JPH0553614U - ハンドピース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波メス用ハンドピースの後端部に接続さ
れた電源ケーブルの被覆の切れや断線の防止と、ケーシ
ング内の振動子の部位への滅菌時における蒸気や薬剤の
浸入とそれによる故障の防止を目的とする。 【構成】 ハンドピース（１）内に設けられたサクショ
ン液通路（５）に接続されたサクションニップル（６）
と、ハンドピース内の振動子に高周波電力を供給するた
めの電源ケーブル（７）とを、ハンドピース後端のケー
シングの蓋（８）を含む後端部近傍の部位と共に、被覆
カバー（９）で被着しシールする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、超音波振動により生体組織を破砕し切断する機能を備えた外科手術 用超音波メスのハンドピースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

超音波振動により生体組織を切断あるいは破砕する機能を備えた手術装置にお いては、例えば図２に示したように、チップ（４）先端部の発熱を抑えて組織を 破砕、乳化できるようにイリゲーションチューブ（２）、イリゲーション液通路 （３）を通してイリゲーション液がチップ（４）先端部及び術部に注がれるよう になっている。また、破砕、乳化された組織片は、チップ（４）先端の孔からハ ンドピース（１）の中心部を貫通するサクション液通路（５）を通り、ハンドピ ース（１）の後端部に取り付けられたサクションニップル（６）からサクション チューブへと導かれ、吸引除去される。

【０００３】 また、ハンドピース（１）の後端部には、超音波振動子に電力を供給するため の電源ケーブル（７）が接続されている。この電源ケーブル（７）のつけ根が、 術者の操作中に折れ曲がったり、保管しておく時などは、電源ケーブル（７）を 輪状に巻いてたばねるために、被覆が破れてしまったり、あるいは電源ケーブル （７）内で断線してしまう事により、超音波発振しなくなる事故が生ずる

【０００４】 また、ハンドピースは手術に使用した後には、エチレンオキサイドガス、蒸気 、あるいは薬液等による滅菌が行なわれる。このとき、特に蒸気滅菌や薬液によ る滅菌の際に、電源ケーブル（７）の被覆が破れていたりすると、そこから、蒸 気や薬液が電源ケーブル（７）内に入りこんでしまい、これもまた超音波発振の 不良の原因になる。

【０００５】 本考案は、従来のハンドピースのこれらの問題点を解決するため、電源ケーブ ルの被覆の破れや、電源ケーブル内の断線を防止し、さらには、蒸気や薬液によ る滅菌の際に、ハンドピースのケーシング内、特に振動子を収納した部位への蒸 気や薬液の浸入を防止したハンドピースを提供するこを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち本考案は、超音波振動により生物組織を破砕乳化し、吸引除去するための 外科手術装置のハンドピースであって、破砕乳化された組織片を吸引するための 該ハンドピース内に設けられたサクション液通路に接続され、ハンドピースの後 端部に付設されたサクションニップルと、ハンドピース内の振動子に高周波電力 を供給するための、ハンドピースの後端部に接続された電源ケーブルとを、ハン ドピース後端の蓋を含む後端部近傍の部位と共に、被覆カバーで被着シールした ことを特徴とする外科手術用超音波メスのハンドピースである。

【０００７】 以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明する。図１は本考案によるハン ドピースの全体図を示したもので、２はイリゲーションチューブ、３はイリゲー ション液通路、４はチップ、５はサクション液通路、６はサクションニップル、 ７は電源ケーブル、８は蓋であり、図２に示す従来のハンドピースと基本構成は 同じである。

【０００８】 ハンドピース（１）の後端部には、ハンドピース内に設けられたサクション液 通路（５）に接続されたサクションニップル（６）と、図示していないがハンド ピース内に収納された振動子に高周波電力を供給するための電源ケーブル（７） が接続されており、本考案はサクションニップル（６）と電源ケーブル（７）と を、ハンドピース後端のケーシングの蓋（８）を含む後端部近傍の部位と共に、 被覆カバー（９）で被着しシールしたことを特徴とする。

【０００９】 ハンドピースは手術後には必ず何らかの方法で滅菌される。例えば、エチレン オキサイドガスによるガス滅菌や蒸気滅菌、あるいは薬液による滅菌が行なわれ る。従って、被覆カバー（９）はこれらの薬剤に耐える耐薬品性や、耐熱性の優 れた材料であることが必要とされる。また、ハンドピースのケーシングと後端部 の蓋（８）の継ぎ目や、蓋（８）を貫通したサクションニップル（６）や電源ケ ーブル（７）との隙間から、蒸気や薬剤が浸入してショート等の事故を起こすの を防ぐためこれらの隙間をシールする必要があり、これらの部位を覆うような被 覆方法としては、熱収縮チューブを用いる方法が適用できる。これらの条件を満 たし、電源ケーブル（７）の折れ曲がりを防止できる適度の弾性を持った材質と しては、例えばシリコーンの熱収縮チューブなどが挙げられるが、これに限定さ れるものではない。

【００１０】 また、被覆カバー（９）の硬さとしては、あまり硬すぎるものは好ましくない 。あまり硬いと逆に被覆カバー（９）の先端部で電源ケーブル（７）が折れ曲が り、電源ケーブルの切れや断線が起こってしまう場合がある。従って、その硬さ としては電源ケーブル（７）と同等の程度の硬さが好ましい。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に従うと、電源ケーブルの被覆の切れやケーブル内の断線を防止でき、 さらにケーシング内の振動子の部位に滅菌時に蒸気や薬液が浸入するのを防止で きるので、より修理回数を減らすことができるようになり、外科手術用具のハン ドピースとして好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるハンドピースの全体構造を示す側
面図である。

【図２】従来のハンドピースの構造を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

４ チップ ５ サクション液通路 ６ サクションニップル ７ 電源ケーブル ８ 蓋 ９ 被覆カバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 超音波振動により生物組織を破砕乳化
   し、吸引除去するための外科手術装置のハンドピースで
   あって、破砕乳化された組織片を吸引するための該ハン
   ドピース内に設けられたサクション液通路に接続され、
   ハンドピースの後端部に付設されたサクションニップル
   と、ハンドピース内の振動子に高周波電力を供給するた
   めの、ハンドピースの後端部に接続された電源ケーブル
   とを、ハンドピース後端の蓋を含む後端部近傍の部位と
   共に、被覆カバーで被着シールしたことを特徴とする外
   科手術用超音波メスのハンドピース。