JPH0557008U

JPH0557008U - 漢字とローマ字との併用標示による道路標識

Info

Publication number: JPH0557008U
Application number: JP107721U
Authority: JP
Inventors: 進新田; 和昭宮浜
Original assignee: 日本道路興業株式会社
Priority date: 1991-12-27
Filing date: 1991-12-27
Publication date: 1993-07-30

Abstract

(57)【要約】【目的】道路標識の漢字による地名標示を漢字とロー
マ字との併用に変更すると、道路標識板の面積が増大
し、設置基準を満すために大きい基礎コンクリートに改
築しなければならない。本考案は、既設道路標識の基礎
コンクリートを改築することなく漢字とローマ字との併
用による地名標示を可能にすることを目的とする。【構成】地名の部分の標示を、漢字とローマ字とを選
択的に現出させることができる可変式とし、判読可能な
設置時間毎に漢字による地名とローマ字による地名とを
交互に標示する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地上に設置した支柱上に道路標識板を固定し、その道路標識板に地名およびその方向ならびに距離などを標示した道路標識に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

前記の如き道路標識は、一般に、図７に示すように、支柱ａの下端のコンクリート基礎ｂを地中に埋めて設置し、支柱ａにブラケットを介して標識板ｃが固定されている。なお、図７においては、標識板の表面の標示を省略している。そして、前記の道路標識は、標識板や支柱等に直角に６０Ｋｍ／ｈの風圧が作用した場合の反力がコンクリート基礎ｂに働らき、コンクリート基礎の自重と土圧とによって転倒しない設計に従って施工することが義務づけられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、現在道路上に設置されている大部分の道路標識は、地名を漢字のみで標示されているので、外国人にとっては不便である。このため、漢字とローマ字とを併用して地名を標示することが提案されているが、そのようにすると標識板の面積が増大して従来のコンクリート基礎では風圧に耐えられなくなるおそれがある。例えば、図２に示す漢字のみで地名を標示した標識板ｃの場合と図８に示すように漢字とローマ字とで地名を標示した標識板ｃ´の場合とを比較すると、漢字とローマ字併用の場合は漢字単独の場合に比較して約１５〜２０％も面積が増大する。

【０００４】このため、既設の道路標識を漢字とローマ字併用の道路標識にすると、６０Ｋｍ／ｈの風圧に耐えることができずに転倒するおそれがあり、より大きなコンクリート基礎を有するものに改築する必要が生じ、極めて膨大な費用を必要とする。のみならず、都市の場合には、地下構築物などのためコンクリート基礎の容積拡大が不可能な場合もある。

【０００５】本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善し、漢字単独で標示していた標識板と同一面積の標識板であり乍ら、漢字とローマ字とを併用した標示を行なうことができる道路標識を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記の如き目的を達成するため、地上に設置した支柱上に道路標識板を固定し、その道路標識板に地名およびその方向ならびに距離などを標示した道路標識において、前記地名の部分の標示を、漢字とローマ字とを選択的に現出させることができる可変式とし、判読可能な設定時間毎に漢字による地名とローマ字による地名とを交互に標示すべくなしたことを特徴とする。

【０００７】また、既設の道路標識の場合は、漢字による地名の標示部分を切除し、その漢字による地名標示部分に代えて可変式地名標示装置を挿入設定する。あるいは、既設標識板の漢字による地名標示部分を覆う大きさを有する可変式地名標示板を作り、その可変式地名標示板を道路標識板の漢字による地名標示部分を覆って道路標識板上に同着する。

【０００８】

【作用】

設定時間毎に漢字による地名とローマ字による地名とを交互に標示すべくなした可変式の標示装置は、多数のＬＥＤなどを集合させた電光標示装置などにより容易に得ることができる。そして、本考案においては、漢字による地名とローマ字による地名とを交互に標示するので、従来の漢字のみによる地名標示と全く同一の面積の標識板であっても漢字とローマ字とを併用した標示を行なうことができ、その場合、標識板の重量は若干増加するけれども風圧による転倒防止とは無関係である。

【０００９】

【実施例】

以下、図１ないし図６について本考案の一実施例を説明する。

【００１０】図１は本考案を適用した道路標識板の一例を示すもので、地名標示部分にＬＥＤ，液晶，小電球などを多数集合させた電光標示部１，１´，１″を設け、かつ、その各電光標示部に対応する道路の方向図２および距離３，３´，３″を標示する。そして、前記の電光標示部１，１´，１″には、前記の各距離に対応する漢字よりなる地名４，４´，４″（図２参照）とローマ字よりなる地名５，５´ ，５″（図３参照）とをある設定時間毎に交互に点灯させるように制御する。このような電光標示部の制御は周知の技術であるから、その詳細な説明は省略するが、「道路標識設置基準同解説」から、運転者が漢字やローマ字を判読する必要な時間を計算し、その時間をタイマーで設定すればよい。

【００１１】図４および図５は本考案を既設の道路標識に適用した場合の説明図である。図４は漢字による地名の標示部分を道路標識板ｃから切断除去し、その代りに、電光標示部１´を有する可変式地名標示装置６を挿入設置したものである。図５は、漢字による地名の標示部分を覆う大きさを有し、かつ、漢字による地名の標示とローマ字による地名の標示とを交互に行ない得る可変式地名標示板７，７´，７″を製作し、その可変式地名標示板７，７´，７″を道路標識板ｃの漢字による地名標示部分を覆って接着あるいはビス止めなどにより道路標識板ｃ上に固着する。なお、この場合は、可変式地名標示板を交互に点灯させるための電線を挿通する孔をあける必要がある。

【００１２】前記の各実施例は、何れも電光標示部ないし装置を使用した例について説明したが、本考案はこのような例に限定されるものではない。例えば、図６に示すように、多数の小さい回転板８を軸９を介して１８０°づつ回転し得るように支持し、かつ、その一方の面に漢字を構成する文字の一部を描出すると共に、他方の面にローマ字を構成する文字の一部を描出し、そのすべての回転板８を１８０° づつ回転させることにより、漢字による地名の標示とローマ字による地名の標示とを交互に行なうこともできる。

【００１３】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、地名を漢字のみで標示していた道路標識板と同じ大きさでありながら、漢字とローマ字との双方による地名標示を行なうことができ、特に既設道路標識に適用した場合、簡単かつ廉価に実施することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一例を示す道路標識板の正面図

【図２】漢字により標示した状態を示す道路標識板の正
面図

【図３】ローマ字により標示した状態を示す道路標識板
の正面図

【図４】既設道路標識に適用した例を示す道路標識板の
一部の断面図

【図５】既設道路標識に適用した例を示す道路標識板の
斜視図

【図６】可変地名標示装置の他の例を示す部分斜視図

【図７】道路標識の設置構造を示す説明図

【図８】図２に示す道路標識板を漢字とローマ字との併
用に変更した場合の説明図

【符号の説明】

ａ…支柱、ｂ…コンクリート基礎、ｃ…道路標識板、
１，１´，１″…可変式電光標示部、２…道路の方向を
示す図、３，３´，３″…距離標示、４，４´，４″…
漢字による地名標示、５，５´，５″…ローマ字による
地名標示、７，７´，７″…可変式標示板、８…回転
板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】地上に設置した支柱上に道路標識板を固
定し、その道路標識板に地名およびその方向ならびに距
離などを標示した道路標識において、前記地名の部分の
標示を、漢字とローマ字とを選択的に現出させることが
できる可変式とし、判読可能な設定時間毎に漢字による
地名とローマ字による地名とを交互に標示すべくなした
ことを特徴とする漢字とローマ字との併用標示による道
路標識。
【請求項２】地上に設置した支柱上に道路標識板を固
定し、その道路標識板に漢字による地名およびその方向
ならびに距離などを標示した既設道路標識において、前
記漢字による地名の標示部分を切除し、その漢字による
地名の標示部分に代えて、漢字による地名の標示とロー
マ字による地名の標示とを交互に行なう可変式地名標示
装置を挿入設定したことを特徴とする既設道路標識。
【請求項３】地上に設置した支柱上に道路標識板を固
定し、その道路標識板に漢字による地名およびその方向
ならびに距離などを標示した既設道路標識において、前
記漢字による地名の標示部分を覆う大きさを有し、か
つ、漢字による地名の標示とローマ字による地名の標示
とを交互に行ない得る可変式地名標示板を構成し、その
可変式地名標示板を前記道路標識板の漢字による地名の
標示部分を覆って道路標識上に固着したことを特徴とす
る既設道路標識。
【請求項４】地名の部分の標示を、多数のＬＥＤ，液
晶，小電球などの集合体からなる電光標示部ないし装置
により構成し、その電光標示部ないし装置により漢字に
よる地名標示とローマ字による地名標示とを交互に行な
うようにしたことを特徴とする請求項１，２，３の何れ
かに記載の道路標識。
【請求項５】地名の部分の標示を、裏表を選択的に現
出させることができる多数の回転板の集合体よりなる回
転式地名標示装置により構成し、その回転式地名標示装
置の各回転板の一方の面に漢字を構成する文字の一部を
描出すると共に、他方の面にローマ字を構成する文字の
一部を描出し、その回転式地名標示装置により漢字にす
る地名標示とローマ字による地名標示とを交互に行なう
ようにしたことを特徴とする請求項１，２，３の何れか
に記載の道路標識。