JPH055509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、相手捜索レーダのスキヤン周期に同
期した妨害を遂行するため、メインローブとサイ
ドローブとを区別して高精度にスキヤン周期を測
定するスキヤン周期測定回路に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来のこの種の回路を第３図に示す。第３図に
おいて、１は無指向性空中線、２は無指向性空中
線１からの信号をビデオ信号へ変換する受信機、
３は受信機２から出力されるビデオ信号を入力し
て目標データを作成する目標記憶回路、４は目標
記憶回路３の目標データの振幅データ変化からス
キヤン周期を検出するスキヤン周期検出回路、５
は目標記憶回路３の目標データとスキヤン周期検
出回路４のスキヤン周期とを表示する表示回路、
６はスキヤン周期検出回路４で求めたスキヤン周
期を使つて次メインローブ到来時刻を予測する予
測回路、７は指向性空中線、８は指向性空中線７
の受信波を予測回路６で指定した時間帯に限定し
て受信する受信機である。

次に動作について説明する。無指向性空中線１
は、全方向からの電波を受信できる空中線であ
る。この空中線１からの信号により受信機２から
出力されるビデオ信号を使つて、スキヤン周期検
出回路４で目標データを検出した時の当該目標デ
ータの振幅データ変化をモニタし、規定値以上に
振幅データを受信した時に「相手捜索レーダのメ
インローブ到来」と判定する。相手捜索レーダは
一定周期で回転しているので、相手捜索レーダの
スキヤン周期は、上記メインビーム到来時刻の間
隔から得られる。予測回路６では、スキヤン周期
検出回路４で検出したスキヤン周期と最終メイン
ローブ到来時刻とから次のメインローブ到来時刻
を予測し、受信機８へ相手捜索レーダのメインロ
ーブのみを受信するように受信時刻を指示する。
受信機８は、指示された受信時刻の近傍を短時間
だけ受信する。すなわち、相手捜索レーダのメイ
ンローブ到来時刻の近傍だけを受信する。なお、
指向性空中線７は無指向性空中線１とは別物とし
たが、無指向性空中線１を併用してもよい。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のスキヤン周期測定回路では、無指向性空
中線１〜スキヤン周期検出回路４が実時間処理の
ため、電波環境が厳しい領域では次のような問題
があつた。

概略のスキヤン周期を使つた予測受信のた
め、相手捜索レーダのメインローブを確実に受
信できる保証がない。例えば、第２図ｂに示す
時間帯Ｔ２で受信した場合、メインローブ１１
を受信してない。

相手レーダのメインローブを確実に受信する
ために受信時間帯を拡大すると、受信データ量
の増大に伴い、スキヤン周期検出回路４等のメ
モリを増やす必要がある。

受信データ量の増大はデータ分析時間の増大
を招き、次の測定時刻を逸するおそれがある。

本考案はこのような点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、厳しい電波環境
下でも高精度にスキヤン周期を求めることがで
き、これにより、相手捜索レーダのスキヤン周期
に同期した妨害を有効かつ安定に行なうことがで
きるスキヤン周期測定回路を得ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

このような目的を達成するために本考案は、相
手捜索レーダ等の概略スキヤン周期を検出するス
キヤン周期検出回路と、検出した概略スキヤン周
期から予測した次到来予測時間の近傍の最大振幅
データとその到来時刻とを１組だけ検出する高精
度スキヤン周期検出回路とを設けるようにしたも
のである。

〔作用〕

本考案のスキヤン周期測定回路は、指定された
受信時間帯のみで受信し、この時間内の最大振幅
を有する受信データの到来時刻を知るために、最
大振幅データとその到来時刻を１組だけ検出する
ようにして、相手捜索レーダのメインローブを受
信する。

〔実施例〕

本考案に係わるスキヤン周期測定回路の一実施
例を第１図に示す。第１図において、９は概略ス
キヤン周期を使つて予測した相手捜索レーダのメ
インローブ到来時刻の近傍の最大振幅を有する到
来時刻データから高精度のスキヤン周期を求める
高精度スキヤン周期検出回路である。第１図にお
いて第３図と同一部分又は相当部分には同一符号
が付してある。

次に動作について説明する。高精度スキヤン周
期検出回路９は、受信機８の受信データであるパ
ルスデータの中から、指定された時間内の最大振
幅データとその到来時刻とを求め、その到来時刻
データ群から相手捜索レーダのメインローブ到来
時刻を求める。高精度スキヤン周期検出回路９
は、従来のスキヤン周期検出回路４とは異なり、
受信したパルスデータを蓄積することはしない。
指定された時間帯内の全パルスデータを比較しな
がら、この指定時間内の最大振幅データとその時
の受信到来時刻とを１組記憶する。このためには
例えば受信データをそのサンプリング時刻と共に
１サンプリング期間だけ記憶し、入力されるデー
タが記憶データよりも大きいときは記憶内容を更
新し、概略スキヤン周期に基づきメインローブが
終了したと判断されたときに記憶している値を最
大値と判断すれば良い。こうすることにより、従
来回路のように受信時間を終了する前に蓄積パル
ス数の限界により蓄積パルス数が満杯となりメイ
ンローブを受信できなくなるということもなくな
り、従来できなかつた受信時間の拡大が容易に可
能となり、サイドローブとメインローブとを明確
に区別できるようになる。

第２図にこの様子を示す。第２図ａは受信した
パルスデータの振幅を示すタイムチヤート、第２
図ｂは第２図ａの時間帯Ｔ１の部分を拡大したタ
イムチヤートである。第２図において、１１はメ
インローブ、１２はサイドローブ、Ｔ０はスキヤ
ン周期、Ｔ１は予測回路６により指定した時間
帯、Ｔ２は指定した時間帯Ｔ１内のメインローブ
から外れたサイドローブ１２のみが存在する時間
帯である。このように指定した時間内のすべての
受信パルスデータを比較し、メインローブ１１の
最大振幅を検出する。従つて、従来例のようにサ
イドローブのみが存在する時間帯Ｔ２のみを比較
するということもなくなる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、相手捜索レーダ
等の概略スキヤン周期を検出するスキヤン周期検
出回路と、次到来予測時間の近傍の最大振幅デー
タとその到来時刻とを１組だけ検出する高精度ス
キヤン周期検出回路とを設けたことにより、メモ
リ不足で最大振幅データの検出が不能になるとい
うことがなくなるので、厳しい電波環境下でも高
精度のスキヤン周期を求めることができ、相手捜
索レーダのスキヤン周期に同期した妨害を有効か
つ安定に行なうことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるスキヤン周期測定回路
の一実施例を示す系統図、第２図はその動作を説
明するためのタイムチヤート、第３図は従来のス
キヤン周期測定回路を示す系統図である。 １……無指向性空中線、２，８……受信機、３
……目標記憶回路、４……スキヤン周期検出回
路、５……表示回路、６……予測回路、７……指
向性空中線、９……高精度スキヤン周期検出回
路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相手捜索レーダの概略スキヤン周期を検出する
   スキヤン周期検出回路と、 検出されたスキヤン周期と最後メインローブ到
   来時刻とから次のメインローブの到来時刻を予測
   する予測回路と、 予測された到来時刻の近傍を短時間だけ受信す
   る受信機と、 この受信機の受信信号の最大振幅データとその
   到来時刻とを１組だけ検出する高精度スキヤン周
   期検出回路とを備え、相手捜索レーダのメインロ
   ーブの到来時刻差からスキヤン周期を求めること
   を特徴とするスキヤン周期測定回路。