JPH0559811A - コンクリート打設用型枠 - Google Patents

コンクリート打設用型枠

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JPH0559811A
JPH0559811A JP3215620A JP21562091A JPH0559811A JP H0559811 A JPH0559811 A JP H0559811A JP 3215620 A JP3215620 A JP 3215620A JP 21562091 A JP21562091 A JP 21562091A JP H0559811 A JPH0559811 A JP H0559811A
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JP
Japan
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mold
face plate
ribs
concrete
fiber
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Application number
JP3215620A
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English (en)
Inventor
Masamutsu Yamane
正睦 山根
Yoshinobu Tsuji
芳伸 辻
Yuji Asagami
裕司 浅上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Tokyu Construction Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Tokyu Construction Co Ltd
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Publication date
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G9/00Forming or shuttering elements for general use
    • E04G9/02Forming boards or similar elements
    • E04G2009/028Forming boards or similar elements with reinforcing ribs on the underside

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本質的に従来の金属製型枠と同様の取扱いが
でき、従来の合板製型枠に比べ耐久性に優れ、金属製型
枠に比べ大幅に軽量化することができ、取扱い性が極め
て向上するとともに、安全性、耐腐食性、剥離性等に優
れた、低コスト化を図ることのできるコンクリート打設
用型枠を提供すること。 【構成】 面板3と、この面板3の少なくとも長手方向
に沿って設けられる補強のためのリブ1および2を備
え、面板3が繊維強化プラスチック板から形成されてお
り、長手方向のリブを構成する繊維強化プラスチック材
料の曲げ弾性率が10GPa以上であり、型枠の長手方
向の曲げ剛性が型枠単位幅(1cm)あたり2.5×1
7 kgf・mm2 以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、土木および建築など
の分野において、ダム、橋脚、道路およびビル等の各種
コンクリート構造物を建設する際に、コンクリートを打
設するのに用いられるコンクリート打設用型枠に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より使用されている代表的なコンク
リート打設用型枠としては、木製合板(一般にコンパネ
と称されるベニヤ板)に桟木を打ち付けたもの、および
金属製の面板を同質の金属製リブで補強したもの(鉄、
ステンレス、およびアルミニウム合金製のものなど)が
ある。
【0003】また、最近では、繊維強化プラスチック
(以下、単に“FRP”と称する)から形成したコンク
リート打設用型枠が使用されつつある。FRPは、軽量
性に富む、比強度が高い、耐腐食性に優れる、および成
形性がよく形状の自由度が大きいなどの特徴を有してお
り、従来の木製の型枠に比べて、耐久性に優れること
や、軽量であることによりその使用が検討されている。
【0004】特開平2−8459号公報は、このような
FRP製型枠の一例を開示している。このFRP製型枠
では、ガラス長繊維マットで強化されたポリプロピレン
樹脂をプレス成形により所定の厚さの板状に成形してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来から使用
されている型枠には、以下に挙げるような問題点が指摘
されており、その改善が強く望まれている。
【0006】すなわち、一般にコンパネと称されている
木製型枠は、耐久性が低く、転用回数はせいぜい2〜3
回である。また、できあがったコンクリートの表面に木
目が転写するため、打ち放し構造物では美しい物を作る
ことができないという問題点がある。さらに、数回の使
用で廃棄処分になるコンパネは、環境保護の観点から、
森林資源の破壊につながるともいわれている。
【0007】一方、金属製の型枠は、木製のものに比べ
ると、強靭であり、耐久性がよく、転用回数も20〜3
0回と反復使用に比較的耐え得るというメリットがあ
る。しかしながら、鉄製のものは、使用中に錆が発生し
やすいため、いわゆるコンクリート面の“もらい錆”の
問題がある。特に海岸に近い工事現場で使用する場合に
は、耐腐食性が極めて悪くなる。
【0008】ステンレス製のものは耐腐食性は良好であ
るが、鉄製のものと同様に、標準的なサイズ(幅300
mm、長さ1500mm、高さ55mm)のもので、重
量が1個あたり15kgもあり、現場での型枠の小運搬
が大変であるばかりでなく、安全面からも問題である。
【0009】アルミニウム製のものについては、軽量で
取扱いやすいのであるが、非常に傷付きやすいため転用
回数が鉄製のものより少なく、また価格が高いためほと
んど使用されていないのが現状である。
【0010】図6は、従来の金属製型枠の一例を示す斜
視図である。図6を参照して、面板3の両端には外側縦
リブ1がそれぞれ設けられており、面板3の中央には内
側縦リブ2が設けられている。外側縦リブ1および内側
縦リブ2と垂直な方向には、複数の横リブ6が設けられ
ている。各リブには、ボルト・ナットやクリップなどの
ような締結材で組み合わせていく際に用いる型枠結合用
穴7が形成されている。
【0011】FRP製型枠は、基本的にコンパネの代替
を目的としているため、従来のコンパネと同様に、コン
クリート打設面と反対側に桟木を打ち付けて使用するも
のである。
【0012】図5は、従来のFRP製型枠の一例を示す
斜視図である。図5を参照して、FRP製型枠8には釘
10によって桟木9が打ち付けられている。このため、
クリップで簡単に組立てられる金属製型枠のようなスピ
ーディーな施工性は望めない。また、ガラス繊維束内へ
の樹脂の含浸が不十分であるため透明性が劣り、スラブ
の明りとり程度の透光性はあるが、打設したコンクリー
トの充填状況を確認できるほどの透明性は有しない。
【0013】さらに、これら従来の型枠はコンクリート
を打設した場合の充填状況が全く見えないため、鉄筋周
囲へのコンクリートの充填不良や、空隙によるアバタの
発生などをその場で確認することができなかった。この
ため、コンクリートの充填状態が良好でない場合には、
型枠を脱型した後に手作業で補修する必要があり、良質
のコンクリート構造物を作成することが難しく、また、
手直しを行なう余分の労力を要するという大きな問題点
がある。
【0014】この発明の目的は、本質的に従来の金属製
型枠と同様の取扱いができ、かつ、従来から用いられて
いる合板製型枠や金属製型枠の問題点を解決することで
ある。すなわち、合板製型枠に比べ耐久性に優れ、金属
製型枠に比べ軽量化することができ、取扱い性が極めて
向上するとともに、安全性も改善されたコンクリート打
設用型枠を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明のコンクリート
打設用型枠は、面板と、この面板の少なくとも長手方向
に沿って設けられる補強のためのリブとを備え、面板が
繊維強化プラスチック板から形成されており、型枠長手
方向のリブ(縦リブ)を構成する繊維強化プラスチック
材料の曲げ弾性率が10GPa以上であり、型枠長手方
向の曲げ剛性が型枠単位幅(1cm)あたり2.5×1
7kgf・mm2 以上であることを特徴としている。
【0016】この発明において用いられる面板材料とし
ての繊維強化プラスチック板は、一般に強化材としてよ
く用いられているガラス繊維等で強化されたFRP板を
用いることができる。樹脂の成分としては、熱硬化性樹
脂でもよく熱可塑性樹脂でもよい。透明性を有する樹脂
であればなお好ましい。
【0017】熱硬化性樹脂としては、たとえば、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、およびフェノール樹
脂などを挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン
6、ナイロン66、ポリフェニレンサルファイド、およ
びポリエーテルイミド等を例示することができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0018】これらの中でも、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン、およびポリカーボ
ネートは、容易に高い透明性を面板材料に付与すること
ができるので好ましい。
【0019】面板にコンクリートの打設状態が確認でき
る程度の透明性を付与することができれば、従来作業者
のカンと経験に頼っていたコンクリートの打ち込み、締
め固め作業を肉眼で外部から確認でき、型枠の付加価値
が非常に高くなる。ここで、コンクリートの打設状態が
確認できる程度の透明性を有するためには、面板を構成
するFRP板の全光線透過率が50%以上および曇価が
80%以下であることが好ましい。
【0020】この発明において、リブを構成するFRP
材料としては、面板と同様の材料を用いることができ
る。強化繊維としては、一般に強化材としてよく用いら
れているガラス繊維、炭素繊維、全芳香族ポリアミド繊
維等を挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。また、これらの繊維を組合せて使用すること
もできる。しかしながら、型枠として許容される価格を
考慮すると、これらの中でもガラス繊維が最も好まし
く、組合せる場合もガラス繊維をベースにして他の強化
繊維を部分的に使用することが好ましい。
【0021】一方、リブの樹脂成分としては、面板のよ
うに透明性を付与する必要が全くないので、より広い範
囲から選択することができる。面板の材料と同様に、熱
硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらからも用いるこ
とができる。
【0022】現場における型枠の取扱い状況を考慮する
と、樹脂成分としては、熱硬化性樹脂に比べて、より耐
衝撃性および破壊靭性に優れた熱可塑性樹脂を用いるほ
うが好ましい。
【0023】熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイ
ロン66、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルスルフォンおよびポリエーテルエ
ーテルケトン等を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
【0024】熱可塑性樹脂を樹脂成分に用いる場合、一
般に強化繊維への樹脂の含浸が非常に困難である。この
問題を解決する最も有力な方法の1つとして、繊維状強
化材と熱可塑性樹脂繊維を混合して1本の糸状体にした
混繊糸(コミングル・ヤーン)を挙げることができる。
これは、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維が単繊維レベルで
混合されている成形材料であり、含浸特性が非常に優れ
ていることが知られている。
【0025】この発明において、面板に対するリブの取
付けは、コンクリート打設面に影響を及ぼさないような
手段を用いることが望ましい。簡単には、面板とリブと
を接着剤により取付けることができる。また、ピン接合
などの簡易な締結材を用い、容易に脱着できるようにす
ることもできる。
【0026】コンクリートを繰返し打設すると、面板が
コンクリートにより傷付けられて、コンクリート構造物
に許容できないほどの傷が、転写する場合がある。この
ため、面板のみを交換し、損傷を受けていないリブはそ
のまま使用することが好ましい。したがって、面板とリ
ブとを脱着できる構造にしておけば、面板のみを交換す
ることができ、リブはさらに繰返し使用することができ
る。面板とリブとを容易に脱着できる他の方法として
は、面板をホットメルト系の接着剤によりリブに接着す
る方法を挙げることができる。ホットメルト系の接着剤
を用いれば、その熱的性質から、型枠を再加熱すること
により面板をリブより容易に分離することができ、上述
のような面板のみの交換を行なうことができる。
【0027】
【作用】コンクリートを打設した場合に型枠が大きく撓
むと、コンクリート構造物の表面が波打つので、型枠の
長手方向の曲げ剛性は重要である。この発明では、この
ような観点から、長手方向のリブ(縦リブ)を構成する
繊維強化プラスチック材料の曲げ弾性率が10GPa以
上であり、型枠長手方向の曲げ剛性が型枠単位幅(1c
m)あたり2.5×107 kgf・mm2 以上にしてい
る。
【0028】具体的には使用する材料の曲げ弾性率と縦
リブの断面形状と本数から、各部材の型枠長手方向と直
交する断面の中立軸に関する断面二次モーメントと、各
部材の曲げ弾性率との積の和(型枠長手方向の曲げ剛
性)を求め、金属製型枠と同等の性能を有するようにリ
ブの構造を決定しなければならない。
【0029】このことからこの発明では、型枠長手方向
に沿って設けられる縦リブを構成するFRP材料の曲げ
弾性率が、少なくとも10GPa以上、より好ましくは
20GPa以上であるとしている。
【0030】また、型枠長手方向の曲げ剛性は、型枠単
位幅(1cm)あたり2.5×10 7 kgf・mm2
上、より好ましくは、5.0×107 kgf・mm2
上、さらに好ましくは1.4×108 kgf・mm2
上であるとしている。
【0031】さらに、型枠長手方向と直交する断面の中
立軸に関する断面二次モーメントが、型枠単位幅(1c
m)あたり7.0×104 mm4 以下、より好ましくは
4.0×104 mm4 以下であることが望ましい。
【0032】以上のような条件を満足するように設計さ
れた型枠は、従来の金属製型枠と同様に、撓みが小さ
く、かつ、金属製型枠に比べて大幅に軽量化することが
できる。
【0033】すなわち、曲げ弾性率が10GPaより小
さい材料を用いて、上記の曲げ剛性を達成しようとする
と、縦リブの厚さが非常に大きくなり、従来の金属製型
枠に比べて大幅に軽量化するという目的が達成されない
ことを本発明者等は見出した。強化繊維の配置のさせ方
は、特に限定されるものではなく、上述した強化繊維と
樹脂の組合せで曲げ弾性率が10GPa以上になるよう
に、樹脂の種類ならびに強化繊維の種類、含有量、およ
び配向角などを決定すればよい。強化繊維の特性を最も
効率よく引出すためには、強化繊維を一方向に引き揃え
た一方向強化材を好ましい例として挙げることができ
る。なお、この明細書中で述べる曲げ弾性率とは、JI
S K 7055−1987(ガラス繊維強化プラスチ
ックの曲げ試験方法)に基づいて求められるものであ
る。
【0034】この発明においては、型枠長手方向の曲げ
剛性は、型枠単位幅(1cm)あたり2.5×107
gf・mm2 以上としている。これは、曲げ剛性がこの
値よりも低くなると、型枠の撓みが大きくなり、上述の
ようにコンクリート構造物の表面が波打つようになるか
らである。
【0035】また、型枠長手方向と直交する断面の中立
軸に関する断面二次モーメントが、型枠単位幅(1c
m)あたり7.0×104 mm4 より大きくなると、リ
ブの厚さが大きくなり、その結果として型枠の重量が重
くなり、軽量化を図ることができなくなる場合がある。
【0036】
【発明の効果】この発明のコンクリート打設用型枠を用
いれば、従来から用いられている合板製型枠や金属製型
枠、さらには、最近注目を集めているFRP製型枠の問
題点を一気に解決することができる。
【0037】すなわち、面板およびリブに繊維強化プラ
スチック材料を用いることにより、従来の金属製型枠に
比べて大幅に軽量化することができる。また、取扱い性
が極めて向上するとともに、作業者の安全性も改善され
る。また、面板に繊維強化プラスチック材料を用いてい
るので、面板とコンクリート打設面との接触面における
剥離性が極めて良好になり、剥離剤が不要となる。ま
た、型枠を外した後の清掃も非常に容易になるという二
次的な効果も得ることができる。これらのことにより、
工程の簡略化および剥離剤不要による経費の節減を図る
こともできる。
【0038】面板とリブとを簡易な締結材またはホット
メルト接着剤などにより結合させた場合には、損傷を受
けていないリブをそのまま使用し、面板のみを簡単に交
換することができる。したがって、リブは面板よりもさ
らに繰返し使用することができるので、コスト的に非常
に有利なものとなる。
【0039】さらに、面板にコンクリートの打設状態が
確認できる程度の透明性を付与することにより、従来作
業者のカンと経験に頼っていたコンクリートの打ち込
み、締め固め作業を肉眼で外部から確認することがで
き、コンクリート構造物の欠陥を予め防止することがで
きる。これは、手直し作業の低減につながり、最終的に
はコンクリート構造物のコストの低減に寄与する。
【0040】
【実施例】図1は、この発明に従う一実施例の型枠を示
す上面図である。
【0041】図2および図3は、それぞれ図1の実施例
の正面図および側面図である。図4は、図1に示すA−
A線に沿う断面図である。
【0042】図1〜図4を参照して、面板3の長手方向
の外側両端縁には外側縦リブ1が平行して設けられてお
り、その内側に内側縦リブ2が2本平行して設けられて
いる。面板3の長手方向と直交する方向には、横リブ6
が複数本設けられている。外側縦リブ1および両端に位
置する横リブ6には、型枠をボルト・ナットやクリップ
などのような締結材で組合せていく際に用いる、型枠結
合用穴7がそれぞれ形成されている。
【0043】図4に示すように、内側縦リブ2の上下端
には、それぞれ上フランジ4および下フランジ5が設け
られている。このような上フランジ4および下フランジ
5を設けることは、型枠長手方向の曲げ剛性を高める有
効な手段である。型枠長手方向の曲げ剛性は、縦リブに
使用するFRP材料の曲げ弾性率とこのようなリブの形
状および構造により影響を受けるものであり、この発明
では、曲げ弾性率が少なくとも10GPa以上のFRP
材料を用い、型枠単位幅(1cm)あたり2.5×10
7 kgf・mm2 以上になるようにリブなどの形状およ
び構造を設計することが必要である。いずれにしても、
この発明では、型枠長手方向の曲げ剛性が2.5×10
7 kgf・mm2 以上にできる形状および構造であれ
ば、リブの形状および構造は特に限定されるものではな
い。
【0044】以下、具体的な実施例によりこの発明をさ
らに詳細に説明する。金属製型枠は、幅300mm、長
さ1500mm、高さ55mmのサイズのものが一般的
によく使用されるので、このサイズのものを種々のFR
P材料を用いて作製した。
【0045】[実施例1]強化繊維として、カット長2
5mmのガラス繊維を30wt%含有する不飽和ポリエ
ステル樹脂をマトリックスとするシート状成形材料(S
MC)を平板金型を用いて、プレスによる圧縮成形を行
ない、厚さ3mmの平板を得た。この平板から短冊形試
験片を切出し、JIS K 7055−1987に従っ
て、3点曲げ試験を行なった。その結果、この材料の曲
げ弾性率は11GPaであった。
【0046】上記のシート状成形材料を用い、プレスに
よる圧縮成形を行なって、幅500mm、長さ1500
mmの平板を作製した。なお、厚さは10mm、5mm
および3mmの3種類の平板を作製した。
【0047】厚さ10mmの平板から外側縦リブおよび
内側縦リブを切断加工した。厚さ5mmの平板からは内
側縦リブの上下フランジを幅30mmに切断加工した。
また、厚さ3mmの平板からは、面板および横リブを切
断加工した。これらの部材をエポキシ接着剤により接着
して組立て、図1に示すような幅300mm、長さ15
00mm、高さ55mmの型枠を作製した。
【0048】[実施例2]強化繊維として、5175デ
ニールの連続ガラス繊維を用い、熱可塑性樹脂繊維とし
て、3720デニールのポリプロピレンの連続繊維を用
いて、混繊糸を作製した。この混繊糸を金属製の枠に巻
き、所定の張力下において、両端の開放された金型を用
いてプレスによる圧縮成形を行ない、厚さ3mmの一方
向強化材を得た。この平板から強化繊維の強化方向を試
験片の長手方向とした短冊形試験片を切出し、実施例1
と同様にして3点曲げ試験を行なった。その結果、この
材料の曲げ弾性率は20GPaであった。
【0049】上記の混繊糸を金属製の枠に巻き、所定の
張力下において、両端の開放された金型を用いてプレス
による圧縮成形を行ない、幅500mm、長さ1500
mm、厚さが10mm、5mmおよび3mmの3種類の
一方向強化タイプの平板を作製した。厚さ10mmの平
板からは外側縦リブおよび内側縦リブを、厚さ5mmの
平板からは内側縦リブの上下フランジを幅30mmに切
断加工した。また、厚3mmの平板からは、面板および
横リブを切断加工した。切断加工の際、強化繊維の強化
方向を各部材の長手方向とした。これらの部材をエポキ
シ接着剤により接着し、組立て、実施例1と同様に図1
に示すような幅300mm、長さ1500mm、高さ5
5mmの型枠を作製した。
【0050】[実施例3]強化繊維として、5175デ
ニールの連続ガラス繊維を用い、熱可塑性樹脂繊維とし
て、2740デニールのポリエステルの連続繊維を用い
て、混繊糸を作製した。実施例1と同様にして、所定の
張力下において、両端の開放された金型を用いてプレス
による圧縮成形を行ない、厚さ3mmの一方向強化材を
得た。強化繊維の強化方向を試験片長手方向として、実
施例1と同様にして3点曲げ試験を行なったところ、こ
の材料の曲げ弾性率は、32GPaであった。
【0051】上記の混繊糸を用いて、実施例2と同様に
して、まず、プレスによる圧縮成形を行ない、幅500
mm、長さ1500mm、厚さが10mm、5mmおよ
び3mmの3種類の一方向強化タイプの平板を得た。厚
さ10mmの平板から、外側縦リブおよび内側縦リブ
を、厚さ5mmの平板からは、内側縦リブの上下フラン
ジを幅30mmに切断加工した。また、厚さ3mmの平
板からは、面板および横リブを切断加工した。これらの
部材をエポキシ接着剤により接着して組立て、実施例1
と同様に図1に示すような幅300mm、長さ1500
mm、高さ55mmの型枠を作製した。
【0052】[実施例4]強化繊維として炭素繊維、熱
可塑性樹脂繊維としてポリエステルのフィラメントを用
いて、2400デニールの牽切紡績糸を作製した。炭素
繊維の含有量は70wt%であった。実施例1と同様に
して、所定の張力下において、両端の開放された金型を
用いてプレスによる圧縮成形を行ない、厚さ3mmの一
方向強化材を得た。強化繊維の強化方向を試験片長手方
向とし、実施例1と同様にして、3点曲げ試験を行なっ
たところ、この材料の曲げ弾性率は90GPaであっ
た。
【0053】上記の牽切紡績糸を用いて、実施例2と同
様にして、まず、プレスによる圧縮成形を行ない、幅5
00mm、長さ1500mm、厚さ5mmの一方向強化
タイプの平板を得た。この平板から内側縦リブの上下フ
ランジを幅30mmに切断加工した。また、面板用FR
P板として、ガラス繊維のチョップド・ストランド・マ
ットに不飽和ポリエステル樹脂を含浸し、幅300m
m、長さ1500mm、厚さ3mmの板を成形した。ガ
ラス繊維の含有量は30wt%、曲げ弾性率は10GP
aであった。このFRP板の全光線透過率および曇価
を、東京電色株式会社製ヘイズメータ(MODEL T
C−HIIIDP型)を用いて測定した。その結果、全
光線透過率75%、曇価64%という値を得た。それ以
外の部材は実施例3と同様の素材を用いた。ただし、外
側縦リブの厚さを5mm、内側縦リブの厚さを7mmと
した。
【0054】まず、リブをエポキシ接着剤により接着し
組立てた。次に、リブの面板を接着する部分に共重合ポ
リエステル系のホットメルト接着剤を塗布した後、面板
の上から加熱・加圧し、リブと面板を接着して、実施例
1と同様に図1に示すような幅300mm、長さ150
0mm、高さ55mmの型枠を作製した。
【0055】[比較例1]強化繊維として、カット長1
00mmのガラス繊維よりなるチョップド・ストランド
・マット40wt%と、ポリプロピレン樹脂60wt%
を平板金型を用いて加熱溶融した後、冷却固化して、厚
さ3.8mmのガラス繊維マットで強化されたプレス成
形用シート材を得た。
【0056】このシート材を赤外線加熱炉にて220℃
まで加熱し、ポリプロピレン樹脂を溶融状態とし、直ち
に金型にチャージしてスタンピング成形を行ない、厚さ
3mmの平板を得た。この平板から短冊形試験片を切出
し、実施例1と同様にして3点曲げ試験を行なったとこ
ろ、この材料の曲げ弾性率は5.6GPaであった。
【0057】上記のシート状成形材料を用い、スタンピ
ング成形を行なって、実施例1と同様に、図1に示すよ
うな幅300mm、長さ1500mm、高さ55mmの
型枠を得た。ただし、面板および横リブの厚さを3m
m、外側縦リブおよび内側縦リブの厚さを25mm、内
側縦リブの上下フランジの幅を40mm、厚さを15m
mとした。また、上フランジは型枠をスタンピング成形
した後に、予め成形した厚さ15mmの平板から切断加
工したものを、エポキシ接着剤により接着した。
【0058】[比較例2]従来のものとして、幅300
mm、長さ1500mm、高さ55mmのサイズの市販
の金属製型枠を準備した。
【0059】[実施例5]実施例1〜実施例4、比較例
1において作製した幅300mm、長さ1500mm、
高さ55mmの型枠を用いて、JIS A 8652−
1979(金属製型わくパネル)の規格に準拠し、載荷
試験を行なった。
【0060】支点間距離を900mmとし、万能試験機
を用いて3等分点にそれぞれ300kgfの荷重が加わ
るようにし、合計600kgfの荷重を加えた。比較の
ため、市販の同サイズの金属製型枠も比較例2として同
時に試験を行なった。型枠中央部の撓みをダイヤルゲー
ジにて測定した結果、表1に示すような結果が得られ
た。また、それぞれの型枠の重量の実測値も表1に示し
た。ただし表1における断面二次モーメントは型枠単位
幅(1cm)あたりの値である。また、型枠の曲げ剛性
は型枠長手方向と直交する断面の中立軸に関する各部材
の断面二次モーメントと曲げ弾性率との積の和を求め、
型枠単位幅(1cm)あたりに換算した値である。
【0061】
【表1】
【0062】表1の実施例1〜4と比較例1との比較か
ら明らかなように、曲げ弾性率が10GPaより小さい
材料では、断面二次モーメントを相当大きく取っても曲
げ剛性がさほど大きくならないため、型枠中央部の撓み
が大きくなってしまう。また、型枠中央部の撓みが大き
い割には、各部材の肉厚が大きいため、比較例2の従来
の金属製型枠に比べて大幅に軽量化するには至っていな
い。
【0063】[実施例6]実施例4において作製した型
枠を10個用いてコンクリート打設試験を行なった。型
枠をセパレータによって30cmの間隔に保ち、打設面
反対側には所定の位置に端太材を設置した。コンクリー
トには普通ポルトランドセメント、4週強度240kg
f/cm2 、骨材寸法40mm、スランプ8cmの仕様
のものを用いた。
【0064】コンクリートを打設したところ、面板を通
してコンクリートの打設状態が手にとるように観察でき
た。また、コンクリート硬化後にアバタの原因となる空
隙の状態まで見ることができ、バイブレータにより対策
を施すことができた。コンクリートの打設後3日目に型
枠を脱型したところ、面板に剥離剤を塗布していないに
もかかわらず、金槌等を用いなくても極めて容易に脱型
することができた。そのうえ、面板にはほとんどコンク
リートの付着が見られず、ぬれ雑巾で拭く程度の清掃で
十分であり、通常のケレン作業の必要性は全くなかっ
た。
【0065】出来上がったコンクリート構造物を観察し
たところ、表面の波打ちもなく、従来のコンクリート構
造物に比較して、アバタの少ない表面性の非常に優れた
コンクリート構造物が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う一実施例の型枠を示す上面図で
ある。
【図2】この発明に従う一実施例の型枠を示す正面図で
ある。
【図3】この発明に従う一実施例の型枠を示す側面図で
ある。
【図4】図1に示すA−A線に沿う断面図である。
【図5】従来のFRP製型枠の一例を示す斜視図であ
る。
【図6】従来の金属製型枠の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 外側縦リブ 2 内側縦リブ 3 面板 4 上フランジ 5 下フランジ 6 横リブ 7 型枠結合用穴 8 従来のFRP型枠 9 桟木 10 釘
フロントページの続き (72)発明者 浅上 裕司 東京都渋谷区渋谷1丁目16番14号 東急建 設株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面板と、この面板の少なくとも長手方向
    に沿って設けられる補強のためのリブとを備えるコンク
    リート打設用型枠であって、 前記面板が繊維強化プラスチック板から形成されてお
    り、 前記長手方向のリブ(縦リブ)を構成する繊維強化プラ
    スチック材料の曲げ弾性率が10GPa以上であり、 型枠長手方向の曲げ剛性が型枠単位幅(1cm)あたり
    2.5×107 kgf・mm2 以上であることを特徴と
    するコンクリート打設用型枠。
JP3215620A 1991-08-27 1991-08-27 コンクリート打設用型枠 Pending JPH0559811A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5632923A (en) * 1994-04-28 1997-05-27 Hayakawa; Yoshiyuki Concrete molding form member

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5632923A (en) * 1994-04-28 1997-05-27 Hayakawa; Yoshiyuki Concrete molding form member

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