JPH0558615B2 - - Google Patents

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JPH0558615B2
JPH0558615B2 JP61223813A JP22381386A JPH0558615B2 JP H0558615 B2 JPH0558615 B2 JP H0558615B2 JP 61223813 A JP61223813 A JP 61223813A JP 22381386 A JP22381386 A JP 22381386A JP H0558615 B2 JPH0558615 B2 JP H0558615B2
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JP
Japan
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reaction
reactor
pseudocumene
oxidation
complete mixing
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JP61223813A
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JPS6379852A (ja
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Yasukura Sakakibara
Kenichi Ueda
Koji Tomita
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、プソイドクメンを分子状酸素含有ガ
スにより酸化して、可塑剤、各種高分子原料等と
して有用なトリメリツト酸を製造する方法に関す
るものである。 〔従来の技術〕 トリメリツト酸は耐熱性可塑剤や各種高分子の
原料等として有用な化合物であり、純度の良好な
トリメリツト酸を安価に効率よく得る連続的製造
法の開発が望まれている。 従来から、プソイドクメンを酢酸溶媒中でコバ
ルト化合物、マンガン化合物および臭素化合物か
ら構成される触媒の存在下で分子状酸素含有ガス
により酸化してトリメリツト酸を連続的に得る方
法が知られている(特開昭46−7173号公報、特開
昭56−2932号公報など)。これらの方法は、回分
式または半連続式で酸化反応を実施する方式に比
較して、より安定にかつより安価に製造できると
いう利点を有しているが、トリメリツト酸の収
率、プロセスの効率、経済性の点等から、著しく
不十分であつた。 これらの欠点を解決するために、2段式完全混
合型反応器中で、1段目と2段目の反応温度を変
えて酸化するトリメツト酸の連続的製造方法(特
公昭58−5898号公報)や、完全混合槽を4槽直列
に連結した装置で、第1および第2槽からなる第
1の反応域での酸化反応生成物中のプソイドクメ
ンの残存量を特定濃度以下としかつ第2の反応域
で触媒組成を特定の範囲に調整して行うことを特
徴とするトリメリツト酸の連続的製造方法(特開
昭57−167942号公報)などが提案されている。し
かしながら、これらの従来技術は、いずれも完全
混合型反応器を使用しており、酸化反応を実質的
に完結させるために、後段での槽内滞留時間を長
くしなければならないという重大な欠点を有して
おり、プロセス効率上、生産性の点で未だ問題点
があつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は従来の問題点を解消し、目的の酸化反
応を高収率でかつ短時間に完結することができる
プロセス効率、生産性の点で著しく有利なトリメ
リツト酸の連続的方法を提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、前記従来の問題点を解消すべく
鋭意研究を重ねた結果、完全混合型反応器と栓流
型反応器とを直列に連絡した装置を用い、該完全
混合型反応器においてプソイドクメンの大部分を
酸化させたのち、栓流型反応器において酸化反応
を実質的に完結させるという新規な反応方式を採
用することにより、容易に前記目的を達成でるこ
とを見い出して、本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明は、プソイドクメンを、酢酸中
でコバルト化合物、マンガン化合物および臭素化
合物を主成分とする触媒の存在下に、分子状酸素
含有ガスで酸化してトリメリツト酸を製造する際
に、前記プソイドクメン、前記酢酸および前記触
媒を含む反応混合物を完全混合型反応器に供給し
て酸化反応を行つたのち、反応生成液を栓流型反
応器に供給して酸化反応を行うことを特徴とする
トリメリツト酸の製造方法を提供するものであ
る。 以下、本発明を詳細に説明する。 この発明方法において前記酸化反応の溶媒とし
て用いる酢酸の量は、使用するプソイドクメンの
通常2重量倍以上、好ましくは4〜10重量倍程度
が適当である。なお酢酸中に20重量%程度以下の
水が存在しても特に支障はない。 酸化触媒としては、コバルト、マンガンおよび
臭素を主成分として構成される触媒系を使用し、
これらの触媒構成成分を次に示すような化合物の
形で加える。 すなわちコバルト化合物およびマンガン化合物
は酢酸に可溶なものであれば使用可能であるが、
酢酸塩、プロピオン酸塩、ナフテン酸塩、オクテ
ン酸塩などの有機酸塩、水酸化物、塩化物、臭化
物などのハロゲン化物、ホウ酸塩、硝酸塩、炭酸
塩などの無機酸塩、アセチルアセトナト錯体、カ
ルボニル錯体、アンミン錯体、オキソ錯体などの
有機錯体等を挙げることができる。酢酸塩、炭酸
塩、水酸化物、臭化物等が特に好ましい。 臭素化合物としては、臭素、臭化水素、臭化ア
ンモニウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム、臭
化カリウム、臭化セシウムなどのアルカリ金属臭
化物、臭化コバルト、臭化マンガン、臭化セリウ
ムなどの無機臭素化合物およびテトラブロモエタ
ン、ブロモ酢酸、臭化ベンジルなどの有機臭素化
合物が使用可能である。これらの中でも臭化ナト
リウム、臭化コバルト、臭化マンガン、臭化アン
モニウム等が好ましく、臭化ナトリウムが特に好
ましい。なお、これらのコバルト化合物、マンガ
ン化合物および臭素化合物は、それぞれ1種単独
で用いても、2種以上組合わせて用いてもよい。 コバルト化合物の使用量は、コバルト金属とし
ての使用量が酢酸溶媒に対し、好ましくは0.01〜
1.0重量%の範囲とする。コバルト触媒の使用量
が0.01重量%未満で反応速度が著しく低下し、
1.0重量%を超えると金属触媒とトリメリツト酸
との塩の形成が無視できなくなり、製品収率が低
下する。 マンガン化合物の使用量は、マンガン金属の使
用量が酢酸溶媒に対して、好ましくは0.01〜1.0
重量%とする。マンガン触媒の使用量が0.01重量
%の場合は十分な活性が得られなかつたり、二酸
化炭素の発生量が増加することがあり、一方、
1.0重量%を超えると製品収率が低下する。 なお、前記コバルト化合物と前記マンガン化合
物の使用割合をコバルト金属とマンガン金属との
原子比(Co:Mn)として通常5:1〜1:10、
好ましくは4:1〜1:4の範囲で行うと、活
性、選択性および触媒の回収操作上特に好適であ
る。 臭素化合物の使用量は、臭素原子としての使用
量が酢酸溶媒に対して臭素原子で好ましくは0.01
〜2.0重量%とし、使用するコバルトとマンガン
の合計量に対して、原子比(Br/Co+Mn)で通
常1.5〜15、好ましくは2.0〜5.0の範囲とする。 酸化剤として用いる分子状酸素含有ガスとして
は、純酸素や工業排ガスも使用可能であるが、工
業的には通常の空気が最適である。 この発明方法において特に重要な点の1つは、
前記酸化反応を1基または2基以上の完全混合型
反応器よりなる前段反応域と1基または2基以上
の栓流型反応器よりなる後段反応域とを直列に連
結した装置を用いて、該前段反応域すなわち完全
型反応器において、プソイドクメンの大部分を酸
化したのち、後段反応域すなわち栓流型反応器に
おいて酸化反応を実質的に完結させトリメリツト
酸を連続的に製造する方法を採用する点である。 すなわち、前記溶媒酢酸、前記酸化触媒、プソ
イドクメンおよび分子状酸素含有ガスを第1段目
の完全混合型反応器に連続的に供給し酸化反応を
行い、もし、2基以上の完全混合型反応器を直列
に連結して用いる場合には、第1段目の完全混合
型反応器の反応生成液を第2段目以降の完全混合
型反応器に遂次的に通過させて酸化反応を続行
し、いずれにしても最後段の完全混合反応器から
抜き出した反応生成液を栓流型反応器へ連続的に
供給して酸化反応を行い、もし2基以上の栓流型
反応器を直列に連結して用いる場合には、最後段
の完全混合型反応器から抜き出した反応生成液を
これらの栓流型反応器へ遂次的に流通せしめて酸
化反応を行い、いずれにしても目的とする酸化反
応を実質的にさせるのである。 ここで、最後段の完全混合型反応器から抜き出
される反応生成液中のプソイドクメンの濃度をプ
ソイクメンの転化率として好ましくは70%以上、
さらに好ましくは70〜90%程度とするように調整
する。このプソイドクメンの転化率が70%未満の
反応生成液を栓流型反応器へ供給して酸化反応を
行うと、次に示す理由によつて、トリメリツト酸
の収率が低下したり、プロセス制御が困難となつ
て危険性が増加することがある。 このように、完全混合型反応器を用いてプソイ
ドクメンの大部分を酸化し、次いで栓流型反応器
を用いて酸化反応を実質的に完結させる方式を採
用する本発明方法の利点として、次の点を挙げる
ことができる。すなわち、一般に反応収率を効果
的に増加させるためには、完全混合型の反応操作
を用いるよりも栓流型の反応操作を用いる方が有
利であることが知られているが、プソイドクメン
の酸化反応は、反応熱が大きいため、反応初期か
ら栓流型の反応操作を用いると反応速度すなわち
発熱量が異常に大きくなつてプロセス制御が困難
となり、望ましくない副反応が増加し、また危険
である。本発明方法においては、反応初期におい
てプロセス制御が容易な完全混合反応器を用いて
反応率が例えば70〜90%程度になるまで反応を進
行させ、反応熱量が少なくなつた時点で反応を完
結させるのに有利な栓流型反応器を用いて目的と
する酸化反応を実質的に完結させる方式を採用し
ているので、トリメリツト酸を収率よく、効果的
に、安定にかつ安全に製造することができるので
ある。 前記酸化反応を行うにあたつて、反応原料の供
給方法としては、通常、プロセス制御の簡易さの
点などから使用する溶媒酢酸および触媒のすべて
を最初の完全混合型反応器に供給することが望ま
しいが、使用する前記溶媒酢酸および/または前
記酸化触媒もしくは前記触媒成分のうちの任意の
成分(例えばマンガン化合物)の1部を、2段目
以降の任意の反応器に添加して、各反応器におけ
る酸化反応の活性、選択性などを調整して行うこ
ともできる。 また、前記分子状酸素含有ガスは、通常、各反
応器に連続的供給して酸化反応に供し、未反応ガ
ス(オフガス)は、通常各反応器の上部に付属し
たガス排気口から連続的に抜きだい。 前記酸化反応を行う際の反応温度は通常110〜
250℃好ましくは130〜230℃の範囲とし、この反
応温度の範囲を各反応器ごとにもしくは反応の進
行度にしたがつてさらに狭い範囲に設定して行う
ことが望ましく、通常は反応の進行度の増加につ
れて反応温度を段階的にあるいは連続的に増加す
る温度調節方式、例えば、最初の完全混合型反応
器における反応温度を通常110〜180℃、好ましく
は130〜170℃の範囲として酸化反応を開始せし
め、プソイドクメンの転化率が70〜90%程度に達
するまでの反応域においては、その反応温度を反
応の進行度の増加につれて110〜180℃の範囲内で
次第に増加せしめ、転化率が70〜90%程度以上と
なつたならば、後続の反応器もしくは反応域にお
ける反応温度を180〜250℃、好ましくは180〜230
℃の範囲に調整する方式が好適に用いることがで
きる。ここで反応温度が、110℃未満であると反
応速度が極端に低くなり実用的でなく、一方、
250℃を超えると望ましくない完全酸化反応およ
び熱分解反応が増加するとともに着色性不純物の
副生も増加し、不都合である。また、プソイドク
メンの転化率が70〜90%程度に達する前に反応温
度を180℃よりも高くした場合には、触媒が失活
しやすく、また炭酸ガスの発生量が増加して不利
であり、一方、転化率が70〜90%以上になつた後
に反応温度を180℃以下の範囲で、酸化反応を完
結しようとすると、反応時間が著しく長くなり、
酸化反応を実質的に完結させることが困難とな
る。 反応圧力は反応温度において溶媒酢酸を液相に
保ち得るように設定することが必要であり、通常
4〜50Kg/cm2G、好ましくは10〜400Kg/cm2Gの
範囲が適当である。また反応系の酸素分圧につい
ては、各反応器からの排ガス中の酸素濃度が1〜
8溶量%の範囲になるように各反応器への分子状
酸素含有ガスの導入量を制御することが、プロセ
ス効率面および安全対策面との兼ね合いから好ま
しい。 本発明方法においては、前記した反応条件のも
とで、前記完全混合型反応器からなる前段反応域
において、その反応生成液中のプソイドクメンの
残存濃度が後続の栓流型反応器よりなる後段反応
域における酸化反応操作に支障がない程度、例え
ばプソイドクメンの転化率が70〜90%程度の範囲
になるようにプソイドクメンの大部分を酸化し、
かつ後段反応域で酸化反応を実質的に完結させる
ように、それぞれの反応域に対応させて反応器も
しくは反応室の個数とそれらにおける反応物の平
均滞留時間を設定する。 この平均滞留時間は、他の反応条件によつて異
なるので一様に規定できないが、各反応器での平
均滞留時間が、通常0.3〜3時間、好ましくは0.5
〜1.5時間の範囲になるようにするのがよい。そ
して、前段反応域および後段反応域に用いるそれ
ぞれの反応器の数を1基または2基以上の範囲で
選定すればよい。使用する反応器の数としては、
上記の条件を満たす限りにおいては特に制限はな
いが、反応工程の必要以上の複雑さを避けるため
に例えば2基または3基の完全混合反応器を直列
に連結して、これらのうちの最後段の反応器にさ
らに1基の栓流型反応器を直列に連結して行う直
列3段式または4段式反応方式が好適に用いるこ
とができる。ただし、各反応器をさらに2個以上
の反応室に分割して行うことも、あるいは2基以
上の反応器を2個以上の反応室を持つ1基の反応
器として用いることも可能である。 これらの反応方式のうち、2基の完全混合型反
応器と1基の栓流型反応器からなる直列3段式反
応方式のプロセスフローの概念図を第1図に示
す。図中の番号1,2および3はそれぞれ第1段
目の完全混合型反応器、第2段目の完全混合型反
応器および第3段目の栓流型反応器を示す。 反応原料のプソイドクメンおよび大部分の溶媒
酢酸は、4より、触媒と残りの溶媒酢酸は、5よ
り、それぞれ第1段目の反応器に連続的に供給さ
れ、6より連続的に供給される酸化剤ガス(空気
等の分子状酸素含有ガス)によつて酸化されて、
その反応生成液は、流路12を通つて第2の反応
器に供給され、次いで第2段目の反応器で、7か
ら連続的に供給される酸化剤ガス(前記同様)に
よつて、プソイドクメンの転化率が70〜90%程度
になるまで酸化され、第2の反応器より流出する
反応生成液は、流路13を通つて第3段目の栓流
型反応器に連続的に供給され、8から連続的に供
給される酸化剤ガス(前記同様)により酸化さ
れ、ここで実質的に酸化反応を完結して、得られ
た、反応混合物は、流出口14から連続的に抜き
出される。なお、9,10および11は、未反応
ガス(オフガス)の排気口を示す。 この発明において使用する前記完全混合型反応
器としては、反応器の内部で反応物流体が実質的
に十分に混合し得るものすなわち反応物流体と本
来の自然な流れ方向に対してもいわゆる逆混合が
十分に行い得るものであり、かつ反応条件等を前
記の範囲内に制御して前記の反応操作を円滑に行
い得るものであれば特に制限はなく、例えば反応
温度の制御のための加熱部や冷却部を有し、適当
な撹拌器や供給するガスや液状流体の運動エネル
ギーをもつて内部の反応物流体を十分に混合する
ことができる機構を有する通常の流通式完全混合
型槽状気液接触装置、流通式完全混合型管状気液
接触装置などのいずれの形式のものも用いること
ができる。これらのうち好ましい形式の完全混合
型反応器の1例として例えば第2図に示すような
構造の反応器を挙げることができる。 第2図は、この発明の方法において好適に用い
ることができる完全混合型反応器の1例である並
流式完全混合型管状反応器の構造の概略図(側面
図)を示す。図中の15および16はそれぞれ原
料または中間反応物および酸化剤ガスの連続供給
口を示し、また、18は未反応ガス(オフガス)
排気口を示す。反応器内の反応物流体は、供給さ
れる塩化剤ガスの気泡によつて厳しく撹拌を受
け、完全混合に近いほぼ均一の状態に保たれ、反
応生成液は、19より連続的に抜き出される。な
お、未反応ガス(オフガス)は、排気口18より
連続的に排気される。20は熱電対保護管であ
る。 なお、上記の如き完全混合型反応器は、反応器
内部の温度および反応活性が比較的均一に保持で
きるため、プソイドクメンの酸化反応のように反
応熱の大きい場合でも、冷却用ジヤケツトを用い
ることにより容易に除熱を行つて反応温度を制限
することが可能であり、したがつて反応初期等の
プソイドクメン濃度が高い反応域において好適に
用いることがきるのである。 一方、使用する前記栓流型反応器としては、反
応器の内部で反応物流体がその供給口から流出口
へと反応器の軸方向に沿つて実質的に栓流(ピス
トン流)状態すなわち強制的な撹拌なしに反応器
の軸方向に沿つて実質的な逆混合を起こすことな
く自然に流通するよう構造を有するか、もしくは
実質的に逆混合を十分に制御することができる内
部構造を有するもので、かつ反応条件等を前記の
範囲内に制御して前記の反応操作を円滑に行い得
るものであれば特に制限はなく、例えば反応温度
の制御のための適切な加熱機構や冷却機構を有す
る通常の流通式栓流型単管式反応器、流通式栓流
型多管式反応器を用いることができ、とくに反応
器の内部が1個または2個以上のバツフル等によ
つて直列型の複数個の反応室に区切られており、
反応流体がバツフルの穴を通つて各反応室を流通
する際に逆混合が効果的に抑制されているような
構造を有する複数反応室形式の流通式栓流管状反
応器等を好適に用いることができる。これらのう
ち、バツフル付複数反応室形式の流通式栓流管状
反応器の1例の構造の概略図を第3図に、また、
そのバツフルの1例の構造の概略図を第4図に示
す。 第3図は、この発明の方法において好適に用い
ることができる栓流型反応器の1例であるバツフ
ル付複数反応室形式の並流式栓流型管状反応器の
構造の概略図(側面図)を示す。反応原料液(完
全混合型反応器の反応生成液)は、21から、ま
た酸化剤ガス(前記同様)は22からそれぞれ連
続的に供給され、反応器内部の空間を複数の反応
室に区切つている複数のバツフル(図中26はそ
の1つを示す)の穴を通して、実質的に栓流状態
で上昇し、それにつれて反応率が増加する。反応
生成液は事実上酸化反応を完結した状態で、流出
口25から連続的に抜き出される。 また、未反応ガス(オフガス)は24から連続
的に排気される。なお、23は冷却器、27は熱
電対保護管を示す。 一方、第4図は、第3図の反応器内部の間じき
りに用いられるバツフル(第3図26)の1例の
概略図(平面図)を示す。28がしきりとなる円
板部で、29は反応流体が通過する穴の1つを、
30は熱電対保護管用の穴を示す。 なお、前記栓流型反応器を使用するにあたつて
本発明の方法においては、供給液状流体すなわち
前段の反応器から流出した反応生成液および酸化
剤の前記分子状酸素含有ガスは、通常反応器の低
部もしくは低部に近い部分から反応器の軸方向に
沿うようにして供給する。この際、下部の反応域
から上部の反応域に進むにつれて反応率が高くな
り、これにつれて例えばそれぞれの反応域(バツ
フルを用いる場合には反応室)に冷却用ジヤケツ
トを設置して温度制御をすると制御系が著しく複
雑になる。本発明方法においては、栓流型反応器
に供給する反応生成液中の未酸化率は10〜30%程
度と低く、発生する反応熱量が少ないので反応温
度が上昇したとしても、必ずしも上記のような複
雑な温度制御を行うことなしに問題なく酸化反応
を効果的に完結させることができるのである。 なお、前記完全混合型反応器および前記栓流型
反応器により酸化反応を行うにあたつて、各反応
器に供給する液体原料および酸化剤の前記分子状
酸素含有ガスは、通常は並流式で接触させて行う
が、向流式で接触させて行うことも可能である。 本発明方法において生成したトリメリツト酸は
冷酢酸には溶解しにくいので、得られた反応混合
物を冷却することにより、さらには溶媒酢酸の一
部と留去することにより、トリメリツト酸の大部
分を析出せしめて、次いで固液分離することによ
つて、溶媒、触媒、副生物などから目的生成物で
あるトリメリツト酸を固体として単離することが
できる。 トリメリツト酸を分離した反応母液は副生水を
除去し、必要に応じてさらに精製処理を加えて、
反応器に循環することができる。 一方単離したトリメリツト酸は、必要に応じて
溶媒による洗浄などを行つて精製し、通常は加熱
による分子内脱水は行つて無水トリメリツト酸に
変換して出荷する。 また別法として、得られた反応混合物から、溶
媒の酢酸、酸化反応により副生する水などの低沸
点物質を蒸留によつて除去し、残留物中のトリメ
リツト酸を加熱して、好ましくは減圧下で加熱処
理して無水トリメリツト酸に脱水後、減圧蒸留あ
るいは芳香炭化水素や脂肪族ケトンなどの溶媒を
用いる抽出もしくは再結晶などの分離操作によつ
て無水トリメリツト酸を触媒や副生物から分離
し、必要ならばさらに蒸留操作などを加えて精製
した無水トリメリツト酸を取得する。一方、触媒
は、副生物から分離回収して、そのまま、好まし
くは適当な再生処理を施して精製して繰り返し酸
化触媒として反応に使用することができる。 〔実施例〕 実施例 1 還流冷却器を備えたチタン製の完全混合気泡塔
型反応器3基と栓流気泡塔型反応器1基を直列に
連結した装置を用い、第1表に示した組成の供給
原料および反応条件を用いてプサイドクメンの酸
化反応を行つた。第1〜3槽として第2図に示す
ような完全混合型反応器(内径43mm、液高500mm)
を用い、第4槽として第3図に示すような栓流型
反応器を用いた。結果は第1表に示す。 比較例 1 反応器として4基とも完全混合気泡塔型反応器
を使用したほかは実施例1と同様の方法で反応を
実施した。結果を第1表に示す。
【表】
〔発明の効果〕
この発明によると、プソイドクメンからトリメ
リツト酸への酸化反応を高収率で、短時間に完結
させることができるプロセス効率上、生産性上ま
た安全性の点で著しく有利なトリメリツト酸の連
続的製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、直列3段式反応方式のプロセスフロ
ーの概念図である、図中の番号1,2および3は
それぞれ第1段目の完全混合型反応器、第2段目
の完全混合型反応器および第3段目の栓流型反応
器を示す。第2図は、この発明の方法において好
適に用いることができる完全混合反応器の1例で
ある並流式完全混合型管状反応器の構造の概略図
(側面図)を示す。第3図は、この発明の方法に
おいて好適に用いることができる栓流型反応器の
1例であるバツフル付複数反応室形式の並流式栓
流型管状反応器の構造の概略図(側面図)を示
す。一方、第4図は第3図の反応器内部の間じき
りに用いられるバツフル(第3図25)の1例の
概略図(平面図)を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 プソイドクメンを、酢酸中でコバルト化合
    物、マンガン化合物および臭素化合物を主成分と
    する触媒の存在下に、分子状酸素含有ガスで酸化
    してトリメリツト酸を製造する際に、前記プソイ
    ドクメン、前記酢酸および前記触媒を含む反応混
    合物を完全混合型反応器に供給して酸化反応を行
    つたのち、反応生成液を栓流型反応器に供給して
    酸化反応を行うことを特徴とするトリメツト酸の
    製造方法。 2 プソイドクメンを完全混合型反応器を用いて
    70%以上酸化したのち、栓流型反応器により酸化
    反応を完結させる特許請求の範囲第1項記載のト
    リメリツト酸の製造方法。
JP61223813A 1986-09-24 1986-09-24 トリメリツト酸の製造方法 Granted JPS6379852A (ja)

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