JPH055086A - 速効性静的破砕剤 - Google Patents
速効性静的破砕剤Info
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- JPH055086A JPH055086A JP41669090A JP41669090A JPH055086A JP H055086 A JPH055086 A JP H055086A JP 41669090 A JP41669090 A JP 41669090A JP 41669090 A JP41669090 A JP 41669090A JP H055086 A JPH055086 A JP H055086A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 生石灰を主成分とする水和膨脹性物質の粉末
をいったん圧縮して固めてから破砕し、得られた粒状体
を透水性の材料で棒状に包装して静的破砕剤とする。 【効果】 生石灰の理論水和量の40〜70%の水分を
与えて使用することにより、[てっぽう]現象を防い
で、30分程度の短時間で被破砕体に亀裂を生じさせる
ことができる。
をいったん圧縮して固めてから破砕し、得られた粒状体
を透水性の材料で棒状に包装して静的破砕剤とする。 【効果】 生石灰の理論水和量の40〜70%の水分を
与えて使用することにより、[てっぽう]現象を防い
で、30分程度の短時間で被破砕体に亀裂を生じさせる
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、岩石やコンクリ―トを
短時間で破砕する、速効性の静的破砕剤に関する。
短時間で破砕する、速効性の静的破砕剤に関する。
【0002】
【従来の技術】騒音や振動を伴うことなく安全に岩石や
コンクリ―トを破砕する手段として、被破砕体に穴を設
けて、その中に水和膨脹性の物質を充填して膨脹力によ
る破砕を待つ、静的破砕の技術が知られている。
コンクリ―トを破砕する手段として、被破砕体に穴を設
けて、その中に水和膨脹性の物質を充填して膨脹力によ
る破砕を待つ、静的破砕の技術が知られている。
【0003】従来、静的破砕剤に使用されている水和膨
脹性物質は、一般に生石灰を主成分とし、それに若干の
カルシウム・シリケ―ト、アルミネ―ト、あるいはアル
ミノフェライトなどが加わって、全体として水和の速度
を遅くしたものである。
脹性物質は、一般に生石灰を主成分とし、それに若干の
カルシウム・シリケ―ト、アルミネ―ト、あるいはアル
ミノフェライトなどが加わって、全体として水和の速度
を遅くしたものである。
【0004】静的破砕剤の代表的な使用法は、その粉末
に水を加えてスラリ―としたものを、岩石やコンクリ―
トにあけた穴に流し込むものである。 理論水和量の水
は、重量にして生石灰の32%、常用の静的破砕剤では
約30%に相当する。 好都合なことに、この量の水を
加えたスラリ―は、流し込むのに好適な流動性をもって
いる。
に水を加えてスラリ―としたものを、岩石やコンクリ―
トにあけた穴に流し込むものである。 理論水和量の水
は、重量にして生石灰の32%、常用の静的破砕剤では
約30%に相当する。 好都合なことに、この量の水を
加えたスラリ―は、流し込むのに好適な流動性をもって
いる。
【0005】ところが、スラリ―の流し込みには、水和
反応の急進に伴う急激な発熱がひきおこす水蒸気の発
生、その結果起るスラリ―噴出現象のおそれが内在して
いる。現場で「てっぽう」と呼ばれるスラリ―噴出は、
破砕の失敗を意味するばかりでなく、熱い強アルカリに
よる作業員の負傷という危険を招くので、何としても回
避しなければならない。
反応の急進に伴う急激な発熱がひきおこす水蒸気の発
生、その結果起るスラリ―噴出現象のおそれが内在して
いる。現場で「てっぽう」と呼ばれるスラリ―噴出は、
破砕の失敗を意味するばかりでなく、熱い強アルカリに
よる作業員の負傷という危険を招くので、何としても回
避しなければならない。
【0006】静的破砕剤の水和の速度を遅くすること
は、「てっぽう」の防止にとって有用であるが、一方
で、破砕作業をできるだけ短時間で終らせたいという希
望には反することになる。 これまで、スラリ―注入か
ら被破砕体に亀裂が入るまでには、16〜24時間を必
要としていた。
は、「てっぽう」の防止にとって有用であるが、一方
で、破砕作業をできるだけ短時間で終らせたいという希
望には反することになる。 これまで、スラリ―注入か
ら被破砕体に亀裂が入るまでには、16〜24時間を必
要としていた。
【0007】スラリ―に代えて、静的破砕剤の粉末をた
とえば錠剤形状に成形して穴の中に入れ、注水するとい
う手法もあり、これは発生した水蒸気を逃がすことによ
り「てっぽう」を防ぐことを意図したものであるが、水
蒸気が容易に通れるような空隙が残っていては、水和膨
脹圧力がそこで吸収され、高い破砕力を発揮することは
できない。
とえば錠剤形状に成形して穴の中に入れ、注水するとい
う手法もあり、これは発生した水蒸気を逃がすことによ
り「てっぽう」を防ぐことを意図したものであるが、水
蒸気が容易に通れるような空隙が残っていては、水和膨
脹圧力がそこで吸収され、高い破砕力を発揮することは
できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の現状を打開して、「てっぽう」現象の起
る危険が実質上なく、しかも30分程度の短時間で被破
砕体に亀裂を発生させることのできる、岩石やコンクリ
―トの速効性の静的破砕剤を提供することにある。
した従来技術の現状を打開して、「てっぽう」現象の起
る危険が実質上なく、しかも30分程度の短時間で被破
砕体に亀裂を発生させることのできる、岩石やコンクリ
―トの速効性の静的破砕剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の速効性静的破砕
剤は、岩石、コンクリ―トなどの被破砕体に穴をあけ、
その中に生石灰を主成分とする水和膨脹性物質を充填し
て膨脹圧力により破砕を行なう静的破砕剤において、水
和膨脹性物質の粉末をいったん圧縮して固めてから破砕
して得た粒状体を、透水性の材料で棒状に包装してなる
ことを特徴とする。
剤は、岩石、コンクリ―トなどの被破砕体に穴をあけ、
その中に生石灰を主成分とする水和膨脹性物質を充填し
て膨脹圧力により破砕を行なう静的破砕剤において、水
和膨脹性物質の粉末をいったん圧縮して固めてから破砕
して得た粒状体を、透水性の材料で棒状に包装してなる
ことを特徴とする。
【0010】水和膨脹性物質としては、重量で、 アルミナセメント:10〜20%(代表的には16
%)、 Ca(OH)2:2〜6%(代表的には4%)、および CaO:残部(代表的には80%) からなる組成物が有用である。 アルミナセメントにも
種類があるが、本発明の目的にとっては、12CaO・
7Al2O3が多量に含まれているものが好ましい。 C
aO分は、硬焼したもの(粗粒滴定法で4N−HCl消
費量が10分値80〜150cc)がよく、これに反応調
整剤(Ca++封鎖剤)を0.5〜3%添加すると、十分
なハンドリング時間をとることができる。
%)、 Ca(OH)2:2〜6%(代表的には4%)、および CaO:残部(代表的には80%) からなる組成物が有用である。 アルミナセメントにも
種類があるが、本発明の目的にとっては、12CaO・
7Al2O3が多量に含まれているものが好ましい。 C
aO分は、硬焼したもの(粗粒滴定法で4N−HCl消
費量が10分値80〜150cc)がよく、これに反応調
整剤(Ca++封鎖剤)を0.5〜3%添加すると、十分
なハンドリング時間をとることができる。
【0011】本発明の静的破砕剤の代表的な態様を示せ
ば、まず生石灰を主成分とする静的破砕剤の粉末混合物
を圧縮してブリケットないしペレットとし、これを粗砕
して、粒径1〜10mm程度の小塊状体とする。 粒径
は、密充填のためにはある程度ひろがりをもっている方
が有利であるが、各粒への水の浸透量を均一にするとい
う観点からは、揃っている方が好ましいので、この範囲
内で適当な分布を決定する。 得られた小塊を、たとえ
ばナイロンやポリプロピレンの不織布などでつくった透
水性の袋に詰めて、棒状に包装したカ―トリッジとす
る。 袋の寸法は、充填する穴の大きさや深さに従っ
て、適切にえらべばよい。
ば、まず生石灰を主成分とする静的破砕剤の粉末混合物
を圧縮してブリケットないしペレットとし、これを粗砕
して、粒径1〜10mm程度の小塊状体とする。 粒径
は、密充填のためにはある程度ひろがりをもっている方
が有利であるが、各粒への水の浸透量を均一にするとい
う観点からは、揃っている方が好ましいので、この範囲
内で適当な分布を決定する。 得られた小塊を、たとえ
ばナイロンやポリプロピレンの不織布などでつくった透
水性の袋に詰めて、棒状に包装したカ―トリッジとす
る。 袋の寸法は、充填する穴の大きさや深さに従っ
て、適切にえらべばよい。
【0012】このようにして用意した破砕剤カ―トリッ
ジの使用に当っては、まず水中に約10〜20秒間浸漬
して袋内の破砕剤に水を吸わせ、引き揚げて約1分間放
置し、水切りをする。 浸漬時間および水切り時間の選
択により、破砕剤中の生石灰の理論混水量の40〜70
%の水がカ―トリッジに保持されるように調節する。
ジの使用に当っては、まず水中に約10〜20秒間浸漬
して袋内の破砕剤に水を吸わせ、引き揚げて約1分間放
置し、水切りをする。 浸漬時間および水切り時間の選
択により、破砕剤中の生石灰の理論混水量の40〜70
%の水がカ―トリッジに保持されるように調節する。
【0013】ついで、このカ―トリッジを被破砕体にあ
けた穴に充填し、突き棒など適宜の用具を用いて突き固
め、密充填をはかる。 これにより、水和による膨脹力
を有効に被破砕体に伝達することがてきる。 突き固め
たら、シ―トをかけるなどして養生すること30分程度
で水和膨脹が起り、被破砕体に亀裂が発生する。
けた穴に充填し、突き棒など適宜の用具を用いて突き固
め、密充填をはかる。 これにより、水和による膨脹力
を有効に被破砕体に伝達することがてきる。 突き固め
たら、シ―トをかけるなどして養生すること30分程度
で水和膨脹が起り、被破砕体に亀裂が発生する。
【0014】
【作用】水和膨脹性物質の粉末をいったん圧縮して固め
てから破砕し、得られた粒状体を使用する理由は、ひと
つは主成分の生石灰に対して水が浸透しやすくなるため
であり、いまひとつは、副成分である水和促進剤および
(または)水和遅緩剤を主成分と均一に混合した粒を得
るためである。 生石灰の塊を破砕して、直接、粒状体
として適切な粒径のものにした場合、その粒の内部への
水の浸透が遅く、従って静的破砕に長時間を必要とす
る。 一方、水和促進剤を加えて水和を速めようとする
と、促進剤の粉末は大径の生石灰の粒の周囲に付着して
いるだけで緊密な混合物となっていないから、水を加え
たとき急激な水和が起ってハンドリングができなくなる
など、いずれにせよ水和が所望の速度で進行するように
コントロ―ルすることが困難である。
てから破砕し、得られた粒状体を使用する理由は、ひと
つは主成分の生石灰に対して水が浸透しやすくなるため
であり、いまひとつは、副成分である水和促進剤および
(または)水和遅緩剤を主成分と均一に混合した粒を得
るためである。 生石灰の塊を破砕して、直接、粒状体
として適切な粒径のものにした場合、その粒の内部への
水の浸透が遅く、従って静的破砕に長時間を必要とす
る。 一方、水和促進剤を加えて水和を速めようとする
と、促進剤の粉末は大径の生石灰の粒の周囲に付着して
いるだけで緊密な混合物となっていないから、水を加え
たとき急激な水和が起ってハンドリングができなくなる
など、いずれにせよ水和が所望の速度で進行するように
コントロ―ルすることが困難である。
【0015】本発明の好ましい態様においては、前記の
ように水和膨脹性物質の主成分として硬焼生石灰を使用
し、その微粉末に適量のアルミナセメントおよびCa(O
H)2と、Ca++封鎖剤とを混合し、混合物を圧縮して
固めたのち破砕して使用する。 硬焼生石灰は水和の遅
い物質であるが、微粉末にすることにより水和が容易に
なる。 アルミナセメントは急速に水和する物質であ
り、Ca(OH)2は、もはや水和しないから稀釈剤と
してはたらき、Ca++封鎖剤はCaOの水和を阻害す
る。 これらの促進作用と遅緩作用とを適切なバランス
で組み合わせ、しかも各成分を粉末の状態で均質に混合
することにより、水和膨脹性物質の水和速度を最適に調
節することができる。 粉末混合物の圧縮により固めた
ものを破砕して使用するのは、透水性材料で棒状に包装
したものを使用するに当り水に浸漬したとき、適当な量
の水が保持されて粒内に浸透するのに好都合だからであ
る。
ように水和膨脹性物質の主成分として硬焼生石灰を使用
し、その微粉末に適量のアルミナセメントおよびCa(O
H)2と、Ca++封鎖剤とを混合し、混合物を圧縮して
固めたのち破砕して使用する。 硬焼生石灰は水和の遅
い物質であるが、微粉末にすることにより水和が容易に
なる。 アルミナセメントは急速に水和する物質であ
り、Ca(OH)2は、もはや水和しないから稀釈剤と
してはたらき、Ca++封鎖剤はCaOの水和を阻害す
る。 これらの促進作用と遅緩作用とを適切なバランス
で組み合わせ、しかも各成分を粉末の状態で均質に混合
することにより、水和膨脹性物質の水和速度を最適に調
節することができる。 粉末混合物の圧縮により固めた
ものを破砕して使用するのは、透水性材料で棒状に包装
したものを使用するに当り水に浸漬したとき、適当な量
の水が保持されて粒内に浸透するのに好都合だからであ
る。
【0016】破砕剤中の生石灰の理論水和量に対して4
0〜70%の水を与えて被破砕体の穴に充填することに
より、生石灰の水和が迅速に、しかし部分的に行なわれ
る。破砕剤中の他の成分への水和ももちろん起るが、そ
の進行は生石灰の水和にくらべて遅いので、少なくとも
水和の初期において膨脹力を発揮するのは主としてCa
O→Ca(OH)2の変化である。 従って、この時点で
は生石灰の水和だけを問題にすればよい。 このように
制限された水が与えられただけで余分な水が存在しない
ため、発熱が急であっても、スラリ―を噴出させるほど
の水蒸気の発生はみない。 70%の上限は、「てっぽ
う」を生じさせない限界であり、40%の下限は、破砕
力を有効なレベルに到達させるに必要な水の限界であ
る。
0〜70%の水を与えて被破砕体の穴に充填することに
より、生石灰の水和が迅速に、しかし部分的に行なわれ
る。破砕剤中の他の成分への水和ももちろん起るが、そ
の進行は生石灰の水和にくらべて遅いので、少なくとも
水和の初期において膨脹力を発揮するのは主としてCa
O→Ca(OH)2の変化である。 従って、この時点で
は生石灰の水和だけを問題にすればよい。 このように
制限された水が与えられただけで余分な水が存在しない
ため、発熱が急であっても、スラリ―を噴出させるほど
の水蒸気の発生はみない。 70%の上限は、「てっぽ
う」を生じさせない限界であり、40%の下限は、破砕
力を有効なレベルに到達させるに必要な水の限界であ
る。
【0017】従来のスラリ―注入タイプの静的破砕剤に
おいては、水和の速度を遅くしてあるため、膨脹圧力の
増大がゆっくりとしか進まない。 岩石やコンクリ―ト
の破砕を実現するためには、膨脹圧力にして3000ト
ン/m2のレベルを要する、というめやすがあり、この
レベルに到達するのに、スラリ―を用いた場合は前記し
たように16〜24時間を要する。 一方、本発明によ
るときは、水和が急速に進行する結果、膨脹圧力の増大
が急で、30分程度で亀裂が入る。 水和膨脹性物質と
して、CaO+アルミナセメント+Ca(OH)2の組成
物を使用した場合、浸漬−水切りをして孔に充填した破
砕剤を突き固めた段階で、アルミナセメントとCa(O
H)2との反応のため急速な凝結と硬化が起る。 これ
は、「てっぽう」を防止する上で有効であるが、膨脹力
としては不足である。 続いて、反応調整剤により抑制
されていたCaOの水和が進行し、大きな膨脹が起り、
強い破砕力が働くようになる。
おいては、水和の速度を遅くしてあるため、膨脹圧力の
増大がゆっくりとしか進まない。 岩石やコンクリ―ト
の破砕を実現するためには、膨脹圧力にして3000ト
ン/m2のレベルを要する、というめやすがあり、この
レベルに到達するのに、スラリ―を用いた場合は前記し
たように16〜24時間を要する。 一方、本発明によ
るときは、水和が急速に進行する結果、膨脹圧力の増大
が急で、30分程度で亀裂が入る。 水和膨脹性物質と
して、CaO+アルミナセメント+Ca(OH)2の組成
物を使用した場合、浸漬−水切りをして孔に充填した破
砕剤を突き固めた段階で、アルミナセメントとCa(O
H)2との反応のため急速な凝結と硬化が起る。 これ
は、「てっぽう」を防止する上で有効であるが、膨脹力
としては不足である。 続いて、反応調整剤により抑制
されていたCaOの水和が進行し、大きな膨脹が起り、
強い破砕力が働くようになる。
【0018】
【実施例】硬焼生石灰を粉砕して平均粒径44μmの微
粉末とした。 これに少量のCa++封鎖剤を加えたもの
を80重量部、アルミナセメント「デンカAC−No.
1」16重量部、およびCa(OH)24重量部を混合
し、加圧力25トンのブリケットマシンでプレスして長
径約15mmのア―モンド状ペレットに成形した。 こ
のペレットを粗砕してふるい分け、径1〜10mmの部
分を集めた。
粉末とした。 これに少量のCa++封鎖剤を加えたもの
を80重量部、アルミナセメント「デンカAC−No.
1」16重量部、およびCa(OH)24重量部を混合
し、加圧力25トンのブリケットマシンでプレスして長
径約15mmのア―モンド状ペレットに成形した。 こ
のペレットを粗砕してふるい分け、径1〜10mmの部
分を集めた。
【0019】これを、ナイロン製不織布を熱融着により
袋状にしたものに充填し、外径55mm×長さ200m
mのカ―トリッジにした。
袋状にしたものに充填し、外径55mm×長さ200m
mのカ―トリッジにした。
【0020】破砕剤カ―トリッジをかごに入れ、約20
℃の水中に10秒間ほど浸漬した。引き揚げて60秒間
放置し、水切りをした。 この時点の吸水量は、破砕剤
中の生石灰の理論水和量に対して50%であった。
℃の水中に10秒間ほど浸漬した。引き揚げて60秒間
放置し、水切りをした。 この時点の吸水量は、破砕剤
中の生石灰の理論水和量に対して50%であった。
【0021】破砕試験用の石灰岩供試体(長さ1.5m
×幅1.0m×高さ1.0m)に径65mm×深さ70
0mmの孔を6個設け、その中に吸水量を調節したカ―
トリッジを入れ、突き棒でついて密充填した。1本の穴
に各8本のカ―トリッジが充填された。 シ―トをかぶ
せて養生すること15分ほどで多少の水蒸気の発生をみ
たが、「てっぽう」現象は起らず、25分後には隣接し
た孔を結んで、幅10mmほどの亀裂が生じた。
×幅1.0m×高さ1.0m)に径65mm×深さ70
0mmの孔を6個設け、その中に吸水量を調節したカ―
トリッジを入れ、突き棒でついて密充填した。1本の穴
に各8本のカ―トリッジが充填された。 シ―トをかぶ
せて養生すること15分ほどで多少の水蒸気の発生をみ
たが、「てっぽう」現象は起らず、25分後には隣接し
た孔を結んで、幅10mmほどの亀裂が生じた。
【0022】
【発明の効果】本発明の速効性静的破砕剤を使用すると
きは、従来よりはるかに短い時間で被破砕物に亀裂が発
生し、破砕所要時間を短縮できる。 破砕結果が短時間
であらわれるということは、追加や修正の破砕作業を直
ちに実施できることを可能にし、これらがあいまって全
体の工期を大いに短縮できる。 これが工費の低減に寄
与することは、いうまでもないであろう。 「てっぽ
う」現象の心配がないことは、作業員の安全にとって決
定的に重要である。
きは、従来よりはるかに短い時間で被破砕物に亀裂が発
生し、破砕所要時間を短縮できる。 破砕結果が短時間
であらわれるということは、追加や修正の破砕作業を直
ちに実施できることを可能にし、これらがあいまって全
体の工期を大いに短縮できる。 これが工費の低減に寄
与することは、いうまでもないであろう。 「てっぽ
う」現象の心配がないことは、作業員の安全にとって決
定的に重要である。
【0023】本発明の速効性静的破砕剤はカ―トリッジ
タイプで取扱いやすく、スラリ―のように混練、注入の
必要がなく、どの方向にあけた穴にも充填できる。
タイプで取扱いやすく、スラリ―のように混練、注入の
必要がなく、どの方向にあけた穴にも充填できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八下田 茂 栃木県安蘇郡葛生町中央東二丁目6番19号
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 岩石、コンクリ―トなどの被破砕体に穴
をあけ、その中に充填して水和がひきおこす膨脹圧力に
より破砕を行なう静的破砕剤において、生石灰を主成分
とする水和膨脹性物質の粉末をいったん圧縮して固めて
から破砕して得た粒状体を、透水性の材料で棒状に包装
してなることを特徴とする速効性静的破砕剤。 【請求項2】 水和膨脹性物質として、アルミナセメン
ト:10〜20重量%、Ca(OH)2:2〜6重量%を
含有し、残部が実質上CaOである組成物を使用した請
求項1の速効性静的破砕剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41669090A JPH055086A (ja) | 1986-07-28 | 1990-12-29 | 速効性静的破砕剤 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61177431A JPS6333488A (ja) | 1986-07-28 | 1986-07-28 | 静的破砕方法および速効性静的破砕剤 |
JP41669090A JPH055086A (ja) | 1986-07-28 | 1990-12-29 | 速効性静的破砕剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61177431A Division JPS6333488A (ja) | 1986-07-28 | 1986-07-28 | 静的破砕方法および速効性静的破砕剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH055086A true JPH055086A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=26497970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41669090A Withdrawn JPH055086A (ja) | 1986-07-28 | 1990-12-29 | 速効性静的破砕剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH055086A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006272088A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 静的破砕用スティックの吸水方法及び吸水装置 |
JP2006326535A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 静的破砕用スティックパック及び静的破砕用スティックの吸水方法 |
JP2015042818A (ja) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 太平洋マテリアル株式会社 | 静的破砕装置、コンクリート処理方法 |
-
1990
- 1990-12-29 JP JP41669090A patent/JPH055086A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006272088A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 静的破砕用スティックの吸水方法及び吸水装置 |
JP2006326535A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 静的破砕用スティックパック及び静的破砕用スティックの吸水方法 |
JP2015042818A (ja) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 太平洋マテリアル株式会社 | 静的破砕装置、コンクリート処理方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19930902 |