JPH055223A - 耐炎化繊維の製造方法 - Google Patents

耐炎化繊維の製造方法

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JPH055223A
JPH055223A JP14882991A JP14882991A JPH055223A JP H055223 A JPH055223 A JP H055223A JP 14882991 A JP14882991 A JP 14882991A JP 14882991 A JP14882991 A JP 14882991A JP H055223 A JPH055223 A JP H055223A
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JP
Japan
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flame
fiber bundle
fiber
fibers
bundle
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JP14882991A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Daiguuji
勤 大宮司
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 繊維束中に糸切れが殆んど存在しない耐炎化
繊維の製造方法を提供する。 【構成】 アクリロニトリル系繊維束に水溶性の高分子
化合物、更には200℃以下の温度でその50%以上が
完全に分解あるいは昇華する水溶性化合物を併用してな
る収束剤で処理後耐炎化処理して耐炎化繊維を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な耐炎化繊維の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐炎化繊維はその不燃性、耐化学薬品性
等から炭素繊維の原材料として、最近はアスベスト代替
繊維・不燃織物の原料としてその利用が急速に広まりつ
つある繊維である。耐炎化繊維及びそれから作られる炭
素繊維はその物性及び品質が年々向上してきており、最
近の炭素繊維はそのストランド強度が700kg/mm
2 を超えるものまで登場している。しかし、繊維束中を
見てみると糸切れが殆ど存在しない耐炎化繊維束や炭素
繊維束は極めて少ない。これは今までの耐炎化繊維の製
造方法が繊維に大きなストレスを与えやすいためである
と思われる。
【0003】従来の耐炎化繊維の製造方法は3,000
〜24,000フィラメント程度のポリアクリロニトリ
ル系繊維束を用いて、これを200〜300℃に加熱さ
れた酸化性気体が循環する耐炎化炉内に多数のローラー
により多数回往復させながら処理するものであった。こ
のような耐炎化繊維の製造方法は、処理時の温度や酸化
反応に伴う多量の発熱のために繊維間に融着現象が発生
すると、得られる耐炎化繊維の物性低下や、炭素繊維の
毛羽の原因となり、品質・性能等が大きく低下する。
【0004】そのため一般に処理時には炉内の循環風量
や風速を上げて繊維の蓄熱を除去したり、繊維を耐炎化
処理前に十分開繊してから処理するという方法がとられ
ている。しかしこのような方法をとると繊維にかなり強
い風が直接当たることになる上、単繊維状態で多数回ロ
ーラーで擦られるために繊維の切断(以下「単糸切れ」
という)が起こりやすい。特開昭58−214530号
公報では繊維束に流体による開繊処理や加撚処理を施し
た後耐炎化処理する方法が記載されているが、このよう
な方法では原料繊維束が十分開繊されている上に高速の
流体(水、空気等)を吹き付けるため繊維の単糸切れを
誘発しやすく、融着の防止法としてははなはだ不十分な
ものである。
【0005】また特開昭54−73999号公報には原
料繊維束に脂肪族の炭化水素を付与して耐炎化処理を行
なうことが明記されているが、この方法では付与する物
質が非水溶性であるため付与する際灯油等の非水溶媒を
必要とする。このため処理後の繊維はこれらの溶媒を含
むことになり、耐炎化工程で発火・爆発の危険がある
上、収束剤の特性からかこの耐炎化繊維を炭素繊維に転
換すると高強度・高弾性のものが得られにくい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記欠
点を克服する耐炎化繊維の製造方法、具体的には炭素繊
維を製造するに当たり非常に効率の良い、安全な耐炎化
方法で且それによって得られる耐炎化繊維からは十分な
性能を有する炭素繊維を製造することが可能な耐炎化処
理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、アクリロニトリル系繊維束を酸化性雰囲気中で加
熱し耐炎化繊維を製造するに際し、該繊維束に水溶性の
高分子化合物からなる収束剤を付与し、200℃以下の
温度で乾燥させること、更に好ましくは水溶性の高分子
化合物に200℃以下の温度でその50%以上が完全に
分解あるいは昇華する水溶性化合物を併用して200℃
以下で乾燥させてから耐炎化することにある。
【0008】本発明の水溶性高分子化合物からなる収束
剤としては天然物、半合成及び合成高分子化合物が考え
られる。そのなかで耐炎化処理工程中の重量減少物から
くるタール化問題等により以下のものが好ましい。具体
的には小麦、馬鈴薯、甘薯から作られるデンプン質のも
の、メチル化又はエチル化されたセルロース及び可溶性
デンプン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ
ビニルアルコール、ポリオキシエチレン、デキストラン
等である。
【0009】本発明で使用する200℃以下の温度でそ
の50%以上が分解あるいは昇華する水溶性化合物は、
例えば炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カル
バミン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモ
ニウム等のアンモニウム化合物が挙げられる。
【0010】上記収束剤の付与方法としては、上記水溶
性高分子物質を場合によっては更に水溶性化合物を0.
01〜20%程度の水溶液とし、ローラー等を用いて繊
維束をこの液中に通過させるか、又はこの液中にローラ
ーを浸しこのローラー接触により繊維束に液を付着させ
るかあるいはスプレー等を用いて繊維束にこの水溶液を
吹き付ける方法等が考えられる。収束剤の付着処理の
後、100℃以上200℃以下の温度で乾燥処理を行な
う。乾燥処理を行なわずに繊維束を耐炎化炉に導入する
と繊維が水分により可塑化するために繊維同士が互いに
融着し、この耐炎化糸の物性ばかりかこれを炭素繊維に
したとき大きく強度が低下する。
【0011】収束剤の乾燥方法は、耐炎化工程と同様に
熱風によって乾燥する方法又は乾燥温度に保持したロー
ラーに接触させる方法等が考えられる。原料繊維束に対
するこれらの収束剤の付着量は0.01〜20%程度望
ましくは0.5〜10%程度が必要である。繊維束に対
する付着量が、これより少ないと収束剤の効果がなく、
付着量がこれより多いと耐炎化反応に必要な酸素が供給
出来なくなり、耐炎化繊維が酸素不足の状態となるため
繊維物性が低下する。この耐炎化繊維から得られる炭素
繊維も分解反応が多くなるため物性がかなり低いものと
なる。
【0012】本発明の方法によれば繊維は収束剤によっ
て保護されているため、耐炎化炉内の熱風により単糸切
れ等のトラブルを起こさなくなるばかりか、多数のロー
ラーによる摩擦からも保護されることになる。従って得
られる耐炎化繊維は単糸切れや欠陥の少ない繊維にな
り、耐炎化繊維の物性及び外観が向上するばかりか、得
られる炭素繊維も物性及び外観が非常に良いものとな
る。
【0013】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1〜4 単糸デニール1.3d、フィラメント数12,000本
のポリアクリロニトリル系繊維束に種々の収束剤をそれ
ぞれ1%付与し乾燥した後、熱風循環炉中200〜26
0℃の温度で耐炎化処理を行なった。処理後の繊維の評
価結果を表1に示した。又得られた耐炎化糸を窒素雰囲
気中300〜600℃で焼成した後窒素雰囲気中120
0℃でさらに焼成し炭素繊維を得、その物性も同時に示
した。評価結果より、耐炎化後の単糸切れが少なく、そ
れから得られた炭素繊維の強度も高いことが判る。
【0014】比較例1 実施例1と同様にして、但し収束剤無しで耐炎化及び炭
素化した結果を表1に示した。得られた耐炎化繊維束に
は単糸切れが多く、またそれから得られた炭素繊維も強
度が低いものであった。 比較例2 実施例2と同様にして、但しメチルセルロースを付着し
た後、乾燥処理なしで耐炎化、炭素化を行なった。結果
を表1に示した。耐炎化繊維束は単糸切れが少なかった
が、繊維同士の融着が多く見られ、得られた炭素繊維の
強度は融着のため低い上に毛羽が多かった。
【0015】比較例3 実施例1と同様にして、但しデンプンの代りにポリブチ
レンを灯油に溶解したものをポリブチレンが繊維に対し
て1%となるように付着し、耐炎化、炭素化した。結果
を表1に示した。耐炎化繊維束は収束剤の効果で単糸切
れが少なかったが、炭素繊維の物性は耐炎化繊維に十分
酸素が行き渡らなかったため低いものであった。
【0016】
【表1】
【0017】実施例5〜8 単糸デニール1.3d、フィラメント数12,000本
のポリアクリロニトリル系繊維束に種々の収束剤をそれ
ぞれ1%付与し乾燥した後、熱風循環炉中200〜26
0℃の温度で耐炎化処理を行なった。処理後の繊維の評
価結果を表2に示した。又、得られた耐炎化糸を窒素雰
囲気中300〜600℃で焼成した後窒素雰囲気中12
00℃でさらに焼成し炭素繊維を得、その物性も同時に
示した。評価結果より、耐炎化後の単糸切れが少なく、
それから得られた炭素繊維の強度も高いことが判る。尚
添加した分解性化合物の量は高分子化合物と同量とし
た。
【0018】
【表2】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アクリロニトリル系繊維束を酸化性雰囲
    気中で加熱し耐炎化繊維を製造するに際し、該繊維束に
    水溶性の高分子化合物からなる収束剤を付与し、200
    ℃以下の温度で乾燥後耐炎化することを特徴とする耐炎
    化繊維の製造方法。 【請求項2】 繊維束に水溶性の高分子化合物と200
    ℃以下の温度でその50%以上が完全に分解あるいは昇
    華する水溶性化合物からなる収束剤を付与することを特
    徴とする請求項1記載の製造方法。
JP14882991A 1991-06-20 1991-06-20 耐炎化繊維の製造方法 Pending JPH055223A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194650A (ja) * 2000-12-19 2002-07-10 Toho Tenax Co Ltd 酸化繊維シート、圧縮酸化繊維シート、それらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法
JP2008231610A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐炎化炉及び耐炎化処理方法

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