JPH0558956A - 2−シクロペンテン−1−オン誘導体及び制癌剤 - Google Patents

2−シクロペンテン−1−オン誘導体及び制癌剤

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JPH0558956A
JPH0558956A JP24424791A JP24424791A JPH0558956A JP H0558956 A JPH0558956 A JP H0558956A JP 24424791 A JP24424791 A JP 24424791A JP 24424791 A JP24424791 A JP 24424791A JP H0558956 A JPH0558956 A JP H0558956A
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carboxylic acid
ethyl ester
acid ethyl
oxo
cyclopentene
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JP24424791A
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Yuzo Goto
祐三 後藤
Ikuo Ueda
育男 植田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining Co Ltd
Nikko Kyodo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式化1 【化1】 (式中、R1は水素、水酸基、炭素数1〜5の低級アル
キル基または-CH2COSC2H52は炭素数1〜5の低級アル
キル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基または炭素
数1〜5の低級アルキルチオ基、R3は炭素数1〜5の
低級アルキル基を示す)で表される新規な2-シクロペ
ンテン-1-オン誘導体及びこれを有効成分とする制癌
剤。 【効果】新規な化合物であり、優れた制癌作用を有し、
制癌剤として実用価値をもつものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は新規な2-シクロペンテ
ン-1-オン誘導体及び当該誘導体を有効成分とする癌細
胞の増殖を阻害するための制癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、これまで
多くの化合物が合成され研究されており、そのあるもの
は実際に臨床において使用されている。しかしながら、
多くの化合物は、臨床において見られる様々な種類の癌
に対してその効果は必ずしも充分とは言えず、また、毒
性が強いため臨床上の投与が必ずしも容易でなく、さら
に、近年それらの薬剤に対する癌細胞の耐性現象が明ら
かになり臨床応用上問題となってきている。かかる状況
下においては、制癌効果を有する新らたな物質が常に求
められている。すなわち、既存の制癌剤に対する耐性現
象を克服し、また既存の制癌剤では充分な効果を発揮で
きない癌に対して有効で、毒性の低い物質が求められて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するためのもので、本発明の目的は優れた制癌作用を
有する新規な化合物からなる新たな制癌剤を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式化
【化2】 (式中、R1は水素、水酸基、炭素数1〜5の低級アル
キル基または-CH2COSC2H52は炭素数1〜5の低級アル
キル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基または炭素
数1〜5の低級アルキルチオ基、R3は炭素数1〜5の
低級アルキル基を示す)で表される新規な2-シクロペ
ンテン-1-オン誘導体及びこれを有効成分とする制癌剤
である。
【0005】本発明における上記2-シクロペンテン-1
-オン誘導体としては、4-(4-クロロフェニル)-2-オ
キソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエステ
ル、3-(4-クロロフェニル)-2-ヒドロキシ-5-オキソ
-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエステル、4
-メチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸
エチルエステル、4-フェニル-2-オキソ-3-シクロペ
ンテン-1-カルボン酸エチルエステル、4-ペンチル-2
-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエス
テル、4-エチル-5-メチル-2-オキソ-3-シクロペン
テン-1-カルボン酸エチルエステル、4-エチルチオ-2
-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエス
テル、4-エチルチオ-5-エチルチオカルボニルメチル-
2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエ
ステル等を例示することができる。
【0006】つぎにその代表的なものの理化学的性質を
示す。4-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-3-シクロペンテン
-1-カルボン酸エチルエステル 融点 ℃:84.1〜85.21 H-NMR(CDCl3/TMS/360MHz) δppm:7.62〜7.60
(m,2H,Aromatic)、7.46〜7.44(m,2H,Aromatic)、
6.51(t,J=1.8Hz,1H,COCH=CAr)、4.26(q,J=7.1Hz,
2H,OCH2 CH3)、3.63(dd,J=7.2,3.0Hz,1H,COCHCOOE
t)、3.45(ddd,J=18.1,2.8,1.8Hz,1H,ArCCH2 CCOOE
t)、3.21(ddd,J=18.2,7.3,1.8Hz,1H,ArCCH2 CCOOE
t)、1.32(t,J=7.0Hz,3H,OCH2CH3 ) IR(KBr) cm-1:1730、1695 UV(MeOH) nm,ε:292(27000) MASS(EI,70eV):264(M+) CHN % :C;63.52、H;4.95、Cl;13.39、
O;18.13 分子量:264.71
【0007】3-(4-クロロフェニル)-2-ヒドロキシ-
5-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエ
ステル 融点 ℃:115.0〜116.21 H-NMR(CDCl3/TMS/360MHz) δppm:7.72〜7.68
(m,2H,Aromatic)、7.48〜7.44(m,2H,Aromatic)、
6.46(d,J=1.0Hz,1H,COCH=C)、5.74(dd,J=7.0,2.
5Hz,1H,CHOH)、4.27(q,J=7.1Hz,2H,OCH2 CH3)、3.5
6(d,J=2.5Hz,1H,OH)、2.48(d,J=7.0Hz,1H,CHCOOE
t)、1.33(t,J=7.2Hz,3H,OCH2CH3 ) UV(MeOH) nm,ε:292(28000)、223(11000) MASS(EI,70eV):280(M+) CHN % :C;59.90、H;4.67、Cl;12.63、
O;22.80 分子量:280.71
【0008】4-メチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-
1-カルボン酸エチルエステル 1 H-NMR(CDCl3/TMS/360MHz) δppm:5.91(dd,J=1.0,
0.7Hz,1H)、4.22(q,J=7.0Hz,2H,OCH2 CH3)、3.45
(dd,J=7.0,3.0Hz,2H)、2.99(ddd,J=18.4,3.0,1.0Hz,
3H)、2.77(ddd,J=18.4,7.0,1.0Hz,1H)、2.18(d,J
=0.7Hz,3H)、1.30(t,J=7.0Hz,3H,OCH2CH3 ) IR(neat) cm-1:1730、1690、1615、11
50、1040、829 MASS(m/z):168(M+)
【0009】4-フェニル-2-オキソ-3-シクロペンテ
ン-1-カルボン酸エチルエステル 1 H-NMR(CDCl3/TMS/360MHz) δppm:7.5(m,5H)、6.5
3(dd,J=1.6,1.6Hz,1H)4.25(q,J=7.0Hz,2H,OCH2 C
H3)、3.62(dd,J=3.0,7.0Hz,1H)、3.48(ddd,J=18.
0,3.0,1.5Hz,1H)、3.25(ddd,J=18.0,7.4,1.5Hz,1
H)、1.32(t,J=7.0Hz,3H,OCH2CH3 ) CHN % :C;73.03、H;6.13
【0010】4-ペンチル-2-オキソ-3-シクロペンテ
ン-1-カルボン酸エチルエステル 1 H-NMR(CDCl3/TMS/360MHz) δppm:5.90(bs,1H)、
4.21(qd,J=7.0,1.0Hz,2H,OCH2 CH3)、3.44(dd,J=
7.2,2.7Hz,1H)、2.98(ddd,J=18.0,2.7,1.0Hz,1H)、
2.87(ddd,J=18.0,7.2,1.0Hz,1H)、2.45(t,J=7.5H
z,2H)、1.62(m,2H)、1.35(m,4H)、1.29(td,J=
7.0,1.0Hz,3H,OCH2CH3 )、0.91(t,J=7.0Hz,3H,(CH2)4
CH3 )13 C-NMR(CDCl3/90MHz) δppm:202.16、183.0
9、169.16、127.46、127.46、61.5
8、52.33、35.58、33.36、31.46、2
6.64、22.38、14.22、13.91 IR(neat) cm-1:1736、1708、1608、11
50、756
【0011】4-エチル-5-メチル-2-オキソ-3-シク
ロペンテン-1-カルボン酸エチルエステル 1 H-NMR(CDCl3/TMS/360MHz) δppm:5.88(d,J=1.3Hz,
1H)、4.21(q,J=7.0Hz,2H,OCH2 CH3)、3.23(bs,1
H)、3.04(d,J=3.0Hz,1H)、2.3〜2.6(m,2H)、1.
30(t,J=7.0Hz,2H,OCH2CH3 )、1.26(d,J=7.4Hz,3
H)、1.21(t,J=7.4Hz,3H,CH2CH3 ) IR(neat) cm-1:1735、1700、1615、11
49、860
【0012】4-エチルチオ-2-オキソ-3-シクロペン
テン-1-カルボン酸エチルエステル 1 H-NMR(CDCl3/90MHz) δppm:5.87(dd,J=1.3,1.3Hz,
1H)、4.23(q,J=7.0Hz,2H,OCH2 CH3)、3.51(dd,J=
7.3,3.3Hz,1H)、2.9〜3.2(m,2H)、2.96(q,J=7.4
Hz,2H,SCH2 CH3)、1.39(t,J=7.4Hz,3H,SCH2CH3 )、1.
30(t,J=7.0Hz,3H,OCH2CH3 ) IR(neat) cm-1:1735、1694、1549、11
50、825
【0013】これらの誘導体のうち、R1がヒドロキシ
基のものは、3-アルコキシカルボニル-2-オキソプロ
ピリデントリフェニルホスホラン〔Ph3P=CHC(=O)CH2COO
R〕またはこのアルソラン〔Ph3As=CHC(=O)CH2COOR〕と
(抱水)グリオキサート〔R-COCHO、R-COCH(OH)2〕と反応
させることにより得られる。この場合、グリオキサート
のR基が上記一般式化2のR2を形成するため、R基の
異なる種々のグリオキサートを用いることにより種々の
上記2-シクロペンテン-1-オン誘導体を調製すること
ができる。
【0014】これらの反応は、当モル付近で反応させる
と良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジメチルスル
ホキシド或いはジクロロメタン等の有機溶媒中で反応を
行うと良い。反応温度は、ほとんどの場合、室温で十分
であるが、原料の種類によっては、60℃程度まで加熱
した方が好ましいものもある。
【0015】また、上記の誘導体は、相当する2-アル
コキシ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エステルを、
塩酸、硫酸等の酸により加水分解することにより得ら
れ、この方法が最も簡便である。
【0016】反応生成物は、蒸留、抽出、カラムクロマ
トグラフィー、再結晶等、通常用いられている方法で単
離、精製すると良い。
【0017】これらの化合物はいずれも低毒性であり、
マウスに対するLD50(腹腔内投与)は100mg/kg以上
である。
【0018】上記化合物を制癌剤として用いる場合、経
口,経腸又は非経口的な投与のいずれの形態ででも、例
えば、錠剤、カプセル剤、細粒剤、シロップ剤、座薬、
軟膏剤、注射剤等に製剤して用いることができる。この
場合、製剤の担体として、経口、経腸又は非経口的に投
与するに適した有機又は無機の固体又は液体の薬学的に
不活性な担体、例えば、結晶性セルローズ、ゼラチン、
乳糖、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物
性及び動物性脂肪及び油、ガム、ポリアルキレングリコ
ール等を用いることが出来る。本発明の薬剤は、これら
の担体に対し、上記化合物を0.1〜200%の範囲で
適宜選定して用いることができる。また、本発明の薬剤
は他の同様の薬剤或いはその他の医薬と混合して使用す
ることもできる。
【0019】本発明の制癌剤は所望の作用が著しい副作
用を伴わないで達成されるような投与量で投与され、一
般には、成人一日当り1mg〜10gの範囲が好ましく、
毒性の現われない範囲で1日1〜数回に分けて適宜投与
することができる。
【0020】
【実施例】
(実施例1) 〔4-メチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボ
ン酸エチルエステル〕 2-エトキシ-4-メチル-1,3-シクロペンタジエン-1-
カルボン酸エチルエステル100mg(0.51mmol)をク
ロロホルム20mlに溶解した溶液に、2規定の塩酸を加
え、室温で、12時間撹拌した。クロロホルム層を分離
し、水層をクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を
硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で、濃縮した。
残留液を、溶離液としてヘキサン-エーテルを用いてシ
リカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで分離精製
し、油状物78mg(収率91%)が得られた。この油状物
は、前述した4-メチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-
1-カルボン酸エチルエステルの理化学的性質を示し、
この化合物であることが同定された。
【0021】(実施例2) 〔4-フェニル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カル
ボン酸エチルエステル〕
【0022】合成方法 実施例1の2-エトキシ-4-メチル-1,3-シクロペンタ
ジエン-1-カルボン酸エチルエステルに代えて、2-エ
トキシ-4-フェニル-1,3-シクロペンタジエン-1-カ
ルボン酸エチルエステル200mg(0.78mmol)を用い
て、他は実施例1と同様の方法で合成し、単離、精製し
た。この結果、油状物176mg(収率99%)を得た。
この油状物の元素分析の結果はC;72.66、H;6.4
7で、他の物性値は前述した4-フェニル-2-オキソ-3
-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエステルの理化
学的性質を示し、この化合物であることが同定された。
【0023】(実施例3) 〔4-ペンチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カル
ボン酸エチルエステル〕 実施例1の2-エトキシ-4-メチル-1,3-シクロペンタ
ジエン-1-カルボン酸エチルエステルに代えて、2-エ
トキシ-4-ペンチル-1,3-シクロペンタジエン-1-カ
ルボン酸エチルエステル185mg(0.73mmol)を用い
て、他は実施例1と同様の方法で合成し、単離、精製し
た。この結果、油状物161mg(収率98%)を得た。
この油状物は、前述した4-ペンチル-2-オキソ-3-シ
クロペンテン-1-カルボン酸エチルエステルの理化学的
性質を示し、この化合物であることが同定された。
【0024】(実施例4) 〔4-エチル-5-メチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-
1-カルボン酸エチルエステル〕 実施例1の2-エトキシ-4-メチル-1,3-シクロペンタ
ジエン-1-カルボン酸エチルエステルに代えて、2-エ
トキシ-4-エチル-5-メチル-1,3-シクロペンタジエ
ン-1-カルボン酸エチルエステル185mg(0.73mmo
l)を用いて、他は実施例1と同様の方法で合成し、単
離、精製した。この結果、油状物161mg(収率98
%)を得た。この油状物は、前述した4-エチル-5-メ
チル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチ
ルエステルの理化学的性質を示し、この化合物であるこ
とが同定された。
【0025】(実施例5) 〔4-エチルチオ-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カ
ルボン酸エチルエステル〕 実施例1の2-エトキシ-4-メチル-1,3-シクロペンタ
ジエン-1-カルボン酸エチルエステルに代えて、2-エ
トキシ-4-エチルチオ-1,3-シクロペンタジエン-1-
カルボン酸エチルエステル62mg(0.26mmol)を用い
て、他は実施例1と同様の方法で合成し、単離、精製し
た。この結果、油状物54mg(収率98%)を得た。こ
の油状物は、前述した4-エチルチオ-2-オキソ-3-シ
クロペンテン-1-カルボン酸エチルエステルの理化学的
性質を示し、この化合物であることが同定された。
【0026】(実施例6) 〔4-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-3-シクロペンテ
ン-1-カルボン酸エチルエステル〕
【0027】合成方法 実施例1の2-エトキシ-4-メチル-1,3-シクロペンタ
ジエン-1-カルボン酸エチルエステルに代えて、2-エ
トキシ-4-(4-クロロフェニル)-1,3-シクロペンタジ
エン-1-カルボン酸エチルエステルを用いて、実施例1
と同様の方法で合成し、単離、精製した。この結果、無
色の針状結晶が得られた。この結晶物の元素分析の結果
はC;63.40、H;4.82、Cl;13.37で、他の物
性値は、前述した4-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-
3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエステルの理
化学的性質を示し、この化合物であることが同定され
た。
【0028】制癌作用試験 上記化合物を用い、マウス実験腫瘍細胞に対する制癌作
用を調べた。
【0029】マウス白血病細胞L1210、マウス皮膚黒色
腫細胞B16又はマウス肉種細胞Sarcoma180をEagle's min
imum essential medium(MEM)-10%のウシ胎児血清培
地に入れ、5%濃度の炭酸ガスを含む培養器中で、37
℃の温度下に培養したものを用いた。この細胞を96穴
マルチプレート(ファルコン社製)に1×104/100
μl/ウエルでまき込み、37℃で、24時間培養した。
上記化合物をジメチルスルホキシドに溶解し、上記培地
で稀釈して各種濃度の稀釈液を、前記培養後のマルチプ
レートのウエルに100μlずつ加えた。これを更に3
7℃で20時間培養した後、3H(トリチウム)で標識し
たチミジン溶液(37キロベクレル)を20μlづつ加え
た。4時間後に、セルハーベスターによって細胞のDN
Aをガラスフィルターに捕捉し、取り込まれた放射能を
測定した。増殖阻止作用は上記化合物を加えなかったも
のをコントロールとし、このコントロールに比べてDN
Aへのトリチウムの取り込みを50%低下させることが
できる化合物の濃度を、IC50[μM(μg/ml)]として求
めた。これらの結果を第1表に示した。
【0030】(実施例7) 〔3-(4-クロロフェニル)-2-ヒドロキシ-5-オキソ-
3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエステル〕
【0031】合成方法 ジヒドロキシメチル 4-クロロフェニル ケトン〔Cl-Ph
-COCH(OH)2〕187mg(1.0mmol)のテトラヒドロフラ
ン(THF)5mlの溶液に、3-エトキシカルボニル-2-
オキソプロピリデントリフェニルホスホラン〔Ph3P=CHC
OCH2COOC2H5〕429mg(1.1mmol)のTHF10mlの溶
液を室温下に、撹拌しながら、20分間かけて滴下し
た。さらに、室温で、24時間撹拌した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-200、酢酸
エチル:ヘキサン=1:10から1:2)で分離、精製
した結果、透明な針状結晶物が収率73%で得られた。
この結晶物の元素分析の結果はC;59.76、H;4.6
6、Cl;12.60で、他の物性値は前述した3-(4-ク
ロロフェニル)-2-ヒドロキシ-5-オキソ-3-シクロペ
ンテン-1-カルボン酸エチルエステルの理化学的性質を
示し、この化合物であることが同定された。
【0032】制癌作用試験 上記化合物を用い、実施例6と全く同様の方法により、
制癌作用試験を行った。この結果を表1に示した。
【0033】(実施例8) 〔4-エチルチオ-5-エチルチオカルボニルメチル-2-
オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸エチルエステ
ル〕
【0034】合成方法 実施例1の2-エトキシ-4-メチル-1,3-シクロペンタ
ジエン-1-カルボン酸エチルエステルに代えて、2-エ
トキシ-4-エチルチオ-5-エチルチオカルボニルメチル
-1,3-シクロペンタジエン-1-カルボン酸エチルエス
テルを用いて、実施例1と同様の方法で合成し、単離、
精製した。この結果、無色の結晶が得られた。この結晶
物は、前述した4-エチルチオ-5-エチルチオカルボニ
ルメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-カルボン酸
エチルエステルの理化学的性質を示し、この化合物であ
ることが同定された。
【0035】制癌作用試験 上記化合物を用い、実施例6と全く同様の方法により、
制癌作用試験を行った。この結果を表1に示した。
【表1】
【0036】この結果から明らかなように、これらの化
合物が高い制癌活性を有していることが分かる。
【0037】(実施例9)4-エチルチオ-5-エチルチ
オカルボニルメチル-2-オキソ-3-シクロペンテン-1-
カルボン酸エチルエステル100mg及び塩化ナトリウム
900mgを注射用蒸留水に溶解、全量を100mlとし、
次いで滅菌濾過して、5ml用アンプルに5mlづつに充填
して、熔封する。これを筋注または静注とする。
【0038】(実施例10)3-(4-クロロフェニル)-
2-ヒドロキシ-5-オキソ-3-シクロペンテン-1-カル
ボン酸エチルエステル10mg、乳糖300mg、デンプン
30mg、ステアリン酸マグネシウム10mgを1錠分の材
料として常法により錠剤に成型する。必要に応じ糖衣を
付してもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明の新規な化合物は、明らかに優れ
た制癌作用を有し、制癌剤として至大な実用価値をもつ
ものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1 【化1】 (式中、R1は水素、水酸基、炭素数1〜5の低級アル
    キル基または-CH2COSC2H52は炭素数1〜5の低級アル
    キル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基または炭素
    数1〜5の低級アルキルチオ基、R3は炭素数1〜5の
    低級アルキル基を示す)で表わされる新規な2-シクロ
    ペンテン-1-オン誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の2-シクロペンテン-1-
    オン誘導体を有効成分とする制癌剤。 【0001】
JP24424791A 1991-08-30 1991-08-30 2−シクロペンテン−1−オン誘導体及び制癌剤 Pending JPH0558956A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003097570A1 (fr) * 2002-05-20 2003-11-27 Kaneka Corporation Procede de production de derives de 4-methylcyclopentenone
US9353795B2 (en) 2012-04-16 2016-05-31 Ntn Corporation Rolling bearing
US20160169285A1 (en) * 2013-07-22 2016-06-16 Jtekt Corporation Tapered roller bearing and power transmission device using tapered roller bearing

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