JPH055300A - 繊維板の製造方法 - Google Patents
繊維板の製造方法Info
- Publication number
- JPH055300A JPH055300A JP18534591A JP18534591A JPH055300A JP H055300 A JPH055300 A JP H055300A JP 18534591 A JP18534591 A JP 18534591A JP 18534591 A JP18534591 A JP 18534591A JP H055300 A JPH055300 A JP H055300A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pva
- boric acid
- powder
- fiberboard
- borate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 性能の優れた有機質繊維板及び無機質繊維板
の湿式法による製造方法を提供する。 【構成】 硼酸水溶液または硼酸塩水溶液を含浸させた
PVA粉末をバインダーとして使用する湿式法による繊
維板の製造方法。
の湿式法による製造方法を提供する。 【構成】 硼酸水溶液または硼酸塩水溶液を含浸させた
PVA粉末をバインダーとして使用する湿式法による繊
維板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸音性,難燃性,耐湿性
の優れた天井材,壁材等の建築用板として用いられる無
機質繊維板及び防カビ性,耐湿性の優れた天井材,壁
材,畳床等の建築用板として用いられる有機質繊維板の
湿式法による製造方法に関する。
の優れた天井材,壁材等の建築用板として用いられる無
機質繊維板及び防カビ性,耐湿性の優れた天井材,壁
材,畳床等の建築用板として用いられる有機質繊維板の
湿式法による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、石綿,岩綿,鉱滓綿などを用いて
得られた無機質繊維板や木材チップ,パルプ,バガス,
古紙等を用いた有機質繊維板は、無機成分または有機成
分を水中に分散させた後、該分散液を金網スクリーン上
に流して水を切る方法(湿式法)により製造されてい
る。この場合、バインダーとしては、通常、でんぷん粉
末、ポリビニルアルコール(以下PVAと略称する)粉
末が用いられている。しかし、バインダーとしてでんぷ
んを用いた場合は、耐湿性,強度の劣化,カビの発生の
問題がある。一方、バインダーとしてPVAを用いた場
合は、繊維板を抄造した後の乾燥工程に於てPVAが溶
解し繊維板の表面へ移行する為、その特性が十分発現し
ないという問題がある。そこで湿式法における繊維板乾
燥時のPVAの繊維板表面への移行を抑制する方法が各
種試みられている。この代表例としては、PVA粉末と
硼酸又は硼酸塩の粉末とを併用して使用する方法がある
が、後者のみが先に水に溶解し抄造時に流出する為、多
量に使用しないと効果が現われ難しい(特開昭50−2
780号,同50−15869号,同50−59447
号,同51−20215号,同51−53070号参
照)。
得られた無機質繊維板や木材チップ,パルプ,バガス,
古紙等を用いた有機質繊維板は、無機成分または有機成
分を水中に分散させた後、該分散液を金網スクリーン上
に流して水を切る方法(湿式法)により製造されてい
る。この場合、バインダーとしては、通常、でんぷん粉
末、ポリビニルアルコール(以下PVAと略称する)粉
末が用いられている。しかし、バインダーとしてでんぷ
んを用いた場合は、耐湿性,強度の劣化,カビの発生の
問題がある。一方、バインダーとしてPVAを用いた場
合は、繊維板を抄造した後の乾燥工程に於てPVAが溶
解し繊維板の表面へ移行する為、その特性が十分発現し
ないという問題がある。そこで湿式法における繊維板乾
燥時のPVAの繊維板表面への移行を抑制する方法が各
種試みられている。この代表例としては、PVA粉末と
硼酸又は硼酸塩の粉末とを併用して使用する方法がある
が、後者のみが先に水に溶解し抄造時に流出する為、多
量に使用しないと効果が現われ難しい(特開昭50−2
780号,同50−15869号,同50−59447
号,同51−20215号,同51−53070号参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐湿
性,防カビ性の優れた繊維板の製造において、従来問題
のあった湿式法における繊維板乾燥工程におけるPVA
の繊維板表面への移行を抑制することにより、上記問題
点の改善を行うことにある。
性,防カビ性の優れた繊維板の製造において、従来問題
のあった湿式法における繊維板乾燥工程におけるPVA
の繊維板表面への移行を抑制することにより、上記問題
点の改善を行うことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、硼酸水溶液または硼
酸塩水溶液を含浸させたポリビニルアルコール粉末をバ
インダーとして用いることを特徴とする湿式法による繊
維板の製造方法を見出し、本発明を完成させるに到っ
た。本発明におけるPVAとしては通常のPVAまたは
各種変性PVAが使用しうるが、けん化度85モル%以
上,重合度1300以上のPVAがより好ましい。また
PVA粉末の形状は粒状,繊維状のいずれでも良いが、
現在最も多く生産されている粒状のものが好ましい。P
VAの粒径としては10メッシュパス〜30メッシュオ
ンの範囲が好ましい。PVAの粒径が上記範囲より大き
すぎるとPVA溶解後のバインダー分布にかたよりが生
じるので、効果が不十分となることがあり、一方PVA
の粒径が上記範囲より小さすぎると抄造時のPVAの歩
留が悪くバインダー効果が発現しなくなることがある。
PVAの使用量は繊維板に対して1〜10重量%が好ま
しい。PVAの使用量が1重量%未満では強度が不十分
であり、10重量%を超えるとバインダー性能が過大と
なることから必ずしも好ましくない。次に本発明におけ
る硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の溶質である硼酸また
は硼酸塩としては水に溶解可能なものであれば特に制限
はないが、高濃度に溶解するものがより好ましい。即ち
硼酸あるいは硼酸のアンモニウム,ナトリウム,カリウ
ム等の塩が好ましい。PVA粉末中に含浸させるべき硼
酸または硼酸塩の量は、固型分換算で、PVA100重
量部に対して1〜20重量部が好ましい。硼酸または硼
酸塩の量が1重量部未満では効果が小さく、20重量部
を超えると含浸が難しく、それ以上の効果は得られな
い。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の濃度はできるだけ
高濃度が好ましい。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液をP
VA粉末に含浸させる場合、可能な限り高温で含浸させ
る方が好ましい。尚本発明の繊維板の製造には必要に応
じて、クレー,炭酸カルシウム,タルク,シリカ,アル
ミナ,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の充填剤,
でんぷん,ポリエチレンイミン,フェノール樹脂,尿素
樹脂,メラミン樹脂等のバインダー,架橋剤,各種エマ
ルジョン,凝集剤等を併用してもよい。
解決するために鋭意検討した結果、硼酸水溶液または硼
酸塩水溶液を含浸させたポリビニルアルコール粉末をバ
インダーとして用いることを特徴とする湿式法による繊
維板の製造方法を見出し、本発明を完成させるに到っ
た。本発明におけるPVAとしては通常のPVAまたは
各種変性PVAが使用しうるが、けん化度85モル%以
上,重合度1300以上のPVAがより好ましい。また
PVA粉末の形状は粒状,繊維状のいずれでも良いが、
現在最も多く生産されている粒状のものが好ましい。P
VAの粒径としては10メッシュパス〜30メッシュオ
ンの範囲が好ましい。PVAの粒径が上記範囲より大き
すぎるとPVA溶解後のバインダー分布にかたよりが生
じるので、効果が不十分となることがあり、一方PVA
の粒径が上記範囲より小さすぎると抄造時のPVAの歩
留が悪くバインダー効果が発現しなくなることがある。
PVAの使用量は繊維板に対して1〜10重量%が好ま
しい。PVAの使用量が1重量%未満では強度が不十分
であり、10重量%を超えるとバインダー性能が過大と
なることから必ずしも好ましくない。次に本発明におけ
る硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の溶質である硼酸また
は硼酸塩としては水に溶解可能なものであれば特に制限
はないが、高濃度に溶解するものがより好ましい。即ち
硼酸あるいは硼酸のアンモニウム,ナトリウム,カリウ
ム等の塩が好ましい。PVA粉末中に含浸させるべき硼
酸または硼酸塩の量は、固型分換算で、PVA100重
量部に対して1〜20重量部が好ましい。硼酸または硼
酸塩の量が1重量部未満では効果が小さく、20重量部
を超えると含浸が難しく、それ以上の効果は得られな
い。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の濃度はできるだけ
高濃度が好ましい。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液をP
VA粉末に含浸させる場合、可能な限り高温で含浸させ
る方が好ましい。尚本発明の繊維板の製造には必要に応
じて、クレー,炭酸カルシウム,タルク,シリカ,アル
ミナ,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の充填剤,
でんぷん,ポリエチレンイミン,フェノール樹脂,尿素
樹脂,メラミン樹脂等のバインダー,架橋剤,各種エマ
ルジョン,凝集剤等を併用してもよい。
【0005】
【実施例】以下の実施例において特にことわりのない限
り、「%」および「部」とは、それぞれ「重量%」およ
び「重量部」を意味する。
り、「%」および「部」とは、それぞれ「重量%」およ
び「重量部」を意味する。
【0006】実施例1 PVA117S((株)クラレ製のPVA,重合度17
00,けん化度98.5モル%,粒子径100メッシュ
パス)粉末100部と80℃にて溶解した硼砂の13%
水溶液77部を80℃の温度を維持しながら、ニーダー
により30分間混和し、硼砂をPVA117S粉末中に
含浸させた後、一昼夜風乾して硼砂含浸PVA117S
サンプルを試作した。本サンプルの性能を確かめるた
め、次の試験を行なった。岩綿64g,上記試作硼砂含
浸PVA117S粉末4gを2リットルの水中に投入
し、20分間撹拌分散した分散液を100メッシュ金網
上に流し脱水後、プレスにより厚さ14mmの湿潤状態
の無機質繊維板を得た。これを更に170℃で90分間
乾燥することにより、比重0.39,表面硬度91,表
面から1mmの深さの位置の硬度89,表面から3mm
の深さの位置の硬度87の無機質繊維位置を得た。この
無機質繊維板を80℃の熱水中に投入したが、ふくれは
わずかであり、形くずれはなかった。
00,けん化度98.5モル%,粒子径100メッシュ
パス)粉末100部と80℃にて溶解した硼砂の13%
水溶液77部を80℃の温度を維持しながら、ニーダー
により30分間混和し、硼砂をPVA117S粉末中に
含浸させた後、一昼夜風乾して硼砂含浸PVA117S
サンプルを試作した。本サンプルの性能を確かめるた
め、次の試験を行なった。岩綿64g,上記試作硼砂含
浸PVA117S粉末4gを2リットルの水中に投入
し、20分間撹拌分散した分散液を100メッシュ金網
上に流し脱水後、プレスにより厚さ14mmの湿潤状態
の無機質繊維板を得た。これを更に170℃で90分間
乾燥することにより、比重0.39,表面硬度91,表
面から1mmの深さの位置の硬度89,表面から3mm
の深さの位置の硬度87の無機質繊維位置を得た。この
無機質繊維板を80℃の熱水中に投入したが、ふくれは
わずかであり、形くずれはなかった。
【0007】実施例2 PVA117H((株)クラレ製のPVA,重合度17
00,けん化度99.6モル%)の60メッシュパス粉
末100部と90℃にて溶解した硼砂の16%水溶液6
3部を90℃の温度を維持しながら、ニーダーにより3
0分間混和し、硼砂をPVA117H粉末中に含浸させ
たものをそのまま硼砂含浸PVA117Hサンプルとし
た。本サンプルの性能を確かめるため、実施例1と同じ
方法により、無機質繊維板を作製した。得られた無機質
繊維板の比重は0.40,表面硬度91,表面から1m
mの深さの位置の硬度89,表面から3mmの深さの位
置の硬度87の無機質繊維板を得た。この無機質繊維板
を80℃の熱水中に投入したが、ふくれはわずかであ
り、形くずれはなかった。
00,けん化度99.6モル%)の60メッシュパス粉
末100部と90℃にて溶解した硼砂の16%水溶液6
3部を90℃の温度を維持しながら、ニーダーにより3
0分間混和し、硼砂をPVA117H粉末中に含浸させ
たものをそのまま硼砂含浸PVA117Hサンプルとし
た。本サンプルの性能を確かめるため、実施例1と同じ
方法により、無機質繊維板を作製した。得られた無機質
繊維板の比重は0.40,表面硬度91,表面から1m
mの深さの位置の硬度89,表面から3mmの深さの位
置の硬度87の無機質繊維板を得た。この無機質繊維板
を80℃の熱水中に投入したが、ふくれはわずかであ
り、形くずれはなかった。
【0008】比較例1 硼砂を含浸していないPVA117S粉末を用いて実施
例1と同様の方法によりテストしたが、表面硬度86,
表面から1mmの深さの位置の硬度81,表面から3m
mの深さの位置の硬度75であった。
例1と同様の方法によりテストしたが、表面硬度86,
表面から1mmの深さの位置の硬度81,表面から3m
mの深さの位置の硬度75であった。
【0009】実施例3 PVACST((株)クラレ製のPVA,重合度170
0,けん化度96.0モル%)の100メッシュ粉末1
00部に90℃にて溶解した硼酸の20%水溶液50部
を90℃の温度を維持しながら、1時間噴霧混和し、硼
酸をPVACST粉末中に含浸させたものをそのまま硼
酸含浸PVACST粉末サンプルとして使用した。本サ
ンプルの性能を確かめるため、次の試験を行なった。グ
ランドパルプ100g,上記試作硼酸含浸PVACST
粉末6gを3リットルの水中に投入し、6分間撹拌分散
した分散液を20メッシュ金網上に流し脱水後、プレス
により厚さ20mmの湿潤状態の有機質繊維板を得た。
これを更に160℃にて2時間乾燥することにより、比
重の0.21,曲げ強度11.9Kg/cm2の軟質繊
維板を得た。
0,けん化度96.0モル%)の100メッシュ粉末1
00部に90℃にて溶解した硼酸の20%水溶液50部
を90℃の温度を維持しながら、1時間噴霧混和し、硼
酸をPVACST粉末中に含浸させたものをそのまま硼
酸含浸PVACST粉末サンプルとして使用した。本サ
ンプルの性能を確かめるため、次の試験を行なった。グ
ランドパルプ100g,上記試作硼酸含浸PVACST
粉末6gを3リットルの水中に投入し、6分間撹拌分散
した分散液を20メッシュ金網上に流し脱水後、プレス
により厚さ20mmの湿潤状態の有機質繊維板を得た。
これを更に160℃にて2時間乾燥することにより、比
重の0.21,曲げ強度11.9Kg/cm2の軟質繊
維板を得た。
【0010】実施例4 PVA224((株)クラレ製のPVA,重合度240
0,けん化度98.5モル%)の30メッシュ粉末10
0部に70℃にて溶解した硼酸アンモニウムの20%水
溶液40部を70℃の温度を維持しながら30分間噴霧
混合し、硼酸アンモニウムをPVA224粉末中に含浸
させたものをそのまま硼酸アンモニウム含浸PVA22
4粉末サンプルとして使用した。グランドパルプ100
g,上記試作硼酸アンモニウム含浸PVA224粉末5
gを3リットルの水中に投入し、6分間撹拌分散した分
散液を20メッシュ金網上に流し脱水後、プレスにより
厚さ20mmの湿潤状態の有機質繊維板を得た。これを
更に160℃にて2時間乾燥することにより、比重0.
20,曲げ強度11.8Kg/cm2の軟質繊維板を得
た。
0,けん化度98.5モル%)の30メッシュ粉末10
0部に70℃にて溶解した硼酸アンモニウムの20%水
溶液40部を70℃の温度を維持しながら30分間噴霧
混合し、硼酸アンモニウムをPVA224粉末中に含浸
させたものをそのまま硼酸アンモニウム含浸PVA22
4粉末サンプルとして使用した。グランドパルプ100
g,上記試作硼酸アンモニウム含浸PVA224粉末5
gを3リットルの水中に投入し、6分間撹拌分散した分
散液を20メッシュ金網上に流し脱水後、プレスにより
厚さ20mmの湿潤状態の有機質繊維板を得た。これを
更に160℃にて2時間乾燥することにより、比重0.
20,曲げ強度11.8Kg/cm2の軟質繊維板を得
た。
【0011】比較例2 硼酸塩を含浸していないPVA117S粉末を用いて実
施例3と同様の方法によりテストしたが、比重は0.1
8,曲げ強度4.3Kg/cm2と低い物性であった。
施例3と同様の方法によりテストしたが、比重は0.1
8,曲げ強度4.3Kg/cm2と低い物性であった。
【0012】
【発明の効果】硼酸水溶液または硼酸塩水溶液を含浸さ
せたPVA粉末をバインダーとして使用することによ
り、湿式法による繊維板抄造時に、硼酸または硼酸塩を
水中に流出させることなく湿潤繊維板を形成し、乾燥時
のPVAの溶解及び表面移行をコントロールし、PVA
本来の耐水性,強度,防カビ性の特徴を発揮させる等工
業的価値が極めて高い。
せたPVA粉末をバインダーとして使用することによ
り、湿式法による繊維板抄造時に、硼酸または硼酸塩を
水中に流出させることなく湿潤繊維板を形成し、乾燥時
のPVAの溶解及び表面移行をコントロールし、PVA
本来の耐水性,強度,防カビ性の特徴を発揮させる等工
業的価値が極めて高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、硼酸水溶液または硼
酸塩水溶液を含浸させたポリビニルアルコール粉末をバ
インダーとして用いることを特徴とする湿式法による繊
維板の製造方法を見出し、本発明を完成させるに到っ
た。本発明におけるPVAとしては通常のPVAまたは
各種変性PVAが使用しうるが、けん化度85モル%以
上,重合度1300以上のPVAがより好ましい。また
PVA粉末の形状は粒状,繊維状のいずれでも良いが、
現在最も多く生産されている粒状のものが好ましい。P
VAの粒径としては10メッシュパス〜300メッシュ
オンの範囲が好ましい。PVAの粒径が上記範囲より大
きすぎるとPVA溶解後のバインダー分布にかたよりが
生じるので、効果が不十分となることがあり、一方PV
Aの粒径が上記範囲より小さすぎると抄造時のPVAの
歩留が悪くバインダー効果が発現しなくなることがあ
る。PVAの使用量は繊維板に対して1〜10重量%が
好ましい。PVAの使用量が1重量%未満では強度が不
十分であり、10重量%を超えるとバインダー性能が過
大となることから必ずしも好ましくない。次に本発明に
おける硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の溶質である硼酸
または硼酸塩としては水に溶解可能なものであれば特に
制限はないが、高濃度に溶解するものがより好ましい。
即ち硼酸あるいは硼酸のアンモニウム,ナトリウム,カ
リウム等の塩が好ましい。PVA粉末中に含浸させるべ
き硼酸または硼酸塩の量は、固型分換算で、PVA10
0重量部に対して1〜20重量部が好ましい。硼酸また
は硼酸塩の量が1重量部未満では効果が小さく、20重
量部を超えると含浸が難しく、それ以上の効果は得られ
ない。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の濃度はできるだ
け高濃度が好ましい。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液を
PVA粉末に含浸させる場合、可能な限り高温で含浸さ
せる方が好ましい。尚本発明の繊維板の製造には必要に
応じて、クレー,炭酸カルシウム,タルク,シリカ,ア
ルミナ,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の充填
剤,でんぷん,ポリエチレンイミン,フェノール樹脂,
尿素樹脂,メラミン樹脂等のバインダー,架橋剤,各種
エマルジョン,凝集剤等を併用してもよい。
解決するために鋭意検討した結果、硼酸水溶液または硼
酸塩水溶液を含浸させたポリビニルアルコール粉末をバ
インダーとして用いることを特徴とする湿式法による繊
維板の製造方法を見出し、本発明を完成させるに到っ
た。本発明におけるPVAとしては通常のPVAまたは
各種変性PVAが使用しうるが、けん化度85モル%以
上,重合度1300以上のPVAがより好ましい。また
PVA粉末の形状は粒状,繊維状のいずれでも良いが、
現在最も多く生産されている粒状のものが好ましい。P
VAの粒径としては10メッシュパス〜300メッシュ
オンの範囲が好ましい。PVAの粒径が上記範囲より大
きすぎるとPVA溶解後のバインダー分布にかたよりが
生じるので、効果が不十分となることがあり、一方PV
Aの粒径が上記範囲より小さすぎると抄造時のPVAの
歩留が悪くバインダー効果が発現しなくなることがあ
る。PVAの使用量は繊維板に対して1〜10重量%が
好ましい。PVAの使用量が1重量%未満では強度が不
十分であり、10重量%を超えるとバインダー性能が過
大となることから必ずしも好ましくない。次に本発明に
おける硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の溶質である硼酸
または硼酸塩としては水に溶解可能なものであれば特に
制限はないが、高濃度に溶解するものがより好ましい。
即ち硼酸あるいは硼酸のアンモニウム,ナトリウム,カ
リウム等の塩が好ましい。PVA粉末中に含浸させるべ
き硼酸または硼酸塩の量は、固型分換算で、PVA10
0重量部に対して1〜20重量部が好ましい。硼酸また
は硼酸塩の量が1重量部未満では効果が小さく、20重
量部を超えると含浸が難しく、それ以上の効果は得られ
ない。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液の濃度はできるだ
け高濃度が好ましい。硼酸水溶液または硼酸塩水溶液を
PVA粉末に含浸させる場合、可能な限り高温で含浸さ
せる方が好ましい。尚本発明の繊維板の製造には必要に
応じて、クレー,炭酸カルシウム,タルク,シリカ,ア
ルミナ,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の充填
剤,でんぷん,ポリエチレンイミン,フェノール樹脂,
尿素樹脂,メラミン樹脂等のバインダー,架橋剤,各種
エマルジョン,凝集剤等を併用してもよい。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 硼酸水溶液または硼酸塩水溶液を含浸さ
せたポリビニルアルコール粉末をバインダーとして用い
ることを特徴とする湿式法による繊維板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185345A JP3016492B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 繊維板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185345A JP3016492B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 繊維板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH055300A true JPH055300A (ja) | 1993-01-14 |
JP3016492B2 JP3016492B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=16169168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3185345A Expired - Fee Related JP3016492B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 繊維板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3016492B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6294831B1 (en) | 1998-11-05 | 2001-09-25 | International Business Machines Corporation | Electronic package with bonded structure and method of making |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP3185345A patent/JP3016492B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6294831B1 (en) | 1998-11-05 | 2001-09-25 | International Business Machines Corporation | Electronic package with bonded structure and method of making |
US6562662B2 (en) | 1998-11-05 | 2003-05-13 | International Business Machines Corporation | Electronic package with bonded structure and method of making |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3016492B2 (ja) | 2000-03-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5089009B2 (ja) | サイジング済みセルロース繊維を使用する繊維セメント複合材料 | |
AU750400B2 (en) | Fire resistant compositions | |
CN108138492A (zh) | 适于用作屋顶盖板的轻质石膏纤维面板 | |
JP5029198B2 (ja) | 不燃複合板 | |
US3904539A (en) | Insulation having a reduced thermal conductivity | |
US6855753B1 (en) | Acoustical tile containing wet-strength resin | |
US8653164B2 (en) | Inorganic board and manufacturing method thereof | |
US7858005B2 (en) | Method for the production of fire-resistant wood fiber moldings | |
US5539028A (en) | Water-resistant fiberboard and method | |
JP2006069808A (ja) | 無機質板およびその製造方法 | |
US3001907A (en) | Manufacture of fire-retardant board | |
JPH055300A (ja) | 繊維板の製造方法 | |
KR100781822B1 (ko) | 락울 보드 | |
JPS60246251A (ja) | ケイ酸カルシウム成形物 | |
US5411793A (en) | Molded boards of calcium silicate and process for producing the same | |
WO1988010338A1 (en) | Formed calcium silicate plate and process for its production | |
JP2007331336A (ja) | 繊維板およびその製造方法 | |
JPS5929551B2 (ja) | 難燃性有機質繊維成型体の製法 | |
JP2006069807A (ja) | 無機質板およびその製造方法 | |
JPH0238720B2 (ja) | ||
JP2502236B2 (ja) | 不燃性シ―ト | |
JPH10101457A (ja) | セメントコンクリート接着性難燃化面材用シート | |
RU2120424C1 (ru) | Теплоизоляционная масса | |
JPS5870799A (ja) | 鉱物質繊維板の製造方法 | |
JPH0160600B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |