JPH0557900U - 電子部品供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電気による電子部品の取出不良を防止でき
る電子部品供給装置を提供すること。 【構成】 所定間隔をおいて形成された収納穴Ｔａに電
子部品Ｅを収納されたエンボステ−プＴｃ及び該エンボ
ステ−プＴｃの収納穴を覆うカバ−テ−プＴｄとから成
るキャリアテ−プＴと、キャリアテ−プＴを所定方向に
移動させる送り手段２，３と、移動するキャリアテ−プ
Ｔからカバ−テ−プＴｄを剥ぎ取る剥ぎ取り手段１ｅ，
４とを具備した電子部品供給装置において、一端をア−
スされた導電具６の他端をキャリアテ−プＴに接触させ
ているので、キャリアテ−プに帯電した静電気を導電具
６を介してア−ス側に逃がして該テ−プＴから除去する
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、テ−ピングされた電子部品を順次取り出せるようにした電子部品供 給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

コンデンサや抵抗器等の電子部品、特にリ−ド線を有しない電子部品は、製造 後の個数管理や配送が有利に行なえるように通常細長い樹脂テ−プ（キャリアテ −プ）に収納される。

【０００３】 図３には上記キャリアテ−プの一例を示してある。このキャリアテ−プＴは、 長手方向に等間隔で形成された収納穴Ｔａ及び一側縁に沿って収納穴Ｔａと同一 間隔で形成された送り孔Ｔｂを有するエンボステ−プＴｃと、エンボステ−プＴ ｃの収納穴Ｔａを連続して覆うカバ−テ−プＴｄとから構成されており、電子部 品Ｅはエンボステ−プＴｃの各収納穴Ｔａに収納されている。カバ−テ−プＴｄ はエンボステ−プＴｃの上面、詳しくは収納穴Ｔａの周面に圧着または溶着等で 止着されており、部品取り出し時にエンボステ−プＴｃから剥ぎ取られる。

【０００４】 カバ−テ−プＴｄの剥ぎ取りには図４に示すような供給装置（特公昭６３−１ ４５１８号公報参照）が従来使用されており、テ−ピングされた電子部品Ｅはキ ャリアテ−プＴの送りに従って順次露出される。この供給装置は、キャリアテ− プＴを間欠的に送る間欠送り手段１１と、間欠送りされるキャリアテ−プＴから カバ−テ−プＴｄを剥ぎ取る剥ぎ取り手段１２とから構成されている。間欠送り 手段１１は、取付台１３に固定配置されたボディ１１ａと、該ボディ１１ａに回 転自在に軸支された爪車１１ｂと、該爪車１１ａを間欠回転させる図示省略の駆 動源とから成り、爪車１１ｂの周面にはエンボステ−プＴｃの送り孔Ｔｂと一致 したピッチで多数の爪が設けられている。一方、剥ぎ取り手段１２は、取付台１ ３に固定配置されたガイド１２ａと、該ガイド１２ａに回転自在に軸支されたリ −ル１２ｂと、該リ−ル１２ｂを間欠回転させる図示省略の駆動源と、ボディ１ １ａ上に設けられた剥ぎ取りピン１２ｃとから成る。

【０００５】 この供給装置では、爪車１１ｂの間欠回転でキャリアテ−プＴを間欠送りする と共に、間欠送りされた長さ分のカバ−テ−プＴｄをリ−ル１２ｂで巻き取って キャリアテ−プＴから剥ぎ取れるようになっている。カバ−テ−プＴｄの剥ぎ取 りで露出した電子部品は、図示省略のエアチャック等によってエンボステ−プＴ ｃから取り出される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述のキャリアテ−プＴはテ−プ自体が樹脂で形成されていること から、輸送時における電子部品Ｅの振動やカバ−テ−プＴｄを剥がす際の摩擦等 を原因として静電気を帯び易く、該静電気によって電子部品Ｅがエンボステ−プ Ｔｃにくっついて取出不良を生じる欠点がある。

【０００７】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、静電 気による電子部品の取出不良を防止できる電子部品供給装置を提供することにあ る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、請求項１では、所定間隔をおいて形成された収納穴 に電子部品を収納されたエンボステ−プ及び該エンボステ−プの収納穴を覆うカ バ−テ−プとから成るキャリアテ−プと、キャリアテ−プを所定方向に移動させ る送り手段と、移動するキャリアテ−プからカバ−テ−プを剥ぎ取る剥ぎ取り手 段とを具備した電子部品供給装置において、一端をア−スされた導電具の他端を 、キャリアテ−プに接触させている。

【０００９】 また、請求項２では、所定間隔をおいて形成された収納穴に電子部品を収納さ れたエンボステ−プ及び該エンボステ−プの収納穴を覆うカバ−テ−プとから成 るキャリアテ−プと、キャリアテ−プを所定方向に移動させる送り手段と、移動 するキャリアテ−プからカバ−テ−プを剥ぎ取る剥ぎ取り手段とを具備した電子 部品供給装置において、正・負の電荷に帯電された空気を生成する帯電空気生成 機と、帯電空気をキャリアテ−プに吹き付ける吹出ノズルとを設けている。

【００１０】

【作用】

請求項１に係る電子部品供給装置では、キャリアテ−プに帯電した静電気を該 テ−プに接触する導電具を介してア−ス側に逃がすことができる。

【００１１】 また、請求項２に係る電子部品供給装置では、帯電空気生成機で生成された帯 電空気を吹出ノズルからキャリアテ−プに吹き付けることで、キャリアテ−プに 帯電した静電気を電気的に中和することができる。

【００１２】

【実施例】

図１及び図２は本考案の第１実施例を示すもので、図１は電子部品供給装置の 側面図、図２は図１の要部上面図である。同図において１はボディ、２は爪車、 ３は送り機構、４はリ−ル、５は取付台、６は静電気除去用の導電具であり、ま たＴとＥは図３に示したものと同じキャリアテ−プと電子部品である。

【００１３】 ボディ１の下面には、取付台用の差込みピン１ａを有する凹部１ｂがその中央 部分から後端にかけて形成され、また上面には、キャリアテ−プ用の案内溝１ｃ がその後端から中央部分にかけて形成されている。また、ボディ１の前部には、 エンボステ−プ用の円弧状ガイド１ｄが爪車２を囲むようにして設けられ、凹部 １ａの前端位置まで延設されている。更に、ボディ１の案内溝１ｃの前端上側に は、カバ−テ−プ用の剥ぎ取り片１ｅがキャリアテ−プＴを僅かな隙間をおいて 覆うように配置されている。この剥ぎ取り片１ｅはキャリアテ−プＴに沿って所 定の長さを有しており、剥ぎ取られたカバ−テ−プＴｄを傷付けないようにその 前端に曲面を有している。

【００１４】 爪車２はキャリアテ−プＴを間欠送りするためのもので、円板状を成し、その 周面にエンボステ−プＴｃの送り孔Ｔｂと一致したピッチで多数の爪２ａを有し ている。この爪車２はボディ１の前部に回転自在に軸支されており、ガイド１ｄ によって周囲一部を覆われている。

【００１５】 送り機構３は爪車２を間欠回転させるためのもので、爪２ａと同一数の溝３ａ 1 を等ピッチで有し爪車２に同心状に固定された溝車３ａと、溝車３ａに固定さ れた駆動板３ｂと、駆動板３ｂに一端を回転連結されたラチェット片３ｃと、ボ ディ１に回転自在に軸支された回止め片３ｄと、駆動板３ｂに一端を回転連結さ れたリンク３ｅと、ボディ１に回転自在に軸支されリンク３ｅの他端を回転連結 された操作レバ−３ｆとから構成されている。ラチェット片３ｃは図示省略のば ねによって溝方向に付勢され、また回止め片３ｄも同様にばね３ｄ1 によって溝 方向に付勢されている。また、操作レバ−３ｆはばね３ｆ1 によって上方向に付 勢されている。

【００１６】 この送り機構３は、図示省略の駆動源により操作レバ−３ｆを押し下げまたそ の押下げを解除することで、ラチェット片３ｃによって溝車３ａ、つまり爪車２ を一爪分だけ左回転させることができ、これを繰り返すことで爪車２を間欠回転 させてキャリアテ−プＴを収納穴Ｔａの形成ピッチ単位で間欠送りすることがで きる。本第１実施例では上記の爪車２と送り機構３によって、キャリアテ−プＴ を所定方向に間欠送りする送り手段が構成されている。

【００１７】 リ−ル４は剥ぎ取られたカバ−テ−プＴｄを巻き取るためのもので、ボディ１ に立設された支柱４ａに回転自在に軸支されている。図示を省略したが、ボディ １及び支柱４ａの内部には操作レバ−を上記送り機構３と共通する同様のラチェ ット式の送り機構が内蔵されており、操作レバ−３ｆの操作で間欠的に右回転し て間欠送りされた長さ分のカバ−テ−プＴｄを巻き取ることができる。本第１実 施例では上記の剥ぎ取り片１ｅとリ−ル４と送り機構によって、カバ−テ−プＴ ｄを剥ぎ取る剥ぎ取り手段が構成されている。

【００１８】 導電具６は導電線等から成り、ボディ１に立設された支柱６ａに支持され、下 端に設けられたブラシ部６ｂをエンボステ−プＴｃの上面一側に接触している。 この導電具６の延長端は地面等の適宜箇所にア−スされている。

【００１９】 ここで、第１実施例に示した供給装置の使用方法及び動作について説明する。 まず、予め所定長さのカバ−テ−プＴｄが剥ぎ取られたキャリアテ−プＴを案内 溝１ｃの後端から挿入し、エンボステ−プＴｃの送り孔Ｔｂを爪車２の爪２ａに 係合させると共に、カバ−テ−プＴｄの端部をリ−ル４に止め付ける。

【００２０】 そして、図示省略の駆動源により操作レバ−３ｆの押し下げ及びその解除を行 なう。これにより、爪車２とリ−ル４が夫々逆方向に同期して所定角度回転し、 キャリアテ−プＴが収納穴１つ分だけ送られる共に、同長さ分のカバ−テ−プＴ ｄがキャリアテ−プＴから剥がされてリ−ル４に巻き取られる。

【００２１】 上記のテ−プ送り時には常に導電具６のブラシ部６ｂがエンボステ−プＴｃの 上面一側に接触しているので、キャリアテ−プＴに帯電した静電気は導電具６を 介してア−ス側に逃がされ該テ−プＴから除去されることになる。

【００２２】 カバ−テ−プＴｄの剥ぎ取りで露出した電子部品Ｅは、図示省略のエアチャッ ク等によってエンボステ−プＴｃから取り出される。この部品の取出しと操作レ バ−３ｆの操作を順次行なうことで、キャリアテ−プＴ内に収納された電子部品 Ｅが連続的に供給される。

【００２３】 このように本第１実施例では、キャリアテ−プＴに帯電した静電気を導電具６ を介してア−ス側に逃がすことができるので、輸送時における電子部品Ｅの振動 やカバ−テ−プＴｄを剥がす際の摩擦等を原因としてキャリアテ−プＴに静電気 を生じた場合でも、該静電気を除去して電子部品Ｅの取出不良を確実に防止する ことができる。

【００２４】 尚、本第１実施例では導電具のブラシ部をカバ−テ−プ剥ぎ取り後のエンボス テ−プ上面に接触させるようにしたが、該ブラシ部の接触位置はキャリアテ−プ の他の位置であってもよい。また、接触部位たるブラシ部は必ずしもブラシ状で なくてもよい。

【００２５】 図５乃至図７は本考案の第２実施例を示すもので、図５は電子部品供給装置の 側面図、図６は図５の要部上面図、図７は帯電空気生成機の概略断面図である。 本第２実施例は帯電空気生成機７及び吹出ノズル８で構成される静電気除去手段 を第１実施例と異にしている。他の構成は第１実施例と同じであるので、同一符 号を用いその説明を省略する。

【００２６】 帯電空気生成機７は静電気を電気的に中和可能な帯電空気を生成するためのも ので、図７に示すように入口７ａ及び出口７ｂを有する本体ケ−ス７ｃと、本体 ケ−ス７ｃ内に配置された送風ファン７ｄと、送風ファン７ｄの下流側に対向配 置された一対の電極７ｅとから構成されており、出口７ｂは中継チュ−ブ７ｆを 介して供給装置側の吹出ノズル８に接続されている。

【００２７】 吹出ノズル８はボディ１から立設された支柱８ａに斜め下向きに支持され、吹 出口をエンボステ−プＴｃの上面中央に対向している。

【００２８】 上記の帯電空気生成機７では、送風ファン７ｄの作動で本体ケ−ス７ｃ内に取 り入れた空気を所定の電圧が印加された電極７ｅ間に通すことで、該空気を正・ 負の電荷に帯電させることができ、該帯電空気は中継チュ−ブ７ｆを介して吹出 ノズル８からエンボステ−プＴｃの上面中央に吹付けられる。

【００２９】 樹脂製のキャリアテ−プＴは静電気によって負の電荷に帯電しているので、吹 出ノズル８から吹出される空気のうち正の電荷に帯電された空気がこれを電気的 に中和するように作用し、これによりキャリアテ−プＴに帯電した静電気が該テ −プＴから除去されることになる。

【００３０】 このように本第２実施例では、エンボステ−プＴｃの上面に帯電空気を吹き付 けることで、キャリアテ−プＴに帯電した静電気を電気的に中和することができ るので、輸送時における電子部品Ｅの振動やカバ−テ−プＴｄを剥がす際の摩擦 等を原因としてキャリアテ−プＴに静電気が生じた場合でも、該静電気を除去し て電子部品Ｅの取出不良を確実に防止することができる。

【００３１】 尚、本第２実施例では帯電空気をカバ−テ−プ剥ぎ取り後のエンボステ−プ上 面に吹出すようにしたが、帯電空気の吹出し位置はキャリアテ−プの他の位置で あってもよい。

【００３２】

【考案の効果】

以上詳述したように、請求項１記載の電子部品供給装置によれば、キャリアテ −プに帯電した静電気を導電具を介してア−ス側に逃がすことができるので、輸 送時における電子部品の振動やカバ−テ−プを剥がす際の摩擦等を原因としてキ ャリアテ−プに静電気を生じた場合でも、該静電気を除去して電子部品の取出不 良を確実に防止することができる。

【００３３】 また、請求項２記載の電子部品供給装置によれば、キャリアテ−プに帯電空気 を吹き付けることで、該テ−プに帯電した静電気を電気的に中和することができ るので、輸送時における電子部品の振動やカバ−テ−プを剥がす際の摩擦等を原 因としてキャリアテ−プに静電気が生じた場合でも、該静電気を除去して電子部 品の取出不良を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す電子部品供給装置の
側面図

【図２】図１の要部上面図

【図３】キャリアテ−プの一例を示す斜視図

【図４】従来例を示す電子部品供給装置の側面図

【図５】本考案の第２実施例を示す電子部品供給装置の
側面図

【図６】図５の要部上面図

【図７】帯電空気生成機の概略断面図

【符号の説明】

Ｔ…キャリアテ−プ、Ｔａ…収納穴、Ｔｃ…エンボステ
−プ、Ｔｄ…カバ−テ−プ、Ｅ…電子部品、１ｅ…剥ぎ
取り片、２…爪車、３…送り機構、４…リ−ル、６…導
電具、７…帯電空気生成機、８…吹出ノズル。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定間隔をおいて形成された収納穴に電
   子部品を収納されたエンボステ−プ及び該エンボステ−
   プの収納穴を覆うカバ−テ−プとから成るキャリアテ−
   プと、キャリアテ−プを所定方向に移動させる送り手段
   と、移動するキャリアテ−プからカバ−テ−プを剥ぎ取
   る剥ぎ取り手段とを具備した電子部品供給装置におい
   て、 一端をア−スされた導電具の他端を、キャリアテ−プに
   接触させた、 ことを特徴とする電子部品供給装置。
2. 【請求項２】 所定間隔をおいて形成された収納穴に電
   子部品を収納されたエンボステ−プ及び該エンボステ−
   プの収納穴を覆うカバ−テ−プとから成るキャリアテ−
   プと、キャリアテ−プを所定方向に移動させる送り手段
   と、移動するキャリアテ−プからカバ−テ−プを剥ぎ取
   る剥ぎ取り手段とを具備した電子部品供給装置におい
   て、 正・負の電荷に帯電された空気を生成する帯電空気生成
   機と、 帯電空気をキャリアテ−プに吹き付ける吹出ノズルとを
   設けた、 ことを特徴とする電子部品供給装置。