JPH0555822A - ビームチルト導波管アレーアンテナ - Google Patents

ビームチルト導波管アレーアンテナ

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JPH0555822A
JPH0555822A JP21235691A JP21235691A JPH0555822A JP H0555822 A JPH0555822 A JP H0555822A JP 21235691 A JP21235691 A JP 21235691A JP 21235691 A JP21235691 A JP 21235691A JP H0555822 A JPH0555822 A JP H0555822A
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JP
Japan
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antenna
waveguide
radiation
feeding
tilt
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JP21235691A
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Inventor
Satoshi Koyaizu
聡 小柳津
Kazuo Maehara
和雄 前原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 漏洩波型の導波管スロットアレーアンテナに
よる、グレーティングローブを抑えた高開口効率の2軸
チルトアンテナの実現。 【構成】 誘電体DEが充填され漏洩波型の放射用導波
管A1を、送信または受信する周波数の2分の1以下の
ピッチで列べ、これらの放射用導波管A1に等位相差給
電を行うように構成した2軸チルトアンテナとして用い
られるビームチルト導波管アレーアンテナ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビームチルト導波管ア
レーアンテナに関し、詳しくは、多数の放射用スロット
などの放射素子が放射面倒の幅広面に配列される導波管
を複数並列させて構成されるアレーアンテナにおいてそ
のビームの2軸チルトを可能としたビームチルト導波管
アレーアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波ないし準マイクロ波を
利用した通信や放送の需給が急速に延びてきており、こ
のためマイクロ波帯などの比較的高い周波数の電波を高
効率で送受信するアンテナとして導波管タイプのアレー
アンテナが注目されている。
【0003】従来、導波管タイプのアレーアンテナとし
ては正面指向型のアンテナなどが製品化されているが、
正面指向性であるために衛星からの電波を受けるには大
きな仰角が保たれるように設置する必要があり、また、
風や雪などの影響を受け易く、特にポールなどを利用し
てその上部に設置するような場合には、アンテナをポー
ル先端に取付けざるをえず、アンテナの設置場所などに
制限があるなどの欠点を有している。
【0004】これに対して、漏洩波型の放射用導波管ス
ロットパレーアンテナは、非常に大きなチルト角を有す
るアンテナとして知られている。かかる漏洩波型の導波
管スロットアレーアンテナとしては、例えば、W.J.
GETSINGER氏による文献として“Ellipt
icaiiy Polarized Leaky−Wa
ve Array”.IRE TRANSACTION
SON ANNTENAS AND PROPAGAT
ION,pp.165−172,March,1962
に開示されたものがある。このアンテナは一本の一様断
面を有する矩形導波管の幅広面(H面)の管軸中心線か
らずれた位置に、十字型のスロットを長手方向に所定の
間隔で多数形成し、矩形導波管の一端から導波管アダプ
タを介して高周波を投入するようにしたもので、他端を
無反射終端構造とした、円偏波用1次元アレーアンテナ
である。このアンテナは、基本的に放射用導波管の長軸
方向に平行でかつアンテナの放射面に垂直な平面内で放
射ビームがチルトするビームチルト型となるほか、ま
た、直列逐次給電型でありながら、帯域幅も比較的広く
とれるという特徴を持っており、これを平面状(2次
元)にアレー化することによって、例えば、衛星放送受
信用の高性能かつ高機能のアンテナを構成することがで
きる。すなわち漏洩波型の導波管スロットアレーアンテ
ナにおいては、そのビームのチルト角をアンテナ正面か
ら大きく傾けることができるため、衛星との間の電波の
送受信を、地面に対してほぼ垂直に近い形に設置した状
態でおこなえ、したがって、アンテナを壁に接近して設
置できるために、風や雪などによる影響が低減され、ま
た設置場所の自由度が増すことによって設置時の利便性
向上を図ることができる等の利点を有している。
【0005】ところで、漏洩波型の導波管スロットアレ
ーアンテナからなる平面アンテナは、それを構成する複
数の放射用導波管が、給電回路と呼ばれるマイクロ波伝
送線路により等位相で励振されることで2次元のアレー
化を実現している。つまり、個々の放射用導波管自体が
放射用導波管の管軸方向でのアレー化を実現しており、
さらにこのような放射用導波管の管軸に直角方向のアレ
ー化を給電回路により実現している。すなわち、2つの
方向のアレー化が上述した2つの構造の結合によって成
されているもので、かくして漏洩波型の導波管スロット
アレーアンテナにより、構造上きわめて簡単な2軸チル
トアンテナの具現化がえられる。すなわち、漏洩波型の
導波管スロットアレーアンテナを構成する複数の放射用
導波管へ給電する電波の位相を端から順番に等位相差を
つけて給電することにより2軸チルトを行うことが可能
である。
【0006】ここで、このように構成された漏洩波型の
導波管スロットアレーアンテナにおいて等位相差給電を
行った場合のビームのチルト方向について図1を用いて
説明しておく。
【0007】図1において、Fは漏洩波型アンテナ、X
は放射用導波管10の管軸方向、Yは放射用導波管10
の管軸方向Xに直角の方向、Zはアンテナの放射面FA
に垂直な方向、Iはアンテナの放射面FAに垂直なX方
向の鉛直面、Jはアンテナの放射面FAに垂直なY方向
の鉛直面である。ここで示すアンテナFは漏洩波型であ
るために、各々の放射用導波管10が等位相給電されて
いれば、アンテナのビーム方向はI面内でZに対して角
度φだけチルトした方向Uを向く。いま仮に、放射用導
波管10に漏洩波型であるためのビームチルトがなかっ
たとして、各放射用導波管10が等位相で給電されてい
たとすると、アンテナFのビームはアンテナFに垂直な
Z方向を向くが、この状態で放射用導波管10に等位相
差給電を行った場合はJ平面内でZ方向に対して角度θ
だけチルトしてV方向を向く。したがって、漏洩波型で
あるためのビームの傾きと、等位相差給電されることに
よるビームの傾きとの組合せを考えると、アンテナFの
ビームはYに平行でかつUを含む平面Kに上記の方向V
を投影した方向BCを向くことになる。言い替えれば、
各放射用導波管10が端から順番に等位相差で給電され
ることによって、アンテナFのビーム方向は、K平面内
でI面から角度ξだけ傾いたBC方向を向き、2軸チル
トが実現される。すなわち、ここで角度ξは角度θをK
平面に投影したものとなる。
【0008】そこで、このような2軸チルトアンテナで
は、送信または受信すべき衛星の方向に対し、ビームを
仰角と方位角との2方向でチルトさせることができ、し
かも家屋などの壁面にほぼ密着した形で設置し、風や雪
などの影響をさらに低減することができる上、さらにア
ンテナ設置時の利便性の向上に貢献し、アンテナを壁に
ほぼ密着させた形態とすることでアンテナ自体の存在感
を薄め、家屋などの外観の向上にも寄与する。ただし、
ここでいう方位角は、ある特定の壁面の垂直方向を基準
としたときに、その垂直壁面に対して所定の衛星が存在
する方向の水平面への投影された向きがなす角度をい
う。なお、以下で述べる方位角は上記の意味で用いるも
のとする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、さきに述べ
たように、上述の漏洩波型の導波管スロットアレーアン
テナにおいて等位相差給電を行う2軸チルトアンテナは
構造上簡単であり、このことは、例えば、パッチアンテ
ナをアンテナ素子としてこれらをマイクロストリップで
アレー化したいわゆるマイクロストリップアンテナなど
によりアンテナビームの2軸チルトを行おうとした場合
について考えて見るとはっきりする。すなわち、マイク
ロストリップアンテナにおいて2軸チルトを行おうとす
ると、全てのアンテナ素子においてその素子の位置によ
って給電位相を個別に調整することが必要になり、かか
ることは原理上は可能であっても、現実的にはきわめて
大きな困難を伴うことは明らかである。
【0010】このように比較的簡単な構造で漏洩波型の
導波管ストットアレーアンテナによって2軸チルトアン
テナを具現化することは可能ではあるが、しかし従来の
技術では、次のような問題点が残されている。すなわ
ち、このようなアンテナにおいて、図1に示す平面内
で、ビームの傾き角(ξ)を大きくしていくと、K平面
内でのグレーティングローブが大きくなり、アンテナに
おける開口効率の低下をきたすという点が解決されなけ
ればならぬ。
【0011】すなわち、一般にアレーアンテナのビーム
を傾ける平面内で平行方向に保たれるアンテナ素子間の
間隔が送信または受信する電波の自由空間波長の2分の
1以上の場合、ビームを傾ける角度を大きくして行く
と、グレーティングローブが現れ、アンテナの開口効率
が低下することは原則的な事実である。このため、ビー
ムチルト角の大きいアンテナで高い開口効率を実現する
ためには、ビームを傾ける平面内で平行方向のアンテナ
素子間隔を、送信または受信する電波の自由空間波長の
2分の1以下にする必要がある。したがって、漏洩波型
の導波管スロットアレーアンテナにおいて、図1のK平
面内で大きくビームを傾けた上、しかも高開口効率のア
ンテナを実現させるためには、放射用導波管10の管軸
に直角方向すなわち図1でY方向に配列されるアンテナ
素子間の間隔を、送信または受信する電波の自由空間波
長の2分の1以下にすることが必要となる。そして、こ
れを実現するためには、アンテナを構成する放射用導波
管10の幅を、送信または受信すべき電波の自由空間波
長の2分の1以下にしなければならない。
【0012】一方、放射用導波管10では、導波管一般
における原則的な事象として、ある特定の周波数よりも
低い周波数の電波を伝搬することができないということ
がある。すなわち、このように、導波管内を伝搬できる
最も低い周波数を基本モードの遮断周波数と呼んでいる
が、矩形導波管における基本モードの遮断周波数fcは
次の式(1)で表される。
【0013】
【数1】
【0014】したがって、基本モードの遮断周波数にお
ける自由空間波長λcは式(1)から次の式で表され、
この波長λcよりも長い波長の電波は矩形導波管10内
を伝搬しない。
【0015】
【数2】
【0016】一方、空気中での光速cは次の式で表され
る。
【0017】
【数3】
【0018】導波管内部は中空構造であるのでε=ε
0 、μ=μ0 としてよいため、式(2),(3)より次
の式(4)が導かれる。
【0019】
【数4】 λc=2a (4) すなわち、放射用導波管10においては、幅aの2倍よ
りも長い波長をもつ電波は放射用導波管10内を伝搬す
ることができず、このような周波数以下ではアンテナと
して機能しないことになる。
【0020】したがって、先に述べた漏洩波型の導波管
スロットアレーアンテナにおいて、図1のK平面内でビ
ームを大きく傾けた場合に、高開口効率が保たれるよう
なアンテナを実現するために必要な条件、すなわち、ア
ンテナを構成する放射用導波管10の幅を送信または受
信すべき波長の自由空間波長の2分の1以下にする、と
いう条件を満たそうとすると、送信または受信したい電
波の波長が放射用導波管の幅aの2倍以上になり、アン
テナとして機能しなくなる。このため、従来の技術の範
囲で、図1に示すK平面内でビームを大きく傾けた場合
には、高開口効率のアンテナを実現することが不可能で
あった。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる従来
の課題に対し、次に述べるような着想に基づいてその解
決を図ることができることを見出した。すなわち、上記
の式(2)に注目してみると、ε/ε0 >1であれば基
本モードの遮断周波数の自由空間波長λcをλc>2a
とすることができる。したがって、ε/ε0 >1という
条件さえ実現できれば、放射用導波管10の幅aを送信
または受信したい周波数の波長の2分の1以下としても
放射用導波管10を上述したようなアンテナとして機能
させることができる。このことは、すなわち、放射用導
波管10の管軸に直角方向のアンテナ素子間隔を、送信
または受信する電波の自由空間波長の2分の1以下に
し、図1に示すK平面内で大きなビームの傾き角を持っ
た高い開口効率のアンテナを実現することができること
を意味する。ただし、現実として放射用導波管10は、
ある程度の厚みを持った壁で囲まれた構造体であるた
め、放射用導波管10の管軸に直角方向のアンテナ素子
間隔を、送信または受信する電波の自由空間波長の2分
の1以下にするためには、壁の厚みを含めて放射用導波
管10の幅を送信または受信する電波の自由空間波長の
2分の1よりも狭くする必要がある。また、基本モード
の遮断周波数に近い周波数では電波の放射用導波管伝搬
時の減衰が大きいため、現実には、基本モードの遮断周
波数を送信または受信する電波の周波数よりもある程度
低くする必要がある。このような条件を満たしつつ、図
1に示すK平面内で大きなビームの傾き角を有し、かつ
高い開口効率を持ったアンテナを実現するために、本願
発明者は放射用導波管10内に誘電体を充填することを
見出した。
【0022】すなわち、本発明は、一方の幅広面に複数
の放射素子が配列された放射用導波管をその管軸とは直
角の方向に所定の間隔を保つように並列させたアレーア
ンテナであって、前記放射用導波管の各々に所定の誘電
率を有する誘電体を充填すると共に、並列させた前記放
射用導波管に対しその並列順に従って等位相差をつけた
給電が可能な給電回路を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0023】
【作用】本発明によれば、各放射用導波管に所定の誘電
率を有する誘電体を充填することによって、導波管の
幅、すなわち導波管の管軸方向とは直角方向の間隔に関
連してビームをチルトさせる仰角を所定の角度に設定す
ることができると共に、隣接する導波管への給電電波の
位相差を並列順に等位相差が保たせるようにして給電
し、その位相差を適切に設定することでさらにビームを
チルトさせる方位角を所定の角度に設定することができ
るもので、かくしてビームの2軸チルトを高い開口効率
を保ちつつ実現することができる。
【0024】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細、かつ具体的に説明する。
【0025】図2は本発明による導波管アレーアンテナ
の構成の一例を示す。ここで、A1は放射用導波管、A
2は導波管1Aの各幅広面(H面)に設けられた放射用
スロットである。なお、この図では、放射用スロットA
2は現在通信衛星の一部に用いられている直線偏波用の
一文字形のものが示してあるが、衛星放送などに用いら
れている円偏波を効率よく受信したい場合は十字スロッ
トとすることが望ましい。なお、各導波管A1はその4
面が金属製の壁面A3で構成されており、その壁面A3
の厚みも含めた導波管A1の幅は送信または受信したい
周波数の電波の波長の2分の1より狭くしてある。ま
た、導波管A1には、その内部に所定の誘電率を持つ誘
電体DEが充填されており、その両端は短絡板E1,E
2で閉塞されている。ただし、これらの短絡板E1やE
2は電波の反射を目的とするものではなく、したがって
場合によっては開放状態のままでもよいが、特定の場合
として電波吸収体を設置することによりアンテナの入力
反射を低減することが必要な場合もあるので、かかる場
合に対処できる。B1は放射用導波管A1への給電のた
めのマイクロストリップ回路(以下で単にMSCとい
う)である。また、B2,B3,B4,B5はMSCの
B1と導波管A1内部とを電磁気的に結合するためのピ
ンであり、これらのピンは導波管A1の底面(放射用ス
ロットA2が設けられている側とは反対側に位置する幅
広面(H面))に穿設された孔から導波管A1の内部に
挿入される。さらにまた、MSCのB1は導波管A1の
底面と金属カバーD1とに囲まれることにより、いわゆ
るトリプレート構造を成しており、この構造によりMS
Cを電波で伝搬する際の放射損失を低減させることがで
きるC1およびC2はMSCのB1をトリプレート構造
とする上で、導波管A1の底面とカバーD1の底面D2
との間でB1が一定の距離を保つようにするために設け
た低損失の発泡誘電体である。また、B6はMSCのB
1の外部から給電するために設けられた給電ピンであ
り、実際にはカバーD1の底面D2に開けられた孔D3
を貫いて外部に穿設され、例えば不図示のコンバーター
などと結合される。一般に、このような給電回路におい
て外部から給電される部分を給電回路の給電点と呼ぶ。
またMSCのB1は、アンテナビームを放射面内FAで
導波管A1の管軸に対して直角な方向の平行する面内で
チルトさせるための等位相差給電回路であるので、ピン
B2,B3,B4、およびB5からそれぞれ給電ピンB
6までの各々の距離には、それぞれチルトさせる角度に
応じて同じだけの差が順次つけてある。なお、本実施例
では、MSCのB1と放射用導波管A1内部との結合を
複数のピンで行っているが、これらのピンの代わりに導
波管A1の底面の前記ピンと対応する所定の位置に開口
された所定の寸法を持つスロットを介しての結合も可能
である。
【0026】ついで、このようにして構成したアンテナ
において所定の方位角と仰角にある衛星にビームの方向
を向けるための設計手順について簡単に述べておく。こ
こでは漏洩波型の放射用導波管A1であるために生じる
ビームの傾き、すなわち図1に示した角度φを衛星の仰
角に、また等位相差給電することによって生じるビーム
の傾き、すなわち図1の角度θを方位角に合わせること
とする。まずそれにはここで方位角および仰角方向にチ
ルト角を合わせるために、漏洩波型の放射用導波管A1
でのチルト角について簡単に説明しておく。
【0027】漏洩波型の放射用導波管A1では図1に示
す角度φは次の式で表される。
【0028】
【数5】 φ=SIN-1{λ0 (1/λg −n/p)} (5) λ0 :送信または受信する周波数の電波の自由空間にお
ける波長 λg :送信または受信する周波数の電波の導波管内にお
ける波長 n:0または正の整数 p:放射用導波管軸方向でのアンテナ素子間の間隔 なお上式におけるλg は次の式で表される。
【0029】
【数6】
【0030】式(5)においてn=mとしたときをm次
モードと呼ぶことにすると、0次モードが他のモードに
比べ周波数帯域が広いことが知られており本実施例では
基本的に0次モードを念頭にいれて述べるが、他のモー
ドを用いたアンテナも本実施例と同様な方法で実現でき
る。また、漏洩波型では放射用導波管管軸方向の各スロ
ットの間の間隔pがある一定の値になっていればよく、
この条件さえ満たしていれば放射用導波管管軸方向での
絶対的な位置はまったく任意である。特に0次モードで
はp<λ0 λg /(λg +λ0 )であればφは一定の値
を取るため上記の間隔pの条件内でスロット間隔を変化
させることも可能である。ここで、式(5)に表されて
いるパラメーターの中で、0次モードにおいてφを変化
させるために動かせるパラメーターはλg だけである。
またここで、λg は式(4)および式(6)から放射用
導波管A1の幅aと管内の比誘電率εr とによって決ま
る。
【0031】具体例として、例えば12GHzの電波を
仰角40°の衛星から受信したい場合について述べる
と、充填する誘電体を、例えば比誘電率2のポリエチレ
ンとした場合、導波管の幅aを10mmとすることによ
ってφをほぼ目的の仰角40°に合わせることができ
る。またこのとき、12GHzの自由空間での波長は約
25mmであるので、その2分の1は12.5mmとな
り、放射用導波管A1を構成する金属壁の厚さを1mm
程度に抑えればアンテナ素子間隔も12GHzの自由空
間波長の2分の1以下にすることができる。またこのと
きの放射用導波管の基本モードの遮断周波数は10GH
z程度であるのでこの点においてもなんら問題はない。
なおここに述べた例は現在行われている衛星放送の受信
において、ほぼ現実的なものである。
【0032】次に方位角を合わせるための具体的な手順
について述べる。等位相差給電において、隣合う放射用
導波管A1の間での給電される電波の位相差をδとする
と、δは図1に示したθを用いて次の式で表される。
【0033】
【数7】 δ=2πqSIN(θ)/λ0 (7) q:図1のY方向でのアンテナ素子間の距離 そこで、図2に示す給電用のマイクロストリップ回路B
1におけるピンB2からピンB6、ピンB3からピンB
6、ピンB4からピンB6、ピンB5からピンB6まで
の距離間に順次同じだけつけてある距離差をd(隣会っ
た放射用導波管に給電しているピン例えばB3とB4に
おいて各々のピンからB6までの距離の差)とし、送信
または受信する周波数の給電回路内での波長をλ′とす
ると、λ=2πd/λ′である。
【0034】したがってこの式と式(7)から次の式が
導かれる。
【0035】
【数8】 d=qλ′SIN(θ)/λ0 (8) いま、所定の方位角にアンテナを合わせたい場合には、
給電回路の給電点B6から隣合う二つの放射用導波管A
1との結合部までの距離の差が、次に、上式のθに方位
角を代入して求めたdになるようにマイクロストリップ
回路B1を作ればよい。すなわち、本実施例に即して述
べるならば、図2においてピンB6からピンB2までの
距離をLとすると、ピンB6からピンB3までの距離を
L+d、ピンB6からピンB4までの距離をL+2d、
ピンB6からピンB5までの距離をL+3dとすればよ
いことになる(逆にL,L−d,L−2d,L−3dと
する場合も有り得るが、この場合、アンテナのビームは
L,L+d,L+2d,L+3dとした場合に対し、図
1におけるI平面を中心とする面対称の方向を向く)。
なお、本実施例におけるようなトリプレイト給電回路で
は、一般にλ′/λ0 はほぼ1に近い値となるので、こ
こでλ′/λ0 =1、q=12mmとしたときに12G
Hzにおいてθを45°としたいとすれば8.5mm程
度となり、実際上実現可能な値であることがわかる。
【0036】なお、本実施例では導波管幅広面(H面)
に設けたスロットA2をアンテナ素子としたが、これを
他のアンテナ素子に置き換えることも可能である。例え
ば、金属の線材をコイル状に巻いたものは円偏波を送受
信するヘリカルアンテナとして知られているが、このよ
うなアンテナ素子の一端からプローブを延ばし、これを
導波管A1内に挿入することによりヘリカルアンテナ素
子と導波管A1内部を電磁気的に結合し、ヘリカルアン
テナ素子を励振することができることが知られており、
このような素子により本実施例における放射用スロット
の代わりに用いることができる。また円形パッチや矩形
パッチなどを同軸線構造などを用いて導波管A1内部と
結合して励振するなどの構成も考えられる。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、一方の幅広面に複数の放射素子が配列された放射用
導波管をその管軸とは直角の方向に所定の間隔を保つよ
うに並列させたアレーアンテナであって、前記放射用導
波管の各々に所定の誘電率を有する誘電体を充填すると
共に、並列させた前記放射用導波管に対しその並列順に
従って等位相差をつけた給電が可能な給電回路を設けた
ので、簡単な構造で、しかも、高い開口効率を持った2
軸ビームチルトアンテナを実現することができ、衛星と
の電波を送信または受信する上で、家屋などの壁面に対
し、ごく密着した状態で設置できる導波管アレーアンテ
ナを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】漏洩波型の導波管スロットアレーアンテナに等
位相差給電を行った場合のビームのチルト方向を説明す
るための斜視図である。
【図2】本発明ビームチルト導波管アレーアンテナの1
実施例の構成を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
F アンテナ FA 放射面 X 放射用導波管管軸方向 Y 放射用導波管管軸に直角の方向 Z アンテナ放射面に垂直な方向 I,J,K ビームチルトを示すための平面 U,V,BC ビームチルト方向 θ,φ ビームチルト角 ξ ビーム傾き角 A1 放射用導波管 A2 放射用スロット A3 放射用導波管を構成する金属壁 DE 誘電体 B1 給電用マイクロストリップ回路 B2,B3,B4,B5,B6 給電ピン C1,C2 発泡誘電体 D1 金属カバー D2 底面 D3 貫通孔 E1,E2 短絡板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の幅広面に複数の放射素子が配列さ
    れた放射用導波管をその管軸とは直角の方向に所定の間
    隔を保つように並列させたアレーアンテナであって、前
    記放射用導波管の各々に所定の誘電率を有する誘電体を
    充填すると共に、並列させた前記放射用導波管に対しそ
    の並列順に従って等位相差をつけた給電が可能な給電回
    路を設けたことを特徴とするビームチルト導波管アレー
    アンテナ。
JP21235691A 1991-08-23 1991-08-23 ビームチルト導波管アレーアンテナ Withdrawn JPH0555822A (ja)

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