JPH055193A - アルミニウム製缶体用脱脂液 - Google Patents

アルミニウム製缶体用脱脂液

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JPH055193A
JPH055193A JP289691A JP289691A JPH055193A JP H055193 A JPH055193 A JP H055193A JP 289691 A JP289691 A JP 289691A JP 289691 A JP289691 A JP 289691A JP H055193 A JPH055193 A JP H055193A
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liquid
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JP289691A
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Hiroyasu Ishikawa
博康 石川
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Takako Abe
貴子 阿部
Toshio Kikuchi
俊夫 菊池
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Mitsubishi Materials Corp
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/02Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
    • C23G1/12Light metals
    • C23G1/125Light metals aluminium

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 清涼飲料やビール等の容器として使用される
アルミニウム製缶体用の酸性脱脂液において、缶体の外
面に形成される化成皮膜の耐食性を高める。 【構成】 アルミニウム製缶体の脱脂に使用される酸性
脱脂液であって、硫化物あるいはSの酸化数が+2〜+
4であるオキシイオウ化合物から選択される一種以上の
物質を5〜1000ppm 含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清涼飲料やビール等の
容器として使用されるアルミニウム製缶体用の酸性脱脂
液に係わり、特に、缶体の外面に形成される化成皮膜の
耐食性を高めるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミニウム缶は、有底円筒状の
缶胴と、この缶胴の上端開口部に嵌合される円形の缶蓋
とから構成されており、この明細書中では、これら缶胴
と缶蓋をそれぞれ缶体と称する。
【0003】前記缶胴は、アルミ板を深絞り成形した
後、成形時に付着した潤滑油や汚れを脱脂工程で除去
し、化成処理を施して表面に耐食性および塗装性を高め
るための化成皮膜を形成したうえ、内面および外面を塗
装して製造されている。また缶蓋は、化成皮膜および塗
装を予めアルミ板に施した後、このアルミ板を打抜成形
して製造されている。
【0004】これら缶体の材質としては、従来より主
に、JISA3004、JISA5182等のアルミニ
ウム合金が使用されている。これら合金はAl を主組成
物とし、その他にMg,Mn,Cu を添加したもので、Cu
の含有量は0.2〜0.25wt%程度である。
【0005】従来使用されている酸性脱脂液の主なもの
は、硫酸と鉄イオン、硫酸と弗酸あるいはリン酸と硫酸
を主組成物とした水溶液であり、例えば特公昭50−2
1147号公報では、リン酸と硫酸を主組成物とし、界
面活性剤を適宜添加した脱脂液が開示されている。
【0006】一方、化成処理は通常、クロムまたはジル
コニウムのリン酸塩系溶液を用いて行なわれ、これによ
り厚さ数10〜数100オングストローム程度のリン酸
クロム系(Cr量8〜50mg/m2)またはリン酸ジルコニ
ウム系(Zr量5〜20mg/m2)の化成皮膜が缶体の表
面に形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のアル
ミニウム缶では、前記化成皮膜の耐食性が期待されるほ
ど高くなく、充填した内容物を加熱水で殺菌した際に、
缶底外面に黒色斑点状の腐食を生ずるなどの問題が指摘
されていた。このため、各種の分析法を用いてアルミニ
ウム缶の化学分析が行なわれてきたが、原因は判然とし
なかった。
【0008】本発明者らは、この原因を調べるために、
従来この種の研究にはあまり使用されていないXPS分
析(X線光電子分光分析法)を採用し、アルミニウム缶の
化成皮膜の構成元素の深さ方向分布を高精度に調べた。
【0009】その結果、化成皮膜の表層部および近傍
に、起源が不明なCu が比較的高濃度に含まれ、このC
u により化成皮膜の耐食性が阻害されている可能性があ
ることを発見した。例えば、通常のアルミニウム缶の化
成皮膜をXPSで分析した場合、その素材の清浄表面に
おいてCuの光電子カウント数は800〜2000cpsで
あるのに対し、化成皮膜の表層部ではその3〜4倍に達
するカウント数のCu が検出された。
【0010】そこで本発明者らは、缶体の成形から化成
処理に至る過程を全て再検討し、この化成皮膜中のCuが
どの過程に由来するものであるのかを詳細に調べた。そ
の結果、化成処理前の脱脂工程において、缶体から溶出
して蓄積したと考えられる極微量 (8〜35ppm)のCu
2+が酸性脱脂液中に検出され、このCu2+が缶体の表面
に再び析出を生じ、化成処理過程において化成皮膜がこ
のCu を取り込んだ形で形成されるという新規な事実が
明らかになった。このようなCu の混入により、化成皮
膜の緻密性が阻害され、さらに缶体のAlとCuが内部
電池を形成することにより耐食性が低下する原因となっ
ていたのである。
【0011】そこで本発明者らはさらに、脱脂液中のC
u2+濃度を低減することにより化成皮膜中のCu濃度を低
下させる実験を試み、酸性脱脂液中のCu2+濃度を3ppm
以下に低下させるとCuの析出量が大幅に低減されるこ
とを見出だした。
【0012】本発明はこの知見に基づいてなされたもの
で、化成皮膜の耐食性を高めることができるアルミニウ
ム製缶体用脱脂液を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】以下、本発明に係わるア
ルミニウム製缶体用脱脂液を具体的に説明する。本発明
の脱脂液は、通常の酸性脱脂液の組成に加えて、Cu2+
と反応して沈殿物を生じうる硫化物またはオキシイオウ
化合物(Sの酸化数が+2〜+4)から選択される一種
以上の化合物を5〜1000ppm 、より好ましくは50
〜500ppm含有したことを主たる特徴としている。
【0014】酸性脱脂液としての組成は、従来から使用
されているいかなる組成でもよい。以下に一例として硫
酸−リン酸系酸性脱脂液の一般的な組成を挙げる。 (1)硫酸: 0.5〜2wt% リン酸: 0.5〜1wt% 界面活性剤: 0.01〜0.2wt%
【0015】また、本発明は以下のような脱脂液組成に
も適用可能である。 (2)低温タイプ(処理液温50℃) SO4 2-: 6000ppm F: 100ppm 界面活性剤: 1200ppm インヒビター (Cr6+): 100ppm
【0016】(3)中温タイプ(処理液温70℃) SO4 2-: 16000ppm NO3 -: 1000ppm Fe: 1200ppm 界面活性剤: 2000ppm
【0017】(4)中温タイプ(処理液温70℃) SO4 2-: 6500ppm PO4 3-: 6500ppm Fe: 200ppm 界面活性剤: 1500ppm
【0018】(5)高温タイプ(処理液温80℃) SO4 2-: 3700ppm 界面活性剤: 100ppm インヒビター(Cr6+): 80ppm
【0019】一方、Cu2+と反応して沈殿を生じる前記
化合物を具体的に挙げると、硫化物としてはNa2S等の
アルカリ金属の硫化物や(NH4)2S等、オキシイオウ化
合物としてはNa225,Na224等が好適であ
る。
【0020】これら化合物の添加量は、前述したように
いずれの場合も5〜1000ppm程度、より望ましくは
50〜500ppm程度とされる。添加量が5ppmよりも少
ないと、脱脂中に脱脂液中のCu2+濃度が3ppmよりも高
くなり、缶体へのCu析出量が増して化成皮膜の耐食性
が低下する。また、添加量が1000ppmよりも高いと
コストがかかるうえ、過剰の前記化合物によって廃水処
理上の問題を生じるおそれがある。
【0021】なお、本発明の脱脂液を用いると、硫化銅
等の沈澱物が脱脂液中に生じるため、脱脂液の循環過程
において沈澱物をフィルタまたは沈殿槽等を用いて除去
することが望ましい。
【0022】また、脱脂中には時折、脱脂液中の前記硫
化物またはオキシイオウ化合物の濃度を測定し、もしも
濃度が不足していたら前記化合物を水溶液等の形で補充
することが望ましい。さらに、この場合、前記化合物が
生じるイオンに感応するイオン選択性電極等を用いて脱
脂液中の前記化合物濃度を連続的に計測し、所定の濃度
以下になったら自動的に化合物を添加する方法を採って
もよい。
【0023】本発明の脱脂液が適用される缶体の材質
は、従来使用されているいかなるものでもよく、例えば
前述したJISA3004やJISA5182が好適で
ある。例えばJISA3004は、以下の組成からな
る。 Al: 95.5〜98.2wt% Mg: 0.8〜1.3wt% Mn: 1.0〜1.5wt% Cu: 0.25wt%以下
【0024】また、本発明の脱脂液を用いる脱脂条件
は、同系統の従来の脱脂液と同様でよい。例えば、前記
(1)に示した硫酸−リン酸系脱脂液では、脱脂液を4
0〜90℃、望ましくは65〜75℃に保ち、缶体を1
0〜120秒間、望ましくは40〜60秒間脱脂すれば
よい。また、前記(2)〜(5)の脱脂液に関しては処
理温度のみを記載の温度に変更すればよい。いずれの脱
脂液を用いた場合にも、缶体に酸性脱脂液をスプレー状
に吹き付けて脱脂してもよいし、その他の脱脂方法を採
ってもよい。
【0025】本発明の脱脂液を用いてアルミニウム製缶
体の脱脂を行なえば、脱脂中に缶体から溶出するCu2+
前述した化合物とが反応し、難溶性の硫化物が生じて沈
殿し、脱脂液から除去されるため、常に脱脂液中のCu
2+濃度を3ppm 以下に維持することが可能である。これ
により、脱脂中にCu2+が缶体表面へ析出することが著
しく低減され、脱脂後に形成される化成皮膜中に取り込
まれるCuの量が低下するため、化成皮膜の耐食性、ひ
いてはアルミニウム製缶体の耐食性が、従来の脱脂液で
処理されたアルミニウム製缶体よりも大幅に改善され
る。したがって、脱脂後のアルミニウム缶へ内容物を充
填した後、加熱水殺菌工程 (パステライザー)を行なう
際に、未塗装の缶底部(ボトム部)に従来発生していた
黒色のしみ状腐食が効果的に防止できる。
【0026】なお、脱脂後の缶体に形成される化成皮膜
としては、従来と同様に、リン酸クロムまたはリン酸ジ
ルコニウム皮膜が好適であり、その皮膜量は厚さで10
0〜500オングストローム、蛍光X線による測定値に
よればCrあるいはZrとして3〜20mg/m2の皮膜量
であることが望ましい。
【0027】本発明の脱脂液を用いて処理されたアルミ
ニウム缶では、母材のアルミニウムと再析出した銅との
間に形成される極部電池作用による耐食性の劣化が除か
れ、また化成皮膜が緻密化して耐食性が向上するため、
従来の脱脂液を用いた場合には最低でも250オングス
トローム(=12mg/m2)必要であった化成皮膜量を、8
mg/m2以下に低減することも可能である。
【0028】このような化成皮膜は数十〜数百オングス
トロームの極薄膜であるが、その構成元素および不純物
含有量は、X線光電子分光法 (XPS)により定量可能
である。以下にXPSによる化成皮膜中のCu量の求め
方を説明する。
【0029】光電子強度は、原子の存在密度に比例する
値である。本発明者らは、X線源としてMgKαを使用
し、試料をArイオンにより一定速度でエッチングしつ
つ光電子強度を測定することにより、深さ方向の構成元
素の分布を調べた。
【0030】化成皮膜中のCuの存在量は、Cuの光電
子強度 (単位はcps)の最大値と、この時のバルク
(缶体の材質自体)のAlの光電子強度の比で表される。
このように表すのは、Cu原子は化成皮膜の一定深さで
最大光電子強度すなわち最大存在量を示すが、その深さ
は脱脂条件、化成条件、表面分析方法および測定条件、
試料面積等によって種々異なるからである。本発明者ら
の実験によると、化成皮膜の耐食性が良好であるCu/
Al光電子強度比の最大値は0.3以下、望ましくは
0.2以下であることが判明している。
【0031】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明の効果を説明す
る。 (比較例1)JISA3004材を用いて成形した缶胴
を、表1の組成からなる4種の脱脂液を用いて70℃で
60秒浸漬脱脂した。
【0032】
【表1】
【0033】次いでXPS分析装置を用い、缶胴のボト
ム部外面をArイオンでエッチングしつつ、Cu、Al、
O、Cの光電子強度を表2の条件で測定した。
【0034】
【表2】
【0035】表1のNo.4の脱脂液を用いた場合の結
果を図1に示す。この図から明らかなようにCuの光電
子強度は、Arイオンでエッチング開始数分後で極大値
をとり、Cu/Alの光電子強度比は0.9に達した。
【0036】(比較例2)比較例1と同じ脱脂処理を行
った缶胴を、表3に示すZr化成処理液に35℃で30
秒浸漬し、リン酸Zr系化成皮膜をZr量15mg/m2
の厚さで形成した。
【0037】
【表3】
【0038】次いでXPS分析装置を用い、缶胴のボト
ム部の外面をArイオンでエッチングしつつ、Cu、A
l、Zr、F、Pの光電子強度を表2の条件で測定し
た。表1のNo.4の脱脂液による結果を図2に示す。
この図から明らかなように、Cuの光電子強度はAr+
イオンによるエッチング開始数分後で極大値をとり、C
u/Al の光電子強度比は0.9に達した。
【0039】次に、上記の処理を行ったアルミニウム缶
胴のボトム部を75℃において30分間加熱水中に浸漬
し、黒色しみ状の腐食の発生状態を調べた。結果を表4
に示す。脱脂液中のCuイオン濃度が10ppmを越え
た条件では、明らかに耐食性の著しい低下がみとめられ
た。
【0040】
【表4】
【0041】(比較例3)比較例1と同じ脱脂処理を行
った缶胴を、表5に示すリン酸Cr化成処理液に35℃
で30秒浸漬し、リン酸Cr系化成皮膜をCrとして1
5mg/m2厚さで形成した。
【0042】
【表5】
【0043】次いでXPS分析装置を用い、缶胴のボト
ム部外面を、Arイオンでエッチングしつつ、Cu、A
l、Cr、F、Pの光電子強度を表2の条件で測定し
た。上記の処理を行ったアルミニウム缶胴ボトム部を、
75℃において30分間加熱水中に浸漬し、黒色しみ状
の腐食の発生状態を調べた。結果を表6に示す。脱脂液
中のCuイオン濃度が10ppmを越えた条件では、明
らかに耐食性の著しい低下がみとめられた。
【0044】
【表6】
【0045】(比較例4)JISA3004材を用いて
成形した缶胴を、表7の組成からなる脱脂液を用いて7
0℃で60秒間脱脂した。
【0046】
【表7】
【0047】次いで、表3に示したZr化成処理液に3
5℃で30秒浸漬し、リン酸Zr系化成皮膜をZr量1
5mg/m2の厚さに形成した。さらにXPS分析装置を用
い、缶胴のボトム部外面をArイオンでエッチングしつ
つCu、Al、O、Zr、F、Pの光電子強度を表2の
条件で測定した。上記の処理を行ったアルミニウム缶胴
ボトム部を、75℃において30分間加熱水中に浸漬
し、黒色しみ状の腐食の発生状態を調べた。結果を表8
に示す。脱脂液中のCuイオン濃度が10ppmを越え
た条件では、明らかに耐食性の著しい劣化がみとめられ
た。
【0048】
【表8】
【0049】(実施例)比較例1と同様の缶胴を、表9
の組成からなる脱脂液を用い、70℃で60秒間脱脂し
た。これらの脱脂液には、Cuイオンを硫化銅とし沈澱
させるために、当初存在したCu2+の10倍量のNa2
24が添加されている。
【0050】
【表9】
【0051】次に、表3に示したZr化成処理液に35
℃で30秒浸漬し、リン酸Zr系化成皮膜を形成した。
次いでXPS分析装置を用い、缶胴のボトム部外面をA
rイオンでエッチングしつつCu、Al、Zr、F、P
の光電子強度を表2の条件で測定した。結果を表10に
示す。この表から明らかなように、Cu/Alの光電子
強度比は0.2以下であった。上記の処理を行ったアル
ミニウム缶胴のボトム部を、75℃において30分間加
熱水中に浸漬し、黒色しみ状の腐食の発生状態を調べ
た。
【0052】その結果を表10に示す。当初Cu2+イオ
ン10ppm以上を含む脱脂液であっても、Na22
4を脱脂液中に添加することによりCu2+イオン量を大
きく低減でき、脱脂時における脱脂液からのAl缶への
Cuの再析出を抑制して、Al缶の耐食性を向上できる
ことがわかる。
【0053】
【表10】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるア
ルミニウム製缶体脱脂液によれば、缶体を脱脂する際
に、缶体表面からのAlの溶出に伴い缶体材料中から溶
出するCu2+を難溶性の硫化物として沈殿させて除去す
ることができるため、脱脂液中におけるCu2+濃度の上
昇を防ぎ、缶体表面へのCu析出量を低減することが可
能である。これにより、脱脂後の化成処理工程において
化成皮膜にCu原子が混入することによる化成皮膜の物
性劣化を防いで、最終的に得られるアルミニウム製缶体
の耐食性が大幅に向上できる。
【0055】また、化成皮膜の耐食性を高めた分、化成
皮膜を従来品よりも薄くして、アルミニウム製缶体の製
造コストが低下できる可能性も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を説明するためのグラフである。
【図2】本発明の効果を説明するためのグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 菊池 俊夫 静岡県駿東郡小山町菅沼1500番地 三菱マ テリアル株式会社アルミ缶開発センター内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルミニウム製缶体の脱脂に使用される
    酸性脱脂液であって、硫化物あるいはSの酸化数が+2
    〜+4であるオキシイオウ化合物から選択される一種以
    上の物質を5〜1000ppm 含有することを特徴とする
    アルミニウム製缶体用脱脂液。 【請求項2】 前記物質は、Na2S、(NH4)2S、Na2
    25、Na224から選択される一種または複数種で
    あることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム製缶
    体用脱脂液。 【請求項3】 前記酸性脱脂液は、リン酸、硫酸、およ
    びFe3 +を含有するリン酸系酸性脱脂液であることを特
    徴とする請求項1または2記載のアルミニウム製缶体用
    脱脂液。 【請求項4】 前記酸性脱脂液は、さらに界面活性剤を
    含有することを特徴とする請求項1、2または3記載の
    アルミニウム製缶体用脱脂液。
JP289691A 1991-01-14 1991-01-14 アルミニウム製缶体用脱脂液 Withdrawn JPH055193A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022019071A1 (ja) * 2020-07-20 2022-01-27 東洋製罐株式会社 アルミニウム製シームレス缶の洗浄方法及び洗浄装置

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