JPH0552205A - ロータリアクチユエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配管工事が容易であり、スペースの問題が少
なく、操作がし易く、安全なロータリアクチュエータを
提供する。 【構成】 変換機構３を内蔵するケース本体４の両側
に、シリンダ部５とスプリング部６を固定したスプリン
グリターン式アクチュエータであって、シリンダ部５の
外方に偏心させて、シリンダ部５に軸線方向に移動不能
に装着しためねじ筒９におねじ軸８をねじ込み、シリン
ダ部５の内径部５ａに密接させて挿入した円板１１をお
ねじ軸８の内縁部８ａに固定し、めねじ筒９にハンドル
車１０の軸心部１０ａを固定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ボールバルブ、バタフ
ライバルブ等のバルブ類を回転操作するためのロータリ
アクチュエータに関し、特に、空気圧、油圧等を動力源
とするスプリングリターン式ロータリアクチュエータに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２は、この種の従来のスプリングリタ
ーン式ロータリアクチュエータの例を示す縦断面図であ
って、２１は、ピストンロッド２２の往復運動を出力軸
２３の回転運動に変換するスコッチヨーク式変換機構を
内蔵するケース本体であって、その一方の側にピストン
ロッド２２を往運動させるシリンダ部２４が固定してあ
り、他方の側にピストンロッド２２を復運動されるスプ
リング部２５が固定してある。このロータリアクチュエ
ータにおいて、シリンダ部２４に送入される空気圧、油
圧等の動力源が停電等によって供給されなくなった時に
シリンダ部に代って往運動を行わせるために用いる手動
操作装置２６が設けられており、この装置２６は、図２
に示すように、スプリング部２５に設けられている。こ
の手動操作装置２６を具体的に説明すると、ハンドル車
２７がおねじ軸２８の外端に固定してあり、おねじ軸２
８はシリンダ部２５の外部フランジ２９に固定しためね
じ筒３０にねじ込まれている。また、おねじ軸２８の内
端に形成した円板形頭部２８ａが、ピストンロッド３１
の一端に固定されたばね受け３１に固定された円筒部材
３２の底部３２ａの内側にある。

【０００３】ハンドル車２７を回転させておねじ軸２８
を回転させ、おねじ軸２８をシリンダ部２４から外方、
図の左方へ抜け出させると、円板形頭部２８ａが底部３
２ａに係合して円筒部材３２を左方へ引き寄せる。この
ため、ばね受け３１がスプリング３３を圧縮しながらピ
ストンロッド２２を左方へ移動させて往運動をさせる。
次に、ハンドル車２７を反対方向に回転させると、おね
じ軸２８は右方へ移動し、これに応じてスプリング３３
の弾発力によって円筒部材３２及びばね受け３１が右方
へ移動し、ピストンロッド２２を右方へ移動させて復運
動をさせる。

【０００４】なお、シリンダ部２４は、ピストンロッド
２２の他端にピストン３４が固定されていて、平常時に
は、ピストン３４がシリンダ３５の中でピストン３４の
右方の室に送られる空気圧、油圧等の動力源によって左
方へ移動させられて、ピストンロッド２２の往運動が行
われる。復運動はスプリング３３の弾発力による。

【０００５】このロータリアクチュエータでは、手動操
作用のハンドル車２７の位置がスプリング部２５の外方
であって、出力軸２３から遠く離れており、このため、
配管施工上問題となり、更にハンドル車２７を回転操作
すると、ハンドル車２７がおねじ軸２８と共に左方へ移
動するので、操作がし難いし、スペースの上でも問題に
なる。また、スプリング部２５に手動操作機構が組み込
まれているために、スプリング部２５の構造が複雑であ
って、カートリッジ式にすることができず、スプリング
部２５の分解や組立てが厄介であり、分解や組立ての際
にスプリング３３が跳ね出して人や器物を損傷する危険
性がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明のロータリアク
チュエータは、上記の従来のロータリアクチュエータが
有する配管施工上問題となり、操作がし難く、スペース
の上で問題になり、また、スプリング部をカートリッジ
式にできず分解、組立てが厄介である等の課題を解決す
るために開発したものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、次のように構成した。ピストンロッド
の往復運動を出力軸の回転運動に変換する変換機構を内
蔵するケース本体の一方の側に該ピストンロッドを往運
動させるシリンダ部を固定し、他方の側に該ピストンロ
ッドを復運動させるスプリング部を固定したスプリング
リターン式ロータリアクチュエータであって、該シリン
ダ部の外方部に該ピストンロッドに対して偏心させてお
ねじ軸を配設し、おねじ軸がねじ込まれためねじ筒をハ
ンドル車の軸心部に固定すると共に軸線方向には移動不
能にシリンダ部に装着し、おねじ軸の内端部に該シリン
ダ部の内径部に密接させて挿入した円板を固定した。

【０００８】この場合、該円板が高強度のプラスチック
製であったり、円板の外周面にＰＴＦＥなどの摩擦抵抗
が小さい樹脂製のリングを固定するのが好ましい。ま
た、おねじ軸の外方におねじ軸の外方への移動を制御す
るストッパ装置を設けるとよい。

【０００９】更に、スプリング部がスプリングケースに
スプリングを内蔵させたカートリッジ式であるとよく、
この場合、スプリング部のピストンロッドに結合させる
ばね受けが結合前にはスプリング部の固定フランジ部と
テーパはめ合い状態にするのが好ましく、スプリング部
のスプリングの少なくとも一方の端部に摩擦抵抗が小さ
い環状のスラスト軸受板を装入するとよい。

【００１０】

【作用】本発明のロータリアクチュエータは、上記のよ
うに構成したので、通常は、空気圧、油圧などの動力源
がシリンダ部に送入され、ピストンがケース本体の方へ
押されてピストンロッドが往運動させられる。次に、空
気圧、油圧などの動力源の送入が無くなると、スプリン
グ部のスプリングの弾発力によってばね受けが押され、
ピストンロッドが復運動させられる。このようなピスト
ンロッドの往復運動が、ケース本体に内蔵された往復運
動を回転運動に変換する変換装置によって、出力軸の回
転運動になり、ボールバルブ等のバルブの弁体のステム
を回転操作する。

【００１１】シリンダ部に送入される空気圧、油圧など
の動力源が停電等によって供給されなくなった場合に
は、ハンドル車を回転操作すると、ハンドル車の軸心部
に固定し軸線方向には移動不能にシリンダ部に装着した
めねじ筒が回転する。このめねじ筒にねじ込まれたおね
じ軸は、ピストンロッドに対して偏心させてシリンダ部
に装着されており、その内端部にシリンダ部の内径部に
密着させて挿入された円板が固定してあるので、この円
板は、外周をシリンダ部の内径部に内接しているが、中
心部の偏心した位置でおねじ軸に固定されているために
回転することができない。このためこの円板に固定され
たおねじ軸も回転することができず、めねじ筒の回転に
よって、軸線方向に移動し、ピストンロッドを押してピ
ストンロッドを往運動させる。次に、ハンドル車を反対
方向に回転させると、おねじ軸は反対方向に移動し、ピ
ストンロッドはスプリング部に内蔵したスプリングの弾
発力によって復運動させられる。

【００１２】この場合、円板はシリンダ部の内径部に密
接して往復運動をするので、円板を高強度プラスチック
製にするか円板の外周面にＰＴＦＥなどの摩擦抵抗の小
さい樹脂製リングを固定すると、円板の滑り運動が円滑
になり、シリンダ部の内径部を損傷しない。また、おね
じ軸の外方に設けたストッパ装置によっておねじ軸の外
方への移動を制限してこの位置までおねじ軸を移動させ
ておくと、スプリングの弾発力によるピストンロッドの
復運動の移動距離を、おねじ軸の内端部にピストンロッ
ドの外端部が当接することによって、制限することがで
きる。

【００１３】更に、スプリング部をスプリングケースに
スプリングを内蔵させたカートリッジ式にすると、スプ
リング部のケース本体への取付けや取外しが容易であっ
て、この際、スプリングが跳ね出して人や器物に損傷を
与えることがない。また、ピストンロッドに結合させる
ばね受けが、結合前にスプリング部の固定フランジ部と
テーパはめ合い状態になるようになっていると、結合前
にばね受けと固定フランジ部とが同心になっているの
で、結合の心出しが極めて容易である。また、スプリン
グ部のスプリングの少なくとも一方の端部に摩擦抵抗が
小さい環状のスラスト軸受板を装入すると、スプリング
の圧縮、伸長の際に生ずるスプリング両端部間の相対的
な回転運動を無理なく行わせることができる。

【００１４】

【実施例】図１は、本発明のロータリアクチュエータの
１実施例を示す縦断面図である。図１において、１はロ
ータリアクチュエータ、２はピストンロッド、３は変換
機構、４はケース本体、５はシリンダ部、６はスプリン
グ部であって、ロータリアクチュエータ１は、ピストン
ロッド２の往復運動を出力軸７の回転運動に変換する変
換機構３を内蔵するケース本体４の一方の側すなわち図
の右方の側にピストンロッド２を往運動させるシリンダ
部５を固定し、他方の側すなわち図の左方の側にピスト
ンロッド２を復運動させるスプリング部６を固定したス
プリングリターン式ロータリアクチュエータである。ま
た、８はおねじ軸、９はめねじ筒、１０はハンドル車、
１１は円板であって、シリンダ部５の外方部すなわち右
方部にピストンロッド２に対して偏心させておねじ軸８
を配設し、おねじ軸８がねじ込まれためねじ筒９をハン
ドル車１０の軸心部１０ａに固定すると共に、軸線方向
には移動不能にシリンダ部５に装着し、おねじ軸８の内
端部すなわち左端部にシリンダ部５の内径部５ａに密着
させて挿入した円板１１が固定してある。

【００１５】また、円板１１の外周面には、ＰＴＦＥ製
のリング１１ａが固定してある。更に、１２はストッパ
装置で、ねじ１２ａと固定用ナット１２ｂで構成されて
いる。

【００１６】１３はカートリッジ式のスプリング部で、
スプリングケース１３ａにスプリング１４を内蔵させて
ある。１５はばね受け、１６は固定フランジ部で、ばね
受け１５の突起部１５ａと固定フランジ部１６のくぼみ
部１６ａとは、カートリッジ１３をケース本体４に結合
させる前にははめ合い状態になるように形成されてい
る。更に、１７はスラスト軸受板で、スプリング１４の
少なくとも一方、この実施例では外方に、摩擦抵抗の小
さいＰＴＦＥ製の環状のスラスト軸受板１７が装入して
ある。

【００１７】次に、図１に示した本発明のロータリアク
チュエータの実施例について、その作用を説明する。通
常は、空気圧、油圧などの動力源がシリンダ部５に送入
され、ピストン１８がケース本体４の方へ押されてピス
トンロッド２が往運動させられる。次に、空気圧、油圧
などの動力源の送入が無くなると、スプリング部６のス
プリング１４の弾発力によってばね受け１５が押され、
ピストンロッド２が復運動させられる。このようなピス
トンロッド２の往復運動が、ケース本体４に内蔵された
往復運動を回転運動に変換する変換装置によって、出力
軸７の回転運動になり、ボールバルブ等を回転操作す
る。

【００１８】シリンダ部５に送入される空気圧、油圧な
どの動力源が停電等によって供給されなくなった場合に
は、ハンドル車１０を回転操作すると、ハンドル車１０
の軸心部１０ａに固定し軸線方向には移動不能にシリン
ダ部５に装着しためねじ筒９が回転する。このめねじ筒
９にねじ込まれたおねじ軸８は、ピストンロッド２に対
して偏心させてシリンダ部５に装着されており、その内
端部にシリンダ部５の内径部５ａに密着させて挿入させ
た円板１１が固定してあるので、この円板１１は、外周
をシリンダ部５の内径部５ａに内接しているが、中心部
の偏心した位置でおねじ軸８に固定されているために回
転することができない。このためこの円板１１に固定さ
れたおねじ軸８も回転することができず、めねじ筒９の
回転によって、軸線方向に移動し、ピストンロッド２を
押してピストンロッド２を往運動させる。次に、ハンド
ル車１０を反対方向に回転させると、おねじ軸８は反対
方向に移動し、ピストンロッド２はスプリング部６に内
蔵したスプリング１４の弾発力によって復運動させられ
る。

【００１９】この場合、円板１１はシリンダ部５の内径
部５ａに密接して往復運動をするので、円板１１の外周
面にＰＴＦＥ製のリング１１ａを固定すると、円板１１
の滑り運動が円滑であり、シリンダ部５の内径部５ａを
損傷しない。また、おねじ軸８の外方に設けたストッパ
装置１２によっておねじ軸８の外方への移動を制限して
この位置までおねじ軸８を移動させておくと、スプリン
グ１４の弾発力によるピストンロッド２の復運動の移動
距離を、おねじ軸８の内端部８ａにピストンロッド２の
外端部２ａが当接することによって、制限することがで
きる。

【００２０】更に、スプリング部６をスプリングケース
１３ａにスプリング１４を内蔵させたカートリッジ１３
にすると、スプリング部６のケース本体４への取付けや
取外しが容易であって、この際、スプリング１４が跳ね
出して人や器物に損傷を与えることがない。また、ピス
トンロッド２に結合させるばね受け１５の突起部１５ａ
が、結合前にスプリング部６の固定フランジ部１６に設
けたくぼみ部１６ａとテーパはめ合い状態になるように
なっているので、結合前にはばね受け１５と固定フラン
ジ部１６とが同心になっているので、結合が極めて容易
である。また、スプリング部６のスプリング１４の一方
の端部に摩擦抵抗が小さいＰＴＦＥ製の環状のスラスト
軸受板１７を装入したので、スプリング１４の圧縮、伸
長の際に生ずるスプリング１４の両端面間の相対的な回
転運動を無理なく行わせることができる。

【００２１】

【発明の効果】本発明のロータリアクチュエータは、次
のような優れた効果が得られる。手動操作用のハンドル
車の位置が比較的短いシリンダ部の外側であり、出力軸
から余り遠く離れていないので、配管施工が楽である。
このようにシリンダ部の外側に手動操作装置を設けて
も、ピストンロッドのストローク調整用のストッパを設
けることができる。また、ハンドル車は回転させても軸
線方向に移動しないので、操作が容易であり、スペース
上の問題が生じない。

【００２２】更に、スプリング部をカートリッジ式にす
ることができ、取付け、取外しが容易であり、取付け、
取外しの際にスプリングが跳ね出して人や器物を損傷さ
せることがない。また、スプリングの伸縮による両端の
相対的な回転が円滑に行われ、スプリングに無理がなく
寿命を縮めることがない。これらのため、配管工事が容
易であり、スペースの問題も少なく、操作がし易く、安
全なロータリアクチュエータを供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のロータリアクチュエータの１実施例を
示す縦断面図である。

【図２】スプリングリターン式ロータリアクチュエータ
の従来例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ ロータリアクチュエータ ２ ピストンロッド ３ 変換機構 ４ ケース本体 ５ シリンダ部 ６ スプリング部 ７ 出力軸 ８ おねじ軸 ９ めねじ筒 １０ ハンドル車 １１ 円板 １１ａ リング １２ ストッパ装置 １３ カートリッジ １３ａ スプリングケース １４ スプリング １５ ばね受け １６ 固定フランジ １７ スラスト軸受板

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピストンロッドの往復運動を出力軸の回
   転運動に変換する変換機構を内蔵するケース本体の一方
   の側にピストンロッドを往運動させるシリンダ部を固定
   し、他方の側にピストンロッドを復運動させるスプリン
   グ部に固定したスプリングリターン式のロータリアクチ
   ュエータであって、該シリンダ部の外方部にピストンロ
   ッドに対して偏心させておねじ軸を配設し、該おねじ軸
   がねじ込まれためねじ筒をハンドル車の軸心部に固定す
   ると共に軸線方向には移動不能にシリンダ部に装着し、
   おねじ軸の内端部にシリンダ部の内径部に密接させて挿
   入した円板を固定したことを特徴とするロータリアクチ
   ュエータ。
2. 【請求項２】 該円板が高強度プラスチック製であるこ
   とを特徴とする請求項１記載のロータリアクチュエー
   タ。
3. 【請求項３】 該円板の外周面にＰＴＦＥなどの摩擦抵
   抗が小さい樹脂製のリングを固定したことを特徴とする
   請求項１記載のロータリアクチュエータ。
4. 【請求項４】 該おねじ軸の外方におねじ軸の外方への
   移動を制限するストッパ装置を設けたことを特徴とする
   請求項１乃至請求項３記載のロータリアクチュエータ。
5. 【請求項５】 該スプリング部がスプリングケースにス
   プリングを内蔵させたカートリッジ式であることを特徴
   とする請求項１乃至請求項４記載のロータリアクチュエ
   ータ。
6. 【請求項６】 該スプリング部の該ピストンロッドに結
   合させるばね受けが結合前には該スプリング部の固定フ
   ランジ部とテーパはめ合い状態になることを特徴とする
   請求項５記載のロータリアクチュエータ。