワ部を設けて、該バケツトが一定高さまで上
   昇した時点で該カムフオロワ部をカム面に接触さ
   せてその後カム面上を相対移動させるようにし、
   且つ該カム面の形状を、前記所定高さ位置からの
   バケツトの昇降及び反転動作に伴なつて前記蓋体
   が開閉する形状と成したことを特徴とする竪型発
   酵機。