JPH0557224A - 鋼管の内面塗油方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼管内面に塗油するに際し、設備構成を簡素
とし、設備スペースを小とし、管内面への均一塗油を容
易に行ない、油原単位を向上すること。 【構成】 鋼管１の内面塗油装置１０において、管１の
一端部に接続され、管１内に一方向の気流を形成する吸
引ブロア１１と、上記気流の上流側となる管１の他端部
に配設され、塗油を霧化して該管端部に供給する塗油霧
化装置１２とを有するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は鋼管の内面塗油方法及び
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】鋼管の内面防錆処理方法として、図４に
示す如く、鋼管１をターニングローラ２で回転し、ポン
プ３にて圧送される塗油を噴出する長尺ノズル４を、上
記鋼管１内に挿入し、該ノズル４の移動により鋼管１の
全長内面に塗油を施すものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には、下記〜の問題点がある。 鋼管を回転するターニングローラや、長尺ノズルを移
動するノズル移動装置が必要であり、設備構成が複雑で
ある。

【０００４】長尺ノズルはパイプ長以上の長さ範囲を
往復動するものであり、設備スペースが大である。

【０００５】ノズルから噴出された塗油が管内に油溜
まりを生じ、管内面への均一塗油に困難がある。

【０００６】上記の油溜まり発生により、油使用量
が多く、油原単位が悪い。

【０００７】本発明は、鋼管内面に塗油するに際し、設
備構成を簡素とし、設備スペースを小とし、管内面への
均一塗油を容易に行ない、油原単位を向上することを目
的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、鋼管の内面塗油方法において、管内に一方向の気流
を形成し、上記気流の上流側となる管端部から霧化させ
た塗油を供給し、管の全長内面に塗油を施すようにした
ものである。

【０００９】請求項２に記載の本発明は、鋼管の内面塗
油装置において、管の一端部に接続され、管内に一方向
の気流を形成する吸引ブロアと、上記気流の上流側とな
る管の他端部に配設され、塗油を霧化して該管端部に供
給する塗油霧化装置とを有するようにしたものである。

【００１０】

【作用】本発明によれば、下記〜の作用がある。 吸引ブロアの如くの気流形成装置と、塗油霧化装置を
必要とするだけであり、設備構成が簡素である。

【００１１】従来の長尺ノズルの如くがなく、設備ス
ペースが小である。

【００１２】塗油は霧化された状態で、管内の気流に
よって管の全長内面に塗布されるから、管内に油溜まり
を生ずることがなく、管内面への均一塗油を容易に行な
うことができる。

【００１３】管内に油溜まりを生じないから、油使用
量を低減し、油原単位を向上できる。

【００１４】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示す模式図、図２
は管内気流速度と塗油量のばらつき状態との関係を示す
線図、図３は管内面の長手方向における塗油量分布を示
す線図、図４は従来例を示す模式図である。

【００１５】内面塗油装置１０は、吸引ブロア１１と塗
油霧化装置１２とを有する。吸引ブロア１１は、鋼管１
の一端部に接続され、鋼管１の両端部に差圧を生じさ
せ、結果として鋼管１内に一方向の気流を形成する。

【００１６】塗油霧化装置１２は、上記気流の上流側と
なる鋼管１の他端部に配設され、塗油を霧化して鋼管１
の端部に供給する。

【００１７】尚、塗油霧化装置１２は、圧縮空気源１３
から圧縮空気を供給される状態下で、防錆油タンク１４
から塗油を吸引し、エアアトマイズにて塗油を霧化す
る。

【００１８】然るに、塗油霧化装置１２が霧化した塗油
は、吸引ブロア１１により鋼管１内に形成されている気
流にのって飛行し、鋼管１の全長内面に塗布される。そ
して、鋼管１の内面に塗布されずに鋼管１を通過した塗
油は、フィルタ１５にて分離され、防錆油タンク１４に
回収される。

【００１９】以下、本発明の実験結果について説明す
る。外径177.8mm、長さ12m の鋼管について、上記内面
塗油装置１０を用いて、本発明を実験した。

【００２０】（実験１）吸引ブロア１１が鋼管１内に形
成する気流速度と塗油量のばらつき状態を試験した結
果、図２を得た。図２によれば、気流速度を50m/秒以上
とするとき、鋼管１内に均一塗油できることが認められ
る。

【００２１】気流速度が50m/秒以下であると、塗油粒子
の一部が鋼管１内の飛行中に落下し、均一塗油状態を阻
害するものとなる。

【００２２】（実験２）吸引ブロア１１により鋼管１の
両端部に形成する差圧を1000mmH₂O 、鋼管１内の気流速
度70m/秒、塗油霧化装置１２の油供給量10リットル／分
とし、鋼管１の全長内面に塗油を施した。鋼管１の内面
の長手方向における塗油量分布は図３の如くのであり、
全長に均一塗油できることが認められる。

【００２３】尚、本発明方式による管 1本当たり塗油時
間は30秒であり、従来の長尺ノズル移動方式における 3
分に比して、大幅に生産性向上できることも認めた。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、鋼管内面
に塗油するに際し、設備構成を簡素とし、設備スペース
を小とし、管内面への均一塗油を容易に行ない、油原単
位を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例を示す模式図である。

【図２】図２は管内気流速度と塗油量のばらつき状態と
の関係を示す線図である。

【図３】図３は管内面の長手方向における塗油量分布を
示す線図である。

【図４】図４は従来例を示す模式図である。

【符号の説明】

１ 鋼管 １０ 内面塗油装置 １１ 吸引ブロア １２ 塗油霧化装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼管の内面塗油方法において、管内に一
   方向の気流を形成し、上記気流の上流側となる管端部か
   ら霧化させた塗油を供給し、管の全長内面に塗油を施す
   ことを特徴とする鋼管の内面塗油方法。
2. 【請求項２】 鋼管の内面塗油装置において、管の一端
   部に接続され、管内に一方向の気流を形成する吸引ブロ
   アと、上記気流の上流側となる管の他端部に配設され、
   塗油を霧化して該管端部に供給する塗油霧化装置とを有
   することを特徴とする鋼管の内面塗油装置。