JPH0553543A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0553543A
JPH0553543A JP4025183A JP2518392A JPH0553543A JP H0553543 A JPH0553543 A JP H0553543A JP 4025183 A JP4025183 A JP 4025183A JP 2518392 A JP2518392 A JP 2518392A JP H0553543 A JPH0553543 A JP H0553543A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレーム間引き方式でマルチプレックス駆動
される液晶表示装置の駆動方法において、液晶表示素子
の応答特性に起因するフリッカの問題を解消し、高画質
な階調画像表示を具現する。 【構成】 フレーム間引き方式でマルチプレックス駆動
される液晶表示装置で階調表示を行なうにあたり、その
LCD駆動回路10に設定されたフレーム周波数Fを、
液晶表示素子20の応答時間τに対応してフリッカとク
ロストークの発生が少ない最適のフレーム周波数に設定
する。即ち、応答時間τ[ms]を 300ms以下に設定
し、かつ前記液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆動
させるフレーム周波数F[Hz]を80[Hz]以上に設
定された駆動回路を具備してなる液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフレーム間引き方式によ
って階調表示を行なう液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルワープロやパーソナル
コンピュータのディスプレイデバイスとして、液晶表示
装置が広く用いられている。
【0003】この液晶表示装置をディスプレイデバイス
として用いるには、カラー化や高品位な画像表示を実現
するための多段階調表示や高画素数化などへの対応が不
可欠となっているが、液晶表示装置をマトリックス駆動
させ、そのような高品位な画像を表示するためには、隣
接画素間でのクロストークを低減し、高コントラストが
得られる駆動手段が必要である。
【0004】この駆動手段としては、電圧平均化法によ
るマルチプレックス駆動方式の駆動回路が一般に用いら
れている。
【0005】図7にマトリックス型液晶表示素子の電極
構成の一例を示す。また図8にマルチプレックス駆動法
による駆動電圧を波形図で示す。
【0006】マトリックス液晶表示素子は、図7に示す
ように、複数の信号電極Xi (i =1,2,3...M )と複数
の走査電極Yj ( j=1,2,3...N )とがマトリックス状
に対向するように配設されている。
【0007】そして、例えば同一の走査電極Y1 上の画
素(X1,Y1)をON状態に、かつ画素(X2,Y1)をOF
F状態とさせる場合、図8(b)に示すように信号電極
X1,X2 に 1フレーム周期で極性が反転する信号電圧V
(X1)、V(X2)をそれぞれ印加する。
【0008】また走査電極Y1 、走査電極Y2 、…走査
電極YNには、図8(a)に示すような走査電圧V(Y
1)、V(Y2)…V(YN)を印加する。
【0009】こうして信号電極Xiおよび走査電極Yj
に各々信号電圧V(X1)、V(X2)…および走査電圧V
(Y1)、V(Y2)…が印加されると、これら対向する電
極のうち前述の画素(X1,Y1)および(X2,Y1)には図
8(c)に示すような駆動電圧V(X1,Y1)およびV
(X2,Y1)が印加されることになる。
【0010】この駆動電圧は、ON状態の印加電圧のピ
ーク値が(a+ 1)V、OFF状態の印加電圧のピーク
値が(a− 1)Vであるから、その差は 2Vとなり、こ
の印加電圧の実効値の差に対応したON状態の画素とO
FF状態の画素のコントラストが得られる。
【0011】さらにこの方法を押し進めて、ON状態の
画素とOFF状態の画素のコントラスト比を大きくし、
かつクロストークを低減するようにした駆動法として、
最適バイアス駆動法があり、一般的に用いられている。
【0012】マルチプレックス駆動法を採用した液晶表
示装置は、基本的にオン/オフの2値で表示を行なうも
のの場合でも、オンフレームとオフフレームの頻度を変
えるフレーム間引き法によって階調表示を行なうことが
できる。(特開昭58-57192、同60-205496 号公報等) 一例として、 4階調表示を行なう場合について述べる。
【0013】ある画素を、 4階調のうち第1階調として
表現するには常時(全フレーム)オンにする。
【0014】第2階調として表現するには、 3フレーム
のうち 2フレームをオン、 1フレームをオフにする。
【0015】第3階調として表現するには、 3フレーム
のうち 1フレームをオン、 2フレームをオフにする。
【0016】第4階調として表現するには、常時(全フ
レーム)オフにする。
【0017】しかし、このような中間階調を表示してい
る部分の全ての画素でオン/オフのタイミングを同じに
すると、フリッカ(表示のちらつき)が生じて画面が非
常に見づらくなる。
【0018】そこで、このフリッカを抑えるために、隣
り合う画素どうしのオン/オフのタイミングをずらして
駆動している。
【0019】フレーム間引き法は、このように、画素を
フレーム別に間欠的に点灯することにより中間階調を表
現するものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述のフレーム間引き
法におけるフリッカは、液晶の応答がフレーム周期に対
して十分に遅ければ、人間の眼には感知されないので問
題はない。
【0021】しかしながら、高速応答性に優れた液晶の
場合、この間引き点灯が行われる数フレームの時間内に
画素のオン状態とオフ状態との間で光透過率が急峻な変
化を繰り返すために、これが人間の眼にはフリッカとな
って感知されてしまい、表示画面が見づらいものとなる
という問題がある。そしてこのフリッカは、フレーム周
期に対して液晶表示素子の応答時間が短い程、顕著にな
る。
【0022】従って、逆にフレーム周期を小さくすれ
ば、即ちフレーム周波数Fを応答速度に対して相対的に
高くすれば、フリッカを低減することができる。
【0023】しかしその一方で、フレーム周波数Fを高
くするほど液晶表示装置の消費電力が大きくなり、かつ
クロストークも頻発するようになるので、フレーム周波
数Fを必要以上に高く設定することも好ましくない。こ
のフレーム周波数Fは60〜70[Hz]程度が一般的に用
いられている。
【0024】このようなフリッカおよびクロストークの
発生状況は、フレーム周波数Fと液晶表示素子の応答時
間τとの関係だけでなく、階調数Nによっても左右され
る。特に近年の液晶表示装置のように多階調の階調表示
を行なおうとする場合、その階調数Nによってはフリッ
カおよびクロストークの発生がさらに顕著になる。
【0025】ところで、STN(スーパーツイストネマ
ティック)型液晶を用いた液晶表示装置は、マルチプレ
ックス駆動され高コントラスト比の画像表示を実現する
高画素数対応の液晶表示装置に用いられているが、その
応答時間τは 300[ms]程度より大きい。このSTN
型液晶を用いた液晶表示装置のように応答時間τが 300
[ms]よりも大きい場合では、一般的に用いられるフ
レーム周波数60〜70[Hz]で16階調程度のフレーム間
引き法による表示を実行させても、フリッカは特に問題
とはならなかった。
【0026】しかしそのような液晶表示装置を例えばパ
ーソナルコンピュータの表示装置として用いる場合で
は、応答時間τが大きいのでマウスの動きやスクロール
などの表示に追随することができない。またテレビとし
て用いる場合では、画像の変化に追随することができな
い。このため、STN型液晶を用いたものをはじめ、液
晶表示装置の高速応答化、即ち応答時間τを短くする必
要があり、研究開発が進められて既に応答時間τを短く
することを可能とした液晶表示装置も実現されている。
【0027】しかしながら、このような応答時間τの短
い液晶表示装置においては、前述したようにフレーム周
期に対して応答時間τが短い程フリッカが顕著になり、
表示画像が見辛いものとなるという問題がある。
【0028】また、特に近年の液晶表示装置のように多
階調の階調表示を行なおうとする場合には、フレーム周
波数Fと液晶表示素子の応答時間τとの関係だけでな
く、階調数Nによってもフリッカおよびクロストークの
発生がさらに顕著になり表示画像が見辛いものとなると
いう問題がある。
【0029】本発明はこのような問題を解決するために
成されたもので、その目的とするところは、フレーム間
引き方式でマルチプレックス駆動され階調表現を有する
画像を表示する液晶表示装置において、フリッカおよび
クロストークの発生の問題を解消して、高画質な画像表
示を具現することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、第1の発明に係る液晶表示装置は、X−Yマト
リクス電極を有する液晶表示素子と、前記液晶表示素子
を駆動する駆動回路とを有する液晶表示装置において、
前記液晶表示素子の応答時間を 300[ms]以下に設定
し、かつ前記液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆動
させるフレーム周波数を80[Hz]以上に設定してなる
駆動回路を具備することを特徴としている。
【0031】また、第2の発明に係る液晶表示装置は、
X−Yマトリクス電極を有する液晶表示素子と、前記液
晶表示素子を駆動する駆動回路とを有する液晶表示装置
において、前記液晶表示素子の応答時間がτ[ms]で
あるとき、前記液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆
動させるフレーム周波数をF[Hz]とすると、前記応
答時間τに対して前記フレーム周波数Fが、 200[ms]≦τ≦ 300[ms]のとき、 F= 80[Hz]、 150[ms]≦τ≦ 200[ms]のとき、 80[Hz]≦F≦ 100[Hz]、 100[ms]≦τ≦ 150[ms]のとき、 100[Hz]≦F≦ 120[Hz]、 80[ms]≦τ≦ 100[ms]のとき、 120[Hz]≦F≦ 140[Hz]、 τ≦ 80[ms]のとき、 140[Hz]≦F のように設定された駆動回路を具備することを特徴とし
ている。
【0032】また、第3の発明に係る液晶表示装置は、
X−Yマトリクス電極を有する液晶表示素子と、前記液
晶表示素子を駆動する駆動回路とを有する液晶表示装置
において、前記液晶表示素子の応答時間がτ[ms]で
あるとき、前記液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆
動させるフレーム周波数をF[Hz]、前記液晶表示素
子に表現させる階調数をN[階調]とすると、前記応答
時間τ、前記フレーム周波数F、前記階調数Nの関係
が、 F≧N/ 2τ+40、ただしF≧80 のように設定された駆動回路を具備することを特徴とし
ている。
【0033】上記のフレーム周波数Fは、液晶表示装置
の製造時点でその液晶表示装置の駆動回路にあらかじめ
設定しておいてもよいし、装置が表現する総階調数Nを
可変とし、その総階調数Nの設定の切り換えに連動し
て、駆動回路中のフレーム周波数の設定を自動的に変化
させる、あるいは使用者が手動により変化させるように
してもよい。
【0034】なお、第1および第2の発明に係る液晶表
示装置は、液晶表示素子を駆動させるフレーム周波数F
の決定要素として応答時間τに注目し、フレーム間引き
方式による階調数Nは一般的に用いられる 8階調から16
階調程度の階調数として固定的にとらえて階調数Nの違
いは考慮に入れずに応答時間τに対してフリッカを少な
く抑えかつクロストークも少ない良好な画像表示が実現
できるように、適切なフレーム周波数Fが設定された駆
動回路を具備する液晶表示装置である。
【0035】また、第3の発明は、階調数Nを考慮にい
れてフレーム周波数Fと応答時間τと階調数Nとの関係
を第1および第2の発明に係る液晶表示装置より一層一
般的にした式である。そして階調数Nに対応してフレー
ム周波数Fを第1および第2の発明よりもさらに細かく
規定できるので、フリッカをさらに少なく抑えた高画質
の表示を可能としている。
【0036】
【作用】フレーム間引き法によって階調表示を行なう液
晶表示装置においては、フレーム周波数を応答特性に対
応して相対的に高くすればフリッカを低減することがで
きるが、一方でフレーム周波数を高くするほど液晶表示
装置の消費電力が大きくなり、かつクロストークも頻発
するようになるので、フレーム周波数を必要以上に高く
設定することも好ましくない。そこで、液晶表示素子に
画像を表現させるにあたって液晶表示素子に固有の応答
時間τ[ms]に対してフリッカが少なくかつクロスト
ークが少なくなる適切なフレーム周波数F[Hz]の範
囲をあらかじめ実験等により見出しておき、液晶表示装
置の駆動回路のフレーム周波数Fをその液晶表示素子の
応答時間τに応じて設定する。具体的には、液晶表示素
子の応答時間τ[ms]を 300[ms]以下に設定し、
このとき前記の液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆
動させるフレーム周波数F[Hz]を80[Hz]以上に
設定する。
【0037】さらに、液晶表示素子に固有の応答時間τ
[ms]を数種類の場合に分けて、応答時間τごとにさ
らに細かくフレーム周波数Fを設定すれば、最もフリッ
カが少なくかつクロストークが少なくなるようにするこ
とができる。即ち、 200[ms]≦τ≦ 300[ms]のとき、 F= 80[Hz]、 150[ms]≦τ≦ 200[ms]のとき、 80[Hz]≦F≦ 100[Hz]、 100[ms]≦τ≦ 150[ms]のとき、 100[Hz]≦F≦ 120[Hz]、 80[ms]≦τ≦ 100[ms]のとき、 120[Hz]≦F≦ 140[Hz]、 τ≦ 80[ms]のとき、 140[Hz]≦F のように設定すれば、フリッカやクロストークがより効
果的に抑えられた高画質な階調表示を実現することがで
きる。
【0038】また、フレーム間引き法によって階調表示
を行なう液晶表示装置において、さらに液晶表示素子に
表現させる画像の階調数N[階調]に注目すると、上記
の関係式を満たすフレーム周波数F[Hz]に設定され
応答時間τの液晶を用いた液晶表示装置であっても、こ
のNの値によっては必ずしも最もフリッカが少なくなる
というわけではなく、特に階調数Nの値が大きいときに
はフリッカが目立つようになる場合がある。
【0039】そこで第1の発明をさらに押し進めて、階
調数Nをも考慮に入れて最適の画像表示が行なえるよう
に、階調数Nおよび応答時間τに応じたフレーム周波数
Fをあらかじめ実験等により見出しておき、液晶表示素
子の応答時間τおよび駆動回路に設定された階調数Nに
応じて液晶表示装置のフレーム周波数Fをその最適のフ
レーム周波数に設定する。具体的には、 F≧N/ 2τ+40、ただしF≧80 のようにフレーム周波数F、階調数N、応答時間τの関
係を設定する。
【0040】上述のように設定された駆動回路を有する
液晶表示装置は、フリッカやクロストークが十分に抑え
られた高画質な階調表示を実現することができる。
【0041】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0042】(実施例1)図1は第1および第2の発明
の液晶表示装置の構成を示すブロック図、図2はそれに
用いられる液晶表示素子の構造を示す断面図、図3は第
1の発明の液晶表示装置に用いられる液晶表示素子の応
答時間τとフレーム周波数Fとの関係を導き出すために
行なった実験の結果を示す図である。
【0043】図1に示すように、第1の発明の液晶表示
装置は、LCD駆動回路10と、このLCD駆動回路1
0によってマルチプレックス駆動されてフレーム間引き
方式の階調表示を行なう液晶表示素子20とを具備して
いる。
【0044】液晶表示素子20は、図2に示すように、
2枚のガラス基板25、26の対向する面に互いに直交
するように 640本の帯状の透明電極による信号線(X電
極)21と、 200本の帯状の透明電極による走査線(Y
電極)22とが配設されてX−Yマトリックスが形成さ
れ、その上に配向膜23、24が形成されている。
【0045】このマトリックスの周囲はシール剤28で
封止、固定され、2枚のガラス基板25、26およびシ
ール剤28により液晶組成物27が挟持される。
【0046】液晶表示素子20の表示面側には光学位相
差フィルム29および偏光板30が、また裏面側には偏
光板31とバックライト32とが貼設されている。
【0047】前述の液晶組成物27には、メルク社製の
ZLI−2293を用いた。そして配向膜23、24のラビ
ング方向は、液晶のツイスト角が 240度となるように設
定されている。
【0048】また、液晶表示素子ごとに固有の応答時間
τに対して最適のフレーム周波数Fを求める実験を行な
うために、液晶セルの電極間隔dをそれぞれ変えて応答
時間τを変えた複数の液晶表示素子を用意し、液晶表示
素子20として用いた。
【0049】即ち、 (1)電極間隔d= 2.9μm;応答時間τ= 80 msの
液晶表示素子 (2)電極間隔d= 3.2μm;応答時間τ=100 msの
液晶表示素子 (3)電極間隔d= 3.9μm;応答時間τ=150 msの
液晶表示素子 (4)電極間隔d= 4.5μm;応答時間τ=200 msの
液晶表示素子 (5)電極間隔d= 5.5μm;応答時間τ=300 msの
液晶表示素子 (6)電極間隔d= 7.1μm;応答時間τ=500 msの
液晶表示素子 の、 6種類の液晶表示素子を、液晶表示素子20として
用いた。
【0050】LCD駆動回路10は、データ信号、制御
信号などの表示画像データが入力されると、これに基づ
いてマルチプレックス駆動電圧を発生するLCD駆動電
圧発生回路14と、このLCD駆動電圧発生回路14に
接続されてフレーム間引き方式により駆動電圧を液晶表
示素子20に印加する信号線ドライバIC13と走査線
ドライバIC12とを具備している。
【0051】LCD駆動回路10は、液晶表示素子ごと
に固有の応答時間τに対して最適のフレーム周波数Fを
求める実験を行なうために、フレーム周波数Fを可変と
している。
【0052】このように構成されたLCD駆動回路10
および液晶表示素子20を用いて、フレーム間引き方式
による16階調の階調表示を行ない、前述のような6枚の
液晶表示素子を順次取替えて、液晶表示素子ごとに固有
の応答時間τに対して、フリッカの発生が少ない最適の
フレーム周波数Fを求める実験を行なった。
【0053】その結果、フレーム周波数Fと駆動時のフ
リッカの発生状況との間に、図3に示すような関係があ
るという結果を得た。
【0054】この実験結果から、フレーム周波数Fが80
[Hz]以上のときにはフリッカの発生はほとんど見受
けられず、概ね良好な画像表示が実現されることが確認
された。
【0055】そして従来技術に係る液晶表示素子のよう
に応答時間τが 300[ms]以上の場合では画像の変化
に追随することができない。これに対しては、液晶の組
成および液晶表示素子のセルギャップ等を調節して、応
答時間τを 300[ms]以下に設定すればよい。
【0056】また、この図3に示すような実験結果によ
れば、フレーム周波数Fが低く、かつ液晶の応答時間が
短いほど、フリッカの発生が顕著である。
【0057】しかしフレーム周波数Fが高いほど、液晶
表示装置の消費電力が大きく、またクロストークも顕著
となることが知られている。
【0058】そこで、さらに上記のような実験を重ね
て、フリッカの発生に加えてクロストークの発生状況を
調べ、フリッカの発生が顕著でなくしかもクロストーク
の発生も少なくなるような、応答時間τに対して最適の
フレーム周波数Fを求めた。
【0059】その結果、フレーム周波数Fを応答時間τ
に対して以下に示すように設定すれば、フリッカおよび
クロストークがさらに効果的に抑えられた階調表現を有
する画像が得られることが判明した。即ち、 200[ms]≦τ≦ 300[ms]のとき、 F= 80[Hz]、 150[ms]≦τ≦ 200[ms]のとき、 80[Hz]≦F≦ 100[Hz]、 100[ms]≦τ≦ 150[ms]のとき、 100[Hz]≦F≦ 120[Hz]、 80[ms]≦τ≦ 100[ms]のとき、 120[Hz]≦F≦ 140[Hz]、 τ≦ 80[ms]のとき、 140[Hz]≦F のようにフレーム周波数Fを設定する。
【0060】ところで、前述の応答時間τ(液晶の応答
特性)について簡略に説明する。
【0061】オン状態の透過率およびオフ状態の透過率
をノーマリブラック表示の場合にはそれぞれ 100および
0、ノーマリホワイト表示の場合にはそれぞれ 0および
100とする。
【0062】ノーマリブラック表示の場合で印加電圧を
オフ状態からオン状態に切替えた瞬間から液晶の透過率
が 0から90まで変化するまでに要する時間、またはノー
マリホワイト表示の場合では透過率が100 から10まで変
化するまでに要する時間をτonとし、その逆に、ノーマ
リブラック表示の場合で印加電圧をオン状態からオフ状
態に切替えた瞬間から液晶の透過率が100 から10まで変
化するまでに要する時間、またはノーマリホワイト表示
の場合では透過率が 0から90まで変化するまでに要する
時間をτoff として、応答時間τ=τon+τoff のよう
に表わされるものとする。
【0063】なお、本実施例では、LCD駆動回路10
は、液晶表示素子ごとに固有の応答時間τに対して最適
のフレーム周波数Fを求める実験を行なうためにフレー
ム周波数Fを可変としているが、たとえば本発明を用い
てフレーム周波数を設定した液晶表示装置を量産するよ
うな場合は、その液晶表示装置に組み込まれる液晶表示
素子に応じた最適のフレーム周波数Fを、その液晶表示
装置の駆動回路にあらかじめ設定しておく。
【0064】(実施例2)次に、上記の第1の実施例と
ほぼ同様な構成の液晶表示装置において、液晶表示素子
20として液晶セルの電極間隔dの値の設定を変えるこ
とで互いが異なった応答時間τを有するように設定され
た複数種類の液晶表示素子を用意し、駆動回路10の階
調数Nおよびフレーム周波数Fの設定を数種類の駆動条
件に変更して前記の複数種類の液晶表示素子を駆動さ
せ、液晶の応答時間τおよび階調数Nとフレーム周波数
Fとの関係がどのようなときにフリッカが発生するかを
調べる実験を行なった。
【0065】具体的には、液晶表示素子20として、 (1)電極間隔d=2.9 μm;応答時間τ= 80 msの
液晶表示素子 (2)電極間隔d=3.9 μm;応答時間τ=150 msの
液晶表示素子 (3)電極間隔d=5.5 μm;応答時間τ=300 msの
液晶表示素子 の 3種類の液晶表示素子を用い、また駆動回路の設定と
しては、フレーム周波数Fを40Hz程度から 300Hzま
で変化させ、そのそれぞれの場合について階調数Nを 8
階調、16階調、32階調の3 通りに変化させてテストパタ
ーンを表示させ、その表示品位を目視にて検証した。
【0066】その結果を別に図4から図6に示す。図中
に示した領域Aはフリッカが目立たず十分に実用に耐え
ることが確認された条件の領域を示しており、また領域
Bはフリッカが目立ち実用には耐え難いことが確認され
た条件の領域を示している。また、図中の×印で示した
プロットはフリッカが頻発して画面が激しく見辛くなっ
た点、Δ印で示したプロットはフリッカが少々見受けら
れ画面が少し見辛くなった点、Ο印で示したプロットは
フリッカがほとんど見受けられず良好な表示となった点
を示している。
【0067】このような実験結果を総合して、フレーム
間引き方式により階調表現を有する画像表示を行なう液
晶表示装置の総階調数N[階調]および液晶の応答時間
τ[ms]に対して、最適の画像表示が行なえるような
フレーム周波数F[Hz]を、F≧N/ 2τ+40、ただ
しF≧80のように設定すればよいという結論を得た。こ
こでF≧80という条件を付したのは、フレーム周波数F
が80[Hz]未満であると、フリッカが顕著に発生する
ということが前述の第1の実施例で確認されたからであ
る。
【0068】以上のようにフレーム周波数Fが設定され
た液晶表示装置を製作しテストパターンを表示させ目視
により表示画像の画質を検証したところ、表示された画
像にはフリッカやクロストークは見受けられず、高画質
な画像表示が実現されることが確認された。
【0069】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
液晶表示装置は、マルチプレックス駆動されフレーム間
引き方式により階調表示を行なう液晶表示装置およびそ
の駆動方法に好適で、液晶表示素子の応答特性や階調数
に応じてフレーム周波数を設定することにより、フリッ
カおよびクロストークの発生を抑えて高画質な画像表示
を実現する液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の構成を示すブロック
図。
【図2】本発明の液晶表示装置に用いられる液晶表示素
子の構造を示す断面図。
【図3】第1および第2の発明の液晶表示装置におけ
る、応答時間τとフレーム周波数Fとの関係を導き出す
ために行なった実験の結果を示す図。
【図4】第3の発明の液晶表示装置における、総階調数
Nと応答時間τとフレーム周波数Fとの関係を導き出す
ために行なった実験のうち、応答時間τ=80[ms]と
したときの結果を示す図。
【図5】第3の発明の液晶表示装置における、総階調数
Nと応答時間τとフレーム周波数Fとの関係を導き出す
ために行なった実験のうち、応答時間τ= 150[ms]
としたときの結果を示す図。
【図6】第2の発明の液晶表示装置における、総階調数
Nと応答時間τとフレーム周波数Fとの関係を導き出す
ために行なった実験のうち、応答時間τ=300 [ms]
としたときの結果を示す図。
【図7】従来の液晶表示装置に用いられるマトリックス
型液晶表示素子の電極構成を示す一部省略平面図。
【図8】従来の液晶表示装置のマルチプレックス駆動法
による駆動電圧を示す波形図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X−Yマトリクス電極を有する液晶表示素
    子と、前記液晶表示素子を駆動する駆動回路とを有する
    液晶表示装置において、 前記液晶表示素子の応答時間を 300[ms]以下に設定
    し、かつ前記液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆動
    させるフレーム周波数を80[Hz]以上に設定してなる
    駆動回路を具備することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】X−Yマトリクス電極を有する液晶表示素
    子と、前記液晶表示素子を駆動する駆動回路とを有する
    液晶表示装置において、 前記液晶表示素子の応答時間がτ[ms]であるとき、
    前記液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆動させるフ
    レーム周波数をF[Hz]とすると、前記応答時間τに
    対して前記フレーム周波数Fが、 200[ms]≦τ≦ 300[ms]のとき、 F= 80[Hz]、 150[ms]≦τ≦ 200[ms]のとき、 80[Hz]≦F≦ 100[Hz]、 100[ms]≦τ≦ 150[ms]のとき、 100[Hz]≦F≦ 120[Hz]、 80[ms]≦τ≦ 100[ms]のとき、 120[Hz]≦F≦ 140[Hz]、 τ≦ 80[ms]のとき、 140[Hz]≦F のように設定された駆動回路を具備することを特徴とす
    る液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 X−Yマトリクス電極を有する液晶表示
    素子と、前記液晶表示素子を駆動する駆動回路とを有す
    る液晶表示装置において、 前記液晶表示素子の応答時間がτ[ms]であるとき、
    前記液晶表示素子をフレーム間引き方式で駆動させるフ
    レーム周波数をF[Hz]、前記液晶表示素子に表現さ
    せる階調数をN[階調]とすると、前記応答時間τ、前
    記フレーム周波数F、前記階調数Nの関係が、 F≧N/ 2τ+40、ただしF≧80 のように設定された駆動回路を具備することを特徴とす
    る液晶表示装置。
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