JPH0556796A - 培養血管平滑筋細胞を用いて薬物をスクリーニングする方法 - Google Patents
培養血管平滑筋細胞を用いて薬物をスクリーニングする方法Info
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- JPH0556796A JPH0556796A JP3222748A JP22274891A JPH0556796A JP H0556796 A JPH0556796 A JP H0556796A JP 3222748 A JP3222748 A JP 3222748A JP 22274891 A JP22274891 A JP 22274891A JP H0556796 A JPH0556796 A JP H0556796A
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- Japan
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- cell
- vascular smooth
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- cells
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 培養血管平滑筋細胞株SM−3を用いた、血
管平滑筋増殖阻害剤及び、血管平滑筋収縮阻害剤をスク
リーニングする方法を提供する。 【構成】 増殖型血管平滑筋モデル細胞を用いた増殖阻
害剤のスクリーニング方法、及び、収縮型血管平滑筋モ
デル細胞を用いた血管平滑筋収縮阻害剤のスクリーニン
グ方法。 【効果】 本発明の方法により、上記物質のスクリーニ
ングが容易、迅速になり、且つ、多大な動物の犠牲が回
避できる。
管平滑筋増殖阻害剤及び、血管平滑筋収縮阻害剤をスク
リーニングする方法を提供する。 【構成】 増殖型血管平滑筋モデル細胞を用いた増殖阻
害剤のスクリーニング方法、及び、収縮型血管平滑筋モ
デル細胞を用いた血管平滑筋収縮阻害剤のスクリーニン
グ方法。 【効果】 本発明の方法により、上記物質のスクリーニ
ングが容易、迅速になり、且つ、多大な動物の犠牲が回
避できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家兎胸部大動脈から取
り出され、樹立された培養血管平滑筋細胞株SM−3
(以下SM−3細胞という)を用い、血管平滑筋細胞の
機能に作用する薬物をスクリ−ニングする方法に関する
ものである。このSM−3細胞は、継代培養する事によ
って、その平滑筋細胞の性質が変化しない事及び、培養
条件によって増殖型と収縮型とに性質を変え得る細胞で
ある事が判明している(該事項に関してはジャ−ナル
バイオケミストリ−、106巻,1009−1018
頁,1989年に記載されている)。一般に、増殖型血
管平滑筋細胞は、動脈硬化巣内膜に見られる事より、こ
のSM−3細胞は動脈硬化症モデル細胞として、一方、
収縮型血管平滑筋細胞は、正常血管中膜に見られる事よ
り、収縮反応し得る血管平滑筋モデル細胞として取扱う
事ができる。故に、これらのモデル細胞にてスクリ−ニ
ングされる薬物は、1つは抗動脈硬化剤であり、1つは
血管弛緩剤である。
り出され、樹立された培養血管平滑筋細胞株SM−3
(以下SM−3細胞という)を用い、血管平滑筋細胞の
機能に作用する薬物をスクリ−ニングする方法に関する
ものである。このSM−3細胞は、継代培養する事によ
って、その平滑筋細胞の性質が変化しない事及び、培養
条件によって増殖型と収縮型とに性質を変え得る細胞で
ある事が判明している(該事項に関してはジャ−ナル
バイオケミストリ−、106巻,1009−1018
頁,1989年に記載されている)。一般に、増殖型血
管平滑筋細胞は、動脈硬化巣内膜に見られる事より、こ
のSM−3細胞は動脈硬化症モデル細胞として、一方、
収縮型血管平滑筋細胞は、正常血管中膜に見られる事よ
り、収縮反応し得る血管平滑筋モデル細胞として取扱う
事ができる。故に、これらのモデル細胞にてスクリ−ニ
ングされる薬物は、1つは抗動脈硬化剤であり、1つは
血管弛緩剤である。
【0002】
【従来の技術】動脈硬化の成立は、単一ではなく、複数
の要因と誘因とによっている。しかし大別して、その主
たる要因を2つに分ける事ができる。1つは動脈内皮損
傷による各種網内系細胞の凝集と、それ以降に起る平滑
筋増殖因子の放出、そして内膜平滑筋巣の増殖であり、
他の1つは、コレステロ−ルを含む高脂血症による血管
内皮細胞、平滑筋細胞の変性、そして内膜平滑筋巣の増
殖という考えが現在の所主流を成している。いずれの場
合も、血管平滑筋細胞増殖阻害剤や血管肥厚阻害剤をス
クリ−ニングする為には、動物を用いた動物硬化症モデ
ルを作成し、実験に供されている。このような動物モデ
ルは動物種による感受性の違いや、動物固体間のバラツ
キが大きいとされている。故に、正確な成績を得るに
は、熟練と、多くのモデル動物が必要とされている。更
に、研究成績を得るまでに、5〜8週間を要する。
の要因と誘因とによっている。しかし大別して、その主
たる要因を2つに分ける事ができる。1つは動脈内皮損
傷による各種網内系細胞の凝集と、それ以降に起る平滑
筋増殖因子の放出、そして内膜平滑筋巣の増殖であり、
他の1つは、コレステロ−ルを含む高脂血症による血管
内皮細胞、平滑筋細胞の変性、そして内膜平滑筋巣の増
殖という考えが現在の所主流を成している。いずれの場
合も、血管平滑筋細胞増殖阻害剤や血管肥厚阻害剤をス
クリ−ニングする為には、動物を用いた動物硬化症モデ
ルを作成し、実験に供されている。このような動物モデ
ルは動物種による感受性の違いや、動物固体間のバラツ
キが大きいとされている。故に、正確な成績を得るに
は、熟練と、多くのモデル動物が必要とされている。更
に、研究成績を得るまでに、5〜8週間を要する。
【0003】一方、血管平滑筋収縮阻害剤をスクリ−ニ
ングする為には、動物からの摘出血管を用いて行われて
いる。1匹の動物から、部位にもよるが、8〜10試験
標品(血管の断片)程度がえられるに過ぎない。又、血
管平滑筋収縮を測定する機器等、特殊な装置が必要であ
る。この様に動物舎を含め、機器・装置が必要で、且つ
熟練と日数を要しているのが現状である。又日本も、欧
米並に、実験動物に対する考え方が変って、動物愛護、
虐待防止の面から動物の使用が制限されてきている。上
記の研究において、in vitro系による代替が現
在は切望されてきている時期でもある。
ングする為には、動物からの摘出血管を用いて行われて
いる。1匹の動物から、部位にもよるが、8〜10試験
標品(血管の断片)程度がえられるに過ぎない。又、血
管平滑筋収縮を測定する機器等、特殊な装置が必要であ
る。この様に動物舎を含め、機器・装置が必要で、且つ
熟練と日数を要しているのが現状である。又日本も、欧
米並に、実験動物に対する考え方が変って、動物愛護、
虐待防止の面から動物の使用が制限されてきている。上
記の研究において、in vitro系による代替が現
在は切望されてきている時期でもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明により、動物及
び病態モデルを使用する事なく、血管平滑筋細胞増殖阻
害剤、及び血管平滑筋収縮阻害剤のスクリ−ニングを再
現性よく行う事が可能となり、前項にて記述された様
な、動物を用いた実験系の課題を解決する事が可能とな
った。
び病態モデルを使用する事なく、血管平滑筋細胞増殖阻
害剤、及び血管平滑筋収縮阻害剤のスクリ−ニングを再
現性よく行う事が可能となり、前項にて記述された様
な、動物を用いた実験系の課題を解決する事が可能とな
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意研究を重ね、用いたSM−3細
胞の性質を利用する事により、血管平滑筋細胞増殖阻害
剤、及び血管平滑筋細胞収縮阻害剤をスクリ−ニングで
きる事を見い出し、本発明を完成するに至った。本発明
の方法につき、以下に詳述する。 (血管平滑筋細胞増殖阻害剤のスクリ−ニング方法)S
M−3細胞を10%牛胎児血清を含むMEM培地にて培
養する。細胞は対数増殖期後半になると継代され、この
様にして得られた増殖の活発なSM−3細胞を増殖型モ
デル細胞として実験に供する。つまりこの増殖型モデル
細胞を、5〜10×104 細胞/35mm培養皿(ラッ
クス・ディッシュ)に移植し、10%牛胎児血清を含む
MEM培地にて1日培養する。24時間後、被験薬物を
培地に溶解し、更に細胞培養を続け、2日後、4日後の
細胞数を測定する。このSM−3細胞の細胞周期は22
〜24時間であるから、無添加対照の場合、2日後、4
日後は、それぞれ2〜3倍、8〜9倍の細胞増加が見ら
れる。
題を解決するために鋭意研究を重ね、用いたSM−3細
胞の性質を利用する事により、血管平滑筋細胞増殖阻害
剤、及び血管平滑筋細胞収縮阻害剤をスクリ−ニングで
きる事を見い出し、本発明を完成するに至った。本発明
の方法につき、以下に詳述する。 (血管平滑筋細胞増殖阻害剤のスクリ−ニング方法)S
M−3細胞を10%牛胎児血清を含むMEM培地にて培
養する。細胞は対数増殖期後半になると継代され、この
様にして得られた増殖の活発なSM−3細胞を増殖型モ
デル細胞として実験に供する。つまりこの増殖型モデル
細胞を、5〜10×104 細胞/35mm培養皿(ラッ
クス・ディッシュ)に移植し、10%牛胎児血清を含む
MEM培地にて1日培養する。24時間後、被験薬物を
培地に溶解し、更に細胞培養を続け、2日後、4日後の
細胞数を測定する。このSM−3細胞の細胞周期は22
〜24時間であるから、無添加対照の場合、2日後、4
日後は、それぞれ2〜3倍、8〜9倍の細胞増加が見ら
れる。
【0006】また、正常血管平滑筋モデル細胞として
は、10%牛胎児血清を含むMEMにて培養し、ポスト
・コンフルエント状態のものをシ−ド細胞として用い、
10×104 細胞/35mm培養皿に、0.5%牛胎児
血清を含む培地に移植したものを用いる。この条件下の
SM−3細胞は収縮惹起剤にも反応し、細胞内構造から
も収縮型モデル細胞である事が判っている。
は、10%牛胎児血清を含むMEMにて培養し、ポスト
・コンフルエント状態のものをシ−ド細胞として用い、
10×104 細胞/35mm培養皿に、0.5%牛胎児
血清を含む培地に移植したものを用いる。この条件下の
SM−3細胞は収縮惹起剤にも反応し、細胞内構造から
も収縮型モデル細胞である事が判っている。
【0007】又、場合によっては、薬物のDNA合成阻
害能を調べる為に、5−Br−デオキシウリジンのDN
Aへの取込を、本発明者の提案した方法にて測定する
(該方法については、バイオケミカル−バイオフィジカ
ル−リサ−チ−コミュニケイション,158巻,105
−109頁,1989に記載されている)。望ましく
は、前記の収縮型モデル細胞に阻害を与えず、且つその
DNA合成を惹起させる事なく、増殖型モデル細胞の増
殖を抑制し、且つそのDNA合成を抑制する薬物がスク
リ−ニングされる事である。その抑制の程度は適当な比
較対照薬物を用いる事によって標準化される。 (血管平滑筋収縮阻害剤のスクリ−ニング方法)前項に
て述べた収縮型モデル細胞を4×105 細胞/35mm
培養皿の密度で移植し、0.5%牛胎児血清を含むME
Mにて、24時間培養したものを用いる。細胞は20m
Mヘペス緩衝液(pH7.1)を含むMEMにて一度洗
滌され、同培地中で、プロスタグランディンF2 α(以
下PGF2 αという)又は、コンカナバリン−A及び牛
胎児血清(10%)を添加される事により収縮が惹起さ
せられる。コンカナバリン−A及び牛胎児血清(10
%)による収縮惹起については既に確立している(詳細
は、ジャ−ナル−オブ−セルラ−フィジオロジ−,14
4巻,183−189頁,1990に記載されてい
る)。被験薬物は収縮惹起剤を添加する前に細胞に加え
られる。細胞の収縮は、顕微鏡下で収縮惹起剤添加後、
経時的に観察され、同時に写真撮影され、収縮の程度は
写真上、収縮領域をプラニメ−タ−(内田洋行(株)
製)にて測定される。
害能を調べる為に、5−Br−デオキシウリジンのDN
Aへの取込を、本発明者の提案した方法にて測定する
(該方法については、バイオケミカル−バイオフィジカ
ル−リサ−チ−コミュニケイション,158巻,105
−109頁,1989に記載されている)。望ましく
は、前記の収縮型モデル細胞に阻害を与えず、且つその
DNA合成を惹起させる事なく、増殖型モデル細胞の増
殖を抑制し、且つそのDNA合成を抑制する薬物がスク
リ−ニングされる事である。その抑制の程度は適当な比
較対照薬物を用いる事によって標準化される。 (血管平滑筋収縮阻害剤のスクリ−ニング方法)前項に
て述べた収縮型モデル細胞を4×105 細胞/35mm
培養皿の密度で移植し、0.5%牛胎児血清を含むME
Mにて、24時間培養したものを用いる。細胞は20m
Mヘペス緩衝液(pH7.1)を含むMEMにて一度洗
滌され、同培地中で、プロスタグランディンF2 α(以
下PGF2 αという)又は、コンカナバリン−A及び牛
胎児血清(10%)を添加される事により収縮が惹起さ
せられる。コンカナバリン−A及び牛胎児血清(10
%)による収縮惹起については既に確立している(詳細
は、ジャ−ナル−オブ−セルラ−フィジオロジ−,14
4巻,183−189頁,1990に記載されてい
る)。被験薬物は収縮惹起剤を添加する前に細胞に加え
られる。細胞の収縮は、顕微鏡下で収縮惹起剤添加後、
経時的に観察され、同時に写真撮影され、収縮の程度は
写真上、収縮領域をプラニメ−タ−(内田洋行(株)
製)にて測定される。
【0008】
【実施例】次に、実施例によって、本発明を更に詳細に
説明する。
説明する。
【0009】
【実施例1】(血管平滑筋細胞増殖阻害剤のスクリ−ニ
ング方法) 増殖型M−3細胞の調製は次の様にされた。SM−3細
胞を2.5×105 細胞/60mmラックス・ディッシ
ュの密度で、10%牛胎児血清を含むMEMにて培養し
た。対数増殖期後半に入る3日後に、細胞を5×104
細胞/35mmラックス・ディッシュの密度で移植し、
同一培地で、一昼夜培養した。24hr後、培地に被験
薬物(本実施例の場合はスタウロスポリン15nMを用
いた)を加え、この日を実験0日とし、第2日目,第4
日目に細胞数をコ−ルタ−・カウンタ−で測定した。そ
の際、被験薬物による細胞毒性を知る為に、細胞形態を
も観察した。一方正常血管平滑筋モデル細胞(収縮型S
M−3細胞)は、次の様に調製された。ポスト−コンフ
ルエント培養5日目のSM−3細胞を、5×104 細胞
/35mmラックス・デイッシュの密度で移植し、0.
5%牛胎児血清を含むMEMにて培養。24hr後、培
地に被験物質を加え、第2日,第4日,に細胞形態を観
察した。結果を表1に示す。15nMスタウロスポリン
は増殖型SM−3細胞の増殖を2日目,4日目とも抑制
しているが、無添加対照では活発な細胞増殖が見られ
た。又この被験薬物による増殖型SM−3細胞の形態上
の変化は見られず、細胞の萎縮や致死像は観察されなか
った。一方正常血管平滑筋モデル細胞に対して、被験薬
物は細胞毒性を与える事はなかった。
ング方法) 増殖型M−3細胞の調製は次の様にされた。SM−3細
胞を2.5×105 細胞/60mmラックス・ディッシ
ュの密度で、10%牛胎児血清を含むMEMにて培養し
た。対数増殖期後半に入る3日後に、細胞を5×104
細胞/35mmラックス・ディッシュの密度で移植し、
同一培地で、一昼夜培養した。24hr後、培地に被験
薬物(本実施例の場合はスタウロスポリン15nMを用
いた)を加え、この日を実験0日とし、第2日目,第4
日目に細胞数をコ−ルタ−・カウンタ−で測定した。そ
の際、被験薬物による細胞毒性を知る為に、細胞形態を
も観察した。一方正常血管平滑筋モデル細胞(収縮型S
M−3細胞)は、次の様に調製された。ポスト−コンフ
ルエント培養5日目のSM−3細胞を、5×104 細胞
/35mmラックス・デイッシュの密度で移植し、0.
5%牛胎児血清を含むMEMにて培養。24hr後、培
地に被験物質を加え、第2日,第4日,に細胞形態を観
察した。結果を表1に示す。15nMスタウロスポリン
は増殖型SM−3細胞の増殖を2日目,4日目とも抑制
しているが、無添加対照では活発な細胞増殖が見られ
た。又この被験薬物による増殖型SM−3細胞の形態上
の変化は見られず、細胞の萎縮や致死像は観察されなか
った。一方正常血管平滑筋モデル細胞に対して、被験薬
物は細胞毒性を与える事はなかった。
【0010】
【実施例2】(血管平滑筋収縮阻害剤のスクリ−ニング
方法) 実施例1に示す、ポスト−コンフルエント培養5日目の
SM−3細胞を、5×104 細胞/35mmラックス・
ディッシュの密度で移植し、0.5%牛胎児血清を含む
MEMにて培養した。薬物のスクリ−ニングには、2日
間培養したものを用いた。細胞は20mMヘペス緩衝液
(pH7.1)を含むMEMで2度洗滌し、同一培地に
て15分間培養した。その後被験薬物(本実施例の場
合、スタウロスポリン30nM及び90nMを用いた)
を培地に加え、15分間更に培養した。その後、細胞
は、顕微鏡下で、30μM PGF2 αを加える事によ
り、収縮させられた。結果は図1に示す。細胞収縮は経
時的に写真にて取られ、その収縮は、写真上の収縮領域
をプラニメ−タ−にて測定する事によって行われた。図
2はその結果である。この図より、被験物質の収縮阻害
値(ED50)が決められた。図1は、細胞収縮の模写図
を示す。30nM PGF2 αを加える事により細胞は
収縮をはじめ、1分後には35%前後、5分後には60
%の細胞収縮が見られた。中には収縮刺激に対し無反応
の細胞もあり、全ての細胞が収縮するというものではな
かった。この細胞収縮はスタウロスポリンによって阻害
された。図2に示すごとく、30nMスタウロスポリン
は収縮2分後で、約30%阻害し(無添加対照群を10
0%として場合)、5分後で25%阻害した。又90n
Mスタウロスポリンはそれぞれ、10%,14%阻害し
た。この図2から、被験薬物、スタウロスポリンのED
50の概算値が求められ、50nMであった。
方法) 実施例1に示す、ポスト−コンフルエント培養5日目の
SM−3細胞を、5×104 細胞/35mmラックス・
ディッシュの密度で移植し、0.5%牛胎児血清を含む
MEMにて培養した。薬物のスクリ−ニングには、2日
間培養したものを用いた。細胞は20mMヘペス緩衝液
(pH7.1)を含むMEMで2度洗滌し、同一培地に
て15分間培養した。その後被験薬物(本実施例の場
合、スタウロスポリン30nM及び90nMを用いた)
を培地に加え、15分間更に培養した。その後、細胞
は、顕微鏡下で、30μM PGF2 αを加える事によ
り、収縮させられた。結果は図1に示す。細胞収縮は経
時的に写真にて取られ、その収縮は、写真上の収縮領域
をプラニメ−タ−にて測定する事によって行われた。図
2はその結果である。この図より、被験物質の収縮阻害
値(ED50)が決められた。図1は、細胞収縮の模写図
を示す。30nM PGF2 αを加える事により細胞は
収縮をはじめ、1分後には35%前後、5分後には60
%の細胞収縮が見られた。中には収縮刺激に対し無反応
の細胞もあり、全ての細胞が収縮するというものではな
かった。この細胞収縮はスタウロスポリンによって阻害
された。図2に示すごとく、30nMスタウロスポリン
は収縮2分後で、約30%阻害し(無添加対照群を10
0%として場合)、5分後で25%阻害した。又90n
Mスタウロスポリンはそれぞれ、10%,14%阻害し
た。この図2から、被験薬物、スタウロスポリンのED
50の概算値が求められ、50nMであった。
【0011】
【表1】
【0012】
【発明の効果】本発明により、動物を犠牲にする事な
く、且つモデル動物を作成する事なく、簡単に、短期間
で薬物のスクリ−ニングができる。
く、且つモデル動物を作成する事なく、簡単に、短期間
で薬物のスクリ−ニングができる。
【図1】収縮型血管平滑筋細胞SM−3の収縮の模写
図。 (A)収縮刺激をかける前 (B)30μM PGF2 αにて収縮刺激をかけて1分
後 (C)30μM PGF2 αにて収縮刺激をかけて5分
後
図。 (A)収縮刺激をかける前 (B)30μM PGF2 αにて収縮刺激をかけて1分
後 (C)30μM PGF2 αにて収縮刺激をかけて5分
後
【図2】収縮型血管平滑筋細胞SM−3の収縮と薬物に
よる阻害のグラフ a:無添加対照(30μM PGF2 α収縮2分後) b:30nM スタウロスポリン処理 c:90nM スタウロスポリン処理
よる阻害のグラフ a:無添加対照(30μM PGF2 α収縮2分後) b:30nM スタウロスポリン処理 c:90nM スタウロスポリン処理
Claims (2)
- 【請求項1】 増殖の活発な培養血管平滑筋細胞株SM
−3を用い、その増殖を阻害する薬物をスクリ−ニング
する方法 - 【請求項2】 収縮惹起物質に反応する培養血管平滑筋
細胞株SM−3を用い、その収縮を阻害する血管平滑筋
収縮阻害剤をスクリ−ニングする方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3222748A JPH0556796A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 培養血管平滑筋細胞を用いて薬物をスクリーニングする方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3222748A JPH0556796A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 培養血管平滑筋細胞を用いて薬物をスクリーニングする方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0556796A true JPH0556796A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=16787293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3222748A Withdrawn JPH0556796A (ja) | 1991-09-03 | 1991-09-03 | 培養血管平滑筋細胞を用いて薬物をスクリーニングする方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0556796A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0725817A4 (en) * | 1993-11-03 | 1999-12-22 | Diacrin Inc | STEM CELLS FROM EMBRYONES THAT ARE ABLE TO DIFFERENTIFY TO DESIRED CELL LINES |
JP2012115155A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | Kao Corp | Cgrp応答調節剤の評価又は選択方法 |
-
1991
- 1991-09-03 JP JP3222748A patent/JPH0556796A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0725817A4 (en) * | 1993-11-03 | 1999-12-22 | Diacrin Inc | STEM CELLS FROM EMBRYONES THAT ARE ABLE TO DIFFERENTIFY TO DESIRED CELL LINES |
JP2012115155A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | Kao Corp | Cgrp応答調節剤の評価又は選択方法 |
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