JPH0558583U - 無限軌道帯車輛における舗装路面損傷防止器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無限軌道帯履板に舗装路面損傷防止のために
取付けられるゴム製ブロックの取付ボルトが、走行時に
緩むのを防ぐ。 【構成】 棒状のゴム製ブロック１１内に互いに平行す
る２本の鋼芯１３、１４を設け、上記ブロック１１の一
端に位置する第１の取付金具１５に設けた円孔に上記鋼
芯端をそれぞれ挿通して溶接し、上記ブロック１１の他
端に位置する第２の取付金具２１に設けた円孔に上記鋼
芯端をそれぞれ挿入してこれら鋼芯に螺合するボルト２
５、２６により固定し、第１及び第２の取付金具１５及
び２１間に履板１を抱持させた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、無限軌道帯車輌が舗装道路を自走する際に、路面を損傷しないよ うに無限軌道帯に取付ける器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

本考案者は、無限軌道帯車輌が舗装路面を自走する際に、無限軌道体に取付け る器具として、実公昭６１−３０９４７号公報に示されている考案を行った。 その考案は、鋼芯を有するゴム製筒体の両端にＬ字形の無限軌道帯履板に対す る取付金具をボルトによって固定したものであり、無限軌道帯への着脱が容易で 、車輌の方向転換に支障を来さず、ゴム製筒体の一部が損耗したときはその取付 角度を変更することによって長期間の使用に耐えるなどの長所を有するものであ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、その後の実用過程で、このゴム製筒体の装着により不整地でのスリッ プが減少して走行性能が高まること、及び材質の改良により常時これを装着した まま車輌を運転しても長期間の使用に耐えることが判明した。

【０００４】 このように、ゴム製筒体を常時装着して使用すると、両端の取付ボルトが往々 にして緩むことが発見された。すなわち、走行中にはゴム製筒体に強大なトルク が加わるためである。 従って、この考案は、ゴム製筒体を常時装着した状態で使用しても、取付ボル トが緩まない取付構造を実現しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案による舗装路面損傷防止器は、従来のものと同様に、内部に鋼芯を有 する棒状のゴム製ブロックと、その両端に設けられた１対のＬ字形に折曲した取 付金具とを有する。 この考案の場合は、ブロック内には２本以上の鋼芯が互いに平行に設けられて いる。 第１の取付金具は、上記鋼芯に対応する数の円孔を有していて、円形断面を有 する上記鋼芯の一端がこの円孔に嵌合されかつ溶接されている。 第２の取付金具は、上記各鋼芯が嵌合する孔を有し、上記各鋼芯の他端がこの 孔に嵌合され、この鋼芯に螺合されるボルトまたはナットにより上記ゴム製ブロ ックに固定される。

【０００６】

【作用】

上述の舗装路面損傷防止器は、これを無限軌道帯に取付けた車輌が走行する際 に、取付金具と各鋼芯との間にはトルクが殆ど発生しない。そのために第１の取 付金具と鋼芯との溶接部が外れたり、第２の取付金具を鋼芯に固定しているボル トまたはナットが緩んだりする事態を効果的に防ぐことができる。

【０００７】 そして、これを無限軌道帯に装着することにより、舗装路面の損傷が無くなる ばかりでなく、路面とのスリップが減少するために、車輌の走行性能が向上する 。 更に、筒体材料として耐摩耗性が高い配合のゴムを用いることにより、取付角 度を途中で変更しなくても、無限軌道帯の命数に近い１０００時間の使用に耐え ることがわかった。

【０００８】

【実施例】

図において、１、１・・・は無限軌道帯の履板であり、表面に隆条２、３及び ４を有し、２本の隆条２、３間に凹溝５が、隆条３、４間に凹溝６がそれぞれ形 成されており、裏面にリンク７を有する。各履板１のリンク７同志をピン８で結 合することによって、一連の無限軌道帯が構成される。

【０００９】 １１はゴム製の棒状ブロックで、上面は蒲鉾状をなし、底面の中央には長手方 向の溝１２が形成されている。ブロック１１の内部には溝１２の両側において鋼 管製の芯体１３、１４が互いに平行に長手方向に埋込まれており、これら芯体の 端部はいずれもブロック１１の端面から突出している。芯体１３、１４の一方の 端部の内面には、雌螺条が刻設されている。

【００１０】 １５は取付金具で、芯体１３、１４に対応する円孔１６、１７（１７は図示省 略）を有し、芯体１３、１４はこれら円孔にそれぞれ嵌合され、かつ溶接１８、 １９されている。取付金具１５の先端はＬ字形に折曲げられて抱持部２０を形成 している。

【００１１】 ２１も取付金具で、同様に芯体１３、１４に対する円孔２２、２３（２３は図 示省略）を有し、先端はＬ字形に折曲げられて抱持部２４を形成する。円孔２２ 、２３にはそれぞれ芯体１３、１４が嵌合され、芯体端部に螺入するボルト２５ 、２６によってブロック１１に固定される。

【００１２】 上述の器具を履板１に取付けるには、先ず取付金具２１を外した状態で隆状３ が凹溝１２内に位置するように置き、取付金具１５の抱持部２０を履板１の側縁 に引掛け、次に取付金具２１の抱持部２４を履板１の他側縁に引掛けながら孔２ ２、２３を芯体１３、１４に嵌めてボルト２５、２６によって固定する。

【００１３】 従って、ブロック１１は２本の芯体１３、１４によって履板１に固定されるた めに、各芯体１３、１４と取付金具１５、２１の間にトルクが発生することがな く、そのために溶接部１８、１９が剥離したりボルト２５、２６が緩んだりする 惧れを防ぐことができる。 なお、実用試験の結果から、ブロック１１は寿命が１０００時間を越えること が判明した。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明によって明らかなように、この考案によるときは走行中の取付ボル ト等の緩みが全くなく、これを装着した状態で安全に長期間の走行が可能であり 、その間舗装路面の損傷防止ばかりでなく、車輌の走行性能の向上に寄与するこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の使用状態を示す側面図であ
る。

【図２】同実施例の正面図である。

【図３】同実施例の中央部の縦断面図である。

【図４】図３におけるＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図５】図３におけるＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ 履板 １１ ゴム製ブロック １３ 鋼芯 １４ 鋼芯 １５ 取付金具 １６ 円孔 １８ 溶接部 １９ 溶接部 ２０ 抱持部 ２１ 取付金具 ２２ 円孔 ２４ 抱持部 ２５ ボルト ２６ ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無限軌道帯の幅にほぼ等しい長さを有し
   内部に互いに平行な複数本の鋼芯が設けられている棒状
   のゴム製ブロックと、このブロックの両端においてそれ
   ぞれ上記鋼芯に取付けられ上記無限軌道帯の側面を越え
   て伸延し上記ブロックとの間に上記無限軌道帯の履板を
   挟持するようにその先端が上記履板の背面へ向かってＬ
   字形に折曲された抱持部を形成している第１及び第２の
   取付金具とよりなり、第１の取付金具は複数の円孔を有
   しこの円孔に円形断面の上記各鋼芯の一端が嵌合されか
   つ溶接されており、第２の取付金具は上記鋼芯の他端が
   嵌合する孔を有し上記各鋼芯に螺合するボルトまたはナ
   ットにより上記ブロックに固定されることを特徴とする
   無限軌道帯車輌における舗装路面損傷防止器。